【残雪期】仙丈ケ岳
- GPS
- 12:44
- 距離
- 25.4km
- 登り
- 2,702m
- 下り
- 2,693m
コースタイム
天候 | 晴れ⇒曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
松峰までは夏道、松峰の登りはカチカチの青氷。12本平爪でも人によっては厳しい |
写真
装備
MYアイテム |
satoo
重量:-kg
|
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感想
数年前に友人から冬でも比較的簡単に仙丈ケ岳に登れるルートがあると聞いて、調べた結果このルートにたどり着いた
地蔵尾根。
1週間前に知り合いが登っていたので早速行ってみる事に。
行きしなに知ったのだが、高遠を通って行くがその高遠のサクラがめちゃくちゃ見頃であった。
深夜の移動だった為、翌日下山後に見るのを楽しみに入山をした。
駐車場に計4台の車が止まっていた。いずれも人影は無く既に前日から入っている感じであった。
今日のテン場は2400m弱地点。駐車場の標高が1150mなので、約1500m程度上げれば良い感じである。
テン場に雪はあるだろうか… ドキドキしながらの入山。
まずは、孝行猿の墓にお参りを行う。急でもなく緩やかな登りをひたすら進む。
途中林道も併用して進むが、素直に林道を歩かせればいいのではと思うが、その辺のネタは帰りに
とっておいて先に進む(笑)
松峰山の取付きの所で雪が着いているのを見かける。いよいよかなと思って足を置いてみると、
なるほど、カチコチの氷状の雪になっていた。だがここは何とかクリアをしたが、
松峰小屋への山の手前は、ツルツルのヌメ氷となっていた。何とか登ろうとしては転びを2回程。
登りで足を滑らせるなんてことは今までにほとんど無くこれはこの上無く危険だと感じたので
観念してアイゼンとピッケルをだす。その後の登りで、この行動が正解だったと確信が出来た。
氷の上に置いたアイゼンの音は、雪山のそれでは無く、アイスクライミングの時と同じ音がした。
正に危険な氷である。ピッケルもスピッツを打ち込むも優しく置くのでは簡単に弾き返され、
1挙手1投足に力が入る。2000-2200mまではそんな緊張した登りが続く。
帰りは恐らく寄らないだろうと思い、松峰小屋へ休憩を兼ねて下見に行った。
松峰小屋は、こじんまりとした小屋で中には休憩用の平台と焚火跡があった(後は薪と火付け)
地図によると松峰小屋の下に水場があったので、水つくりなどを考えたり荷の重さなどを考えると、
松峰小屋にデポしてピストンで行くのも悪く無いかもと思った。今後の計画時に利用していくことにした。
2200mを越えて来ると、先行者のテントが現れる。だけどまだ周囲には雪が少なく今日のテン場としては適していない。
地蔵山をトラバースするとようやく尾根に乗る。とはいえ目的のテン場迄後100-200mと言ったところだろうか。
50m程度の小山を登り降りして行く。 丁度その頃には下山をしてくる人とすれ違う。1名はテントの方。1名は日帰りで
朝2時頃に出たという方であった。先の様子を伺うとテン場適地としてたところにはやはり良いテン場があるとの事で、
今日はそこまでと決め込む。2350m丁度の所に適地を発見した。 夜から明日の朝にかけて天気が悪くなるとの事で
風雪を逃れられそうな素晴らしいテン場でありまた、雪も豊富にあって水つくりには困らない感じであった。
今回は人生初のツエルトでの計画的ビバークである。初めての為、色々時間がかかったが何とかそれらしき幕場を完成させられる
事ができた。時間はまだ11時過ぎ。時間的にはまだ余裕はあるが、体力的に結構限界まで来ていたので、
今日はこのままここで休養をしようかなと考え、中でゆっくりしていると後続のパーティがやって来た。
2人組のカップルである。明日の天気が怪しいので今日中に登頂をしようとの事で山頂に向かっているとの事。
向かう方が居るなら自分も頑張ってみようかと、残り700m弱 頑張れば2時間あれば空身なら登れるはずと、
慌てて準備を行い彼らの後を追う。
テン場適地だと思ったところから先でもまだまだ張れそうな所はあった。
2450を過ぎるとそういう感じでは無くなり道も細く急登となる。ここから2700までは一気に高度をあげる。
息も絶え絶えであるが何とか登り切る。後300m 登れ切れるか心配になってくる。 P2736のピーク手前で下山者に会う。
ここからだと後40分位で山頂に立てるから頑張ってと教えて頂く。森林限界を越え完全に稜線上となり、仙丈ケ岳のピークが
高々と光っている。少し雲が出てはいるものの中央アルプスや北アルプスも見え、まだ天気の悪化は心配無さそうだし
風も微風となっているので、進む事は出来そうであった。息切れで足を止めないように少しでも手でも足でも動かせるものを動かし
騙し騙し登っていく。2900mを越えた地点で、ピークまでの稜線が広がった。後はここを歩ききれば山頂だ!と
ここから先は一切止まらないぞと、自分自身に最後の喝を入れピークを目指す。
そして、テン場を出て丁度2時間 14:20 山頂に立つことが出来た。
今までは、北沢峠からの小仙丈経由でしか来たことが無かったが今回初めて反対側から来た。東西をつなぐ事が出来た。
感無量であった…
今年の夏には仙塩尾根を歩きたいと思って居るので、塩見から入って馬の背を通り丹渓山荘の南北縦断もやってみたい。
写真もそこそこに下山を開始する。
途中で追いついた先行カップルは、まだ山頂からは姿を見る事は出来なかった。日はまだあるものの雲も怪しい感じの雲も
出始めたので足早に下山を開始する。山頂まであと30分ってところ辺りで、カップルと出合い、登頂の報告と御礼を告げて
別れる。2700m付近の陰で一本立てて下山をすると、3人組のパーティが途中で幕を張っていた。
幕場には誰も居らず一人で快適に静かな夜を過ごすことが出来た。ここの良い所は電波も入る事だった。
天気の崩れはそれほどでは無く上空では風が鳴っていたが、テントを揺らすこともほとんど無く静かな夜であった。
翌朝は、下山のみであったが、天気の崩れと桜見学があったので夜明けと共に動き出す。
登りに苦労したナメ氷も下りではそこまで苦労はせず、もちろん気を付けて足を置く必要はあったが無事に松峰を降り切る事が出来た。
ここからはひたすら登山道を歩くのだが、あまり道は良くなく、眼下に歩き易そうな林道が見える。離れたり近づいたりして
走る林道。登山道は外傾をしてて細く歩きづらい。恐らくみんなこの道が嫌で下の林道を歩き、余計に歩かされたり間違えた方に行くのだろうと
思った。が、そこに騙されず登山道をひたすら歩くが、5mと離れて無い所でテープが切れててどう考えてもこれは下を降りた方が
良いんじゃないかというポイントに達しついに林道に降りてしまった。
テープを追いかけながら、林道を歩くがテープがしばらく見当たらない場面に…
このままいくともしかして違う所に降りていくのではないかと心配になったので尾根の反対側に登り返す。息が切れる。
体力の限界を感じる。尾根を越えると眼下に林道が見えた。林道に再び降りGPSで位置を確認すると少し北の方に歩くと登山道と合流する感じであり、
林道は丁度北に伸びていた。来れ良しと、林道を歩くと見覚えのある景色の場所に戻って来れた。登山道に復帰!
後はひたすらこれを下ればつけると残り700m弱を降りる。時折眼下に見える赤い屋根の家が目標だろうか。
孝行猿の墓まだ戻って来た。 残り約後1キロ。最後の力を振り絞り下山をする。
ようやく車まで戻って来た。とても疲れたし足がとても痛い。恐らく氷でキックステップをしまくったのでつま先が痛いんだろうと
今回の山行の大変さを振り返る。そして片づけをしていると、単独の女性が車で上がって来た。日帰りで散歩との事であった。
道のアドバイスをして、帰宅をした。
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