厳冬期逆戻り サギダル尾根敗退
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- GPS
- 02:44
- 距離
- 1.4km
- 登り
- 181m
- 下り
- 180m
コースタイム
過去最短敗退記録を樹立! 。。泣
天候 | 終日吹雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
今まで何度か取り付きましたが、一番悪かったです。下部はもなか雪。急斜面からかつてない硬さでした。前爪が滑るなんてのは初めて。磨耗したアイゼンの爪は研がないといけませんね。 去年楽にとれた潅木の支点が、雪が深いため枝が細く撮りづらいです。スノーバー一人一本必須だと思います。同様に去年はなかったナイフリッジ状が出来ており、そこに立つとカール側からの強風をモロに受けるので恐怖感あります。コンテで突っ込んで失敗でした。早めにスタカットにすべきでしょう。 |
写真
感想
一番いい雪山の時期に忙しくなってしまい、1月以上ぶりの山行。
山から遠ざかってはいたが、去年敗退した「プチアルパイン」のサギダル直登、そこから宝剣の縦走は去年から思い描いていたプラン。核心の岩場の写真を見たり、2パーティーでの安全登攀等、いろいろとシミュレーションしていた。
そして今回こそは、ある程度の悪天でも覚悟を持って望もう。。そう強い決意を持って挑んだはず、、だったのだが〜〜〜(笑)
前回の地点にも行かずに撤退判断でした。もう笑うしかないです。以下、感想をポイントごとに。
■別の山でした。。
去年の4月上旬。同ルートで挑んだが、雪が付いた岩場でビビッて退却。今回はそこの核心を越えるべく策を準備していたが。。そこにいくまでも困難な状況でした。
滑ったらあっという間に止まらないスピードになる急な雪面。自分がアイゼンの前爪を研いでないせいもあるが、蹴りこんでもズルズルするほどの硬さがあった。ダブルアックスで支えてどうにかしたが、これも撤退判断材料の一つ。
2つ目は、雪の多さ。今年は雪が少ないとずっと言われていたが、ここ最近のドカ雪で同時期としては去年より多い状況。当てにしていた潅木でのビレーがしずらい。埋っている分、枝が細いからだ。ピッチの支点にするには最低でも3cmはほしいところだが、少なかった。
3点目、これが決定的だが天候が厳しすぎた。。
撤退地点は、去年は見た覚えがないナイフリッジ状の場所だが、ここに立つとカール側からの風がもろにくる。稜線に近い状態で、何度か煽られてバランスを崩し恐怖を感じましたね。。思わずナイフリッジにまたがりました(笑)
■装備は考えさせられる
かなり十分な装備で望んだつもりだ。4人中3人はダブルアックス。カラビナ・スリングは十分な数。念には念を入れてカム、ナッツにハーケン。
ただ、岩に辿り着く前のこの硬い雪面では、そんなものよりとにかくスノーバーがたくさん欲しかった。2本あったが、4人のセルフを取るので精一杯。一人一本あれば随分安心感が違ったのでは、と思う。それもザックとかに着けててはダメで、核心部に入る前に常に出せる位置にないと意味がない。カッティングして足場を作るにも、セルフビレーがあるのとないのとでは全然作業の効率が違う。
■乗越浄土パーティー
今回は、アルパイン組4名と一般ルート組3名で別れての行動だった。プランではアルパイン組が早めに出て、宝剣山荘あたりで落ち合って木曽駒ピストンを一緒にするプランだった。が、我々が早々に敗退したために、もう一方のパーティーのほうが行動時間は長くなった。この日は悪天で、八丁坂ルートに行ったのは3パーティーのみ。ラッセルもあったようで、稜線についてからの折り返し下山はホワイトアウトだったようだ。ホワイトアウトって言葉、案外よく聞くが実際はなかなか味わえないものだ。岩が少しでもあれば、ルートの目安になるのでホワイトアウトではない。実際、サギダルルートでは視界は悪くなっても、どこかしら岩が見えるのでその状況は無かった。ただ、カール地形では一面の雪で、岩場が離れているとこの状況が容易に発生しやすい。自分もshin-wとともに下山サポート隊として、八丁坂方向に向かったのだが、真っ白の世界に陥った。距離感もつかめず怖いと思います。。
携帯で連絡が取れなかった一般ルート隊とも合流でき、全員無事帰還。みんな案外落ち着いてました。(自分は、ちょいと心配してましたが。。)
■次回の糧に。
堅雪時の登攀、いろいろ考えさせられる事は多く勉強にはなりました。毎回変わるルートのコンディション、これにあたふたせず適切な対応が出来る、そんなスキルを備えていきたいと強く思いました。
あとは、、、やっぱ寒波男がいるな〜(笑) マイナス17℃。いくら安全地帯が近いといっても吹雪の中突っ込むのはリスクがありますね。
サギダル敗退。
前回のポイントにも届かず、核心前の撤退。
とはいえ、今の我々では、このコンディションでのアタックはリスク高い状況に堕ちる可能性があり、
撤退で良かったと思う。
撤退時、懸垂のための支点準備をしていたのだが、これが結構大変でした。
懸垂地点は、動画にあるとおり斜面の岩場。
クラストした斜面で、足場は不安定で、常に脚に負荷が掛かった状態。
強風もあり、長時間の作業は避けたい状況。
支点は、岩場の下部に数m経のワイヤーが一部露出していて、潅木とあわせて2ヶ所作ったのだが、
オートロック式カラビナ使った所、グローブを装着した状態では、扱い難い。
さらに前かがみの状態で、一眼レフを首から下げていると、手元が見えづらい。
面倒くさくなって、グローブを外したところ
アックスのリーシュが吹っ飛ぶ惨事(あとから回収出来ましたが)。
普段であればなんとも無い作業なのですが、
今回のような状況だと、準備の仕方は考えないと駄目だと思いました。
クラスト斜面は、懸垂の時は準備は大変でしたが、
登っている時のアックスがキマる瞬間、アックスを支えに身体を押し上げて行く感じは
気持ちいいですね。
ただ、天候がもう少し良ければ。。。
すごいなぁー、感心しきりです。
敗退とはいえ大したものです。大変勉強になりました。
レベルが違いすぎて、コメントできませんね。
「ホワイトアウト」は私たちも同じでしたが。
shin-wさん、動画撮影ご苦労様です、命がけですね。
過酷な条件下でのTRY、お疲れ様でした。&無事下山、本当によかったです。
しかし、風がハンパないですねえ。
体感気温も相当なものだったのでは???
下山に至る確かな技術に大拍手
本当に勉強になりました。
(私たちは「歩き系」なので、こんなハードなことはできませんが)
図々しくも質問ですが、オーバー手は何をお使いですか?
是非教えて下さいませ。
いや〜、尻尾を巻いて逃げてきましたよ(笑)
今回は前半、shin-w撮影、後半stkで撮影でした^
ホントは行くべきコンディションでは無かったですが、山から遠ざかっていて何もせずに帰れるか!という心理が働いてしまいました。。ツアーにお金払って中止なんてたまるか!ってのと同じパターンですね(笑)危険です。。
この日はどこも悪コンディションでしたね。帰りの中央から山という山に濃いガスがかかっていました。
歩き系といいつつ、最近ロープ使うところいかれてますね〜〜^
動画で見ると寒そうですが、雪山としては普通な感じでしたね。ビデオのウインドカットという風の音を抑える機能があるのですが、、全く効きませんね(笑)
手袋はMAMMUTのDRYTECHを使ってます。今回手が冷たくなることはありませんでした。
http://item.rakuten.co.jp/naturum/971793/
グローブで1万以上出したのは初めてでした。まぁ3万くらいのもあるようですが
MAMMUTのDRYTECHですか。メモメモ
今週末丹沢のついでに神保町へ行くので、探してみます。
この状況下でOKだったってことは、かなり期待大
私たち基本「歩き系」なんですけど、行きたいルートによっては、
「確保技術」が必要なケースが増えてきて...。
なかなか身に着かないんですけど、地道に頑張ります。
これも安全&無事下山のためですし。
またいろいろ教えて下さいね
バタバタしていて、書き込みできませんでした。
コメありがとうございます。
今回は天気に恵まれない状況でしたが、行動時間が短かったので
苦労はあまりせずに、駄目だね。で終わった感じかもしれません。
「歩き系」ですか、、、自分も「クライマー」と「ハイカー」で分けると
どっちも楽しいですが、「ハイカー」のほうが比重高いかな。
今回の山行だと全然そんな感じじゃないですが
お初の方がいらっしゃいますが、まとめてこんばんわです。笑
写真も感想も読み入っちゃいました!
(大阪からだとアルプスの中では中央アが一番行きやすいのもあって、前より真剣に読んでます。笑)
サギタルの頭、前から名前がかっこよくていいなと思ってるんですが、今回は確かに早い撤退ですね。
でも私もその前の週の八ツでクラスト状態のトラバースの怖さを経験したり、最近周りの地形が全く分からないガス山行続きなので、かなり感情移入して拝読。
ザイルワークは実地ではやったことないので具体的にはよく分かりませんが、きっと楽しいんでしょうね。
でもstkさんは確か昨年は敗退敗退敗退だった記憶が・・。
寒波男はどなたでしょ
サギダル行かれたのですね〜
そういえば、以前リベンジを誓ってましたもんね(笑
結果は敗退でしたが、やはり自然の力は脅威です。
確かにサギダルの辺りはいわばが多いので、ホワイトアウトにはなり辛いですが、カールは怖いですね。
行きなれた場所ですが、カールでホワイトアウトになったら正直不安です。
stkさんもう1度リベンジしないですかね〜?
そしたら、stkさんに合わせて、復帰初戦を中央アルプスにしようかと
ずいぶんと遅いレスになってしまいましたがどうも〜
ここのとこ山男らしからぬ仕事漬けの日々をおくってましたもんで(笑)
中央アルプス近いのならぜひ行かれたほうがいいですよ〜
このエリアは好きですが、まだ開拓の余地はありますね。サギダルは恥ずかしい記録ばかりで恥ずかしい限りです
そーいや去年3連敗でしたね。忘れてたのに(笑)
寒波男は、、fujimoという事にしておきます。2連敗中なので
今回は「都合の合わないSEツアー強行」の弊害ですね。山に登る状況ではなかったです。
リベンジしたい気持ちはあるのですが、短い間隔でいって敗退すると恥ずかしいので(笑) アタックは来冬という事になりました。
次回は人数絞って「コンディションいいとき」に行きます。そのとき都合あえば木曽駒頂上で待ち合わせましょうか?
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