記録ID: 233347
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
四国剣山
徳島県無名峰の最高峰・槍戸山〜剣山大回遊
2012年10月08日(月) [日帰り]
- GPS
- 08:18
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 909m
- 下り
- 909m
コースタイム
8:37登山口-9:34・1660mの稜線-9:51・129番境界標が建つ1720mピーク-10:02〜10:22・1750mピーク手前の119番標柱側で小休止-10:49〜11:05槍戸山で小休止-11:36〜11:49一の森で小休止-12:09二の森-12:33〜13:49剣山頂上ヒュッテで食事休憩-14:48〜14:54法螺貝の滝で小休止-16:00大法螺(おおぼら)橋南東のスーパー林道-16:55登山口
地形図=剣山
地形図=剣山
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
その分岐を右折して3kmほど行けば、新旧の雨量観測所が林道の左右にあるが、奥の古い方の観測所手前が槍戸山最短コース登山口で、手製の道標が立てかけられている。 但し、もし道標がなくなっていれば、林道から見ただけでは、そこが登山口であることは分かりづらいかも知れない。稜線に至るまでは民有林 (国有林以外の呼称。県・市町村有林を含む)なので、登山道が整備されることはない。 登山口向かいの路肩が広いのでそこに駐車。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
≪360度の展望・白骨林と笹が美しい無名高山≫ 槍戸山は徳島県の無名峰では最高峰で、平成に入って埋設された三角点標高は1824.6mを誇る。 この山の魅力は山頂からの周囲の剣山系のパノラマと、山頂直下の笹の中に林立する白骨林にあるだろう。 コースについては、最短コースの剣山スーパー林道から登り、山頂を経て一の森、剣山に登頂し、大法螺橋ルートを下って回遊することにした。丸一日コースとなる。 コースは地形図を見ると、尾根上を辿っているのだが、槍戸山の稜線に至るまでは、実際、尾根幅があまりにも広いため、ただの斜面を登っているように感じられる。 植林帯の中の急傾斜を大きくジグザグを繰り返しながら登って行くのだが、踏み跡は非常に薄い。多分、帰路もこのルートを下山するならば、かなり多くの赤テープを付けながら登らないと、ルートを外してしまう恐れがあるだろう。 尤も、往路に於いては例えルートから外れてしまっても、高い所を目指していれば自然に稜線に出られるのだが。 南西方向に斜面のような尾根を上がっていたルート沿いは、上方に来ると雑木が混在してきて、標高1550m辺りで西方向に上がる尾根に移るが、そうなるとようやく尾根道らしくなり、低い笹の中に、それまでと比べると明瞭な踏み跡も現れる。 更に標高1660m辺りで稜線に乗ると、尾根幅は更に狭まり、「踏み跡」から明瞭な「登山道」に変わる。足元の笹を踏んで、大木群や展望が開けた所が交互に現れ、有名高山を登っているような気分になる。 樹林帯を完全に抜け出すと前方には笹原の1720mピークが見え、周囲の景色を楽しみながら「四国アルプス」気分で快適に登ることができる。 そのピークからは360度の展望が広がっているが、実はここからしばらく、岩場のへつりが続く。一の森からしか槍戸山に登ったことがない登山者には想像もつかないことと思う。 最初の岩場は、1720mピークを下り終えて、1760mピークに向けての上りに差し掛かった辺り。そこは難なく西側を巻く。 その次は1720mピーク下。ここでは東側を巻くが、足場が悪い箇所や危険箇所には、森林管理署(と思う)が虎の子ロープを張ってくれている。このロープがないと流石に少々怖い。 そこをクリアすると尾根に一旦乗るが、まだ先に最大の高さの岩盤がある。尾根道から見上げるほどの高さなのだが、ここでも東側にロープが張られた巻道がある。 岩場をクリア後の、笹の斜面をトラバースする箇所では踏み跡が消えかかり、スタンス(足場及び足掛かり)も悪く、滑り落ちそうになるが、そんな箇所では適当に尾根を目指して上がればいい。岩場のない所では、ルートは常に尾根上にある。 岩場がなくなると、森林限界を超えた笹原尾根の楽しい歩きが始まり、登頂記念板が設置された槍戸山頂に出る。 山頂は意外と狭いが、360度の展望が広がっており、一の森から剣山、次郎笈までが視界いっぱいに広がっている。 肝心の白骨林は山頂の北側と北西斜面にあるが、特に北西斜面の大木の白骨林は、背後の次郎笈とセットの風景が楽しめる。付近の樹木の中には、早くも紅葉しているものまである。 踏み跡も付いているから、ここに下りて写真撮影する登山者が多いのだろう。勿論、多いとは言え、槍戸山へ登る登山者自体は他の周囲の有名峰と比べると極端に少ないのだが。 一の森から剣山へかけてのコースは有名過ぎるため、ここで解説するまでもない。 剣山測候所の南に法螺貝の滝方向を記す木製道標があり、南東に派生する笹尾根の東直下を急角度で下って行く。この道の前半部は、槍戸山と次郎笈を見ながら下るようになる。 法螺貝の滝は地形図には記載されてないが、市販の登山地図には記されている。滝自体の位置は、地形図での破線が法螺貝谷を渡る地点のすぐ上流だ。しかし滝の手前からウバケ谷を越える地点までのルートは、地形図の破線とは異なり、現在の登山道は法螺貝谷の右岸(西岸)を走っている。 法螺貝の滝は二段、落差20mの滝で、かなり手前から滝音が聞こえているため、豪快な飛瀑であることは誰でも分かるが、滝の道標が立っている箇所から滝にかけては、赤テープが一つも付けられてないことからすると、訪れる登山者が少ないのかも知れない。これはこのコースを利用する者自体が少ないことが挙げられるが、道標が傾き、滝とは違う方向を指していることも影響しているだろう。 滝へは道標背後の岩伝いに登って行く。何本もの大木の倒木があり、一瞬、谷に下りづらいのではないかと思うかも知れないが、倒木はくぐるのではなく、上方を迂回気味に越えれば難儀しない。尤も、谷に降り立つ箇所の倒木はくぐるしかないが。 ウバケ谷を越えて以降、登山道は悪路になっていく。西側の斜面がザレ(砂礫化)ており、土砂崩れを起こし易く、全体的に斜面の土砂が登山道に迫り出しており、道幅が片足分位しかない所も多い。滑落すると一気に20〜30m下の谷底へ転落するから注意したい。 長いザレ場が終わり、樹林の中を下って行っていると、森林管理署の注意書きの立て看板があり、その地点から下方は、市販の登山地図等のコースは土砂崩れで通行禁止となり、地形図に記載の遠回りコースに変更されている旨、記されている。 その地形図の破線のコースは、右カーブを描いて西向きになり、やがて五軒小屋谷を渡渉する。地形図では渡渉した先に槍戸林道が描かれているが、対岸には林道の「り」の字も見えないし、とても車道が造成されるような地形には思えない。 取り敢えず対岸のジグザグに上がる踏み跡を辿る。ほどなくルートは東向きになるが、踏み跡の下方に草地の平坦地が見える箇所があり、槍戸林道は全線、土砂に埋没していることが分かる。その土砂の上を歩いている訳だ。 槍戸林道は地形図では大法螺橋南袂に繋がっているが、新九郎山の山行記録でも触れたように、これは国土地理院のミスプリで、本来はスーパー林道と町道との分岐に繋がっていた。現在の踏み跡もその分岐に下りてきている。 大法螺橋から駐車場所までは高度差約150mを上がることになる。 |
写真
撮影機器:
感想
槍戸山は、大手出版社の登山ガイドブック(登山雑誌を除く)では紹介されたことはないが、’90年代から今日まで、徳島県内で発行された登山ガイドブックにはコースガイドが紹介され、徳島の登山界では比較的知られている。
近年では剣山スーパー林道からの最短コース(当コース)も紹介され、入山者は以前と比べると増えているはずだが、三連休の10月8日に登った際、スーパー林道の登山口から槍戸山を越えて一の森手前まで、出合った登山者は一人もいなかった。
登山口から1660mの稜線までの区間を整備すれば登り易くなり、帰路も迷うことはないと思うが、地権者が民間の場合は難しいことがある。
とは言え、一部、灌木の枝を丸木階段代わりに設置している箇所もあり、今後、地元の有志に期待したい。
お気に入りした人
人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:2806人
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する