【安房巡察】千倉駅〜高塚山〜野島崎〜安房神社・館山野鳥の森〜館山駅【己36.2】
- GPS
- 07:51
- 距離
- 36.1km
- 登り
- 370m
- 下り
- 382m
コースタイム
- 山行
- 7:08
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 7:51
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
復路:JR館山駅(駅前から高速バスで新宿へ) |
コース状況/ 危険箇所等 |
台風直後で大荒れに荒れている。館山野鳥の森も入山禁止。 |
写真
感想
9月も週末の天気予報はイマイチ、という割には意外と天気が持ったり。
予報する方も結構苦しんでいるようだが、こちらも予定が立てられないので困ったものだ。
そんな中での台風15号の影響の長期化。仕事柄無関係というわけではないので、この週末は雨さえ降っていなければ曇りでも房総半島の状況を見に行こうと強く思う。
それに最近小規模山行しかできていないことで長距離長時間ガッツリ歩きたいという思惑が重なって、南房総大横断を企図。
断じて行えば鬼神も避く。イマイチだった天気予報とは裏腹に、当日は陽光と青空に恵まれ、山行日和としては上々。しかし、ブルーシートに覆われた屋根と汗ばむ暑さに停電時の現地の人々の労苦を深く感じるのだった。
【高塚山まで】
南房総は遠い。東の端から西の端まで歩けたら歩こうと思いつつも、千倉駅に降り立てるのが早くても8時台では、日没までの洲崎到着もおぼつかない。
また、君津辺りではチラホラだったブルーシートも南に行くにしたがって多く見受けられるようになり、山の中はどうなっていることやら。
今回は里歩きが大部分を占めるので、山は様子を見ながら、臨機応変に対応できる体制だ。
【高塚山】
今回は山と渓谷社の『新・分県登山ガイド[改訂版]』(2010年)を参考にする。それによると長性寺手前の民家脇の小道から入山するルートがあるのだが、台風の影響か、台風が来る前からそうなっているのか、藪が倒れ、足元は悪く、大きな蜘蛛が何匹も立派な巣を張って待ち構えている。10mも歩かないうちにこりゃだめだと諦めて引き返し、大聖院高塚不動尊へ。こちらが表ルート。
特段規制もされていないので本堂に参拝の後、さっそく入山する。寺社の奥の院があるので道が階段状になっているのだが、落ち葉落ち枝が多くて歩きにくい。そして低山と侮るなかれ、結構急な坂。
中腹の鳥居の辺りからは落ち枝どころではなく、倒木に次ぐ倒木。とてもまともには進めない。が、頂上方面から人の声が聞こえるので、まあ登れるんだろうなあと思いながら、山頂へと詰めていく。
そして、奥の院・山頂に着くと、人の声がしていたのは倒木や倒壊した建物の後片付けをしている人達がいたのだった。その人達も私が登頂したのを驚き呆れて迎えてくれた。その内のお一方と台風後の状況についてお話しする。なかなか大変な状況だが、人の力を信じておられるようで、いささか安心した。
この日は汗ばむほどの陽気で停電が回復しなかった頃は暑さをしのぐのに大変苦労されたことと思うが、今後は寒さがやってくる。冬が来るまでに何とかしないとというのは共通認識としてあるようだ。
【野島崎】
高塚山を降りた後は、今度は海ということで、海岸道路を経て房総半島最南端の野島崎へ。海も風も穏やかだが、ずっとそのままとはいかないのが自然だ。南に行くにつれてブルーシートの量が増えてきている。中には壁まで剥がれている建物も。屋根が壊れながらも何の手当てもされていない所は空き家か別荘だろう。今後、こうした無住の建物の倒壊といった問題も顕在してくると思われる。
野島崎では飲食店が「冷房中」という看板を掲げて営業中。ただ、昼時にもかかわらず観光客は多くないようだ。私も前夜の飲み会でしこたま飲食していたので、それほど空腹でなくスルーしてしまったが、せっかくなのでコーヒー1杯でも腰を下ろしていっても良かった。
ただ、先端のラバーズベンチで一人佇み航行する大型貨客船を眺めるのみ。
【館山野鳥の森】
次なる目標は分県ガイド40「館山野鳥の森」だ。千倉駅から高塚山まで1時間強、高塚山から野島崎まで1時間強、野島崎から野鳥の森まで1時間強と、適度な間隔で目的地があるのは良いのだが、歩き続けるのはしんどい。それも災害派遣の自衛隊の姿を見ると心癒される。
道は海から離れていよいよ山の中へ。千葉というと大して山の無いようなイメージがあるが、海からさほど離れていないにもかかわらず山奥といった感じ。だんだん黙々と歩くようになるが、その姿を想像してついつい吹き出す。完全に不審者だ。
そうこうするうちに安房神社到着。安房神社は安房国一ノ宮。今回歩くに相応しいところ。まずは野鳥の森歩いてから参拝しようかなと思ったが、入口らしきところにロープで規制線が張られている。
あれ、おかしいなと思いつつ、まずは安房神社への参拝を済ませ、野鳥の森管理事務所に立ち寄って情報収集しようとしたところ、その入口に「入山禁止」の張り紙。
高塚山歩いた時から、いや、計画段階からある程度想像はついていたが、まあやむを得ない。今回はさらに西の大山も視野に入れていたが、高塚山、野鳥の森とこのような状況であれば、大山もそうだろう。何しろ、洲崎・大山まで歩いたら日が暮れてしまう。
というわけで、後は館山駅まで一直線。安房西部はまたの機会ということにした。
【総括】
今回、千葉でも特に被害の甚大であったと思われる最南端部を歩き巡り、随所にて祈りを捧げ来ったところである。
現地の方からすれば、まずは生活再建が大事というところで、山を整備するどころの話ではないだろう。そんな中を歩き、現状について具に拝見したところであるが、それが単なる物見遊山ということにならないよう、今回見聞し思ったことを踏まえ、今後必要な行動をとっていきたい。
地震、大雨、大風と今や日本全国が被災地、少なくとも被災地となり得る状況にある。彼の被災は他人事ならず、己の被災と心得て祈り、対処していきたい。
台風18号が発生とのこと。ただただ人々の安穏が失われぬよう祈るのみ。
〜おしまい〜
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