【親子で登山】常念岳〜蝶ヶ岳(11歳子連れ)
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- GPS
- 56:00
- 距離
- 16.7km
- 登り
- 2,328m
- 下り
- 2,332m
コースタイム
2日目 8:30常念小屋‐10:30常念岳山頂11:15‐17:23蝶槍山頂‐18:30蝶ヶ岳ヒュッテ
3日目 8:30蝶ヶ岳ヒュッテ‐11:25まめうち平‐12:30力水‐13:15三股登山口
天候 | 1日目 晴れ 2日目 晴れ 3日目 晴れ一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車場は半分ほど埋まっていました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所なし・・・とありますが,常念岳南側の登山道は登りも下りもなかなか注意が必要です。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
北アルプスへの初挑戦です。
そしてテン泊デビューとなります。
稜線上を歩きながら,あるいはテン場でのんびりと,憧れの穂高や槍ヶ岳を眺めたい・・・。本当に楽しみです。
荷物は当然のことながらテントと寝袋,マットやコッヘルが追加され,約15圓僚鼎気砲覆蠅泙靴拭
この日のために用意した60ℓのザックは,食料をK氏に任せているにも関わらずパンパンです。試しに背負うと,立つだけでよろつくほど重く感じ,軽量化の必要性を体感することとなりました。
朝3時に家を出て関越道から豊科ICを経由し,三股駐車場から出発します。
三股登山口出発は8時になりました。家で書いておいた登山届を提出。これも初めての経験です。
1日目は前常念岳を越えて常念小屋へ向かいます。
案内図を見ると,コースタイムは7時間超。むむ・・・子連れに加えて険しいと言われる前常念経由,このタイムで行けるのでしょうか!?頑張らねば。
登り始めはカラマツ林の急登が延々と続きます。もうだいぶ来ただろうと思ったころ,ようやく半分との案内図が・・・(泣)。半泣きになる娘でしたが,K氏の奥様Kちゃんが用意してくれたスイカに元気をもらいました。
到着時間が心配になり始めたころ,本尾根にたどり着きました。振り返るとガスの隙間から安曇野の町が見えてきました。しかし,ここの岩場も娘にはなかなか険しく,相当怖がっていました。
ようやく前常念岳に到着。
ここから常念岳の分岐に向かう途中の稜線上で,先頭のKちゃんが歩みを止めました。「雷鳥だよ。」ええっ本当だ!初めての北アルプスで雷鳥に会えてとても嬉しかったです。今度は親子の雷鳥に会いたいなと贅沢なことを思いました。
しばらく稜線を進むと,常念乗越,そして常念小屋のテン場が見えてきました。色とりどりのテントが小さく見えるととても安心した気分になります。常念乗越の向こうには燕岳,大天井岳の稜線が見えます。当初は一の沢から燕岳〜大天井岳〜常念岳というルートを考えていましたが,燕岳のテン場が相当狭いと聞いて,遅く到着しても大丈夫であろうこのルートに変更したのでした。
そして,目の前のガスの隙間から一際存在感のある山が姿をあらわしました・・・槍ヶ岳です。思わず息を飲みました。
雑誌の写真では何度も目にしている山ですが,この目で見るのはこれが初めてです。
「あぁ,これが見たくてここに来たんだ・・・。」
本当に感激です。
地図のルートでは一度常念岳山頂まで登って常念小屋に下りるように見えましたが,山頂の少し手前を巻くように常念乗越に下りることができます。
それでもこの下りも,疲れた足には思いのほか大変です。明日これをまた登るのかと思うと,ちょっとヘコみます。
出発から約10時間。ようやく常念小屋のテン場に到着です。
テントを張るのは,家で練習していたのでスムーズに行きました。
夕食はほとんどK氏にお任せです。僕はお湯を沸かしてうどんを煮込みました。
夜はさすがに冷えてきて風が冷たいので,夕食はK氏のムーンライトでいただきました。疲れて冷えた体にカレーうどんが美味しかったです。
寝る前に空を見上げると,今までに見たことのない満点の星空です。うっすら雲がかかっているように見えましたが,天の川でした。
2日目,天候は快晴です。初日の疲れもあって朝はゆっくりしました。後から思えば,やはり山は早出早着きが大事なのだと後悔するのですが・・・。
常念岳への登りはやはり簡単には行かず,2時間近くかかってしまいました。
それでも,山頂からの眺めはやはり最高です。北には燕岳〜大天井岳,はるか向こうに剣岳,立山が見えることもK氏に教えてもらいました。
楽しみにしていた常念岳から蝶ヶ岳への稜線。しかし,思いのほか急な下りが続きます。しかもその後,ほとんど同じ高さに登りかえすことになるのです。この常念岳の下りが娘には厳しく,相当時間がかかってしまいました。娘は下りきった頃にはほとんど気力も体力が尽きかけ「富士山より大変だよ〜もうヤダ」と半泣き状態になっていました。
実際,これほど大変なものになるとは,予想を上回っていました。
蝶槍への登りは,最後の気力を振り絞りながらの登りでした。
その時です。
ふと見上げた登山道に,白と茶色の塊が動いているのが目に入りました。
「あっ」と思うと,その周りに小さい小鳥が歩いています。
親子の雷鳥です!!僕も娘も,喜びのあまり疲れが吹き飛びました。
雷鳥の雛たちは登山道をチョロチョロと歩き回り,花をついばんだりしています。親鳥は,雛たちが離れるとクゥクゥと鳴いて呼び戻していました。
ボロボロに疲れ果て,最後の蝶槍の登りに苦しんでいた僕たちの前に突然現れた雷鳥親子は,僕たちの疲れを癒してくれました。山には神様がいるんだなぁ・・・感激のあまり,目が熱くなりました。
雷鳥親子に元気をもらった僕たちは,無事に蝶槍に到着。
あとはなだらかな稜線を歩き,蝶ヶ岳ヒュッテのテン場に着いたのは,18時20分ほどになっていました。
2日目の夕食はおでん。寒い夜に最高のごちそうです。こんな重い食料を最後まで背負っていたK氏に感謝です。お疲れ様でした。
3日目の朝,天気予報では崩れ気味の天気とのでした。
朝,4時過ぎはガスが濃く,風も相当強く吹いていました。それでも御来光が見えるころには風は弱まってきました。雨も何とか降らずにもってくれていました。
最終日は蝶ヶ岳ヒュッテから三股登山口まで下りるだけです。
この道は,さすがに前常念岳の急登ほどの難所は見当たりませんでした。
それでも,これまでと同じくコースタイムの1.5倍くらいの時間をかけて下りてきました。
三股登山口にたどり着いた時には膝や足の裏が相当痛くなり,筋トレの必要性を痛感しました。
それでも,無事に北アルプス,しかもテン泊デビューを達成できたことが本当にうれしかったです。
今回の大きな反省点として,子連れでしかもテン泊装備となると,今の自分達の体力,技術力ではコースタイムのとおりには歩けないということでした。
北アルプスでは,娘がグイグイ進めるくらいの道は少なく,コースタイムの1.5倍を目安に計画を立てる必要があるということがよくわかりました。
来年はとりあえず涸沢を目標としていますが,それまでにまた練習登山をしておこうと思います。
〈2014.10追記〉
この度思いもかけずモリパークアウトドアビレッジ「想い出の山」写真&レポートコンテストで月別優秀賞を頂戴しました。
あらためて読み返してみると,当時の体力の無さやスタートの遅さなどツッコミどころ満載で,いかに未熟であったか思い知らされます。
当時小学生だった娘も中学生となり,幾つかの登山を経て歩く体力と技術,そして何より精神力が鍛えられたようで,頼もしく思えるようになりました。
そんな今でも,この常念岳への山行一つ一つのシーン全てが,僕と娘にとって原点であり,忘れ得ない大切な思い出であります。
これからも,このような思い出を沢山作っていきたいと思っています。
このような稚拙な山行記録に過分な賞を頂き,ありがとうございました。
また,長文にも関わらずご覧頂きました皆さま,ありがとうございました。
「想い出の山」写真&レポートコンテスト 「山行記録部門」 by モリパーク アウトドアヴィレッジ(MOV)
こんばんは
なんとも楽しい山行記を
拝見させてもらいました。
私の子供たちは既に成人となっています。
もっと小さい頃にこの山行記のように
一緒に山を楽しめばよかったと
後悔してしまいました。
いい思い出を沢山作られたことと思います。
お疲れさまでした。
楽しい山行記とコメントいただき,嬉しく思います。
今回の山行はやや子供には厳しかったですが,それでも,山ならではの感動を味わうことができました。
うちの子供もいつまでこのように一緒に山を登ってくれるのか分かりませんが,これからもできるだけ沢山の思い出を作りたいと思っています。
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