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記録ID: 2160007
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フリークライミング
甲信越

【昇仙峡】古地図で巡る弥三郎岳【羅漢寺山】

2019年12月30日(月) [日帰り]
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souldoctor その他1人
GPS
--:--
距離
1.9km
登り
451m
下り
9m
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2019年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
アプローチ:問題なし(登山道)
1ピッチ15m:ワイド(支点なし)
2ピッチ15m:軽ハング(支点:チョックストーン×1)
3ピッチ20m:チムニー(支点:カム×2(紫キャメ・黄キャメ)&潅木×1
4ピッチ20m:レイバック→バンドトラバース(支点:カム×2(灰キャメ・青キャメ)
5ピッチ:20m:オフウィドゥス(支点:カム×2(灰キャメ・青キャメ)
6ピッチ:コンテ→フリー→バリエーション登山
下山:ロープウェイ

※ほぼ全ピッチ、ランナウト傾向。6mに一箇所程度カムか潅木で支点構築。オールナチュラルプロテクション。ボルトはないのでクイックドローは必要ありません。
その他周辺情報 温泉:緑ヶ丘温泉
食事:ぼんち
旧羅漢寺古地図
この古地図は位置関係が少し現実と乖離していますが、ディテールを見ると、とても興味深い地形を読み取ることができます。今回は古地図をベースに赤線のような感じで徘徊してきました。
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旧羅漢寺古地図
この古地図は位置関係が少し現実と乖離していますが、ディテールを見ると、とても興味深い地形を読み取ることができます。今回は古地図をベースに赤線のような感じで徘徊してきました。
NEW羅漢寺エントランス
NEW羅漢寺エントランス
旧羅漢寺跡
旧羅漢寺跡
旧羅漢寺遺構
旧羅漢寺遺構
旧羅漢寺遺構
旧羅漢寺直下のボルダー。僧侶も登攀修行のトレーニングで登ってたたかもしれません。そう想うとロマンチック。
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旧羅漢寺直下のボルダー。僧侶も登攀修行のトレーニングで登ってたたかもしれません。そう想うとロマンチック。
初夏から冑岩下部岩壁の下見開始。5箇所くらいから離陸可能。
初夏から冑岩下部岩壁の下見開始。5箇所くらいから離陸可能。
下降路の確保もOKと判断。
下降路の確保もOKと判断。
中でも比較的イージーと判断した取り付きから1ピッチ目スタート
中でも比較的イージーと判断した取り付きから1ピッチ目スタート
1ピッチ終了点:ワイドのため支点構築できず終了点までフリー。
1ピッチ終了点:ワイドのため支点構築できず終了点までフリー。
2ピッチ目:トップアウト箇所が少しかぶってます。
2ピッチ目:トップアウト箇所が少しかぶってます。
マントル返してテラスへ。
マントル返してテラスへ。
日当たりよく気持ちの良いテラス(第一バンドと命名)。恐らく修行僧は各バンドを修行で往来していた筈。
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日当たりよく気持ちの良いテラス(第一バンドと命名)。恐らく修行僧は各バンドを修行で往来していた筈。
ここは登れそうにないのでバンドトラバースして移動
ここは登れそうにないのでバンドトラバースして移動
回り込むと3ピッチ取り付き
回り込むと3ピッチ取り付き
このチムニーを内面登攀。
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このチムニーを内面登攀。
バックアンドフットがメイン。
バックアンドフットがメイン。
ここらへんからカムが使えました。
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ここらへんからカムが使えました。
落ち葉や泥濘が酷く、とても滑りやすく、クラック内も脆くてカムが歩きます。アルパイン的でとても楽しいコンディション。一応核心の掃除はしておきました。
落ち葉や泥濘が酷く、とても滑りやすく、クラック内も脆くてカムが歩きます。アルパイン的でとても楽しいコンディション。一応核心の掃除はしておきました。
3ピッチ目終了点。広くて快適。視界が開け素晴らしい眺望を楽しめます。このテラスは確実に修行の場として使っていたと思われる。
3ピッチ目終了点。広くて快適。視界が開け素晴らしい眺望を楽しめます。このテラスは確実に修行の場として使っていたと思われる。
4ピッチに向けてオブザベスタート。
4ピッチに向けてオブザベスタート。
4ピッチ離陸。下から見ると出口がハングってます。
4ピッチ離陸。下から見ると出口がハングってます。
灰キャメ大活躍
カムがバシバシ決まるので不安感ゼロ
カムがバシバシ決まるので不安感ゼロ
いい高度感
ハング箇所に突入
ハング箇所に突入
小川山のセレクションのような処理かな?と思いましたが足ブラキャンパーでクリア。
小川山のセレクションのような処理かな?と思いましたが足ブラキャンパーでクリア。
4ピッチ目終了点。左のドスラブも登ってみたい。
4ピッチ目終了点。左のドスラブも登ってみたい。
かぶりぎみで狭いので出口は足を切ってからヒールでマントル返したほうがスマート。
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かぶりぎみで狭いので出口は足を切ってからヒールでマントル返したほうがスマート。
狭いながらも快適。眺望が本当に素晴らしい。
狭いながらも快適。眺望が本当に素晴らしい。
5ピッチ目スタート。視界が開け、とても気持ち良いピッチ。
空の向こうへ四足歩行・・・
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5ピッチ目スタート。視界が開け、とても気持ち良いピッチ。
空の向こうへ四足歩行・・・
カムが効かないポイントは潅木タイオフ。
カムが効かないポイントは潅木タイオフ。
キレイに縦に走るクラック。オフウィドゥスなので4番以降のキャメがあると安心。4番を下部で使ってしまったので3番を開き気味でセット。落ちたら外れるね。
キレイに縦に走るクラック。オフウィドゥスなので4番以降のキャメがあると安心。4番を下部で使ってしまったので3番を開き気味でセット。落ちたら外れるね。
5ピッチ目終了点。
5ピッチ目終了点。
6ピッチ目:登れそうなところをオブザベ
6ピッチ目:登れそうなところをオブザベ
適当に登る。
ボディビレイで前進
ボディビレイで前進
だんだん傾斜が緩み・・・
だんだん傾斜が緩み・・・
高度がどんどん上がってきます。
高度がどんどん上がってきます。
ここらへんからコンテ
ここらへんからコンテ
山頂はもうすぐ。やや左に追いやられる。
山頂はもうすぐ。やや左に追いやられる。
ブッシュ帯に突入。
ブッシュ帯に突入。
見覚えがある景色
横からみるとこんな感じです。
左方向から登山道に突き上げると楽ですが、羅漢寺山直下ルートを選択。
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見覚えがある景色
横からみるとこんな感じです。
左方向から登山道に突き上げると楽ですが、羅漢寺山直下ルートを選択。
ロープ解除
いい感じのバリエーション
いい感じのバリエーション
これを直登すればおそらく山頂ダイレクトに抜けられる。
これを直登すればおそらく山頂ダイレクトに抜けられる。
7ピッチをやるとしたらここ。
今回は時間がなさそうなので右へ
7ピッチをやるとしたらここ。
今回は時間がなさそうなので右へ
とても静かで居心地がいいです。
とても静かで居心地がいいです。
小尾根に乗ります。
小尾根に乗ります。
ルンゼ状に突入
フィナーレ
軽いクライミングが続き・・・
軽いクライミングが続き・・・
羅漢寺山頂へ
ここはいつも絶景で素晴らしい
ここはいつも絶景で素晴らしい
2019年の登り納めにふさわしい景色
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2019年の登り納めにふさわしい景色
装備解除して下山します。
装備解除して下山します。
一番楽しかったのは6ピッチ目のバリエーション。
次回は下部を違うルートで7ピッチまで登ります。
一番楽しかったのは6ピッチ目のバリエーション。
次回は下部を違うルートで7ピッチまで登ります。
ロープウェイで下山
ロープウェイで下山
快適です。
ふくろうを助けたのにふくろうにされてしまうという怖いお話!
ふくろうを助けたのにふくろうにされてしまうという怖いお話!
観光モード
お土産さんのにゃんこ先生に挨拶
お土産さんのにゃんこ先生に挨拶
良い一日でした。
良い一日でした。
円覚峰に挨拶
来年はこの課題を登る予定。
来年はこの課題を登る予定。
樹光庵さんで一休み
樹光庵さんで一休み
鮎の塩焼き美味しかった。
あまりにもお腹がすいていたので食べてから気づいて撮影。
鮎の塩焼き美味しかった。
あまりにもお腹がすいていたので食べてから気づいて撮影。
下山後は緑ヶ丘温泉へ
下山後は緑ヶ丘温泉へ
食事は初ぼんち

良い一日でした。

食事は初ぼんち

良い一日でした。

2020年1月19日 再訪

※5ピッチ目別ルート(1〜4ピッチ同じ)
2020年1月19日 再訪

※5ピッチ目別ルート(1〜4ピッチ同じ)
2020年1月19日 再訪

※5ピッチ目別ルート(1〜4ピッチ同じ)
2020年1月19日 再訪

※5ピッチ目別ルート(1〜4ピッチ同じ)
100m以上の高度感の中、空中に身を預けるマントルはとても気持いいです。課題名ハヌルは韓国語で「空」をいう意味らしいです。山岳ガイド佐藤氏開拓のルート。空の向こうへ四足歩行・・・。
100m以上の高度感の中、空中に身を預けるマントルはとても気持いいです。課題名ハヌルは韓国語で「空」をいう意味らしいです。山岳ガイド佐藤氏開拓のルート。空の向こうへ四足歩行・・・。
2020年1月19日 再訪

※5ピッチ目別ルート(1〜4ピッチ同じ)
2020年1月19日 再訪

※5ピッチ目別ルート(1〜4ピッチ同じ)
2020年1月19日 再訪

※7ピッチ目別ルート(羅漢寺裏スラブ)

ROCK&SNOWな7ピッチスラブが核心でした。ルート詳細も何も情報がない中、カムで適当に登りましたが雪に覆われた羅漢寺裏スラブの処理がとても難しかったです。
2020年1月19日 再訪

※7ピッチ目別ルート(羅漢寺裏スラブ)

ROCK&SNOWな7ピッチスラブが核心でした。ルート詳細も何も情報がない中、カムで適当に登りましたが雪に覆われた羅漢寺裏スラブの処理がとても難しかったです。
2020年1月19日 再訪
羅漢寺頂上も雪に覆われていました。クラックもマントルも濡れていて本当は登ってはいけないコンディションでした。
2020年1月19日 再訪
羅漢寺頂上も雪に覆われていました。クラックもマントルも濡れていて本当は登ってはいけないコンディションでした。

装備

共同装備
ロープ:60m×1<br />カム×8

感想

1000年以上の歴史を有する甲斐【羅漢寺】

その羅漢寺は、昇仙峡で有名な羅漢寺山(弥三郎岳)のふもとにあり、一の岳、二の岳、三の岳にそれぞれ小堂を設け、山全体を修行の場としていました。

現存する羅漢寺も由緒あるお寺ですが、消失前の廃寺跡はとても魅力です。羅漢寺沢沿いと羅漢寺山腹の岩壁には、山岳修行の名残が点在しており、全てを把握するにはかなりの時間を要する感じです。老後の楽しみにとっておきましたが、前倒しで当該エリアの散策をはじめました。行動中とても興味深い遺物や遺構を発見しましたが、登攀力を持たない方が当該ルートに足を踏み入れるリスクがあるかもしれませんので、一般的な遺構しかアップしていません。今後、違うアプローチで精査を続け、もう少し安全に歩けるバリエーションを確立したら古地図補足版をシェアしたいと思っています。

羅漢寺山は山梨百名山の一つ、標高1,058メートル。

羅漢寺山に登るには7ルートほど選べますがメインは下記

.蹇璽廛ΕДぅ團好肇
長潭橋から周回(白砂山経由)
昇仙峡滝上付近登山口から破線ルート
ね經岨沢からバリエーション

今回はい離襦璽箸濃矯してきました。

2014年度より仕事では、アルパインやボルダーなどに取り組んできましたが、プライベートでは自分の興味のある山を還暦に向けてゆっくりとしたペースで楽しんでいきたいと思っています。

羅漢寺山の散策は始まったばかり。最終ピッチは無尽蔵にルートをひけそうなので、楽しみがつきません。「こんな岩壁のテラスになぜ?」と思うような古銭や祠跡などが散在しており、じっくり羅漢寺山に向き合っていきたいです。戦国時代の大永年間にどうやって修行僧は登攀したのか?興味が尽きません。

■羅漢寺(ウィキペディアより転載)

山梨県を代表する景勝地の一つ昇仙峡にあり、荒川右岸、標高1058メートルの羅漢寺山南東山麓に位置する。かつては「北山筋の高野山」と呼ばれた真言宗寺院で、旧地は現在地からさらに北西に位置し、荒川支流の羅漢寺沢沿いの斜面上にあった。

甲斐国では平安時代に天台・真言密教の影響で山岳信仰が成立し、甲信国境の金峰山は
富士信仰と並ぶ御獄信仰の山となり、羅漢寺はその拠点となる修験道場であった。

諸堂は慶安4年(1651年)3月の火災で焼失して廃寺(羅漢寺廃寺)となり現在地に移転したと考えられているが、『国志』によれば小堂が建てられて活動が続けられていたという。昭和60年(1985年)には寺域の発掘調査が実施され、本堂や庫裏の遺構が確認され、陶磁器や金属製品などの遺物も出土している。

■2020年1月19日スタッフ研修で再訪

初回は適当に登りましたが、帰宅して調べてみると5ピッチ目はルートが2つあるようでした。年末登った際は、顕著なクラックに導かれて終了点まで登りましたが、5ピッチの途中でスイッチバックし、右側に抜けるルートもありましたので、今回はそちらを登りました。課題名もあるようなので下記しておきます。

尚、6ピッチ目以降は何も情報がないので今後は、毎回異なるルートで山頂まで散策します。6ピッチは岩壁が途切れるのでバリエーションとなります。ロープは不要ですが、選択するルートによってはミスすると末端壁下部まで滑落するのでコンテが良いかもしれません。最終の7ピッチは今回羅漢寺裏のスラブを登りました。次回は正面壁から登りたいと思います。おそらくグレード的にはフィンガーの10d〜11a程度。

年末登ったルート:裸足の少年
今回登ったルート:ハヌル


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