多摩川/一ノ瀬川水系 小常木谷


- GPS
- 32:00
- 距離
- 7.4km
- 登り
- 938m
- 下り
- 940m
コースタイム
−F1兆子ノ滝(一旦前進ロープを固定し下降)−15:30カヤ沢出合(ビバーク)
4/30 4:30起床6:30発−置草履ノ悪場(F1兆子ノ滝(直登)−F2逆くの字滝(高
巻)−F3不動滝(高巻)−F4二段大滝(高巻)−F5・F6ねじれの滝
(高巻)−岩岳沢−左俣−岩岳尾根(岩岳ピーク南側)−大常木林道−余慶橋
=丹波温泉のめこいの湯=八王子駅(解散)
天候 | 4/29 曇り 4/30 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2006年04月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
【温泉】丹波温泉「のめこいの湯」※国道411号線沿い 4-11月 営業時間は18:00までに受付終了 600円 休憩所 ドライヤー・シャンプー等完備 肌がすべすべしてよい温泉 |
ファイル |
非公開
1917.xls
計画書
(更新時刻:2010/07/28 08:54) |
写真
感想
奥多摩湖を越えて更に西へ行き、多摩川本流を左岸(右側)から右岸(左側)に
国道411号が渡る余慶橋の手前には車10台程度停められるスペースがある。
朝まずめを狙うであろう釣り士を避けるため、今回は少し遅く入渓する計画だ。
余慶橋に着くと既に車4台が駐車している。おそらく釣り士だ。
余慶橋の手前(奥多摩側)脇に入山口がある。
そのまま河原に降りないで。すぐに上部に登山道がついているので注意。
火打石沢から小常木谷へ繋がっている大常木林道は、更に上部へ登っている。
50mくらいジグザグに登ると、あとは平坦な登山道ではあるが
下に見える国道が右側(手前側)にカーブした辺りで
大常木林道本道は二俣を上部(右側)に入る。
ここには少し上部の枝に古びた赤と白テープが巻きつけてある。
我々は行きにこの分岐を見落とし、そのまままっすぐに行ってしまい
もうこれは釣り士たちの河原に降りるであろうと思われる悪道を使ってしまい
降りた所は多摩川本流と小常木谷が出合うポイントであった。
仕方がないので出合がゴルジュ状になった小常木谷にジャボジャボと入渓。
そのうち支流である火打石谷が合流し、大常木林道本道がハッキリ合わさる。
少しの間、この大常木林道を使い木製の橋を4回ほど渡ってから
小常木谷を事実上遡行開始。
置草履の悪場と呼ばれるF1兆子ノ滝までは特に悪い箇所もなく
1級の沢という印象。
ヒタヒタと遡行していくと・・・ありゃ〜やっぱり先行する釣り士1名発見。
渓流釣りのマナーには、その沢に一番目に入った人に優先権があるのだ。
だから彼らと共存するためには、迂闊に追い抜いたり、近づいてはいけない。
以前何度かこのマナーを知らないでトラブルになった経験もある。
釣り士が竿を出しているときは、ある程度距離を置いて休憩せざるをえない。
そんな状態がしばらく続いたが、彼の釣り士も下で待機している我々を
認識してくれたのであろう。
「来てもいいよ」サインを出してくれた。
ありがたい。今日はここまでという釣り士さんと挨拶を交わし先を急ぐ。
少々時間が遅くなってしまっているので、もしものために
置草履の悪場手前に良いビバークサイトを探しながら遡行する。
花ノ木沢、カヤ谷を過ぎると、谷はほぼ直角に右に曲がって
ゴルジュを形成しているのがわかる。
雰囲気的にあれを曲がれば大きな滝があるのだろうな。
と、やはり出た出た。
置草履の悪場の前衛、F1−10m兆子ノ滝だ。
雰囲気は利根川本谷の大利根滝に似ているな。
滝の右岸(左側)ルンゼ状がどうやら登れそう。
後藤が空身でリードする。
ランニングビレイは途中1−2箇所ハーケンがあった。
最後滝の落ち口に戻るようにトラバースする時流芯に足を滑らさないよう注意。
クライミンググレードは卦蘢度だ。
セカンドの吉田さん、ラストの平さんをそれぞれビレイで上げ
残置した自分のザックを上げようとしたが、滝の流れにはまってしまい
どうにも上がらない。
仕方なく一度固定ロープにムンターヒッチで懸垂し
背負ってから再度登る。
この調子では置草履の悪場をすべて一日で抜けるのは夕暮れてしまうと相談し
結局固定ロープを明日のために残置して
先ほど目を付けておいたカヤ谷出合右岸にあった3−4人寝られる台地に戻り
今宵のビバークサイトとした。
当初4テント予定であったが、軽量化のため今夜は夏のようにタープONLY!
流木は豊富だし、この時期は乾燥した枯葉も豊富で
焚き火は一発で燃え上がる。
夏用シュラフとカバーは持参したが、危惧していた寒さはほとんどなく
みんなスヤスヤ寝られたそうだ。
僕はいつものように焚き火の傍らで心地よく満天の星を仰ぎながら就寝。
素敵な一夜を過ごさせてもらった。
翌朝晴れてはいるが、さすがに早朝の水は冷たい★
昨日固定しておいたロープにタイブロックを使ってまずは平さんが登る。
続いて吉田さんは「使ってみたい」と貸した僕のロープマンで登り
最後はビレイで後藤が登る。
F2逆くの字滝は釜に入るのを嫌い、左岸(右側)の壁をトラロープ沿いに
まず僕がフリーで登る。
ここは意外と難しいぞと判断し、上からロープを投げ2名を確保して巻いた。
少し歩くとこの沢で一番格好のよいF3−12m不動滝だ。
この直登はまぁ無理。
右側階段状ナメ滝の中間部テラスまでフリーで上がり
ここでセルフビレイ用のハーケンを1本打ち
後藤が確保されながら左上しているルンゼをバランスで登る。
40mロープなので一旦上部の大木で固定ロープを作り二人を登らせた。
さて、不動の滝とその上の滝を一緒に巻くためには
ここから少し高度感のある狭いバンド状のトラバースだ。
あとで残置はせずに回収できるように、木にロープをまたがせ
末端を自分のハーネスに固定して懸垂のような格好でビレイしてもらう。
何とかフリーで河原に降りられる地点までロープを伸ばせた。
置草履最後の滝ネジレの滝も夏なら登ろうと思うが
落ち口のところがシャワーになりそうなので
左岸(右側)の痩せた尾根を登り高巻く。
痩せ尾根を滝の落ち口くらいまで登ると正面を岩壁が塞ぐが
木と岩を掴みながら卦蘢度のクライミングで突破。
ここは皆フリーで上部の斜度が寝ている木でセルフを取る。
さてさて、また足元が切れている悪いバンドトラバースだ。
今度はロープ1本引き後藤リード。
一箇所残置の長いスリング2本でテンショントラバースする悪場があった。
ここまで隋分時間を費やしてしまった。
本流を最後まで詰めるとタイムアウトになりそうなので
左側から流入している岩岳沢を詰めることにした。
出合からガレガレで荒れている小沢だ。
少し登ると二俣。本流は右なのでそちらに歩を進めると
10mくらいのナメ滝に進路を塞がれる。
右岸(左側)から高巻くと、どうも本流である右俣はカヤトがうるさく
降りるのは困難。
で、ついつい降りやすい左俣に行く。
岩岳沢左俣は水量もほとんどなく、前半からガレ場登りだった。
息を切らせながら詰めると、脆いザレ場は斜度が増し
太い流木の上からはカヤトの猛烈な藪漕ぎとなった。
崩れようとする足元を両手で掻き分けたカヤトを掴みながら
なるべく弱点をと体を上げていく。
吉田さんはどうも藪漕ぎが好きなようだとこのときわかった。
平さんは先に左の尾根に逃げたので
姿が見えなくなりそうな時は相互に笛で合図を取りながら進む。
しかし・・・この藪漕ぎは・・・な・・・長い!
沢状地形もなくなったので左側の尾根状を外さないように登る登る。
見当としては対岸に見える尾根の高さの目測が頼り。
小常木を離れて3時間。
ようやく岩岳尾根(大常木林道)稜線に飛び出た。
もう擦り傷だらけだみんな。
岩岳尾根はエアリアだと破線ルート。
所々手入れがされていない荒れた箇所もあるが
踏み跡もしっかりしているのでちょっと荒れた登山道という感じ。
途中、大きなイノシシがふいに現れた我々に驚き
谷の方に転げ落ちるように走り逃げた!
野生のイノシシをこれほど間近で見たのは皆初めてで
本当に猪突猛進くらったらどうしようと心配で心配で。
それにしてもイノシシの鳴き声とは犬のそれとそっくりでした。
近くに猟犬でもいるのかと思ったくらい。
そんなこんなで余慶橋に戻ってきたのは夕方。
沢のガイド本では一日で抜けているようだが
ありゃあ慣れた二人くらいがロープ出さずに行かなければ
とても無理でしょう。
小常木谷を楽しむなら、前夜発で余慶橋に泊まり
一日目は置草履の悪場を抜けてからビバークし
二日目はツメと下山とお風呂って感じでしょうか。
でも置草履は夏の利根方面の大きな沢に行くには
よいトレーニングコースだと思います。
滝の直登、ルーファイ、高巻き、ツメなど
よく似ているしね。
【遡行グレード】2級上
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する