【石老山偵察】石老山〜石砂山〜峰山【戊30.2】
- GPS
- 05:15
- 距離
- 16.5km
- 登り
- 1,290m
- 下り
- 1,198m
コースタイム
- 山行
- 4:46
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 5:16
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:藤野やまなみ温泉バス停〜藤野駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
石老山:岩場、急登を経てなだらかな稜線に。 石砂山:ヤマビル注意の警告あり。歩きやすい。 峰山:ヤマビル注意の警告あり。やまなみ温泉へ下る最初は危険なほどの急坂。 |
その他周辺情報 | 藤野やまなみ温泉 |
写真
感想
「ああ、曇っているな…。」
カーテンを開けて、私は呟いた。
前の週に存分に山を歩いたこともあり、山を歩こうという気持ちは低調だったが、近々共同山行をすることになったので、その予定地域を事前に下見しておきたい。
しかし、前夜に職場の飲み会があって睡眠時間が十分でなく、また、空も曇りがちとくれば、いよいよテンションは上がらない。いつもであれば4時台の電車に乗るところ、一本また一本と遅らせ、しまいには山行をしないでおこうかとも思ったのだが、日曜にはさらに天候に不安が生じるので、やはり出かけることとした。
【歩くにつれていつの間にか山に親しんでいる件】
電車に乗ってからも雲の多い西側を眺めながら、上空が曇っていたら引き返そうかなと思うほどだったのだが、幸い、相模湖駅周辺では薄雲が棚引いていたものの朝日はしっかり射し込んでいた。
それでもまだ腰は重く、嵐山から登り始める気力も起きずに20分ほど待ってバスに乗る。プレジャーフォレスト前から即石老山に向かうのだ。
このように気が乗らない感じで歩き始めたのだが、いつの間にか山を楽しんでいた。不思議なものだ。
【顕鏡寺・石老山】
シャガの花咲く登山口から岩の多い道を詰めて顕鏡寺へ。それからさらに岩場を上っていく。岩場と言っても登攀等があるわけではなく、奇岩怪石の合間を歩くだけで歩きやすい。この頃には既に岩と辛辣な説明板を楽しんでいたが、低山ゆえに体の負担がさほど大きくなかったということも山への没入に寄与しているだろう。確かに、岩場を過ぎてからは結構歩きやすかった。
また、石老山は天皇陛下が東宮時代に歩かれた山ということで人気と聞き及んでいたが、朝の内はまだ歩く人も少なく、ゴチャゴチャしていなかったのが幸いした。そして山頂での富士山だ。薄っすらとではあるが日本最高峰を目にして心も和らぐ。
【蜘蛛の巣、ヤマビル、芋虫、羽虫】
もうこういう季節である。おそらく、顕鏡寺から大明神展望台方向に歩く道はよく歩かれているのだろうが、今回、私が歩いた石老山〜石砂山間では、今の時期歩く人少ないのか、頻繁に蜘蛛の巣が頭や顔に引っかかる。蜘蛛の巣をよけようとして滑ってこけそうになったくらいだ。結構立派な蜘蛛の巣もあり、躊躇いながらも前に進むためにそれを壊しながら進む。気がついたら芋虫が度々服にくっついている。それを弾き飛ばしながら歩く。立ち止まれば顔の周りを羽虫がぶんぶん飛ぶ。なんだかデカくて黒いのがブーンと縄張りを主張している。ああ、もう低山は避けた方がよいのかな、と思ったりする。ただ、山行そのものに萎えたわけではなかった。
そして石砂山登山口に至って、この辺りがヤマビル生息地であることを知る。これはしまった。5月も中旬となれば完全に活動時期だ。しかし、石砂山を越えなければ目指す藤野やまなみ温泉へは行けない。ということで、スプレーを足元に満遍なく振りかけて入山。
基本は、まず立ち止まらない。そして速やかに地面の乾いた箇所へ。頻繁に足元を確認する。靴についた木屑をヤマビルと見間違えて慌てる場面も。足が草葉にかからないよう、注意して歩く。その結果、ヤマビルに吸い付かれることは無かったが、気がついたらまた芋虫が袖に1匹2匹と付いていた。
石砂山の山頂を越えてからはもう大丈夫だと根拠のない安心感があったが、反対側の菅井の集落、そして、峰山を下った先の登山口にもヤマビル注意の警告とスプレーがあって、ここもか!と愕然とする。人間もまたヤマビルの生息域を広げるのに寄与しているかもしれない。気を付けねば。
【総括】
丹沢のヒル域は意外と北端まで及んでいた。これが高尾・陣馬まで及ぶこととなれば、登山者や登山者の連れて歩く犬等の媒介によりヒルの生息地は一気に広がることだろう。人、登山が山や生態系にもたらす影響について深く考えさせられる山行となった。
〜石老山共同山行が流れたため代わりに賢しらな総括をして、おしまい〜
素敵な文章ですね。楽しく読ませて頂きました。
usatosi様
お褒めの言葉をいただき、ありがとうございます。
江頭2:50という芸人が、「生まれたときから目が見えない人に、空の青さを伝えるとき何て言えばいいんだ?こんな簡単なことさえ言葉に出来ない俺は芸人失格だよ」と言ったそうですが(本人は否定)、私も、自分の書いた文章、撮った画像が、山の素晴らしさの万分の一も表現できていないと忸怩たる思いになること頻りです。
同時に、拙録をご覧になって山を訪れた方が万倍の感動、喜びを得られることを願っています。
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