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Yamareco

記録ID: 2150855
全員に公開
山滑走
白馬・鹿島槍・五竜

白馬乗鞍岳

2019年12月21日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
06:35
距離
12.9km
登り
903m
下り
893m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
6:10
休憩
0:26
合計
6:36
8:33
167
スタート地点
11:20
11:21
5
11:26
11:26
64
12:30
12:42
18
13:00
13:00
5
13:05
13:18
111
15:09
ゴール地点
天候 晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2019年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
Tシャツ1枚になるくらい暖かい春のような気温
2019年12月21日 09:21撮影 by  XZ-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
12/21 9:21
Tシャツ1枚になるくらい暖かい春のような気温
東天狗原から南東の斜面は雪で埋まっていない
2019年12月21日 09:53撮影 by  XZ-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/21 9:53
東天狗原から南東の斜面は雪で埋まっていない
天狗原へのぼり上げる斜面でのラッセル
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天狗原へのぼり上げる斜面でのラッセル
乗鞍岳上部は強風で雪が舞っている
2019年12月21日 11:27撮影 by  XZ-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/21 11:27
乗鞍岳上部は強風で雪が舞っている
乗鞍岳東面では少し重たい新雪のラッセル
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乗鞍岳東面では少し重たい新雪のラッセル
乗鞍岳へ上がる時は沢地形のボトムを歩かず、(風で雪が硬いため)
斜面側の柔らかい雪を歩いた、雪崩を考えるとここはボトムを歩くべきだった
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乗鞍岳へ上がる時は沢地形のボトムを歩かず、(風で雪が硬いため)
斜面側の柔らかい雪を歩いた、雪崩を考えるとここはボトムを歩くべきだった
強風の中登頂
2019年12月21日 12:34撮影 by  XZ-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/21 12:34
強風の中登頂
東面の真ん中あたり、滑りやすい斜度を求めてトラバース
この直後周囲の雪面が割れて雪崩発生
2019年12月21日 12:53撮影 by  XZ-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/21 12:53
東面の真ん中あたり、滑りやすい斜度を求めてトラバース
この直後周囲の雪面が割れて雪崩発生
雪崩跡、写真を拡大すると雪崩左端に流された人が確認できる
2019年12月21日 12:54撮影 by  XZ-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/21 12:54
雪崩跡、写真を拡大すると雪崩左端に流された人が確認できる
雪が縦方向に分散したため、体が表面に出た
2019年12月21日 12:56撮影 by  XZ-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/21 12:56
雪が縦方向に分散したため、体が表面に出た
雪崩開始地点、エントリーポイントは上の破断開始箇所より下だったが、上部の急斜面に積もった雪も同時に落ちた
2019年12月21日 12:54撮影 by  XZ-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/21 12:54
雪崩開始地点、エントリーポイントは上の破断開始箇所より下だったが、上部の急斜面に積もった雪も同時に落ちた
最終的には太もも下の埋没で済んだ
2019年12月21日 12:56撮影 by  XZ-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/21 12:56
最終的には太もも下の埋没で済んだ
矢印の直線GPSログが流された箇所
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矢印の直線GPSログが流された箇所
のぼりのトレースへ逃げて下山
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のぼりのトレースへ逃げて下山
拡大画像
2019年12月21日 13:18撮影 by  XZ-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/21 13:18
拡大画像

感想

乗鞍岳東側斜面にて雪崩に巻き込まれました。
怪我などなく無事下山できました。
その時の状況など、

▼状況・経緯
・気温が高く、滑走開始時は13時頃で暖かさのピークを迎えようとしていた
・硬い雪の上に少し重みのある新雪が積もっていた(20〜30CM程度)
・東面真ん中にある滑りやすい斜度(30度程度)の斜面を滑ろうとして、急斜面をトラバースしてアプローチした
・目的の斜面に入ってターンしようとしたところ、2390M地点にて足元から上方までの範囲で雪面にヒビが入り、周囲の雪が雪崩れる
・標高差50Mほど流され、途中雪が顔を覆う程度になるが、下方で雪が分散したことによって太もも下まで埋まる程度までで落ち着いた
・体、道具ともに異常なしのため、安全を確認して下山した

▼考えられる雪崩要素
・硬い雪の上に積もった新雪
・ウインドスラブ
 https://avalanche.org/avalanche-encyclopedia/wind-slab/
・雪崩のリスクが高い滑りやすい30度程度の斜度であったこと
・加えて30度斜面より上部は更に斜度があり、重みのある雪が積もっていたこと

▼反省点
・雪崩リスクをおざなりにして滑りやすい(楽しい斜面)という基準で判断したこと
・アプローチ斜面で雪が安定していると決めつけ、別の場所にある斜面の状況を想像・確認しなかったこと

▼雪崩の体験
・急斜面のトラバースを終えてホッとし、ターンの動きに入ろうとした
・眼前の雪面にヒビが入りヤバいと直感する
・雪崩た雪に立った状態で下に流され始める、周りの景色が上に動くような感覚になり、混乱して体が固まる
・流され始めたことを認識してこれは逃げ出さないとと思ってスキーに力を入れるが転倒する
・転倒により顔に雪が覆い眼前は白い雪、腕はストックがあって動かしづらいし、足にはスキーが付いているのでうまく動かせない、これは埋まると直感する
・雪が縦方向に分散したことにより、上半身から雪がなくなったことを感じる
・体が停止してホッとする、両足ビンディングが解放しており、板とブーツはリーシュでつながっているが、板は雪に埋まっているためアンカーのようになっていた
・雪崩れている最中は浮上するために平泳ぎのように雪をかいてみるが正直効果はなかったように思える、
 (雪の深さなど状況が違えば効果があるかもしれないので一概には言えない)
 顔に雪が覆った頃には口元に手を持って行ってエアーポケットを作ることもできないと感じた

▼対策
・自分たちは基本的に登山に伴うスキーのスタイルであり、
 それを目的に計画・認識・装備を最適化しているため、
 楽しい斜面を選ぶのではなく、安全なルートを選択するべき
 (楽しい斜面を滑りたい場合は、目的に応じて最適化するべき)
・少しでも雪崩の危険を感じた場合、
 雪崩が発生することを想定して、確認(ピットチェック、スキーカットによるチェック)、待機(雪崩に巻き込まれないなど安全な場所)、準備(万が一発生した時にどこに逃げるか・心構え、どう助けるか)すること、これらの認識を合わせて行動すること

--
行きの車で、滑りやすい30度程度の斜面が雪崩やすい、など雪崩に関する話をしていて
現場でも新雪による雪崩の危険は感じていました。
しかし、今年の小雪の状況で、楽しく滑りたい、山頂付近の強風で消耗して早く帰りたい、などの意識によって典型的な雪崩リスクが高い斜面に入ってしまいました。

知識だけでなく、現場での想像・判断が重要だという考えはありましたが、それらを実行することは簡単ではないと実感しました。

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コメント

太腿の埋没のみで大事に至らずに本当に良かったです。
YOMOYAMAさん、おはようございます。
ハクノリの急斜面は雪崩が頻発するところです。
雪崩が小規模で太腿の埋没のみでご無事で何よりです。
決して他人事でなく気をつけようと思った次第です。
どうもお疲れ様でした。
hareharawaiより
2019/12/23 3:30
Re: 太腿の埋没のみで大事に至らずに本当に良かったです。
ありがとうございます

ここの雪崩情報も事前に仲間と話してましたが、雪が安定しているからと思って入ってしまいました
雪崩がよく起こるのには理由があるなと、事後ではっきり理解できました(上からの風、斜度、窪みなど)

こういう条件がある山は多いので今後が悩みどころですね
より慎重に行動したいと思います
2019/12/23 7:49
危機一髪でしたね
YOMOYAMAさんお久しぶりです、雪の無さに何処にも出かけられないguraveltrekです。

無事で何よりでした、抗う事の出来ない雪崩の中で、埋没せずに済んだのは”持ってる”YOMOYAMAさんだからですよね。
年末には白馬方面へ出かけようと計画していますので、今回の雪崩を教科書として心に刻みます。
今シーズンのこの先を存分にお楽しみください。
2019/12/24 15:23
Re: 危機一髪でしたね
ありがとうございます

なんともなかったのは完全にたまたまでしょうね、
雪崩の先の地形と雪崩の雪のお陰で無事にすんだと思います
また、こういう時に仲間がいる有り難さも強く感じました

雪が少ないシーズン始めですが焦りは禁物ですね
安全に楽しんでください!
2019/12/24 20:41
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