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Yamareco

記録ID: 1755529
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
白神山地・岩木山

白神山地東部横断 座頭石〜田代岳〜中谷地 青森・秋田県境乗越

2019年03月12日(火) ~ 2019年03月13日(水)
情報量の目安: S
都道府県 青森県 秋田県
 - 拍手
GPS
32:00
距離
26.7km
登り
1,465m
下り
1,454m

コースタイム

1日目
山行
11:07
休憩
0:11
合計
11:18
4:02
435
座頭石
11:17
137
三ツ森
13:34
13:45
95
844mピーク
15:20
田代岳
2日目
山行
6:03
休憩
0:00
合計
6:03
7:40
272
田代岳
12:12
91
薄市山の家
13:43
中谷地バス停
天候 3/12:雨のち晴れ
3/13:曇りのち雪
過去天気図(気象庁) 2019年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー
【秋北バス 中谷地線時刻表】
https://www.shuhokubus-gr.co.jp/local/3010/odate_5nakayachi.html

【弘南バス 座頭石線時刻表】
http://www.konanbus.com/1368.html
コース状況/
危険箇所等
【一野渡林道】
大和沢川と股兎沢の分岐から少し先で渡渉地点あり

股兎沢支流の林道で崩落箇所あり

基本的に徒歩でのみ通行可能


【県境尾根〜田代岳】
全体的に雪庇に注意

ガスるとルートファインディングに苦戦すると思う


【田代岳 薄市ルート】
積雪期は下山に本ルートをとると、ルートファインディングが難しい

中谷地から先の林道は除雪されていない

カツチ東又沢は渡渉なしで渡れる
未明に座頭石を出発

先は長い
2019年03月12日 04:02撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 4:02
未明に座頭石を出発

先は長い
大和沢川と股兎沢の分岐を股兎沢側から見る

橋がしっかり掛かっている
2019年03月12日 05:34撮影 by  iPhone 6s, Apple
3/12 5:34
大和沢川と股兎沢の分岐を股兎沢側から見る

橋がしっかり掛かっている
やむを得ず裸足で渡渉

冷たさに悶絶する
2019年03月12日 06:10撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 6:10
やむを得ず裸足で渡渉

冷たさに悶絶する
まるで車両が通れるかのような記述だが、無雪期かつ四駆のオフロード車でも座頭石からここまで来るのは不可能である。
2019年03月12日 08:11撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 8:11
まるで車両が通れるかのような記述だが、無雪期かつ四駆のオフロード車でも座頭石からここまで来るのは不可能である。
林道から久度寺山を遠望
2019年03月12日 08:38撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 8:38
林道から久度寺山を遠望
やっとの思いで県境尾根に上がる
2019年03月12日 10:21撮影 by  iPhone 6s, Apple
3/12 10:21
やっとの思いで県境尾根に上がる
登っては滑走し、変化に富む

山スキー縦走ならではの楽しみ
2019年03月12日 11:27撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 11:27
登っては滑走し、変化に富む

山スキー縦走ならではの楽しみ
林道との交差点
2019年03月12日 11:46撮影 by  iPhone 6s, Apple
3/12 11:46
林道との交差点
岩木山が見えた

ここからのアングルは格別
2019年03月12日 11:55撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 11:55
岩木山が見えた

ここからのアングルは格別
岩木山に歓喜
2019年03月12日 12:03撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 12:03
岩木山に歓喜
滑走するK

本人は謙遜しているが、革の山靴で本当に器用に滑る
2019年03月12日 12:24撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 12:24
滑走するK

本人は謙遜しているが、革の山靴で本当に器用に滑る
田代岳を初めて目視

左から、田代岳、雷岳、烏帽子岳
2019年03月12日 12:55撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 12:55
田代岳を初めて目視

左から、田代岳、雷岳、烏帽子岳
田代岳本峰の登り

幾重にも重なる峰々の先にそびえる岩木山が美しい
2019年03月12日 14:30撮影 by  iPhone 6s, Apple
3/12 14:30
田代岳本峰の登り

幾重にも重なる峰々の先にそびえる岩木山が美しい
山頂付近の湿原
2019年03月12日 15:07撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 15:07
山頂付近の湿原
広くて開放的だ
2019年03月12日 15:08撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 15:08
広くて開放的だ
安寿会のエースK

2019年03月12日 15:18撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 15:18
安寿会のエースK

トレースは我々のものしかない
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トレースは我々のものしかない
田代岳山頂に到着
2019年03月12日 15:20撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 15:20
田代岳山頂に到着
左は新築の避難小屋

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左は新築の避難小屋

岩木山と喜ぶK
2019年03月12日 15:25撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 15:25
岩木山と喜ぶK
インカメにて
2019年03月12日 15:26撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 15:26
インカメにて
昨年建てられたばかりの山頂の避難小屋で快適な一夜を過ごす
2019年03月12日 17:01撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/12 17:01
昨年建てられたばかりの山頂の避難小屋で快適な一夜を過ごす
翌日はガスとみぞれの中の下山

序盤は快適に滑走する
2019年03月13日 08:10撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/13 8:10
翌日はガスとみぞれの中の下山

序盤は快適に滑走する
この辺りで尾根を一本間違えて一苦労する
2019年03月13日 09:02撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/13 9:02
この辺りで尾根を一本間違えて一苦労する
渡渉なしで渡れたカツチ東又沢
2019年03月13日 12:00撮影 by  iPhone 6s, Apple
3/13 12:00
渡渉なしで渡れたカツチ東又沢
2019年03月13日 12:12撮影 by  iPhone 6s, Apple
3/13 12:12
ひたすら林道を行く

微妙に下りなので多少はスキー板は滑ったが、期待したほどではなかった
2019年03月13日 12:22撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/13 12:22
ひたすら林道を行く

微妙に下りなので多少はスキー板は滑ったが、期待したほどではなかった
走り去るバスを目の当たりにして落ち込むK
2019年03月13日 13:22撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/13 13:22
走り去るバスを目の当たりにして落ち込むK
中谷地バス停に着く

充実感たっぷりの山越えスキー縦走だった
2019年03月13日 13:43撮影 by  iPhone 6s, Apple
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3/13 13:43
中谷地バス停に着く

充実感たっぷりの山越えスキー縦走だった
撮影機器:

感想

スキーで田代岳を座頭石から県境を越えて登頂する。これは予てから温めていた野望だった。田代岳に登る人は多くても、青森県側から県境を越えて、秋田県側に降りる人など殆どいない。県境を跨いで名峰に登頂し、山を越えて反対側に降りる、かつ全行程を山スキーで完徹するというなんとも美しい計画である。

本計画のメンバーは最初はザイルパートナーのnoguchikと、安寿会のKと、私の3人だったが、noguchikが都合が悪くなり、Kと私の2人で挑むことになった。山岳部と安寿会の差しの山行である。


3/12
朝の3時半に弘前大学の正門前で待ち合わせ、タクシーで座頭石へ向かった。12日しか天気が良くないことがわかっていたため、何としてでも山小屋のある田代岳山頂でC1するためになるべく早く登り始めたかった。それを実現するには、バスの始発はあまりにも遅すぎる。そのためにタクシーでアプローチしたのである。大学から座頭石まで8kmほど。何とか学生でも支払える料金だった。座頭石に到着し、スキーを履いてスタートする。雨とみぞれが混じる中、最初は林道をひたすら歩いた。大和沢川から股兎沢に入って暫くすると1つ目の難所が現れる。そう、渡渉だ。どうしても渡渉しないとまともなルートが取れそうになかった。しかし、靴を濡らしたくはない。結局、裸足で渡渉することとなった。2人とも冷たさに悶絶しながらも、なんとか渡渉に成功した。流石のKも流転の山行で積雪期に裸足で渡渉したことはないと言っていた。股兎沢から林道が通る支流に入った。林道があるはずだが、それらしきものは見えなかったため、沢をそのまま詰める。しかし、沢はすぐに急峻になり、尾根へ逃げると林道を発見した。林道をひたすら進む。地図上の542m地点の下付近で、林道が崩壊していた。しかし、尾根に逃げるにしても急峻で、時間がかかりそうだった。難儀しながらも無理やり崩壊した林道を越えて、歩き続けた。それにしてもこの林道はやたらと長い。だが、ショートカットも傾斜と植生からして現実的ではない。予定より時間をかけながらも何とか県境尾根に上がった。稜線は林道歩きとは打って変わって快適なスキー縦走を楽しませてもらった。天気も良くなり、登りと滑走を交互に気持ちよくこなす、天国のような縦走だった。私もKもルンルン気分。しかし、東側には雪庇が発達しており、こればかりは気をつけなければならなかった。844mピークからは田代岳方面へコンパスを当てて登った。田代岳本峰の斜面は滑走も面白そうだった。登っていくと、突然、湿原に出た。見通しが良く、岩木山もクッキリと見えた。そこから程なく、田代岳の山頂に到着した。360度の大展望であり、天気にも恵まれ、最高の山頂となった。天気に関しては昨日までずっと雨予報だったので、天気の回復には気が狂わんばかりに歓喜した。この日は新築ホヤホヤの山頂避難小屋でC-1した。実に快適な避難小屋だった。

3/13
朝起きると外はガスと風だった。下山するだけなのでまぁ良しとする。ガスの中で苦労しながらも、薄市コースの尾根を発見し、ひたすらスキーで滑走する。最初は順調であったが、急になるところで尾根を1つ間違えてしまった。この辺りは尾根も谷も分かりづらく、間違えやすいと感じていたが、案の定だった。間違えた尾根をそのまま下るのは危険だったので、面倒ではあったが、少し登り返して、正解の尾根へ移った。薄市ルートの尾根の下部は、杉の林と細かい地形でひどく滑走しづらかった。途中つぼ足で降りながらも、何とか下まで降りきる。尾根を降りきったところのカツチ東又沢は渡渉を覚悟していたが、幸いにも丈夫そうなスノーブリッジを渡ることができた。ここは計画段階から面倒な渡渉を覚悟していた。山行中にもKと「最後の難関」と話していただけに、渡渉無しで渡れたのは嬉しかった。そこからは長い林道歩きだった。若干下り気味だが、非常に退屈な道である。そうこうしている間にバスの時間が迫ってきた。急いだが、バス停目前でバスは我々の目の前で方向を変え、発車してしまった。仕方がないので雨と雪が降りしきる中、次のバスまで2時間半、屋根も自販機もないバス停で待つことにする。屋根がないのでツェルトを被った。まるでビバークである。そうしているうちに、見かねた農協の方が私たちを早口駅まで送ってくれた。御好意に感謝、本当にありがとうございました。無事に駅に着き、山行を終了した。

今回はただ積雪期の田代岳に登頂したのではなく、山越え+県境越え、かつ山スキー縦走というスタイルをとることによって、とても充実した山行になったと感じている。これからも、自分とそのメンバーにとって充実感のある山行を計画していきたい。

あと、今回山行について来てくれた安寿会のKに感謝したい。彼女は今年、黒木さん率いる山岳同人流転の遠征に行く。彼女とそのメンバーの遠征の成功を、私は心から願っている。私ができることはそのくらいしかないが、本当に心の底から願っている。

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