白馬主稜
- GPS
- 29:23
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 1,719m
- 下り
- 1,716m
コースタイム
- 山行
- 1:38
- 休憩
- 0:08
- 合計
- 1:46
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
初日は雪予報。車で林道を走っていると、雪がちらほらと。
猿倉までは除雪が行き届いており、ノーマルタイヤでもOK。
重い荷物を担ぎ、湿り雪の中をぼちぼちと歩いていくと、1時間半程でテン場へ到着。雪は止んだものの、風が強い。今回は8人パーティなので、テント2張り分の造成工事を済ませた後、テントを張って、防風壁をこしらえる。その横に和式トイレも製作。当初の予定では、明日に備えてロープワークの練習だったが、風が強いので中止し、A班は水作りに着手した。しかし、ノーマルガスなので火力が弱く、10Lを作るのに2時間もかかってしまう。その間、隣のB班テントからは笑い声が絶え間なく聞こえてくる。『あいつら、出来上がってるな…』
次に晩ご飯の準備に取り掛かるが、なかなかお湯が沸かない。ガスの下にフライパンを置き、少しお湯を張ってガス缶を温めると勢いが増した。お湯が沸いたので、B班をテントに呼び、みんなでお鍋をつついた。今回の料理担当はワタクシが務めたのだが、ロールキャベツ、水餃子、ウィンナー、鶏団子と野菜のおなべは思いのほか好評で、隊長から『永久エッセン長』の称号を戴いた。ありがたい言葉だが、『永久』は要らん(笑)。ちなみに、エッセンとは料理のことらしい。他にも、鍋をジヘルという言葉も教えてもらった。ジッヘル(確保)のことで、テント内で鍋を倒さないように『ジヘって』と使うようだ。ビレイも昔はジヘルと言っていたようです(^^)
風は収まるどころか、段々強さを増し、隣のテントが飛んでいってるのでは?と心配しながらの食事となりました。
『明日は3時起床、3時半食事で4時出発です』
翌朝、テント内で誰かがゴソゴソと動き始めたので、そろそろ起きようかと時計を見ると3時半!A班のテントは誰も目覚ましをセットしていなかったようです(笑)
交代でトイレに行きながら、前日のお鍋の残り汁にα米とウィンナーを放り込んで煮込む。実はこのα米(ジフィーズと言うらしい)は、前日にスーパーへ買いに行ったものの『季節商品なので、今は置いてないです』と言われ、我が家の非常持ち出し袋にあった賞味期間が2年も切れていたものです。ま、それでもおいしく頂けました。
準備を整え、出発したのは予定より1時間半も遅い5時半。遅かったのが功を奏し、先行パーティがしっかりとトレースを付けてくれていました。快晴無風のなか、アイゼンとピッケルをしっかり決めながら急斜面をひたすら登っていく。登っても登ってもまだまだ山頂は遠い。白馬主稜は8峰まであると聞いていたが、どれがピークなのか分からないまま壁を登り、ナイフリッジを進んでいく。途中には脆い岩場も出てくるが、そこも慎重にクリア。3峰辺りで先行パーティを抜き、先を急いでいた時です。前方の壁が崩れている場所を回避し、右側に新しいルートを構築しかけたものの足元が崩れて穴が開いた。先ほど抜いたパーティの一人が左側に新ルートを構築したので、そちらへ行こうとした時、先ほど開いた穴に体が落ちた。右手のピッケル1本で何とか墜落は免れたが、冷や汗ものだ。後続の人がクレバス越えのルートを構築し、そこを利用させてもらった。10:30に最後の雪壁前へたどり着いたが、先行パーティが4組も居たので、のんびり待つことに。A班隊長から『トップで行って!』と言われ、内心『オレ?』と思ったが、せっかくの機会なので覚悟を決める。待っている間に段取りを確認し、11:45に雪壁へ取り付く。斜度60度と言われているが、取り付いてみると『壁』である。しかし、ステップがしっかり切ってあるので、それ程怖くはない。15m程登ってから、スノーバーで最初の支点を構築。そのまま2つ目の支点も構築し、上を見上げる。雪庇までもう少し。慎重に行こう。そして、雪庇の乗越に取り掛かる。ピッケルをローダガーポジションからグリップエンドに持ち替えて、乗越の奥にピックを差し込む。しっかり効いたことを確かめてから一気に這い上がる。12:01完登。富山湾が綺麗に見えた。こんなに近いのかと感動。
ピッケルを差し込み、セルフビレイを取り、『ビレイ解除』をコール。もう1本のピッケルでロープをフィックスし後続の登攀を見守りながら、山頂からの景色を堪能した。
下りは大雪渓。途中シリセイドを交えながら快調に下っていく。後半は凄まじい雪崩の跡の横を通過するのだが、雪山の下りは、滑ることへの不安から、ついつい体が後傾してしまい思うように進めない。何年経っても上手くならず、自分にいら立つ。最後はバテてしまった。
テン場に着くと、みんながテントの撤収準備に取り掛かっていた。何とか息を整え、荷物を詰める。昨日の食事分だけ軽くなっているはずなのに、昨日より重く感じた。猿倉までの下りもバテバテで、みんなから遅れをとったが、何とか駐車場までたどり着くことができた。
登りも下りもバテバテで、早く終わらないかなと思っていましたが、また一つ楽しい思い出ができました。
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