丹沢山 〈塩水橋〜天王寺峠、山頂でのクライマックス〉
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- GPS
- 06:30
- 距離
- 12.8km
- 登り
- 1,316m
- 下り
- 1,256m
コースタイム
- 山行
- 5:03
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 6:35
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
2週間前の畦ヶ丸〜加入道山ハイクの余韻冷めやらず、やはりこの清々しさを家族と共有したいと思い次なる山行計画を思案。
昨年もこの時期に家族で筑波山へ。今年もどうかと誘ってみたところ、妻は乗り気ではない、長女も何かと忙しそう。じゃあ長男と男チームで行くか。。。長男とは筑波山、高尾山に行ったから、次に家から近いのは赤城山?日光?秩父?どこも日帰りはきついかな。西丹沢は行ったばかりなので、表はどうか。丹沢山、塔ノ岳、鍋割山あたりを調べ始めるが、大倉から塔ノ岳はバカ尾根と言われる長い急登、ヤビツ峠からも険しそう、そもそも自宅から遠い。もっと東側あるいは北側から丹沢山へアプローチできないかと検索したところ、宮ヶ瀬湖方面の塩水橋からアプローチできるらしい。
1週間前には丹沢山にターゲットを絞り、長男にも一緒に行く前提で話を振っておいた。
今回一番心配だったのは、塩水橋の駐車スペースだった。林道入り口に数台のスペースがあるほかは路肩駐車で数十台程度、しかも早々に満杯になるとのこと。
当日は2時起床、長男を叩き起こして3時には自宅を出発した。GWが始まったばかりだが流石に夜中は空いている。相模原ICから宮ヶ瀬湖を経て、塩水橋に着く頃にはちょうど空が白み始めていた。心配していた駐車スペースもこの時刻だと十分余裕があり一安心。後ろで爆睡していた長男を起こして、いざ出発。
予報は晴れだったがまだ空は薄曇り、気温も思った以上に低く、昨日はこの辺りは雨模様だったのか冷んやりした湿気を感じる。
2つあるルートの分岐に差し掛かり、どちらで登るか長男にたずねたところ、距離が短いというだけの理由で天王寺峠を選択した。こちらの方が道は険しいよとも忠告はしたのだが。一方の堂平経由は5kmの舗装された林道から始まるためかなり退屈な時間が続くだろうから、私も天王寺峠から登りたいと思っていた。
舗装された林道を1.5km余り進むと、吊り橋手前右手に山道への入り口がある。山道に入るといきなりの木段。きっと同じような急登が続くのだろうと覚悟を決めて歩を進める。事前情報で急登続きは理解していたものの、こればっかりは実際に足を動かしてみないとその辛さは分からない。長男には敢えて情報は与えないでおく。その後も断続的に急登、木段が続く。しばらくは植林の中を淡々と歩く。ほぼ均等に並んで一直線に空まで屹立する杉の木々、早朝の張り詰めた空気、大自然に包まれる非日常。聞こえるのは土を踏む足音と熊鈴の音。西丹沢とは趣も異なり、こちらにはあまり彩の良い花に出会わない。
長男は普段運動をしていないため、徐々に足にきている様子だ。まだ三分の一も進んでいないのに足の痛みを訴え始めた。水分補給も兼ねて時々足を休める。数百m毎に止まったりしゃがんだり。おそらく相当つらいのだろうが、頑張れとは言わない。長男も引き返そうとは言わない。ゆっくりでいいよ、休み休み行こう、と声をかけ、スピードを落としたり長男を先にかせてみたり、間食をとったりと、気を紛らせながら進む。登り中盤では杉林からいつの間にか新緑の森に包まれる。途中で追い越された男性の後ろをついて歩く。きっと上級者なのだろう、小さな歩幅で段差の低いところを選んで淡々と歩いている。長男もそれに倣って進んでいく。なるほどこの歩幅、ペースだと楽に進める。気づいた時には相当距離を伸ばしていた。長男もこのペースで精気を取り戻し、登りの半ばを過ぎたころには体が馴染んできたのか、足の痛みもすっかり消えて調子を上げてきた。あんなに辛そうだったのに、子供の体の適応能力はすごい。標高1000m前後に達すると、西丹沢と同様アセビのトンネル、美しいブナ林を進んでいく。
後半、塩水林道との合流部以降が本当にきつかった。永遠に続くのではないかと思わせる木段。木段。また木段。いつになったら頂上に着くのか。。。この辺りから、いつの雪なのだろう、しっかり雪が残っている。長男は珍しいのだろう、また余裕も出てきて雪を集めながら歩いている。集めた雪玉は、その後一箇所ある鎖場で手放すことになった。真っ白の雪の原の斜面には背の低いかわいらしい植物が緑鮮やかに群生していたが、残念ながら植物に暗い私には名前が分からない。
木段を登りきると宮ヶ瀬方面からの合流部で、その先は緩やかな道を数百m行けば山頂だ。しかしまだまだ辛い登りがあるのかもしれない、と油断せず歩を進めていくと、程なく開けた場所に出た。一面の雪の上、手前のテーブルに何人かの先客が座っている。ん?ここは山頂なのか、まだ先がありそうだが、と視線を遠くに向けると、なんと山頂標とその向こうに雄大な富士山の姿が目に飛び込んできた。これには素直に感動した。これが丹沢山から眺める富士山か。山頂にたどり着いて初めて拝むことのできるこの絶景を目にすると、なるほどそこへ至るまでの長い長い急登、木段にも価値があるというものだ。この日は最高の天候で、右手には南アルプス、左手には箱根山もくっきり見える。本当に素晴らしい。長男も素直に感動した様子で、自分の足でここまで登り、自分の目でこの景色に出会えたことに感慨深げだ。連れてきて良かった。
絶景を十分堪能し、長い急登に削られた心を満たした後は、空腹を満たす。先日の山行で学友ご夫妻に振舞っていただいた山頂での暖かい食事を自らの手で。長男に持参した水筒のお湯で味噌汁を作ってもらい、その間にインスタントのパスタを茹でる。ソースを絡めて出来上がり。続いてフライパンでソーセージを焼く。山頂で食べるとこれが美味い。仕上げはコーヒー。ドリップセットを購入して持参した。エスプレッソ用の粉で抽出に時間がかかってしまったが、寒い中濃いコーヒーをすすると体がリフレッシュする。
山頂で1時間のんびり過ごし、最後に再び富士山を眺めて下山開始。まだ10時前だ。下りは塩水林道、堂平方面から。このコースはブナ林が美しい。しかし木段を駆け下りるとあっと言う間に舗装された林道に出てしまった。ここから5kmも舗装路を歩かされるのか。しかしヤマレコマップをよく見ると、雨量計測所からショートカットする道があるようだ。しかも結構多くの人が通っているようだ。これはいくしかない、と計測所の右手にショートカットの入り口を見つけた。途中に倒木もあり狭くてやや険しい道だったが、舗装路よりは変化に富んで飽きない。ほどなく再び林道に合流し、後は大股で塩水橋まで下山し山行を終えた。登りは休みながら3時間45分、下山はショートカットのおかげで2時間強。
帰路は相模原ICから中央道の甲府方面の大渋滞にはまってしまった。正直に走行車線を進んだのが間違いだった。反対方向の八王子方面に抜ける車線はガラガラだった。ここまでに30分のロス。でもまあゆっくり帰ればいい。長男は後ろで爆睡。
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