白神山地東部横断 座頭石〜田代岳〜中谷地 青森・秋田県境乗越
- GPS
- 32:00
- 距離
- 26.7km
- 登り
- 1,465m
- 下り
- 1,454m
コースタイム
- 山行
- 11:07
- 休憩
- 0:11
- 合計
- 11:18
- 山行
- 6:03
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:03
天候 | 3/12:雨のち晴れ 3/13:曇りのち雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
https://www.shuhokubus-gr.co.jp/local/3010/odate_5nakayachi.html 【弘南バス 座頭石線時刻表】 http://www.konanbus.com/1368.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
【一野渡林道】 大和沢川と股兎沢の分岐から少し先で渡渉地点あり 股兎沢支流の林道で崩落箇所あり 基本的に徒歩でのみ通行可能 【県境尾根〜田代岳】 全体的に雪庇に注意 ガスるとルートファインディングに苦戦すると思う 【田代岳 薄市ルート】 積雪期は下山に本ルートをとると、ルートファインディングが難しい 中谷地から先の林道は除雪されていない カツチ東又沢は渡渉なしで渡れる |
写真
感想
スキーで田代岳を座頭石から県境を越えて登頂する。これは予てから温めていた野望だった。田代岳に登る人は多くても、青森県側から県境を越えて、秋田県側に降りる人など殆どいない。県境を跨いで名峰に登頂し、山を越えて反対側に降りる、かつ全行程を山スキーで完徹するというなんとも美しい計画である。
本計画のメンバーは最初はザイルパートナーのnoguchikと、安寿会のKと、私の3人だったが、noguchikが都合が悪くなり、Kと私の2人で挑むことになった。山岳部と安寿会の差しの山行である。
3/12
朝の3時半に弘前大学の正門前で待ち合わせ、タクシーで座頭石へ向かった。12日しか天気が良くないことがわかっていたため、何としてでも山小屋のある田代岳山頂でC1するためになるべく早く登り始めたかった。それを実現するには、バスの始発はあまりにも遅すぎる。そのためにタクシーでアプローチしたのである。大学から座頭石まで8kmほど。何とか学生でも支払える料金だった。座頭石に到着し、スキーを履いてスタートする。雨とみぞれが混じる中、最初は林道をひたすら歩いた。大和沢川から股兎沢に入って暫くすると1つ目の難所が現れる。そう、渡渉だ。どうしても渡渉しないとまともなルートが取れそうになかった。しかし、靴を濡らしたくはない。結局、裸足で渡渉することとなった。2人とも冷たさに悶絶しながらも、なんとか渡渉に成功した。流石のKも流転の山行で積雪期に裸足で渡渉したことはないと言っていた。股兎沢から林道が通る支流に入った。林道があるはずだが、それらしきものは見えなかったため、沢をそのまま詰める。しかし、沢はすぐに急峻になり、尾根へ逃げると林道を発見した。林道をひたすら進む。地図上の542m地点の下付近で、林道が崩壊していた。しかし、尾根に逃げるにしても急峻で、時間がかかりそうだった。難儀しながらも無理やり崩壊した林道を越えて、歩き続けた。それにしてもこの林道はやたらと長い。だが、ショートカットも傾斜と植生からして現実的ではない。予定より時間をかけながらも何とか県境尾根に上がった。稜線は林道歩きとは打って変わって快適なスキー縦走を楽しませてもらった。天気も良くなり、登りと滑走を交互に気持ちよくこなす、天国のような縦走だった。私もKもルンルン気分。しかし、東側には雪庇が発達しており、こればかりは気をつけなければならなかった。844mピークからは田代岳方面へコンパスを当てて登った。田代岳本峰の斜面は滑走も面白そうだった。登っていくと、突然、湿原に出た。見通しが良く、岩木山もクッキリと見えた。そこから程なく、田代岳の山頂に到着した。360度の大展望であり、天気にも恵まれ、最高の山頂となった。天気に関しては昨日までずっと雨予報だったので、天気の回復には気が狂わんばかりに歓喜した。この日は新築ホヤホヤの山頂避難小屋でC-1した。実に快適な避難小屋だった。
3/13
朝起きると外はガスと風だった。下山するだけなのでまぁ良しとする。ガスの中で苦労しながらも、薄市コースの尾根を発見し、ひたすらスキーで滑走する。最初は順調であったが、急になるところで尾根を1つ間違えてしまった。この辺りは尾根も谷も分かりづらく、間違えやすいと感じていたが、案の定だった。間違えた尾根をそのまま下るのは危険だったので、面倒ではあったが、少し登り返して、正解の尾根へ移った。薄市ルートの尾根の下部は、杉の林と細かい地形でひどく滑走しづらかった。途中つぼ足で降りながらも、何とか下まで降りきる。尾根を降りきったところのカツチ東又沢は渡渉を覚悟していたが、幸いにも丈夫そうなスノーブリッジを渡ることができた。ここは計画段階から面倒な渡渉を覚悟していた。山行中にもKと「最後の難関」と話していただけに、渡渉無しで渡れたのは嬉しかった。そこからは長い林道歩きだった。若干下り気味だが、非常に退屈な道である。そうこうしている間にバスの時間が迫ってきた。急いだが、バス停目前でバスは我々の目の前で方向を変え、発車してしまった。仕方がないので雨と雪が降りしきる中、次のバスまで2時間半、屋根も自販機もないバス停で待つことにする。屋根がないのでツェルトを被った。まるでビバークである。そうしているうちに、見かねた農協の方が私たちを早口駅まで送ってくれた。御好意に感謝、本当にありがとうございました。無事に駅に着き、山行を終了した。
今回はただ積雪期の田代岳に登頂したのではなく、山越え+県境越え、かつ山スキー縦走というスタイルをとることによって、とても充実した山行になったと感じている。これからも、自分とそのメンバーにとって充実感のある山行を計画していきたい。
あと、今回山行について来てくれた安寿会のKに感謝したい。彼女は今年、黒木さん率いる山岳同人流転の遠征に行く。彼女とそのメンバーの遠征の成功を、私は心から願っている。私ができることはそのくらいしかないが、本当に心の底から願っている。
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