富士山 お中道 (道迷い・ヤブ漕ぎ・踏抜き、宝永山は遠く及ばず)
- GPS
- --:--
- 距離
- 14.2km
- 登り
- 785m
- 下り
- 764m
コースタイム
→お中道入口12:25→須走口六合目13:12-14:00→第一シェルター14:45→吉田口六合目15:05-24
→泉ヶ滝分岐15:45→五合目駐車場16:13→奥庭駐車場17:00
天候 | 快晴のち時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【奥庭駐車場⇒五合目駐車場】 積雪10〜50僉⊆林帯は踏み抜きあり。 最初は古いスノーシューの跡があった。全体的に時々夏道がわかる程度でトレース・踏み跡まったく無し。 樹林帯はルート判別が全くつかず、完全な道迷いでヤブ漕ぎとなった。 【五合目駐車場⇔六合目】 ゲートから完全な雪道。 六合目指導センター手前のシェルターは中に雪が溜まっていて、 這いつくばらないと通れない。急斜面を直登して六合目に出る。 【六合目⇔第一シェルター(吉田口下山道)】 夏道は広い道だが雪で地形が変貌し、ただの斜面と化していた。 ここから先は斜面のトラバースが続く。 【第一シェルター⇔須走六合目瀬戸館】 部分的に急斜面のトラバースあり。広大な雪の斜面でお中道ルートは判別不能。 地形図や夏道の経験をもとに方向を判断する核心部。 ガスが出るとほぼ間違いなく道迷いする危険地帯。 瀬戸館手前の樹林帯は雪に埋もれて見通しが良くなっていた、積雪は2mぐらい? |
写真
感想
2月11日に続いて、二回目のチャレンジ。
前回は吉田口下山道付近のピッケルも刺さらないカチカチツルツル斜面に驚き、
ガスによる視界不良と古いアイゼンの破損で撤退した。
今回は樹林帯の踏み抜きはあったものの雪の状態は良く、ガスも視界を失うほど出ず絶好のチャンスだった。
車で五合目まで来たため、散策路である「お中道自然歩道」をついでに歩いてみたら、
これが予想外の難路で時間をとられてしまい、宝永山往復はできませんでした。
以下 行程概略
今日は安定した晴れで最高の登山日和。毎年GWには富士山登頂で滑落して亡くなる方が出ていますが、
今日明日は冬山のエキスパートではなくとも頂上をゲットできる数少ないチャンスになりそうでした。
後ろ髪をひかれる思いで、雪のお中道「奥庭〜宝永山往復」富士山180度往復の旅に出発です。
最近は年齢のせいか派手なピークハントよりも、いぶし銀の山歩き?の方が好きになってきました。
お中道自然遊歩道に入ると豊富な雪道でした。最初は古いスノーシューの跡がありましたが、
すぐに踏み跡も無くなり真っさらな雪原となりました。
何回か歩いてますが、ここは夏であれば子供からお年寄りまで歩ける遊歩道です。
雪があるとはいえ、軽くササっと終わらせ、宝永山を目指す予定でした。
しかし、雪のため脇道にそれて近くに見えたあづま屋に引き寄せられてしまった。
本来は少し上にある廃屋の前を通るのが正解です。
まぁ、ショートカットすればいいことと気楽に考えてしまった。遊歩道らしき道に出たが、すぐ行き止まりでした。
右には大きく富士本峰が見えています。こんな絶景のロケーションで道を見失うとは…
上に登れば遊歩道に出られるだろうと樹林帯を強行突破、雪の斜面を登ります。
無い無い道がない。下かな? 今度は降りる。するとスバルラインの車道が見えてしまった。
途方に暮れてまた上り返す。こんなことの繰り返し。早くも疲労困憊。
やっとのことで遊歩道らしき幅の広い雪道を発見、良しこれでOK、と思ったら
しばらく行くとまた樹林帯。だんだん樹林の密度が濃くなり、完全なヤブ漕ぎです。
時間とともに雪も緩みはじめ、踏み抜きも頻発、背中のピッケルが枝に引っ掛かり動けない!
こんなことを何回繰り返したか、予想もしなかった完全な道迷いです。
早くも宝永山は諦めました。
2時間以上かかって、やっとスバルライン五合目駐車場に着きました。
観光客でいっぱい。この時間はもう登山者は歩いていません。
今日は積雪期の未知の世界なので、フル装備です。
ザックにはピッケルとヘルメットまで装着しています。完全に浮いた存在になってました。
ここには居ずらいので休むことなく吉田口六合目に進みます。こちらもゲートから先は雪です。
左には富士吉田の街、そして山中湖も見えてきました。右には富士本峰に突き上げる吉田大沢が大迫力です。
7〜8合目付近には登山者が見えます、雪上訓練ですね。急斜面の吉田大沢は雪訓に最適です。
吉田大沢は夏は落石で恐ろしい所ですが、残雪期はスキーの最高の滑降ルートです。
私も一度は頂上から吉田大沢を滑りたかったですが、頂上直下の急斜面は私の低レベルスキー技術では無理です。
何しろ今までの最高は七合目からですから…
六合目の指導センターの手前にあるシェルターは雪で通れませんでした。ザックを引きずって這わないと無理のようです。
急斜面を直登して六合目へ。これから登って行く吉田口下山道のある斜面が良く見えます。
もちろん、ここからトレース・踏み跡は一切ありません。
良く見ると下山道の第一シェルターと第二シェルターの一部が黒い線のように雪の斜面に見えています。
そこを目指してトラバースしていきます。快晴なので見通しが良くて落石もわかりますから安心です。
緩い斜面をトラバースして少し斜度が上がってくると第一シェルターに到着です。
四角いシェルターの淵だけ残してすべて埋もれています。
2月に来た時よりずっと積雪量が増えています。さすが富士山です。
第一シェルターで休憩。そして、ここから部分的に急斜面が出てきますので、
アイゼン(12本)装着、ストックからピッケルに交換です。
コースの大部分は斜面のトラバースですから、今日は久々にトラバースの練習になりました。
急斜面のトラバースは普通に登るのより全然難しいのです。
富士山の斜面は遠目にはのっぺりして歩きやすそうに見えますが、実際はかなり複雑です。
幾つかの尾根を乗り越えて、山中湖がすぐ眼下見えるようになる頃、はるか遠く斜面にポツン小屋のようなもを発見。
やったぁ。とうとう須走ルートだ。積雪は2mぐらいあるでしょうか。
樹林が雪に埋もれているので良く見えます。
ルート取りが下になってしまったため、少し登り返したが無事、須走ルート六合目瀬戸館に到着。
踏み抜きも少なく順調に来れました。
この付近は樹林帯ですが、雪に埋もれているため夏とは全然様相が違います。
少しガスが出てきましたが、すぐ取れて山頂へ続く須走ルートが豪快です。
双眼鏡で確認すると8合目から頂上までの間に登山者が点々と見えます。
六合目は風もなく暑いぐらいです。本当に今日はGWでは稀に見る登頂チャンスだったようです。
時々スキーヤーが六合目付近を通過していくが見えます。
下りでのスキーやボードは「マイカー下山」みたいなものですな。
宝永山は時間的に無理なので、瀬戸館のベンチでのんびり休憩です。
今年の富士山は雪が多いようで、須走五合目の駐車場付近まで雪がつながっているようです。
明日のスキー登山が楽しそうだ。
一番恐れていたガスが広がる心配もなく帰途に付けました。帰りはやや下りになるので楽です。
念のためお中道の入口(出口)手前に一本赤布を立てておきましたが、お世話にならずにすみました。
しかし濃いガスでは一本では役に立たないでしょうね。
眼下の風景が山中湖から河口湖に変わるとスバルライン五合目は近い。
雪の林道を歩いていると観光客の声が聞こえてきました。
半分ぐらいはアジア系外国人でしょうか。南方の人々は雪を見たことがないのでしょうか。
雪に埋もれた林道まで入って来て、上半身裸になって仲間とはしゃぎまわっていました。
ロータリーの人目を避けるように広場を通り過ぎ、奥庭の駐車場まで車道を歩きます。
当初は帰りもお中道遊歩道を歩くつもりでしたが、道迷いとヤブ漕ぎで懲りました。
観光バスの行き交う車道からは西陽に映える大きな富士がありました。
今日は前半の楽に歩けるはずのところでつまずいてしまい、宝永山まで行けませんでしたが、
今度は夏にまた同じコースを楽しもうと思います。
(注)GPSは持っていないので、お中道遊歩道の道迷いと、
吉田口六合目〜須走六合目の間は大体の感触でルート記入しています。
yamaheroさん、こんばんは。
このレコ見逃してました。
富士山五合目付近でもまだまだ雪残ってるんですね。
私は6日に下見で船津口から吉田口登山道を考えて
いたのですが、まだ無理のようです。
yamaheroさんのレコにはいつも私の欲しい情報があり、
助かります。
そして「蓄積された経験」を感じます。
こんばんは。
二日間歩きっぱなしなのに元気そうですね。
私には連チャン無理でした。膝が痛いです。
河口湖と須走の五合目を見てきましたが、
明らかに去年より雪多いです。
雪解けは今後の気温次第ですが…
スバルラインを走っていても四合目からは雪どっさりありました。
船津登山道も四合目付近からは下手すると道が不明瞭かもしれませんね。
初めて行く場所は要注意ですね。
今回、良く知っているコースなのに道迷いしてしまいました。
私もなるべく近いうちに船津登山道歩きたいです。
yamaheroさん。
お疲れさまでした。
白き富士の情報、レコありがとうございました。
写真を見ると、やはり、
思いだします。あの光景を。体験を。
僕にとって最高の思い出です。
そして、基準です。
どうしたら、あれを超えられるんだろう。
終わったことなので、ただの、
思い出に過ぎません。
やりたいことは山ほどあります。
でも、冬富士から逃れられません
いつか、再び、白き富士に登りたい。
こんばんは。
真っ白な富士山っていいですよね。
私にとってはもう冬富士は無理ですが、
春富士も、また捨てがたいものがあります。
あの広大な雪の斜面に胸をやられてしまったようです。
29日にも続けて、スキー担いで途中まで登ってきました。
しかし、連チャンは私の足には厳しいみたいで、膝を痛めてしまいました。
近々、レコアップしますので、またお楽しみ頂ければ幸いです。
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