雨飾山
- GPS
- 04:23
- 距離
- 7.6km
- 登り
- 906m
- 下り
- 914m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はない。強いて挙げれば、はしごを持ち替える個所が1つある。長いはしごでない。 長い急登が続くが、ゆっくりしたペースでいけば大丈夫。 岩稜帯の石、泥土、縦横に走っている木の根、雨の日なら滑落、転倒のリスクが増し歩きづらいだろうなあ。 |
写真
感想
以前から思い入れの強かった山だ。とうとう登るチャンスが巡ってきた。と言っても、自分で綿密に計画を立てたわけでない。安直にも、アプローチ手段、飯、入浴完備の毎日新聞旅行の山ツアーに便乗した。
百の頂に百の喜びあり、は深田久弥の名言である。その深田が「いっぺんに登ってしまうより、幾度か登り損ねたあげく、ようやくその山頂を得た方がはるかに味わい深い。私にとって雨飾山がそれであった」と書いている。深田が登ったコースは、僕らがたどった登山道でない。調べていくと、布団菱と呼ばれる一枚岩をルートを見つけながら直登したらしい。2度失敗して、3度目に成功。それも午後8時宿にたどり着き、遭難騒ぎになったらしい。それゆえ、深田の雨飾山登頂は感慨ひとしおだったのだろう。
前日は千国街道(塩の道)を2時間超散策した。新宿を午前8時に出発すると、小谷(おたり)村には昼過ぎに着き、あと何もやることがない。だから、毎日旅行は「塩の道」ハイキングをセットしたのだと思う。歴史を知る機会にもなったし、手ごろな足慣らしにもなった。感謝。
宿泊した雨飾荘は豪華な旅館だった。食事も風呂も部屋も合格点。晩飯はお膳料理の数が多く、ビールと日本酒でちびりちびりやっていると満腹になる。ごはんはいらないくらい。旅行代に込みなのでいくらするかわからないが、小谷村営なので、高くないと思う。このあたりの山のベースキャンプとしてはもってこいの宿泊場所だ。
翌朝4時半、旅館で作ってもらった弁当を持って雨飾荘を出発。まだ空は明けていない。朝食は7時半からなので遅すぎる。とにかく人気のある山なので遅い出発は登山道で渋滞に巻き込まれ、思うような山行ができないという。バスで登山口のある雨飾高原キャンプ場に運ばれ(この辺がツアー登山の助かるところ)、暗い外で朝食。駐車場にはすでに30台ほどの車。
ヘッドランプをつけて5時出発。最初は下りで、湿地帯にかかる木道がある。往きでは暗くてわからなかったが、帰りに通ると登山道わきに清らかな小川が流れていてイワナの魚影が多く見られた。
1時間ほどでランプが不要になる。空は曇っており、山頂付近にはガスがかかっている。眺望はダメか?
雨飾山は全行程を11に分割、登山道には、11分1から始まり11分の11で終わる標識がある。なぜ11分割かは不明。11分2から登りがきつくなる。やがてブナの巨木に囲まれたブナ平に出る。まだ黄葉は始まっていない。ブナの根が露出して歩きにくい。雨だったら転倒する人が出るだろう。
沢へと下り出す。どんどん下って出た沢が荒菅沢(あらすげさわ)。澄んだ水で顔を洗う人もいた。ここで巨大なスラブの布団菱(ふとんびし)がドーンと現れる。かなりの存在感だ。しばし見とれる。深田久弥はこれを直登して3回目で登頂に成功したという。今では本格的な山屋しか挑戦しない。
沢を渡渉すると、急斜面になる。標識の11分の7から11分の9がかなりのアルバイトを強いられる。狭い岩場ではしごが3か所あり、登山者が多いと大渋滞する。だから、みんな早い朝立するが、5分間程度の待ち時間は覚悟しなければならない。とにかく人気のある山だ。
急坂を登りきると、クマザサが茂る平坦な道に出る。笹平である。稜線を吹き抜ける風が強い。ヤッケを着こむ。このあたりから葉も色づいているが、でも紅葉狩りにはまだ早い。山頂から降りてきた人は「ガスで何にも見えなかった」とぼやいている。ガスが流されると、糸魚川市の街並みの向こうに日本海がかすかに望める。
最後に100メートルほどの急斜面を登りきると山頂に着く。
着いてしばらくすると、ガスが切れて後立山連峰の山々が雲の向こうに現れた。ついている。日本海も見えたし、後立山も望むことができた。雨が多い雨飾山ではこの程度でも良しとしなければ。帰りは往路を下る。滑りやすいので注意が必要。ツアー客で何人か転倒していた。
(注)ルート図は他の人から借用しました。
名前しか知らない山でしたが、俄然興味が湧いてきました。眺望もいいし、なかなか風格のある山のようですね。あのスラブ、深田久弥はザイルなしで登ったのでしょうか。
マユミの赤い実がきれいですね。トラノオ類は一般的には夏の花なので、狂い咲きか、あるいは別の花(サラシナショウマ?)かも知れません。リンドウがまだつぼんだままで、紅葉もまだ一部なところを見ると、やはり秋の訪れが遅かったのかなと思います。
明日退院、とりあえず良かった。痛みをこらえ、じっとしているのは辛いでしょうね。
人に人格があるように、山に山格がある、といったのは深田久弥でしたね。あのスラブ、登りはともかく、下りはザイルが必要だったのでは。
たしかに、サラシナショウマかもしれません。直します。
kenmeiさん。ご無沙汰しております。
雨飾山は名前は知っていましたが、良い山ですね。
行きたくなりました。
次回の再開楽しみに、しております。
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