赤牛岳-平ノ渡場-薬師岳
- GPS
- 29:14
- 距離
- 92.3km
- 登り
- 7,897m
- 下り
- 7,895m
コースタイム
(平の渡し場の待ちはCTに含めない)
02:00 新穂高第三駐車場
05:20 双六小屋
06:40 三俣山荘
07:20 鷲羽岳
08:20 水晶岳
09:50 赤牛岳
11:40 奥黒部ヒュッテ
13:10 平の渡し場
--
14:20 平の渡し場 - 平の小屋14:30
16:20 五色ヶ原山荘
7/28(日) 15時間 50km D+3,000m CT0.52
01:00 五色ヶ原山荘
03:50 スゴ乗越小屋
06:10 薬師岳
07:20 太郎平小屋
09:50 黒部五郎岳
10:45 黒部五郎小舎
13:00 双六小屋
14:00 鏡平山荘
16:00 新穂高第三駐車場
天候 | 7/27 晴れ→雨 7/28 雨→くもり |
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過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 下山後の温泉は荒神の湯でサッと。 |
写真
感想
薬師岳や雲ノ平へ行くと東側に水晶岳が見えるが、僕は水晶岳よりもそこから北に伸びる赤茶色のどっしりした雄大な尾根の方が気になっていた。赤牛岳だ。今年は絶対に行こうと計画を立てていた。ピストンではなく上手いこと同じ道を歩かないようにするには…平の渡で黒部湖を横断して五色が原に登り返し、帰りは薬師-北ノ俣-黒部五郎を駆け抜ければ新穂高に戻ってこれる。完璧だ。
7/27(土)
金曜夕方に自宅を出て無料の新穂高第三駐車場へ。4時間仮眠して深夜2時に元気に出発。星は見えない。登山口まで林道をジョグったらポールを出して弓折り分岐まで一気に登る。尾根に出るとガッスガスで何も見えない。今日の午前中は天気が持つと踏んできたのにマジか。双六小屋が近づいてくると辺りは明るくなりじわじわとガスが消えてゆく。青空だ。太陽の光も見えてきた。槍が、穂高が、目指す鷲羽が姿を現す。よかった、今日は北アルプスまで足を伸ばして本当に良かった。山でこんなに気持ちの良い朝を迎えたのは6月はじめ以来じゃないか。東から太陽が照り付けて右の頬だけジリジリ熱い。これだよこれ。久々だなぁ、この感覚は!!日陰と日向のコントラストが美しい。晴れた早朝の山ってこんなに綺麗だったのか。
双六の中道を通って三俣山荘へ。この天気はいつまでもつのかわからないので休憩無しでガシガシ先を急ぐ。しかし気持ちよすぎて鷲羽を巻く道を素通りしてピークまで行ってしまった。平の渡し舟は14:20に出る。これを逃すと2時間後なので遅刻厳禁だ。もしこれを逃したら来た道を戻るか「針の木峠に登って長野に下山」か「2時間後の舟に乗って黒部ダムから大町へ」等してバスで新穂高へ戻るというアクロバティックな手段を取るしかない。水晶小屋に立ち寄ったら新穂高から6時間で来たことを褒められた。足の速さを褒められると嬉しいなんて小学生みたいだ。
さあ水晶岳を越えたら念願の赤牛岳へ。目指す尾根は晴れている。北へ進路を取ると尾根の影から立山や剣も見えてきた。南側からは雨雲が近づいている。やはり予報は変わらない。午後からは降られること間違いなし。やだなぁ、雨のシェルターはマジで勘弁だなあと思った時には既に五色が原山荘に予約の電話を入れていた。現在地を聞かれたので「今、赤牛岳です…17時までには着きます…」と申し訳なく答えたら察してもらえたようだった。念願の赤牛岳山頂で少しだけ余韻に浸ったら読売新道を転がり落ちる。枝や倒木がガチャガチャして岩はコケでヌルヌルでシビれる下りだった。奥黒部ヒュッテに着いたのは12時。小屋の方に聞くと普通に歩けば渡し場まで2時間で着くというのでやっとひと安心。小屋でのんびり休憩をした。読売新道はこれから夏休み前にかけて整備をするらしい。お盆に通過を予定している方はご安心ください。
黒部川沿いを登ったり下ったりしながら渡し場には1時間で着いてしまった。舟が来るまで1時間もある。暇だ。こんなことなら深夜1時に出て12:20の便を目指すべきだった。渡し場でゴロゴロしていると同じく14:20の舟に乗る大阪の男性がやってきた。渡し場はここではなくもう少し奥だというので一緒に奥へ向かって歩き始めたが、渡し場らしき場所は見つからない。程なくして湖を見下ろすと舟がやってきた。明らかにさっきまで待っていた場所に向かっている。こりゃまずい、と走って先ほど待っていた場所に戻った。あぶねー。平の渡し場自体には看板などは無く本当にここに舟が来るのか心配になるくらい殺風景だ。舟に乗り込むと時間通りに出発。楽しい…念願の渡し舟に乗ることが出来て感無量。料金は無料だった。
たった5分間のクルージングを楽しんだが今日の行程はまだまだ終わらない。これから五色が原まで1,000mを登り返さねばならぬ。空は真っ黒でザーザー雨が降ってきた。試練の登りだ。淡々と登ると視界が開けてお花畑の五色が原に出た。空は真っ黒だが静かで綺麗なところだ。すぐ右手には立山の一部が見えていた。ここはほぼ立山なんだな。五色が原山荘はそこそこ人がいたが何故か部屋には僕一人。静かで快適な夜を過ごした。
7/28(日)
24時半にパチリと目が覚めた。予定どおり25時出発。すっげえ雨だがいずれ止むだろう。尾根の西側は風が強くて冷える。霧もひどくて5m先も見えない。ガレガレのロックガーデンやら蟻地獄みたいな砂地やらを慎重に進んでいく。この区間は厳しかった。初見で夜に濃霧の中通過するような場所じゃない。スゴ乗越小屋の玄関でパンと水を胃袋に入れて一息ついて外に出るとようやく明るくなってきた。北薬師の辺りで元気な単独女性に追いついた。こんな雨風なのに短パンだった。夜中にスゴ乗越を出てきたという。タフだなあ。目指す人なのだろう多分。元気を貰ったら僕も薬師に向かって歩き出す。薬師岳は南側から登ってきた人たちで賑わっていた。みんなこんな天気なのに元気だ。僕もそうか。雨だろうがガスだろうか「野山を歩く」という行為がただただ純粋に楽しいと思えるようになってきた。ここ最近の週末天候不振のおかげか。そりゃあ晴れた方が100倍楽しいが、自宅でじっとしているよりは山へ行った方が楽しい。
薬師から黒部五郎まで淡々と登って下りてを繰り返す。徐々に雨は小雨から霧雨に変わり天気は回復しつつある。この区間はお花が見ごろで癒される。ニッコウキスゲやコバイケイソウの群落、立派で鮮やかなフウロやクルマユリを見つけるとついつい立ち止まってしまう。そんなこんなでいつの間にか黒部五郎小舎(小屋ではないところはコダワリなのだろうか)に到着。新穂高まで残り3割ってところだろう。カレーを食べて脚のストレッチをしてのんびり30分休憩したら三俣蓮華の登りをやっつける。あとは新穂高まで下りだ。ポールをザックにしまったら早足で。わさび平を過ぎた頃には青空も出てきて涼しく気持ちの良い林道を流してゴール。念願の赤牛に登ることができて渡し舟にも乗れて充実した山行だった。
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