田代周回(林道岩瀬線〜糸滝〜五色滝〜三ツ森断念〜林道田代相馬線〜長慶金山跡地等撤退〜早口林道)
- GPS
- 80:00
- 距離
- 50.9km
- 登り
- 1,161m
- 下り
- 1,230m
コースタイム
05:08大館市街地出発〜国道7号線西進
05:38「田代製作所」看板で右折
08:43県道68号線に合流し北上
05:48農道Y字路は右に行き近道
05:59 T字路を左折し再び県道68号線へ
06:17田茂ノ木Y字路左折
06:29大石渡バス停通過
06:34堤防前赤橋の十字路左折〜山瀬ダム沿い
06:55「田代岳大橋」の先のT字路で左折し岩瀬線へ
(山瀬ダム〜糸滝)
07:02道は未舗装に
07:06「野頭沢」右分岐路有り〜橋で右岸に
07:21「赤倉沢橋」
07:25「割沢橋」
07:27「四階の滝」
07:34不明滝
07:38橋で左岸に〜「三階の滝」
07:47「糸滝」に寄る
(糸滝〜五色の滝)
07:50再出発
07:55橋で「赤円沢」を渡る
07:57「赤根沢林道」分岐
08:24沢が二又に〜「前武橋」で右岸に
08:32「甲石沢橋」で左岸に〜「蕗原沢」分岐
08:40「向檜原沢」
08:45「上檜原沢橋」で右岸に
08:57「次郎沢橋」
09:06左分岐路有り
09:09「内白爪沢橋」
09:15「五色の滝」に寄る
(五色の滝〜田代岳大広手登山口)
09:20再出発
09:28「外白爪沢橋」
09:39「谷地沢」
09:50田代岳大広手登山口〜「大広手沢橋」
(田代岳大広手登山口〜田代岳荒沢登山口)
09:58「金掘沢」〜下り有り
10:12ロケット燃料試験場分岐
10:15トイレ&駐車スペース
10:18橋〜田代岳荒沢登山口
(田代岳荒沢登山口〜ロケット燃料試験場脇〜三ツ森)
10:25試験場眺望有り〜謎のサイレン車
10:30右に試験場への分岐路有り〜左分岐路有り
10:54「15KM」
10:57「向澄川沢」
11:10「ジープ沢」
11:16左ヘアピンカーヴから先、三ツ森への登山口探し
11:25駐輪し左ヘアピンカーヴの右分岐路に入る
11:30 Y字路を左に
11:33引き返す
11:38自転車回収
(三ツ森〜最高地点)
11:42右カーヴに不明右分岐路有り
11:54右カーヴ手前に不明右分岐路有り
12:06最高地点(810m)通過〜下り
12:08右カーヴの看板前で休憩
(最高地点〜林道田代相馬線分岐点)
12:24再出発
12:37左ヘアピンカーヴで右分岐有り、「上松ノ沢」
12:41左分分岐路有り、橋
12:50「長ノ沢」
12:55「林道田代相馬線」分岐点
(林道田代相馬線分岐点〜長慶金山跡地)
13:01「冷水沢」右分岐路有り?
13:28「荒沢林道(田代岳上荒沢登山口)」分岐
13:32「早口川四号橋」〜「長慶林道」分岐
13:36駐輪し「長慶林道」に入る
13:38右分岐路有り?〜土砂崩れ
13:45土砂崩れ〜蕗薮
13:50薮化し道消失〜何とか沢に出る
13:55沢から先の道が判らず引き返す
14:10自転車回収
(長慶金山跡地〜止滝〜早口ダム)
14:15下り坂から舗装路出現
14:18未舗装に〜「早口三号橋」で左岸に
14:26「沼沢」の左ヘアピンカーヴ
14:34「止滝」の展望台跡?
14:38「上山白沢」
14:40「上山白沢橋」
14:55「山白沢橋」
15:01左カーヴ右分岐路有り?〜右カーヴ左分岐路有り?
15:15「田代相馬線」標識〜左に電波塔?分岐有り
15:22「通り抜けできません」の標識
15:28「オップ沢橋」
15:36「古カラ沢」
15:39「焼仮戸沢」
15:43「笹掘沢橋」
15:49「小滝沢橋」
15:51「ゆのさわはし(湯ノ沢橋?)」
15:53左カーヴ左分岐路有り
15:55「ガラ沢」
15:57「フキ沢」右分岐路有り
15:59左分岐路有り
16:01「黒滝沢橋」
16:05左分岐路有り〜「付替橋」で右岸に〜「砥沢林道」分岐
16:11「砥沢」の橋
16:14「10K」
16:24舗装路〜早口ダム
(早口ダム〜小高四郎沢分岐点〜発電所分岐〜早口林道起点)
16:32「早口大橋」で左岸に〜T字路右折し未舗装に
16:34水場で水補給
16:38左分岐路は立入禁止
16:39「早口川橋?」で右岸に〜右分岐路は立入禁止
16:43右分岐路有り
16:45「矢櫃沢橋」
16:51「大倉沢橋」〜右分岐路有り
16:59トンネル×3
17:03「小高四郎沢」分岐〜橋
17:07「上長溝沢」の橋
17:08橋
17:15橋
17:17「?沢橋」
17:21十字路(発電所分岐)〜送電線下を潜る
17:37送電線巡視路分岐〜左分岐路×2〜右分岐路×1〜橋〜「黒渕橋」で左岸に
17:46「薄市橋」
17:50「早口林道 起点」〜T字路左折
(早口林道起点〜帰路)
17:58大野のY字路右折
18:00イタチかハクビシンに遭遇
18:40国道7号線に出て左折〜早口駅方面に右折しショートカット
19:00国道7号線に戻る
19:45「東台温泉 東の湯」
20:28帰路
天候 | 曇り時々晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2019年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自転車
この日は愈々、現時点で大館市内で私が歩けるものの中では最長のルートに挑戦することにする。先日( https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail−1869579.htmlhttps://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail−1https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail−1 )の尾去沢林間内線も大分面倒だったが、今回は更に長い道だ。これまで私は自転車のサイクルメーターの測定では一日に70km強しか移動して来なかったのだが(割と頻繁に一時停止を繰り返しているので、実際には記録よりも多少長いと思われる。移動した距離には自転車を漕いだ分だけではなく、押して歩いた分も含まれる)、今回は確実に90kmを超えることになる。天気予報では曇りだったが、先日の夏日の教訓から、長距離を歩く場合には寧ろ日差しは避けた方が良いと判断した。幸いにも、今回のルートは大して眺望が得られそうには思えないので、多少天気が悪くとも問題無い。一時俄か雨の予報を出しているところも有ったが、前日も俄か雨の予報が出ていたのに結局全く降らなかったので無視することにする。 出発したのは5時過ぎで、完全に夜型人間の私としてはこれでも精一杯早起きをした積もりだ(根性で早く起きたとしても、肉体の生理的時間が追い付かないのだ)。先ずは国道7号線を西進し、川口の先の「田代製作所」の看板の立っている道へ右折し、道なりに進んで県道68号線(白沢田代線)と合流し北上する。山瀬郵便局の先のY字路は右の農道の直進路を選んでショートカット。突き当たりのT字路まで行ったら左折して元の道と合流し更に北上。直ぐ左手に「十ノ瀬 藤の郷」が見えて来るが、藤の花の盛りはもう終わったらしい。田茂ノ木のT(Y?)字路に来たら左折し、大石渡で岩瀬川を渡ると、大石渡のバス停が有るが、公共交通を利用して田代岳に登る場合はここが最終地点となる(ここから大広手登山口までは更に14〜15km程度有り、従って実際問題として役に立たない)。その先に三菱重工業のロケット燃料試験場の中継所が有る。山瀬ダムの堤防前まできたら右手に赤い橋の架かっている十字路で右折し、田代岳方面へ向かう。ここの坂はきついので歩いて押し、山瀬ダムへ。例によって堤防脇で放し飼いにしている犬に吠えられるが、番犬として躾けてあるのか、敷地の外へは出て来ようとはしない。道なりにダム沿いに進み、「田代岳大橋(山瀬ダムが三本指だとすると、一番左の指に架かっている橋)」を渡る。その先のT字路に案内看板が犇めき合っているので、そこを左折する。 (以降のルートは長距離になる為、コース状況やルート図等は適当に分割して記載することにする。尚、作成したルート図には細部の正確さは期待しないで頂きたい。) |
コース状況/ 危険箇所等 |
(山瀬ダム〜糸滝) ここから先の道は特に標識は無いのだが、来年からの改装に関する地元紙(北鹿新聞)の記事では「岩瀬線」と記載されていた。この記事は一応岩瀬線、林道田代相馬線、早口林道と、一応3つの道の名を挙げておいたが、実際にはひと続きの1本の道なので、正確に何処から何処までがそれぞれの道なのか良く判らない。検索してみると、この辺りの道はバイクで走っている人がそこそこ居るらしいが、自転車で走っている人が居るのかは不明。ここから先の記述は些か長くなるが、「記録」としての意義を考え、余り省略はしないことにした。何分御容赦を願ってお付き合い願いたい。 T字路から先も舗装路が続くのだが、ダムを過ぎて岩瀬川沿いの道になると未舗装路に成る。但しこの先も時々部分的に舗装箇所は出現するが、傾斜がきつい箇所は自転車を降りて押して歩くことになる。この道は私が通った大館市内の未舗装路の中では最も交通量が多く、割と頻繁に車に追い越された。場所に依っては道が狭いので、適宜路肩に寄ってやり過ごす(但し避ける必要の無い道幅の広い箇所で後ろからクラクションを鳴らすのは勘弁して欲しい。避けなければいけないような大型車でも来たのかと思ってびっくりする。注意喚起の積もりなのかも知れないが、普通に低速で走ってくれればタイヤの音で充分気付くことは出来る)。ここを通る人種としてやはり多いのは登山者ではないかとは思うのだが、8時頃には既に下って来る車が有り、流石にこの時間に田代岳に登って下って来る人はそうそう居ようとは思えないので、恐らくは三菱重工業の関係者が結構行き来しているのだろう。伐採場は余り見掛けなかったので、林業関係者は少ないのではないだろうか。後はこの季節なら釣り人も居るのかも知れない。 道中は地図に記載されていない無数の微小滝や、滝とは呼べぬまでも、岩肌から山の清水が滴り落ちている箇所と出会う。恐らく車で登山口へ向かっている登山者の方々はその殆どをスルーしてしまうのだろうが、私の様に、登山口から先の道と登山口までの道がシームレスに繋がっている様な歩き方をしている人間にとっては、こうしたささやかな光景もまた楽しみのひとつだ。 「野頭沢」で右分岐路が有る先で橋を渡り右岸に移る。支流の「赤倉沢」(沢を上って行った先は「板沢林道」だが、崩落を起こして通行止めになっている https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1620987.html )を「赤倉沢橋」で渡る際には左手に「赤倉滝」が見える。その先で支流を「割沢橋」で渡ると、右手に「四階の滝」が見えるのだが、樹木がうるさくて見通しは余り良くない。その先にもまた滝なものが有るがここも良く見えない。その先で橋を渡り左岸に移る際、左手に「三階の滝」の光景が広がっていて、これは遮るものが無いので良く見える。そこから数百m進むと「糸滝」の駐車場が有り、「糸滝」が見える。トイレは有るが水道設備は無い。一応案内板も立っているが大分大雑把。 (糸滝〜五色の滝) 「糸滝」から先は更に傾斜がきつい箇所が多くなるので、押して歩くことが増える。橋で「赤円(あかね)沢」を渡って150m位先にY字分岐が有るが、右は「赤根沢林道」(当て字が適当だなぁ)。左の道へ暫く左岸を進むのだが、地理院地図ではここから先の沢の名は「大川目川」と成る(雪沢の方には「大川目沢」と云う沢も有るので紛らわしい)。やがて川が二又に分かれてまた合流した先で「前武橋」を渡って右岸へ移る。沢へ下りて行く分岐路も有る様だ。その先で「甲石沢橋」で左岸に移り、その先のY字路は左に進むのだが、右の道は「蕗原沢」沿いに延びている。分岐点近くにトイレが有るのだが、一般人も使用可能なのかは不明。西へ進み、「向檜原沢」から数百m先の「上檜原沢橋」で右岸に移り、更に「次郎沢橋」を渡る。 「次郎沢橋」から百数十m程先に左分岐路が延びているのだが、地理院地図の記載を信じるなら、これは実は田代岳に登るもう1本の登山道。一見するとまだ通行可能な様に見えるが、先の方がどうなっているかは不明。何時かここを探ってみるのも面白いかも知れない。2019年6月現在、市内の山で田代岳荒沢コースだけはGoogleのストリートビューで全行程が閲覧出来るのだが、その記録の一部にこの道の末端が含まれている。田代岳九合目湿原の南東から延びている道がそれだ。末端部の映像は不明瞭だが、どうやら笹薮で行き止まりになっている様に見える。湿原の周辺のみ刈り払いを行っているのではないだろうか。 「内白爪沢橋」でヘアピンカーヴを右に曲がるところからは左の谷間へ分岐路が延びているが、地理院地図ではこの先に砂防ダムが記載されているので、恐らくそこまで通じているのだろう。 そこから200〜300mばかり進んで左へカーヴする辺りに、「五色の滝」への道が延びている。木々に遮られるのか、ここからだと滝の音は全くしない。先も長いしどうしようか迷ったが、今回は帰路でここを通ったりはしないので、駐車スペースに駐輪し寄ってみることにする。やや状態の悪い階段をジグザグに降りると、割と直ぐに東屋に行き着く。そこからは落差30m(?)の、まぁ私が知っている限りでは市内では最も水量の多い滝の迫力の有る水飛沫を見下ろすことが出来る。もっと近くで見たい方の為には更に金属製の階段(気分的には梯子に近い)も設けられているが、これは前回寄ったし省略することにする。 (五色の滝〜田代岳大広手登山口) 次のヘアピンカーヴで「外白爪沢橋」を渡る。ここから谷間に道が延びている筈なのだが見当たらない。「谷地沢」を過ぎ、その先の右にカーヴする辺りに自動車がズラズラ駐まっている箇所が田代岳の大広手登山口で、一応トイレも設置されている。駐車スペースには収まり切れないのか、その先の路肩にまで車が並んでおり、20台近くは有るだろう。私は誰も居ない山を歩くのが好きなので、正直他の登山者が大勢居る山には余り登りたくない(一番手近な鳳凰山に余り登らないのも同じ理由に因る)のだが、この涼しい時期を逃すとこのルートを登るのは更に大変になるので、出来れば6月中にはまたここに来て田代岳に登ってみる積もり(因みに言うまで無いが私がここまで書いたことは、登山口まで車で運んで貰う通常の登山者が田代岳の参考記録を書いた場合完全にスルーするか、言及したとしても数行で済ませてしまう部分である)。 にしても、自宅からここまでで既に4時間40分が経過。前回ここに来た時は私もまだこの趣味を始めたばかりで、記録( https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1540642.html )も今よりは大分不完全だが、ここまで来るのに4時間掛かっていると書いてある。今回時間が延びたのは恐らくメモや写真記録、地図読みの分だろう。因みに「田代岳大橋」の看板が並んでいた所からここまではサイクルメーターに拠れば約11.5kmだが、頻繁に一時停止を繰り返していたので、実際はもう少し長い可能性が有る。標高1177mの田代岳に登るのに、ここで既に標高613m。登山道だけ取ってみれば、500〜600m級の山に登るのと大差無い。 (田代岳大広手登山口〜田代岳荒沢登山口) 大広手登山口の有る谷間から右にカーヴし、更に左に曲がると「金掘沢」で、谷間の眺望が開ける。下り坂が出現するので部分的に自転車に乗って下る。やがてY字分岐に差し掛かるが、右に下りて行く道は三菱重工のロケット燃料試験場へ通じる道で、関係者以外立入禁止の看板が立っている。 左の道を行くとやがて右手にトイレと駐車スペースが有り、更に橋を渡った先の谷間が田代岳荒沢登山口。こちらは周囲には4台しか自動車が駐まっていない。因みにここの標高は643m。 (田代岳荒沢登山口〜ロケット燃料試験場脇〜三ツ森) 更にてくてく自転車を押したり乗ったりして進んで行くが、登山口を過ぎても自動車が結構行き来している。やはり試験場の関係者なのだろうか。一箇所だけだが、道の右手にロケット燃料試験場の光景が開ける。その辺りで何やらサイレンの音がするので何かと思って進んで行くと、路肩に駐まっている自動車がウィンウィンと騒いでいる。何かのトラブルかとも思ったが、ルーフにスピーカーが取り付けられていて、音はそこから発せられているので、わざと鳴らしているのだろう。熊か侵入者対策だろうか。その先で試験場の関係者と思しき制服ジャケットを来た方々が居たので少し言葉を交わす。先はまだまだ長いらしい。 上り下りを繰り返し、右に試験場へ通じる道をひとつ見掛けるが、これはどうも地理院地図に記載されている2本の道のどちらとも違う気がする。試験場の注意書き看板があちこちに立っている。左の分岐路は地図には記載が無い。「15KM」の標識は何処を起点としたものなのか不明(そもそもここが正確に林道何線なのか不明)。「向澄川沢(T字路有り?)」「ジープ沢」を過ぎ、左にヘアピンカーヴする所から右手の谷間に、地図に記載の無い多少薮化した分岐路が延びている。路肩に車が1台駐められており、近くの笹薮で何やらガサガサやっている。 さてそこからは三ツ森(949m)への登山口探し。地理院地図ではヘアピンカーヴから少し先から右に徒歩道が延びており、緩い尾根筋を辿って県境を超えて三ツ森の山頂近くを過ぎ、軽車道で尾根から山腹を下りて北上し、「股兎沢」沿いの道から1車線車道に合流し、大和沢川沿いに下って砂防ダムを過ぎて、弘前市の座頭石にまで通じている筈なのだ。………が、道が見付からない。暫く周辺をウロウロして道を探したのだが、それらしき道は見当たらない。先の方で車道に変わっているのだから、恐らく狭い踏み跡などではなく、それなりに広い道なのではないかと思うのだが、痕跡らしきものすら影も形も無い。 仕方無いので先のヘアピンカーヴまで引き返し、路肩に駐輪してそこから谷間に延びている道を探ってみる。入口には車の轍の跡が付いているが、直ぐに薮が濃くなり、徒歩でも進むのが面倒な道に。Y字路は取り敢えず左に行ってみるが、やはり明らかに方角が違う。緩い尾根筋を北西に登る筈なのに、谷間を北東方向に進んでいる。この先で方向転換する可能性も無い訳ではないだろうが、この時点で地図の記載とは全く違っているので、ここは冒険せず引き返すことにする。長慶峠を除けば、登ることが可能な大館市内の山としては最北端に位置する山も、これで断念だ。 (三ツ森〜最高地点) 元の道に戻って先へ進む。右にカーヴする地点と、その先に右カーヴ手前で右分岐路を見付けるが、どちらも地図には記載が無い狭い踏み跡で半ば薮化しているので見送る。 また暫く登って漸く、この日の全ルート中で最も標高の高い所(810m)を通過。と言っても特に眺望や目印が有る訳ではなく、単に上り坂が下り坂に変わるだけ。正午も近いことだしそろそろこの辺で休憩したかったのだが、路肩に休める様な場所が無い。市内の他の無人の林道であれば、道の真ん中に腰を下ろして休憩しても全く問題無いのだが、前述した様にこの道は車の往来が結構激しいのでそんなことは出来ない。仕方無いので少し下って、森林管理局の看板が立っている右カーヴ地点に車廻しっぽい所を見付けたのでそこで休憩。良く見ると左手に薮化した踏み跡が見える。霧が濃くなって来て何やら心細い。「田代岳大橋」先からここまで約19km(繰り返すが実際はもっと長い可能性が有る)。 (最高地点〜林道田代相馬線分岐点) ここから先は基本的に下り坂なのだが、ここまで来るにも下り坂が結構有った様に、上り坂も結構有る。なので自転車に乗って下るのと下りて押すのを繰り返す。山腹の道をうねうね下って、左ヘアピンカーヴでは右に分岐路有り。「上松ノ沢」を過ぎ、左分岐路有り。橋を渡って、「長ノ沢」からは上り。やがて「林道田代相馬線」の分岐地点に。 ここで右折すると岩木山が見える「長慶峠」で県境を超えて弘前市の方へ下りて行くことになるのだが、市で公開している最新(2018年11月)の林道状況( http://www.city.odate.akita.jp/dcity/t-tiiki/files/H30.11.5rindou.pdf )に拠れば、青森県側は路肩崩落の為「通り抜け不可」になっているらしい。2016年のこの動画( https://www.youtube.com/watch?v=YhyxQB7TEdY )を見る限りでは、どうも峠の手前で通行止めになっている可能性も有る。今回はスルーすることにし、この道を通るのは正式に復旧してから考えることにする(だが正直に言って自転車と徒歩では日帰りでこのルートを走破するのは難しい)。にしても、分岐点には何も注意書きが書かれていないのだが良いのだろうか。 (林道田代相馬線分岐点〜長慶金山跡地) 分岐地点からまた下り。「澄川沢」の右岸を通る道で南下するのだが、標高差が開いている上樹木に遮られて沢は全く見えない。「冷水沢」では右分岐有り? 上り下りを繰り返し、やがて田代岳上荒沢登山口(荒沢林道)分岐点を通過。その直ぐ先で「早口川四号橋」で「長慶沢」を渡るのだが、渡った先の右手に、沢沿いの分岐路が延びている。路肩に軽トラックが1台駐まっているが、どうやら山菜採りをしているらしい。「長慶林道」と標識が立っているのだが、その脇に「長慶金山跡地」の案内看板が立っている。これは全く事前情報を集めていなかった史跡で当然予定にも入れておらず、どうしようか迷ったのだが、「徒歩二十分」なら往復40分で許容範囲内だし、私の様に自転車でしか移動しない人間がこの面倒臭い道を再び訪れる可能性は非常に低いだろうから、思い切って行ってみることにした。 長慶林道は荒れていそうなので自転車はデポ。直ぐにその判断が正解だと判る。車の轍は途中まで付いているが、荒れた右分岐路の様なものを過ぎると土砂崩れが道を塞いでおり、右手の沢を見下ろす眺望が開ける。土砂崩れはもうひとつ有り、その先はフキノトウが地面を覆っていて路面状態が確認出来ない。そうした所に限って枝や石が重なって雨裂も有る様で危ないので、一歩いっぽ慎重に進む。倒木回避などをしつつ15分程歩いたところで道は本格的に薮化し消失。左に少し攀じ登った先に踏み跡だか何だか判らないが何とか歩けそうな所が有るのでそれで更に先へ進んでみると、直ぐに沢に突き当たる。で、ここから先がサッパリ判らない。沢の向こうに渡るのか沢登りをすれば良いのか、何れにしろ周囲の状態が荒れていて、元の道が何処を通っていたのか全く識別出来ない。暫くうろうろした後引き返す。案内地図看板でも有ると助かるのだが、文字情報だけはどうも判らない。もう少し時間的余裕が有ればじっくり道を探してみるのだが、今回は先を急ぐ。 (長慶金山跡地〜止滝〜早口ダム) 元の道に戻り下ると一部舗装路が出現。「早口川三号橋」で左岸に移ると法面も出現する。「沼沢」左へのヘアピンカーヴを過ぎると、見える山並みが一変する。その先の右手に、只の車廻しにしては柵が設けられたりしていておかしいスペースが広がっている。整備されていないのか、三分の一程は雑草に覆われているが、駐車場の様だ。近くに大勢が訪れる施設などは無いので展望台の類いかとも思ったが、柵の向こうは樹木が生い茂って、樹間から「大川目川」の向かいの山並みが辛うじて見えるだけ。この時は頭に「?」マークを浮かべた儘通り過ぎたが、後で調べてみると、どうやらここは「止滝」を見ることの出来る展望台だったらしいが、今は展望台としては機能していない様だ。 そこからまた下ったり上ったり。「上山白沢」を過ぎて「上山白沢橋」を渡り、右ヘアピンカーヴの「山白沢橋」は多分地図には表記が無い。この辺りは方角が頻繁に入れ替わるので途中から頭がすっかり混乱してしまい、取り敢えず次の橋を目印にすることにして、諦めて地図を見るのを止めた。左カーヴ地点には右分岐路、右カーヴ地点には左分岐路(谷間への道)が有る。「田代相馬線」標識の先は下りだが、左に地図に記載の無い電波塔か何かが建っている。「この先早口ダム付近 土砂崩れのため通り抜けできません」と云う看板を見付け若干不安になるが、前方から車だって来ているのだし、以前この辺りが通行止めになった時のものが撤去され忘れて残っているだけだと判断し、先へ進む(どの道ここから引き返せとか言われても無理)。「オップ沢橋」「古カラ沢」「焼仮戸沢」を過ぎ、「笹掘沢橋」では通行止めだった時の名残を発見。「小滝沢橋」「ゆのさわはし(湯ノ沢橋?)」を通り、左カーヴに左分岐路有り、「ガラ沢」、「フキ沢」には左分岐路有り、その先にも左分岐路有り、「黒滝沢橋」、左分岐路有り。地理院地図には「オップ沢」からここまでには橋は2つしか記載されておらず、どれがそれなのか私も混乱してしまって判別が付かないのだが、実際には4つ有る。 「付替橋」で「大川目川」の右岸に移ると、右に「砥沢林道」が延びている。「砥沢」の橋と「10K」標識を過ぎ、舗装路が出て来るとやがて早口ダムが見えて来る。木々がうるさくてダム全体の様子を見渡すことは難しい。堤防に寄ってみたかったのだが、通行止めになっていて入れなかった。地理院地図には記載されていないのだが、Googleの航空写真で見ると、ダムの南側に広がる711m等の諸ピークには、ピーク近くを縦走する様にして細い道が延びている。今後のルート開拓予定の中にそこも含まれているので、出来ればその下見をしてみたかったのだが、その道の北側の入口はダム堤防の先なのだ。これではどう仕様も無い。良く見ると堤防の向こうの山の斜面に鉄塔が立ち並んでいるので、恐らくは東北電力が設置した業務用の道なのだと思う。 (早口ダム〜小高四郎沢分岐点〜発電所分岐〜早口林道起点) ダムの先を下って「早口大橋」で「早口川」の左岸に移ってT字路を右折した先は再び未舗装に。その直ぐ先に水場が有るので取り敢えず水分補給させて貰う(改めて、晴れの日でなくて本当に良かった)。その先の左分帰路は林業用らしく立入禁止。「早口川橋?」で右岸に移り、その先の右分岐路(西へ県境を超えて延びる道か?)も立入禁止。右に半ば薮化した分岐路有り。「矢櫃沢橋」と「大倉沢橋」を渡り、その先にも右分岐路有り。左にカーヴする辺りで半トンネルを3つ通過する前後では川とその周辺の山並みの眺望が広がる。 その先の左分岐路には「小高四郎」の標識有り。この時はうっかりスルーしてしまい数分後に気付いたことが有る。先述した711mピーク等の南端がどうなっているのかは航空写真では明らかではないのだが、南側に出入口が有るとすればそれは「小高四郎沢」沿いの道の何処かに出る筈だ。確認の為引き返そうか迷ったが、どうせ北側の出入口は通行止めになっているのだし、この山は「立入禁止」に分類することにした。 分岐点の直ぐ先で不明橋、「上長溝沢」の橋、不明橋、「?沢橋」と橋を4つ渡るのだが、これは地理院地図の記載より1つ多い。やがて十字路(右は道ではなく駐車場か?)に出て直進(左は「五合渕沢」で発電所に通じている)。 その先で左分岐路有り、左の沢へ下りて行く分岐も有る。地理院地図では送電線の下を5回潜ることになっているのだが、実際には木々が多くて私が確認出来たのは3回。送電線の巡視路も有った。左分岐路が2つ、右分岐路が1つ、地図に記載の無い不明橋を渡り、「黒渕橋」で左岸へ移る。近くに伐採場が有り、祠だか只の小屋だか何だか判らない建物有り。更に「薄市橋」で「薄市沢」を渡り、そこから400〜500m程のT字路に出てようやっと「早口林道 起点」の標識が。「田代岳大橋」先からここまでは約47.5km程(実際には多分もう少し長い)。 (早口林道起点〜帰路) T字路を左折し、道なりに大野のY字路まで出て右折し南下していると、前方20m程を左から右へ横断しようとしている黒っぽい小動物が居る。てっきり猫かと思ったら、こちらに気付いて顔を向けた姿は明らかに違う。丸い瞳の顔全体は白っぽく、鼻の周辺が黒くなっている。直ぐに走って路地の中へ消えてしまったのではっきりとは見えなかったのだが、恐らくイタチか、さもなくばハクビシンだろう。こんな人里にも出るんだねぇ。 後はひたすら南下して国道7号線に出たら左折して早口駅方面に入りショートカット。再び国道7号線に戻って東進し、「東台温泉 東の湯」に寄る。出た頃にはすっかり暗くなっていた。こう云うルートは日照時間が長い時期でないと行えない。 |
その他周辺情報 | (「東台温泉 東の湯」) 入浴料350円。普通の内湯と、少し熱目の小さい湯。掛け湯は湯と水。浴場外に足湯も有り、水や茶は飲用自由。 |
写真
感想
(岩瀬線〜林道田代相馬線〜早口林道)
先述した通り何処から何処までがそれぞれの道なのか判別出来ないが、恐らく試験場周辺の道は三菱重工が整備しているのだろう。田代岳登山口までの道は観光立地強化で来年度から整備されるらしいから、今後に期待(上荒沢登山口はともかく、薄市登山口への道も出来れば整備して欲しいものだが)。だが仮令舗装されたとしても標高600m超えまで高度を上げなければならないので、自転車乗りには依然厳しい道になることだろう。
何れにしろ、環境保全と云う観点からは田代岳に登る人は余り多くても困るのだろうが、観光地として開放したいのであれば、公共アクセスの確保は必須事項である(この近辺に住んでいる人は自家用車で移動するのが当たり前になっているので、どうもその辺の観点が欠落した人が多い様だが)。以前にも書いたが、「車を使えば行ける観光地」などと云うものは、「薮漕ぎをすれば登れる山」みたいなもので、それは凡そ整備されている状態とは言わない。一番近いバス停から14〜15kmも離れた登山口など、市の内外を問わず車以外で遣って来る人間には「登るな」と言っている様なものである。車道(舗装整備)、公共交通(登山シーズン限定の観光バス等)、或いは別の登山口の確保(もっと麓の方から登れる道の開拓や整備)等、総合的な対策を取らなければ、田代岳を観光地として売り出すことは難しいだろう。
弘前の相馬へ抜ける道は路肩崩落で通行不能で、復旧の目処が立っていない。まぁ物凄く不便な場所に在るので通れなくっても困る人はそれ程居ないのだろう。山歩き目的でここを歩くとしても、帰りの足の確保が難しくなりそうなので(実際、弘前市のアップルロードからここを通って田代岳に登った方は最終バスに間に合わず、地元の方の車にでも乗せて貰ったらしい https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-706811.html )、自転車か徒歩でここを通るのは難しいだろう。通行止めになる前はバイクでここを通っていた方はちらほら居た様ではあるが。
総評としては、山歩き目的としては、一度確認の為に通ってしまえば後はもうお腹一杯かな、と云う感じ。標高が800m超えまで上がる割に眺望で得られるのは近場の山並みだけだし、樹木に阻まれて見晴らしは良くない。散策するにしては長過ぎるし、近道も出来ない。この日だって下り坂で自転車を使わなければ歩き通せなかっただろう。私はやらないが仮令入口まで自動車を使ったとしても、今度は帰り道で回収が大変になるだろう。前掲の山行記録には営林署に泊めて貰ったと書いてあるが、現在ではそんなものが有るのかどうか不明だし、熊の出る山の中で一泊するのは余りゾッとしない。それにここまで車の通行量の多い林道は初めてだ。独りになるのが目的なら、この道はそれには適さない。
(滝)
前掲の大館文化財マップに拠れば、「五色の滝」の上流に、更に「高滝」と「黒滝」と云うのが有るらしいが、地理院地図にはひとつしか記載されていない。文化財マップが大雑把なのでこれが「高滝」と「黒滝」のどちらに該当するのかは判らないが、何れにしろ道から見下ろせる所には位置していないのだろう。
(三ツ森)
矢立峠を超える通常のルートと、現在通行止めになっている田代相馬線で山越えをするルートの他、弘前へ抜けるルートとして第3のものがこの三ツ森を越えるルートで、前掲の山行記録では、「座頭石から一野渡林道を歩いて三ツ森を超え」たと書いてあるので、数十年前は確かにここに道が存在していたのだろうが、現在は消失している様だ。先述した様にこの周辺には地図に記載の無い分岐路が3つ程有るし、航空写真では何だか良く判らない筋が幾つか走っているので、ひょっとしたら山越えをするルートが何処かに存在しているのかも知れないが、地元の人でもなければそんな道は判らないだろう。
(長慶金山跡地)
先述した様にこの史跡については名前は聞いたことが有ったものの、具体的な事前情報は全く集めていなかったのだが、帰宅後大館文化財マップを調べてみると確かに記載が有った。( http://odate-city.jp/museum/wp-content/uploads/cul_bunka_map_tashiro_02.pdf )。『大館地方の歴史散歩』(1990年)には「熊出没、立入禁止の札が立っている」と記されているが、そうした禁止の表示は見掛けなかった。長慶金山に関しては「幻の金山」と云うことで概要の情報は手に入るのだが( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E6%85%B6%E9%87%91%E5%B1%B1 )、現地の様子を記録した映像はこれ( https://blog.goo.ne.jp/sasakatukatuya/e/63c4a16e656a4b7251aca897f9213499 )位しか見付からなかった。具体的にどの辺に跡地が在るのかは依然不明である。
(止滝/泊滝)
これは各所の案内看板以外に具体的な情報が無く( http://www.takipedia.com/index.php?page=detail&id=6057&date= )、「泊滝」表記も有る様だ。何処かで「市内最大の滝」と云う宣伝文句を見た気もするが、何処でだったか思い出せない。何れにしろどんな観光施設も整備し続けなければ意味を成さない(それ以前にアクセスが悪過ぎるが)。画像はこれ( http://shomepage.la.coocan.jp/2010tomaridaki(tasiro).html )しか見付けられなかった。
(早口ダム南の711mピーク等)
ここも登れたら面白いかなーと思っていたのだが、案の定関係者以外立入禁止の東北電力の業務用の道なのだろう。或いは道ですらなく、送電線か何かの跡なのかも知れない。西側の斜面には山頂近くまで伐採場が広がっている様なので、伐採が終わっている様であれば、その内のどれかを辿ってみるのも面白いかも知れないが、前述した様にこの近辺で立入禁止看板を2つ見付けたので、ここもまた入れない可能性は高い。
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