48.両神山 「あの日見た花」
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.6km
- 登り
- 1,408m
- 下り
- 1,401m
コースタイム
1115山頂-1135両神神社本社(昼食)1145-1220清滝小屋-1245八海山-1325七滝沢コース分岐-1355両神山荘 所要時間:2時間40分
合計:6時間
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー
タクシーは西武秩父駅から両神山荘前まで8300円かかりました。 帰りは小鹿野町営バスを利用して、 日向大谷口〜小鹿野町役場前 410円 小鹿野町役場前〜西武秩父駅 460円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道は序盤は片側が切れ落ちてるため油断は禁物です。特に帰りは転倒が多くなりがちなので転び方が悪いと奈落の底ということも有り得ると思います。 鈴が坂から山頂まで、岩場鎖場が続きます。晴天時は登山者が多く渋滞が発生しやすくなるため、時間が限られている方は早めの行動をお勧めします。 |
写真
感想
第48座 あの日見た花
僕が住む一宮市から西の百名山は白山を残すのみとなって、行き先は必然的に関東地方に向けられた。その中でも雪が溶けて4月中旬から無雪で登れる両神山に定めた。岩場鎖場があるのが気になるが、雨を避ければいけるだろうということと、これを機会に避けていた岩場鎖場のある山を経験したいということで、この山に決定した。
計画は、雨が降った時に柔軟に対応できるように、秩父市内のホテルをベースにすることにした。天気がいい日を狙って両神山を陥れようという計画だ。西武秩父駅から登山口がある日向大谷口まではタクシーでいこうという計画を立てた。運良く天気が続けば、武甲山も登ろうと考えていた。
5月4日昼前に池袋に到着。ここから西武鉄道の特急レッドアロー号に乗って、秩父へ向かうのだが、乗ろうとしていた便は既に満席。その次の便がもうすぐ満席ということで、この便の特急券を購入した。秩父がこんなに人気があったとは想定外であった。
池袋から1時間30分で西武秩父駅に着いた。着いたその足で宿泊予定のホテルへ向かい、大方の荷物を預けてもらって、荷が軽くなったところで、羊山公園の芝桜を観たり、秩父市内を歩いて観光して来た。この日は雨が降ったり止んだりの不安定な天気ではあったが、一応は観光が出来た。ホテルへ戻ってチェックインを済ませた。部屋に入って、テレビの天気予報を観たら、行楽日和は5日のみ。6日は不安定な天気になるという情報を受け、
明日は両神山に登ろうと決めたのであった。
5月5日を迎えた夜は寝たか寝ていないか解らないまま3時を迎えてしまったので、観念して起きた。ゆっくり荷物の整理だとかストレッチとかして時間をつぶしていたのだが、問題は朝食のことであった。無料の朝食券をもらっていたのだが、朝食提供が始まるのが6時30分で、食べないでいこうか、食べてからいこうか、迷っていた。今日の日程表を読みながら、食べてからいっても遅くはないと判断して食べていくことにした。
6時ぐらいにホテルのフロントで新聞を読みながら待っていると、団体の宿泊客が朝食を食べにフロントに集まったため予定より10分早く「開店」となった。朝食はバイキング方式になっていたので、行列に並んで自分の食い分を確保して食べた。食後、鍵をフロントに預けて、6時30分頃にホテルを出た。
西武秩父駅に着いた僕は、停車中のタクシーの運転手に両神山に登りたいのだけれど、登山口の日向大谷口まで乗せてくれないだろうかと交渉した。すんなり交渉が成立して、僕はタクシーに乗った。西武秩父駅から日向大谷口まで9000円かかるらしいのだが、どんだけかかるのだろうと乗っている間、距離を重ねるごとに加算される料金のメーターが気になって仕方がなかった。
タクシーが日向大谷口まで1キロ手前ぐらいだろうか? 緑色? のジャンパーを着た地元のボランティアスタッフの方が、
「奥の駐車場は満車なので、ここに停めて下さーい」
という感じで、マイカーで来たクルマの誘導をしていた。しばらく走ると、歩いて登山口へ向かう登山者がちらほらいた。僕を乗せたタクシーは登山口の両神山荘まで送ってもらえた。ちなみに料金は8300円。それなりに料金はかかったが、その分の時間を買ったと割り切ることにした。
7時45分、両神山荘前を出発。入山届を記入し、程なく歩いたところに鳥居があるので、それをくぐった。登り始めはなだらかな登り坂という感じなのだが、左側が切れ落ちているので、運悪く左足を踏み外したら奈落の底である。いきはともかくとして、集中力が切れやすい帰り道は用心せねばと思った。8時10分に七滝沢コース分岐を通過。ここから先は川を渡渉を繰り返しながら高度を上げるのだが、昨日の雨の影響で水の勢いは強かったが、浅瀬で岩が露出しているところを狙って無難に渡った。
道中、不動明王や何かの神様の石像が登山道の沿道に鎮座していた。これから見ても両神山が信仰の対象として崇拝され、登山道を整備し、石像を配置していったんだなと思った。歴史の重みを感じながら登った。ここまで登ってかなり疲れたので、8時55分に八海山に着いた時に、ようやく一本を立てた。
10分の休憩の後、再び登り始めた。急な斜面を登っていくと、弘法の井戸という水場に着いた。水が細いパイプや岩の隙間から流れ出ており、上を見上げると弘法大師(空海)の石像が鎮座していた。多分ここも、全国に散らばる空海伝説に関係する場所らしい。ここの水を飲んでみると冷たくておいしかった。勿論、水は2リットルは背負っているけれど、山の水を飲むということは、気分転換にもなるので、登山道に一箇所でも、こういう水場があるとありがたく思う。
弘法の井戸からしばらく登ったら、9時35分、清滝小屋に着いた。清滝小屋は2階建てなのだが、現在は1階のみ避難小屋として利用可、トイレは改築中で、仮設トイレが三基設置されていた。小屋の中はよく見ていないのだが、住み心地は悪くはなさそうだ。僕はこれから難所が山頂まで続くことを予測して、ストックをしまってザックのサイドポケットに差し込んで落ちないようにストラップで固定した。これで両手は自由だ。
登り始めて、いきなりの急登。この坂は「鈴が坂」と名付けられていた。この坂を登り切ったところでようやく稜線に出た。見上げると目指すべき山頂が見えた。そして登り出すと木の根が露出した鎖場が僕の目の前に現れた。雨だったら濡れた木の根は厄介だろうなと思いながら、ほとんど鎖に頼らず通過した。そして10時35分、両神神社本社に到着した。
神社を守護するのは狛犬と相場が決まっているが、ここでは、犬ではなく狼が鎮座している。その昔、この辺に狼がいた名残だろうか? とにかく、昔の人は狼は厄介な存在ではなく、神の使いとして有難かった存在だったのだろうか? ここにある狼の石像がひょうきんだったり、ワイルドな風貌だったりと、かってここに住んでいただろう狼の面影を止めていた感じがした。
ここから山頂へはもう少しなんだが、鎖場の難所が続いて、降りて来る登山者と道を譲り譲られ何とか山頂に近づいた。岩場鎖場はしばらくは敬遠していたけど、無難にこなせて、あぁ、俺も大丈夫だな。と思った。11時5分、ついに両神山山頂に着いた。標高は1723メートルだ。しかし、山頂は思いの他狭く、山頂からの景色を堪能する暇もなく、わずか10分いただけで下山を始めた。
予想通り、登って来る登山者が多くて、鎖場では必ず渋滞が発生した。僕はこれを読んでいきはタクシーで来たのだが、ここで時間を買って正解だったと思った。余裕を持って鎖場を通過。両神神社本社前のベンチでカロリーメイトやソイジョイなどの昼食をとった。
八海山を過ぎたあたりで、登山者は僕一人で、山頂では人一杯だったのになと複雑な心境で山を下った。
13時55分に両神山荘前到着。これで14時50分発のバスに充分間に合う。よし、今日も無事に登山が終わったぞ! と思った。下山後に飲むレモン味の炭酸飲料がいつもより美味く思えた。帰路はバスを乗り継いで西武秩父駅に着いた。明日の天気はどうなるかよりは、取りあえず、流しっぱなしの汗を流そうとコンビニで食料やビールを買い込んでホテルへと向かった。
武甲山へ続く・・・・
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