沖縄最高峰 与那覇岳(過去レコです)。
- GPS
- --:--
- 距離
- 5.0km
- 登り
- 209m
- 下り
- 208m
天候 | 晴れ。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2003年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はありません。 |
写真
感想
職員旅行で沖縄に行く事になった。2泊3日の中日は自由行動という予定なので山に登る事にし、インターネットで調べてみた。沖縄の最高峰は与那覇岳で、ヤンバルクイナやノグチゲラといった希少動物が住んでいる山原(やんばる)という所にある事を知った。国指定の天然保護区域であり、ハブもいるから頂上までは行かないようにと書かれたサイトもあった。ハブのサイトを開くと、その習性が書かれており、取りあえず踏んづけたりしなければ大丈夫だろうと勝手に解釈した。トランクに登山靴と登山装束を詰め込むと、他には何も入らなくなってしまった。
季節はずれの台風が近付き、海は大荒れであったが何とか雨は免れた。前日は沖縄観光をし、翌日の平成15年11月30日、宿泊地であるカヌチャベイでレンタカーを調達し、国道331号線で大平洋側を北上した。平良湾の店で昼飯用のオムスビを買い、店のかみさんに「ハブはどうか?」と聞くと、「沖縄では冬眠は無く、今が活動期で、昨日も野良仕事をしていた人がハブに噛まれて診療所に担ぎ込まれた」と云う。気になるハブさんに遭遇しない事だけを祈りつつ運転し、東支那海に出た所で国道58号線を北上する。大宜味村から国頭村に入った所の道の駅で休憩し、ナビを与那覇岳に設定するもルート表示は現れない。仕方なく感を頼りに国道を進むと、トンネルの手前に森林公園の標識案内があり、ここを右折する。森林公園を過ぎるとこれが奥間林道である事がわかり、ひとまず安心して林道を進む。右手から大国林道が合流しさらに進むが、いくら行っても登山口は見当たらず、ナビ上では与那覇岳を通り過ぎて行くようである。引き返して先程の林道の合流部に戻り、車を止めて思案していると、森林公園に泊まっている人なのだろうか、散歩をしている二人連れがやってきたので尋ねると、すぐ先の大国林道を指して「そこが登山口ですが、車では入れませんよ」と教えて呉れた。登山口に車を止め、登山靴にスパッツ、手袋をはめ、首にはタオルを巻き、肌が出ているのは顔だけという完全武装のスタイルを整えた。9時53分、「頂上まで2.8辧徒歩65分」と書かれた板がぶら下げられている薄暗い登山口に入る。亜熱帯の植物に囲まれているが、車も通れる程の幅があり、ハブがとぐろを巻いていてもすぐに分かるだろうと行く手に目を凝らす。丸い模様を付けた幹がキリンの首のように真直ぐに伸び、てっぺんに枝が傘のように開いて、その間から光りが差し込んで来る。いかにも南国らしさを漂わせているヘゴの大木だ。シダのようなもの、蕗の葉のようなもの、ツワブキの花、何もかも大振りである。木は高く伸びているが、いずれも細っそりしていて幹が太い木は見当たらない。これが亜熱帯広葉樹林の特徴なのだろうか。森の中をザワザワザワッと風が渡り、怪し気な雰囲気が漂う。それを消して呉れるように「ピッピッ」と鳥が飛び交う。良く聞くと色んな鳴き声が聞こえてくる。「キーツッツ、キーツッツ」「チュッピー」「ギーツ」「キーッキーキッ」「チッ、チーチー」。揚羽蝶が舞う。落ち葉の貯まった水たまりのような池には、黒い背中のシリケンイモリが何匹も泳いでいる。要所要所に案内があり道に迷う事は無く、林道の終点には「頂上まで徒歩35分」と書かれた板が掛けれている。ロープを握りしめて登ると、ここからは細い登山道となり、倒木を跨いだりくぐったりを繰り返しながら登る。木の根っ子が這い、それがハブに見えてしまう。時にはその根っ子が動き、驚いて見ると木が風に揺られ、それとともに根っ子が持ち上がっている。所々、根こそぎ倒れた大きな木が横たわっているのをよく見ると、根っ子は薄く広く這っているだけで、木の成長と風の強さに堪えかねて倒れてしまうようだ。13冂の大きさで、真ん中に紅色の条のついた緑色がかった土色の甲羅を背負った亀が、登山道をよちよち歩いている。リュウキュウヤマガメである。感激。南国の暑さで汗はかくものの登りのつらさは全く感じず、ただハブのみを恐れつつ登り、10時53分、頂上に到着。頂上の小さな広場は、周囲が背の高い細い矢竹に囲まれ展望は全く無い。アルミの梯子が木に立て掛けられていて、それを登ると周りの景色が見えるが、山が連なっているのが見えるだけであった。兎も角、ハブに遭遇する事なく目的を達成出来た事に喜び記念写真を撮った。
ハブがいない事がわかったので下山は快適だが、所々、赤土が露出していて滑り易い。周囲に気を配る事も出来るようになったが、ヤンバルクイナもノグチゲラにも会う事はなく、11時45分、登山口に無事帰還した。
東支那海をすぐ横に見ながら沖縄本島最北端の辺戸岬まで行き、断崖にしぶきをあげて打ち寄せる荒波や、黄色い大きな蝶々が群れながら赤い花の蜜を吸っているのを見て南国らしさを味わった。もと来た海岸沿いの道を引き返し、ちゅら海水族館を見学。カヌチャベイの近くの浜に食堂を見つけ、熱帯魚の煮魚の夕食を食べてから宿舎に戻った。
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