ほろ苦鈴鹿デビュー・鈴鹿山脈縦走
- GPS
- 14:29
- 距離
- 31.7km
- 登り
- 2,632m
- 下り
- 3,048m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
一の谷新道 : 中級向けの登山道とされています。迷うことはまずありませんが、岩場で木の根っこを掴みながらの"登攀"が多いため中級扱いになっているのだと思います。 御在所岳〜国見峠 : 薮が茂っているところはこまめにルート確認をしましょう。基本的にはよく踏まれています。 国見峠〜釈迦ヶ岳〜八風峠 : よく踏まれており、登山者や標識も多く安心して歩けます。 八風峠〜石榑峠 : 道が細くなり、登山者はめっきり減ります。今回も1組と出会っただけです。200mごとに標識があり助かります。 石榑峠〜竜ヶ岳 : 尾根沿いに出るまではひたすら急登、岩場もあります。石榑峠に車を停めての登山者が多く、道迷いの心配はありませんが、落石には注意。 竜ヶ岳〜治田峠 : ここも登山者は少なめですが、藤原岳からの縦走の方を時々目にします。治田峠からのルートは通行禁止扱いになっています。 治田峠〜東藤原駅 : 尾根沿いのルートから谷沿いのルートを探しましたが、谷沿いのルートは砂防ダムで登山道が遮断されたようで、ここは使えないと思います。そのまま尾根沿いルートを進むのがいいかと。 |
写真
感想
割と近いけど一度も自力で登山したことがなかった鈴鹿山脈を縦走してみました。御在所岳から藤原岳まで縦走し、電車で駐車場まで回る計画でした。
前日の金曜日の朝11時ドイツから帰国し、色々片づけを済ませて19時に寝て土曜日の2時に起床、時差ぼけを活用した睡眠でよく眠れました。ところが名神が大津まで工事で通行止めだったので、諦めてずっと下道で行きましたが都合2時間弱で到着しました。鈴鹿スカイラインは冬季通行止めですが、通行止めが解除されても鹿による車道の占拠がありますので要注意です。当日は朝に2匹、帰りに鹿1匹と狸1匹を目撃しました。鹿はヘッドライトを当てると動かなくなるので、避けようとした急ブレーキ痕が多々あります。単にドリフト運転しているタイヤ痕もありますが、種類が違います。
朝の気温は11℃で、結構ひんやりします。御在所岳山頂では少し寒いくらいでした。まだ6時過ぎなので、係りの人はもちろん登山者もいない、ひっそりとした山頂でした。
比良山系同様、シャクナゲ、イワカガミ、山ツツジなどの花々が咲き乱れておりきれいでした。
鈴鹿山脈、特に御在所岳、国見岳周辺は岩場とか砂地になっているところが多いので、滑落や落石には注意が必要です。山岳保険に入っておられるような慎重派(?)な方であれば間違いなくヘルメットは着用したほうがいいです。いずれも万が一の備えですから。(とは言え、誰もヘルメットをかぶっている人はいませんでしたが)
余談ですが、スキーのゲレンデでも以前はヘルメットをかぶっているのはレーサー系の人くらいでしたが、最近はかなり装着率が高くなり、30%くらいになりました。冬なので暖かいというメリットもありますが…。
八風峠の手前の中峠で、テント泊で鎌ヶ岳〜竜ヶ岳の縦走をされている2人組みの方と出会いました。鎌ヶ岳からですと相当ハードですね。
八風峠から釈迦ヶ岳を目指している方が多いようで、何組かのパーティーが登ってきては休憩されていました。なのでこのルートは道も広く比較的安心して歩けます。
八風峠から石榑(いしぐれ)峠は登山者も少なく、道も狭いです。約3.5kmに渡る縦走路なので、200mごとに標識があります。途中の迷い尾根は確かに迷いやすい状態で、尾根沿いを東に東に、という感じで進みます。このルートは東側斜面が切り立っているのと、道も狭いのでうっかり滑落しないようにしてください。砂地なので滑落すると20mくらいは落ちて這い上がることは困難を極めます。それに携帯の電波状況もあまり良くなく、登山者も少ないので、格好の遭難エリアです。
この石榑峠までのルートでかなり疲れが見えて、竜ヶ岳と藤原岳は諦めて、石榑峠から下山しようかと思い始めました。しかし地図で見ると、石榑峠から電車の駅まではかなり距離があるので距離を短縮することができません。なので頑張って竜ヶ岳だけは登って治田峠から林道経由で下山して伊勢治田駅から乗車するプランに変更しました。(後から考えると、これも相当な距離で藤原岳経由で帰った方が近い)
しかし、その治田峠に着いたと思ったら通行禁止の案内が!まさに呆然でした。時刻はすでに15時を過ぎており、ここでのルート変更は痛いところです。滋賀県側に出ても何も無いし、残りはP965から東藤原駅方面に抜けるルートをたどるしかありません。
P965の登り返しを恐れていましたが、幸い開発途上のトラバースルートがありました。ただ、踏み跡も浅く、初心者向けではありません。それでもP965への100mの登り返しよりマシだったと思います。
そこから孫太尾根沿いを下山しますが、この辺りで3.9L持参した水の残りが厳しくなってきました。何せ尾根沿いの縦走ですから水場はありません。そこでなるべく沢沿いのルートへ行けるように地図にないルートを下ります。しばらくは広い道でよかったのですが、途中で突如その道がなくなりました。ここは定石なら戻るべきなのですが、時すでに17時、何とか突き進むしかないという危険な判断で持参していたトラロープを補助に急斜面を下ります。(補助というかメインでした)
もがきながも何とか沢沿いに到達し、地図上ではここに道があるはずですが、どうも明瞭な道がありません。仕方がないので沢を下りますが、ただでさえ時刻は17:45と夕暮れなのに沢沿いの暗さ。とりあえず眼鏡をかけて明瞭に見えるようにしました。沢の水量がそこそこ増えたところで水の確保。幸い不純物もなく、うまい水でした。ペットボトルに入れては飲む、という作業を繰り返し1L確保。
そのまま沢を下って、やっと広くなってきたと思ったら大きな砂防ダムが出現!もちろん道らしき道はありません。ここで17:50で、砂防ダムの上に横になって疲れを癒しながら地図を見たり思案したりの20分間。察するに、以前は登山道があったけど砂防ダム建築で事実上なくなったようです。
さてどうするか?砂防ダムの斜め部分を懸垂下降的に下りてみますが、ロープの長さ不足でNG。また登ります。(何せクライミング用のロープではなくて、トラロープですしハーネス類もないですから…)
ためしに警察に電話してルートがどうなっているか教えてもらおうか、それとも疲れを癒すためにもここでビバークするか、色々思案しましたが、やはり基本は自力下山、怪我でもない限りは自分で何とかすることにしました。
砂防ダムの斜面の上側に微妙な道(多分獣道)があるので、そこにロープで安全を確保して渡りました。そこから斜面を掻き分け、別の沢との合流点にたどり着いたところで、砂防ダムの旧作業道を発見!いやぁ、これで帰れると思いました。時刻は18:15を過ぎています。しばらく作業道を歩くと、崩壊したコンクリート道から舗装道になり、ゲートがありました。つまりここまでならタクシーも入れる、と思ってタクシー会社をネットで探して電話しますが、30分〜1時間くらいかかる、いつになるか分からないというつれない返事。諦めて一番近い東藤原駅まで歩きます。
駅の直前で踏切が鳴り始めたと思ったら、電車が来ました!運よく飛び乗って…と行きたかったのですが、踏み切りに阻まれて渡れません(涙)。次の電車まで20分、荷物の整理と水分補給をしながら待機しました。もう外は暗闇、電車が来たのは19:39です。
実はこの電車ルート、海沿いの四日市まで超迂回するという非効率的なルートで、のべ2時間かかります。つまり湯ノ山温泉に到着は21時半くらい。そこから駐車場まで徒歩だと登り3km、1時間…車に着いたら22時半とはクレイジー。
どこか途中の駅でタクシーを呼べそうな駅があればと思ってみたら、大安駅に1台停車していました!切符は終点まで買ってましたが喜び勇んで途中下車、乗ろうとした瞬間に他のお客さんを拾って行ってしまった…というオチはありません(笑)。
幸いにして乗車できたタクシー、大安駅から一気に一の谷登山口の駐車場という不慣れなルートを走っていただき、1時間半は短縮、20:30過ぎに着きました。タクシー料金も大盤振る舞いの7500円になりましたが…。
帰りに湯ノ山温泉で一風呂、という夢も絶ち、鹿との衝突に気をつけながら帰りました。
後でルートを振り返ると、結局急登を我慢して藤原岳経由で帰った方が距離も短くかなり早くなったと思います。
今回の教訓としては、
・エスケープルートもしっかり事前確認すること。
・気温の上昇で体力の消耗も激しくなるので、プラン作成時には気温も考慮すること。
・疲れてくると思考回路が安易なほうに流れる。急がば回れ、確実なルートをたどるのが一番。
といったところでしょうか。
だんだん暑くなってきたので歩行距離、累積標高差も少なめのプランに変えていこうと思います。
コメント
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リンドウは「タテヤマリンドウ」だと
思います。御在所周辺は、群落地です
とても大変な縦走だったようですね。
タクシ−に乗れて何よりです。
通行止めはショックが大きいですよね。
このルートで、ロープが必要とは意外でした
komakiさんこんにちは。
タテヤマリンドウと聞いて、思わず通行止めの立山林道を連想してしまいました…トラウマです
通常のルートであればロープは不要のはずなのですが、道がないところを無理やり進んだのが失敗の元。
でも鈴鹿山脈はイメージよりハードだと思いました…。
Waldkirchさん こんにちは
リュックにLEDライトを入れています。
万一の時のため、日帰りでもあった方が良さようですね。
砂防ダム周辺の黄色い花 が気になったので調べて見ました。
マメ科の外来種のような気がしていましたが、
「モクセンナ」に似ていそうです。
よー分かりませんな〜。
参考HP http://www.t-webcity.com/~plantdan/mokuhon/syousai/magyou/mo/mokusennna.html
alpsdakeさんこんばんは。
LEDライトは色々なものがあるので手軽に使えてよさそうですね。いつもGPSや携帯用に予備の電池を持っているのですが、それと合わせると追加の重量も少なくて済みますね。(LEDのヘッドライトも持っていってますが、これは単四電池3本と違うのでまた別の予備電池を持っていってます)
両手をフリーにできるように何かに固定できるものが便利そうですが、オススメはありますでしょうか?
黄色の花は確かにモクセンナに似てますね〜。葉っぱの形から言えばマメ科は間違いなさそうです。花の世界は難しいです…
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