高見石(過去レコです)。
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.0km
- 登り
- 430m
- 下り
- 423m
天候 | 晴れ。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雪崩に注意。 |
写真
感想
2008年2月10日と翌日の建国記念日の祝日、どこに登ろうかと思案。冬山シーズン、遭難の恐れがあるような山は敬遠し、どこか適当な山がないかと色々探してみた。思いつくのは上高地、美ヶ原、霧ヶ峰、北八ヶ岳ぐらいしかない。先日買い求めたスノーシューを試すため、奥蓼科でトレッキング、山小屋泊まりは避けて温泉に泊まり、冬の北八つをゆっくり楽しもうという計画を立てた。前日は岐阜でも1日中雪が降り続き、積雪のため中央高速道路は小牧〜多治見間で閉鎖されている。前の晩、大学時代のクラス会があり二日酔い気味である、朝5時半に家を出ると、路面は凍結していて4輪駆動車ではあるがカーブでは横滑りする。高速道路に乗るも、やはり路面は凍っていて慎重に運転、ナビに合わせた目的地の到着時間はどんどん遅れていく。中津川インターの手前で、チェーンがない車はここから出よとの案内があるが、わたしの車はスタッドレスなのでそのまま進む。しばらく行くと恵那山トンネルの手前でも規制が行われており、道路脇に寄せられている車もある。何をしているのかと思うと、長いトンネルの走行に備えて、今度はチェーンを外させているようである。トンネルを出ると再び規制があり、チェーンを装着させている。その先は除雪も行き届いていて快適に走るが、諏訪インターの出口ではETCのゲートの前に列をなして車が並んでいる。インターをやっと出たと思ったら、その先も大渋滞、どんどん到着時間が遅れてくる。メルヘン街道から雪の積もった湯道街道に入り、予定時間より1時間ほど遅れて渋御殿湯に到着。
昨日は大雪であったが、登山者も大勢いるし、大型バスも駐車している。おまけにもう11時20分、先客がトレースをしっかり作っているだろうと、スノーシューは車の中に置いたまま、今日も使わずじまいになりそうである。青空が広がる下、サングラスをかけ、ハードシェルに身を包み、軽すぎるザックを背負い、アイゼンを着けいざ出発。新雪がたっぷり積もった林の中の登山道、雪は良く踏みしめられて深いトレイルが出来ている。固められた雪にアイゼンが気持ちよく突き刺さり、サクサクと音を立てる。スノーシューやカンジキは全く必要無いが、一歩踏み外すとズボズボと深い雪に嵌まり込む。登山道はすぐに急登となり汗が出始め、20分ほど登って衣服調整のため立ち止まり、セーターを脱いでザックに詰め込む。道は一旦下り、傾斜の緩い登山道を気持ちよく登る。下に見える池の面には氷りが張っているが、寒さは全く感じない。木橋がかかっているところを見るとこの下は沢なのだろうが、水の気配は無い。流れは凍り、その上にたっぷりと雪が積もって沢は消えてしまっている。木橋の手前に「増水時の迂回路→」と書かれているが、橋の下には雪が積もっているだけである。多分渋川だろうと思うが、消えた沢を数回渡り返すと、林の向こうに樹木が全く無い真っ白な斜面が見え始める。雪崩が起きそうだな、あちらには行きたくないなあと思っていると、道はその真っ白な斜面に向かっている。「賽の河原」に出たようである。無雪期には岩がごろごろ重なり、不安定な石もあったりして登りにくい所のようであるが、岩は全て雪の下に埋もれ、今は真っ白な斜面が広がっている。賽の河原の下部、左程の斜度は無いトレイルを、雪崩が起きないことを願いつつ辿る。登るにつれ傾斜が増して来る。雪崩が起きても巻き込まれることは無いだろうと思われる場所でひと休み。岩に坐って熱いお茶を飲み、下ってくる団体さんをやり過ごす。聞くと、朝早く渋湯を発ったが風が強く、おまけにトレースはないのでラッセルし、えらい目にあったとぼやいている。昨日一日中降り続けた雪、サラサラの新雪ではあるが、ラッセルして登るのは大変だったろうと想像する。彼らが通り過ぎるのを待って出発。賽の河原を登って行くと再び団体さんに遭遇。30名もいるとの事で、狭いトレイルから新雪の中へズボズボと入り、彼らが通り過ぎるのを待つ。何処から来たかと訊ねると、静岡から今朝、バスで来たと云う。行列の後ろの方では、急斜面をお尻で降りてくる人達がいるところを見ると、かなりの素人もいるようだ。彼らをやり過ごして急坂を登る。急坂を登りきると賽の河原から樹林帯に入り、傾斜も緩やかになり深いサラサラ雪のトレイルを快適に歩く。幾組ものパーティーと出合い、その度に新雪の中へ入って行き違う。1時20分、登り始めてから2時間で高見石小屋に到着。この季節、途中ゆっくり休みもし、まあまあの所要時間である。小屋のテラスの椅子に腰をおろし、丸机にサンドウィッチとコーヒーを並べて昼食とする。その間にも数組のパーティーが到着する。食べ終わって、小屋のすぐ上の高見石に登る。巨岩が積み重なった高見石の上に立つと、青空の下、風も無く、気分は最高。縞枯山、北横岳、蓼科山が目の前に、見下ろせば真っ白な白駒池が、その向こうには野辺山の高原が広がっている。反対側には中央アルプスから、御岳、乗鞍、穂高連峰が、白い峰々をくっきりと浮かべている。あ〜、気持ちがいい〜! ではあるが、厳冬期の標高2250m、インナー、オーバーと手袋を2重にしているが指先が痺れて来て、小屋に戻る。ザックを背負って2時丁度、下りにかかる。登山道は完全に雪にうもれ、岩の段差を気にする必用もなく、着地のクッションも良好、少々の急坂でも大股でどんどん下る。賽の河原の手前の急坂は慎重に下り、賽の河原では岩が露出している所もありこれまた慎重になる。雪崩が起きる事も無く無事賽の河原を抜け、林の中の登山道に入る頃には指先の痺れもとれ、ポカポカするくらいになっている。休むことなく大股で下り、高見石小屋から1時間15分で渋御殿湯に帰りついた。
渋御殿湯の2階、長い廊下の奥、8畳間に案内された。温泉は東西の端にあり、東の湯では石鹸がつかえないとの事なので、まずは西の湯で一汗流す。総檜風呂で気持ちが良いが、あまり温泉らしくない湯である。風呂から帰る途中、廊下の窓から外を見ると、なんと目の前に真っ黒な大きなカモシカがいてじっとこちらを見ている。慌てて部屋に戻りデジカメを持ってきて写真を撮ると、カモシカは雪の斜面をゆっくりと立ち去っていった。炬燵に入ってビールを飲んでいると、じきに5時、夕食の時間となる。下の大食堂で夕食、結構大勢の宿泊客で賑わっている。満腹になり部屋にり、寝る前に東の湯へ。こちらも総檜風呂であるが古めかしく、浴槽が3っつありそれぞれ温度が異なっている。まずは温かい手前の湯に入って暖まり、次に長寿湯なる31℃の湯に入る。最初は冷たいと感じるが、慣れてくると漬かっていることが出来る。風呂の下から源泉が湧き出てきているとのことで、白っぽい湯は硫黄の臭いがして気持ちよい。渋御殿湯なる奥の浴槽は26℃、さすがに入る気にはなれない。温かい湯に入って、誰も居ないことを幸い、鼻歌を歌う。暖まって部屋に戻るが、ここは標高1880m、灯油ストーブを消すとさすがに寒い、窓側の板の間との境の襖を閉めて眠りに付く。
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