武甲山〜大持山


- GPS
- --:--
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 1,136m
- 下り
- 1,135m
コースタイム
12:50シラジクボ-13:23小持山-14:07大持山-
14:53妻坂峠-15:30駐車場
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はありません。 |
写真
感想
高度経済成長と共に、その姿を大きく変えた武甲山。
秩父の盟主といわれながら、どうしてそうなったのか。
その辺りのことを見てみたくて、登ってみることにしました。
登山道まで向かう途中は、大きなセメントの採石場がありました。
山の形を変えるほどに掘り尽くしたのは、
日本の経済成長を支えるという使命あってのことでしょう。
そうして豊かになった日本で、今生活しています。
武甲山の犠牲が、不可欠だったことは間違いありません。
残念ではありますが、目を背けずに感謝の念を持ちたい。
そう思いながら、登りました。
登山道からの表参道は、山の姿からは想像できないほど自然が豊かでした。
現代的に整備された参道ではなく、石畳さえありませんが、
古くから多くの人々が参詣しただろう、とてつもない長い歴史を感じました。
苔生した巌、根の張った古い杉木、祠など、
いずれも武甲山の息吹と信仰の相見えた、不思議な空間でした。
例えば、高尾山や御岳山とは、全く違いますね。
似ているし、確かに同じようなものですが、全然違います。
空気感というか、緊張感というか。
修行のための山という感じは、あまりしませんでした。
何というか、自然に抱かれるというか、そんな感じ。
比較的なだらかな参道で、途中の大杉や倒木を眺めながら楽しく登頂。
にぎやかな山頂には、大山のように立派な社がありました。
手を合わせて拝みます。
社の奥が展望台。
本来の眺めではないんでしょうけど、今や絶景。
山が、半分にされてしまったというか。
その削られた側、残された側の対照的な景観が、
21世紀の武甲山の姿です。
信仰が廃れれば、山は全てセメントと化し、なくなります。
とはいえ、セメントは現代の建築には不可欠。
半身を削ってさえその威厳を保ち、また人の心の拠り所であり続ける、
武甲山の懐の深さに、少し涙が出そうでした。
現代社会で生きることの難しさでも、あるのかも知れません。
それは自分自身の心の中にも、あります。
武甲山は、その姿から色々な事を教えてくれている気がします。
小持山、大持山と巡って下山しました。
こちらは、奥多摩や丹沢の山々と似た、変化に富んだ稜線でした。
裏から眺める武甲山の雄大さが、心に沁みます。
自然は恐ろしく偉大、かけがえのないもの。
しかし人の手で簡単に壊れてしまう。
こんな雄大な山でさえ消し去ってしまう、人の恐ろしさ。
でも気を抜けば、簡単に命を落とせる、自然の恐ろしさ。
この微妙な距離感が、登山の魅力のひとつでもあるかと思います。
なかなか難しいですけどね。
こんにちは。
表参道を最近歩かれた方だとそういう印象をもたれるかもしれません。
10数年前は今よりもずっと杉が密に植林されていて手が入れられておらず、昼でも薄暗い道でした。
そんな中をただ歩いていくだけの、正直積極的には歩きたくないコースでした。
数年前に訪れたら間伐がされ歩きやすいように整備が進んでおり、以前の暗い道が一変してました。
ただ、ここもすべて人工の森だそうです。つまり植林です。
大杉は昔からあったものだそうですが、杉の植林の前は非常に美しい原生林だったそうです。
それを全て伐採した後の植林です。杉があれほどあるのは自然の姿ではないですね。
昭和50年代のガイド見ると羊山公園から登っていくコースや西尾根コースが紹介されていて、原始の豊かな植生が見られたとあります。
今は無い山頂からはほぼ360度の展望で、富士山が見えたとも書いてあります。
もう少し早く生まれていたらそういったコースを歩いてみたかった、と思います。
コメントありがとうございます。
なるほど、昔の原生林の姿を記した文献があるのですね。興味深いです。
最早現在、日本は人間と自然を完全に隔離することは極めて難しい事なんだろうと感じています。残念ですが、むしろ自然と積極的に関わっていく事こそ、保護に繋がるんじゃないかという思いも、武甲山に登って感じました。
いずれにしても、失われてしまったものは、どうしようもありません。オオカミにしても自然林にしても、今更どうしようもないでしょうね。だからこそ出来ること、知るべきこと、しなければならないこと、色々見えてきました。
もっともっと、山や自然の動植物を知りたくなりました。
kunadonoこんばんは。同じ日に武甲山〜大持山を歩きました。通過時間からすると私の方が少し先だったようです。
私も武甲山を見るたび文字通り身を切ってセメントという形で日本産業を支え続けた歴史の重みを想います。山頂から見える石切場やセメント工場はなおさらです。昨日も写真撮りながら考えてました。
同じ日の似たような時刻なので写真も似てますね。驚いたのは大持山の写真。私が大持山に到着したときは誰もおらず10分ほど占有状態だったのですが、直後に増えたのですね。
今後ともいい山行を続けてください。
ShuMaeさんこんばんは、初めまして。
山行記録読ませて頂きました。長い縦走ルートを歩かれたようで興味深かったです。次回の参考にしたいと思います。私の方が少し後だったようですね。私は数名のパーティーに抜きつ抜かれつでしたので、その集団がそのまま移動していたのかも知れません(笑)
採石場は痛々しいとは聞いていましたが、その規模には本当に驚きました。この現実を見据えて、武甲山を語り継ぎ守っていきたいと思いました。
ShuMaeさんにも今後とも、すばらしい山行が続けられますようお祈り申し上げます
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