富士山 須走滑沢ルート
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.6km
- 登り
- 1,773m
- 下り
- 1,775m
コースタイム
→本七合目見晴館9:25-35→八合目トモエ館10:26-34→九合目鳥居11:20→須走口頂上12:23-55
→富士山ホテル13:34-45→須払五合目15:21-25→路駐場所15:50
天候 | 晴れ 頂上付近で一時強風雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
数台は停められたかもしれないが 暗くて良く分らないので観光案内所の下、約50mに路駐。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【 須走口五合目→新六合目長田山荘 】 省略 【 2400mのお中道(長田山荘→滑沢)】 軽いアップダウンの水平道で深い樹林帯。普通の登山道並み。 滑沢の少し先まで行くとガレの斜面があらわれ、吉田口方面が見渡せる。 昨年まではガレ斜面の通過にひと癖あったが、今年はロープが張られるなど 整備が進み、ガスが出ても迷うことは無いと思う。 【 滑沢下段(2400mお中道→2600mお中道)】 苔が生えている所が多く少し湿っていたが、ハイキングシューズでもフリクションは効いた。 傾斜は緩く危険は無いが、雨にぬれると ? です。 2600mのお中道に近づくとナメからガレとなり、一旦、沢の終了の雰囲気になる。 【 滑沢中段(2600mお中道→七合目太陽館付近)】 2600mのお中道手前から灌木帯となり、沢は一気に広がる。 ナメ沢?スラブ帯?のような溶岩流跡が延々と天まで続くダイナミックな様相となる。 ナメは乾いていたのでフリクションは抜群だった。 【 滑沢上段(七合目太陽館付近→本七合目見晴館)】 中段と同じくダイナミックなスラブ帯が続き、高度感も出てくる。 時々急傾斜もあるが、脚力・バランスがあれば足だけで登れる。 見晴館付近でナメは無くなり、危険なガレ場へと続く。 白ペイントと踏み跡に従って見晴館に移動して終わり。すぐ上の登山道に出ることも可能。 【本七合目見晴館→須走口頂上】 省略 |
写真
感想
お中道を通るたびに気になっていた「天まで続くかのように見える滑沢」を登って来ました。
富士山登頂の人気バリエーションルートといえば、大沢崩れの手前にある「主杖流し」が有名ですが、
「主杖流し」が頂上までダイレクトに登れるのに対して、この須走の滑沢は頂上まで繋がってません。
そういうこともあってか、素晴らしい景観にもかかわらず、情報も少なく人気もイマイチのようです。
難易度は沢で言えば、1級の下ぐらいでしょうか。斜度は上の方で30〜40度ぐらい。
沢登り経験者であれば何も問題ありませんが、濡れているとかなり危険だと思います。
沢自体は浮石も殆ど無く、落石の可能性は少ないですが、上に登山道があることや周辺はもろいガレ場ですので
ヘルメットは必携だと思います。
できれば溶岩流の最先端を確認して、そこから登りたかったのですが、
膝の状態や3週間運動してない体力・脚力と相談して2400mのお中道からスタートすることにしました。
以下 行程概略
15日の夕方、五合目駐車場到着、滑沢取り付き付近を下見しましたが、
須走ルートでも、夕方から頂上へ向けて登る人を途中でかなり見かけました。
9月中旬になっても夜間登山多いんですね。
そして日没までに戻り、賑やかな駐車場でノンビリと過ごしました。
その後、満天の星空を堪能したり、夜間登山者のライトを観察したりしいるうちに寒くなったので、
仮眠は快適な須走道の駅でしようと一旦降りました。これが失敗でした。
朝4:30頃、再び駐車場に戻るが既に満杯、50mほど下に路駐となりました。
たいして仮眠もできず、先行き不安な出発となりました。
やっと薄明るくなった5:00過ぎにスタート。ずいぶん日の出が遅くなりました。
六合目の長田山荘からお中道に入ります。こちらのお中道は標高が低く樹林が鬱蒼としていますが、
朝陽に照らされた水平道は緑が眩しく気持ち良いです。
ほどなく滑沢に着きますが、滑沢というにはずいぶん苔っぽく、ツルツルに磨かれたイメージではありません。
樹林が覆いかぶさり滑沢というイメージには程遠い雰囲気です。
傾斜は緩く湿り気がありましたが、ハイキングシューズで全く問題はありませんでした。
40分ほど登ると樹林が低くなり吉田下山道が見えてきます。山中湖から河口湖、外輪山にかけても視界が開けてきました。
しかし、沢の方は狭まりガレ沢のようになり、沢の終点かと思いきや、ガレを乗り越えると一気に沢が広がります。
遥か山頂に向けて上り詰める白い滑沢が現れました。少し登ると白ペイントがあり2600mのお中道と交差します。
ここからは正面に富士山、そしてその頂きまで延々と続くかのような一筋の白いナメ?スラブ?が延びていきます。
溶岩の窪みには所々雨水が溜まっていますが、殆どカラカラに乾いた溶岩流跡です。
抜群のフリクションで面白いように登って行けます。
遥か上には小さく七合目の太陽館が望めました。よし、あそこまでノンストップだ!
あまりの快適さに自分の体力・脚力を忘れ、結果はバテバテ。後々まで響きました。
十分足だけで登れるレベルですが、疲れてしまって両手も駆使して登ります。
ホームセンターで買ったナイロンの100円手袋にすぐ穴が開きました。
七合目太陽館付近からは傾斜も強くなり、いよいよ核心部に入ります。
せっかく美味しい部分なのにバテバテで楽しむ余裕なしです。
壁のようなスラブを登っていると、昔行った平標山の西ゼンの遡行を思い出しました。
富士山の滑沢とはレベルも迫力も違いますので比較にはなりませんが、
そんな錯覚をするぐらいダイナミックなスラブ帯です。
やがて太陽館の横100mほどの所を通過しますが、登山者が通るたびに好奇の視線を感じました。
どうやら山小屋関係者からも見られているようです。
白のポロシャツにオレンジのヘルメット姿は遠くからでもかなり目立ったようですね。
「道迷いではありませんよ」「ふざけて入ったわではありませんよ」と心でつぶやく。
本来夏山の岩稜でもヘルメットは必携と思いますが、ヘルメット持参は少数派ですね。 リスク意識低いのかな?
落石対応やマナーとしてだけでなく、「真剣に登ってます」の意思表示にもなると思います。
岩稜歩きをナメてはいけません!
引き続き爽快なスラブ帯を登ると遥か上に本七合目の鳥居が見えてきました。
あそこがゴールだ。 それにしても、疲れてフラフラだなぁ。
昔の自分との違いをしみじみ感じました。昔は沢登りの途中で疲れ果てたことはなかったのですが。
本七合目の見晴館でもギャラリーの視線を感じながら、少しトラバースして終了。
目的は達したので、ここで下山のつもりでしたが、時間も早いので、ついでに頂上まで行くことにしました。
それが間違いの元、九合目ではバテだけではなく、睡眠不足からか軽い高山病の症状も発し最悪でした。
さらに運悪く、頂上で天気急変、雨が降り出し、砂嵐。 雨具完全防備でさっさと下山しました。
すると下山道で再びピーカン、なぜかいつもこうなんですね。
長い下りでは、いつもの右膝を痛め、我慢の下山でした。
こんな状態では麓からの日帰り富士山は無理そうです。
やはり中高年にはストック(ステッキ?)、高性能タイツ、ドーピングなどは必須条件のようですね。
今回の滑沢ルートはお天気に恵まれ、気候的にもちょうど良く、絶好のコンディションでした。
10月に入ると雨が降った後などはテカテカに凍るのでしょうか。
いいタイミングで滑沢を登れて頂上にも行けて、久々の満足度の高い山行でした。
今の実力を考えると、沢登りの再開予定は全くありませんが、
秋から冬にかけては溶岩流の先端を調べてみたいと思います。
また楽しみがひとつ増えた!
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
お疲れ様です、s4redsです。
秘密の花園のようなルートですね
富士山は17歳の時に登って以来、御無沙汰ですが
yamheroさんのルートを見ると、なかなか変化があり
おもしろそうですね
ところで、ヘルメットを買われたのですか?
最新版は、うその様に軽量でしょうか?
あの頃のヘルメットは、結構重かった記憶があります。
(処分済みです)
富士山にこんなルートがあるなんて、目が点です
貴重なルート情報、ありがとうございました
s4redsさん、こんばんは。
以前から気になっていた場所なんですが、
もう現役ではない私に登れるルートだとは思っていませんでした。
しかし調べてみると、沢経験者なら全然難しくないということなので
単独ですが行ってみました。
途中でエスケープもできますしね。
そしたら、素晴らしいのなんのって!
乾いたスラブを登る爽快感がよみがえりました。
バリルート専門だったs4redsさんならお遊びですよ。
頂上まで一気に行って下さいまし。
ヘルメットは80年代初頭、人気だったガリピエールです。
捨てないで良かったです。
劣化もしてないようでまだ使えます。
今どき、こんなヘルメットかぶってる人見かけませんね。
今のヘルメットは空気のように軽くてカッコいいです。
この間、登山用品店で触ってびっくりしました。
登山用品に関しては、まったく浦島太郎気分ですね。
yamaheroさん、ガリビエールでしたか。
当時の友達が使っていまして、ああ、いいなあと思った記憶があります
80年代、流行の先端を行ってましたね。
勘違いかも知れませんが、メスナーが使ってましたっけ??
友達は先輩から、”なんだこのドカヘル”といじられていましたが、
先輩も羨ましがっていたように思えました
yamaheroさん、大事にしてあげてくださいね
さすが、s4redsさん、よくご存じで。
そうなんです。
ガリピエールなんです。
メスナーですね。
山岳会の先輩のを見てカッコいいなぁ、
と思って買ったものです。
今となっては、工事現場のヘルメットみたいですけどね。
こういうのって貴重ですよね。
他にもお宝があって、ガソリンの8Rもまだ健在です。
でも、紛失が怖いので、もう使ってませんけど。
yamaheroさん、こんばんは。
最高ですね。
写真全部に拍手したいです。
ありがとうございました。
yamahero さん、こんにちは!
いやぁ、これは毒を盛られちゃいましたねぇ。
しかも、猛毒ですよ。
マズイなぁ、、、
>難易度は沢で言えば、1級の下ぐらい
>沢登り経験者であれば何も問題ありません
難易度も良くわからないし、そもそも沢登りなんてやった事ないのですが、やはり素人(の私)はやめておいた方が良いのかな、、、
あぁ、でも、行きたいなぁ、、、参ったなぁ、、、
ヘルメット!?
もちろん被りますとも!!
って、そういう問題じゃないか、、、
天気が良くて良かったです。
写真も良く撮れましたし。
情けないですが、久々に筋肉痛です。
右膝もおかしくて階段降りるの大変!
今週末は「安静」になりそうです。
確かに、あの光景は「麻薬」のような…
とでもいうのでしょうか。
天気も良かったので写真写りも抜群だったと思います。
安物ですが、広角レンズのコンデジ買い増しした甲斐もありました。
私が登った感触では、積極的にはお薦めしませんが、
‥卦い良い 乾いていること M鄒个悗涼躇
をクリアすればOKだと思います。
たぶん10月になると気温の関係から凍る可能性もあるので
そうなったら怖いなあ、と感じました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する