三鈷峰 〜嵐の稜線、山頂目前で撤退〜
- GPS
- 06:06
- 距離
- 9.8km
- 登り
- 908m
- 下り
- 908m
コースタイム
- 山行
- 4:41
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 6:06
天候 | 山麓は曇 山頂部は嵐 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
夏山登山道と比べると、道は狭いし標識は少ないし、路肩の崩れたところはあるし、傾斜の急なロープの懸けられているところが沢山あるし、なかなかハードボイルドな登山道です。天気の良い日に来ましょう。 |
その他周辺情報 | 大山ナショナルパークセンターにはコインシャワーコーナーがあります。\200で2分間湯(42℃)が出るとのことです。 |
写真
装備
個人装備 |
半袖シャツ
長袖アンダーシャツ
サポーティングタイツ
ズボン(ジャージ)
靴下
グローブ
日よけ帽子(ハット)
登山靴
サブザック(15L)
昼食(パン)
行動食(飴)
予備食(シリアルバー他)
飲料(お茶600mL+スポーツ飲料500mL)
箸
iPhone(GPS+カメラ)
iPad mini
サブバッテリー
カメラ
携帯電話
腕時計
ラジオ
手拭い
ティシューペーパー
虫除けスプレー
|
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備考 | ジャンパー,ヘッドライト は使いませんでした。 |
感想
大山を訪れるたび、大山寺の橋の辺りから正面に見えるカッコいい山とその稜線にぽつんと立つ避難小屋が気になっていた。山の先輩に尋ねてみると、「あれは三鈷峰、下宝珠越えから歩いて行ける。」と教えてくれた。いくら大山が日本百名山だといっても、いつも夏山登山道で弥山を目指しているだけではつまらない。いつか、あの三鈷に登ってみたいと思っていた。
8月5日は仕事の研修会があり、8日には生徒を引率して出かけなければならない、その隙間の8月6日に年休をとって三鈷峰に登ってみることにした。太平洋上には台風が発生し、だんだん日本列島へ近づいているということではあるが、まだ影響は無さそうだ。猛暑日が続いている。朝出掛ける時に、父に「今日は天気があまり良くない」と言われたが、「少しぐらい曇っている方がいいんだよ」と答えて出かけた。我が家から大山の登山口あたりまでは車で2時間程度、車の中から見えた大山の中腹より上が雲に覆われているのが若干気にはなっていたが、そのうち晴れるだろうと高をくくって歩き始めた。大山寺には人はまばらで、平日とはいえ夏休みにずいぶん閑散としているなぁと思ったのだが、今思えば、多くの人はこんな日は登山日和でないことをちゃんとわきまえていて、山の空気読めないのは私ぐらいだったのかなと思う。
大山はずっと雲に覆われていた。風は湿っている。ぽつぽつと雨がしたたることもあるが、合羽を着るほどではないような。歩きながら、去年の秋にこの大山山系の甲ヶ山を歩いた時に雨にたたられて大変だったことを思い出した(→ 「甲ヶ山・矢筈ヶ山 〜ずぶ濡れ岩峰歩き〜」 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1606352.html )。けれども、この度はびしょ濡れになるというわけではなく、けれども結局靴の中まで濡れてしまっていた。
歩き始めた時刻が遅かったので、登山中に下山中の人何組みかとすれ違った。他人はもっと早起きして歩き始めているんだなぁ、天気が荒れないうちに登頂してしまいたいなぁと、やや早目のペースで歩いた。下宝珠越えから中宝珠越え辺りの林間コースは歩きやすかったが、それ以外は足元にも岩があったり木の根が巡っていたり、アップダウンも多く、あまりペースが上げられるようなコースではなかった。
三鈷峰からユートピア小屋へつながる稜線の分岐点へ上がった時には、向こう側から手前(東側から西側)へビュービューと強い風が吹いていた。周りは真っ白で三鈷峰の山頂もユートピア小屋も確認できない、たくさんの花が咲いているようだが、のんびり花を眺めているような状況ではなかった。とりあえず左へ折れて三鈷峰山頂へ向かった。稜線に木や草がしっかり生えているので姿勢を低くして歩けばある程度風を遮ることもできる。けれどもしばらくすると木も少なく狭い稜線の前に差しかかった。そこでしばらく様子を見ていたが、稜線の上をドオドオと超えていく台風並みの強い風がおさまる様子はない。座っている足元の岩も風で振動していて、もしかしたら崩れるんじゃないかと不安を感じるほどだった。ここで命を懸けてまで三鈷峰の頂上へ行くというのもバカな話だと見切りをつけて、きっぱりと撤退することにした。
南へ向かい、稜線を避難小屋まで歩く途中にも多くの花に出会うことができた。どれも強い風に吹かれて、一見可憐に見える花々も、この過酷な環境に耐えられるものだけが生き残っているのかと思うと、また一層と愛おしく思えた。避難小屋で荷物を下ろしてしばらく休憩し、昼食のパンをかじっていたらトレラン風の軽装の男性がやってきた。「大変な風ですね」などと言葉を交わして、程なくその男性は「お気をつけて」と山を下りて行った。
下山は上りのルートを引き返した。稜線から離れると風の音も全く聞こえない、雲の外に出ると、いつもの鳥のさえずる林になった。目の前は弓ヶ浜半島と日本海、そして島根半島が静かに広がっている。
気分的にちょっと疲れた。山は晴れている方がいいな。稜線や山頂から遠くを見渡したいな。爽やかな風に吹かれながらお昼ご飯を食べたいな。また来よう、この山へ。朝早く家を出て、山頂に雲がかかっていないことを確認して。
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