銚子ガ峰(過去レコです)。


- GPS
- --:--
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 861m
- 下り
- 852m
天候 | 快晴。 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はありません。 |
写真
感想
以前、職場旅行で石徹白に行った事があるが、結構山深く入ったところにある静かな村であった。さらにその奥に高い山が連なり、その向こうは一体どうなっているんだろう、多分福井県に行くのだろうと考えた事がある。「分県登山ガイド岐阜県の山」で、次ぎに登る山を石徹白の奥の銚子ガ峰と決めた。平成12年10月14日、この日は快晴であった。石徹白へ入ると道路工事中で道案内もなく、人に訊ねてやっと登山口に行き着く事が出来た。そこにはちゃんとした駐車場があり、すでに多くの車がとまっていた。駐車場右手の階段を登り詰めると広場があり、石徹白大杉が立っていた。立ち止まらずに杉の左手を行くと登山口があり、そこからズーット登りが続いた。紅葉がとても綺麗であったが、心臓がバクバクしながら1時間以上も登った頃、神鳩(かんばた)避難小屋のある広場に到着した。ここはもう標高1570mとのことである。「白山国立公園」と書かれた立て札があり、その前にある丸太に座り休憩し、清涼飲料水を飲んだ。内がアルミでおおわれ保温が出来るボトルホルダーに入れておいたが、完全に温まってしまっていた。ただ冷やしただけでは駄目で、次回からは冷凍したものをボトルホルダーに入れ持ってくる事にした。避難小屋の奥に小さな石祠があり、その横に登山道が続いていた。すぐに展望が開け、快晴で見事な紅葉の中、登りもなだらかとなり、再び元気が出て来た。左手に銚子ガ峰が見え、大きくグルッと左に回り込むようにして行くと、母御石と名付けられた大きな岩があり、その上に人が一人立って周囲の山々を眺めていた。我々はちょっと登る気にはなれず、小休止のみに留めた。この石徹白から白山へ至る道は泰澄が開いたとされているが、山へ行くと云う泰澄の母をこの石を割って閉じ込めたという謂れのある石である。山岳修行の聖地に女人禁制のタブーを課したもので、たとえ開祖の母といえども山へは入れないという教えのある伝説である。母御石から尾根をたどるように歩く頃には森林限界となり、あたりは笹が群生し、右も左も前も後も大変眺めがきく気持ちの良い道となった。頂上には二組のパ-テイ-が休んでるのみで混雑はなく、東に穂高連峰、乗鞍、御岳がみごとに見えた。すぐ北に高い山が聳え立っており、「あの山は何と云う山か」と訊ねられたが我々が知る由もなく、好いかげんに「別山じゃないですかネ」と返答しておいた。相手も信ずる様子はなく「白山にしては近すぎる」などと云っていたが、名前を知りたくなる程の立派にすくっと立った山であった。妻手製の弁当を取り出し、コンロでコーヒーを湧かし、携帯ラジオのバックミュージックのもと、しばし優雅な山頂での昼食となった。帰宅してからの話しであるが、あれだけエネルギーを消費してもちっとも痩せないと嘆き、そういえば銚子ガ峰のテッペンで他の人達はおむすび1個ぐらいしか食べてなかったと反省していた。
頂上から笹の原っぱを下りる時、眺望は抜群で気持ちよい下山となった。もう大杉に少しという所で、後を歩いていた妻の悲鳴が聞こえ、驚いて振り向くと、妻が道から谷側に滑り落って行くではないか。あわてて手を差し出したが届かず3m程落ちて木に引っ掛かってようやく止まり、自力で這い上がって来た。狭くはあったが何と云うこともない道で、これも滑落というのだろうか。大分疲れたのだろう、こんな所で遭難するのはかなわないと、その後はゆっくりと下った。大杉の前の丸太に腰掛け、柵に囲まれた大杉をバックに記念撮影。樹齢1800年で幹回りが18mもある巨木で一見の価値がある。途中で小さなヘビ一匹に遭遇したが、充実感のある登山であった。
白山信仰の信者が馬場(信者が修行するところ)で身も心も清め、神仏に祈ってから白山に登った。馬場は加賀、越前、美濃の三箇所にあり、美濃馬場は白鳥の長滝寺であった。昔の人は白鳥から石徹白に入り、銚子ガ峰から一の峰、二の峰、三の峰さらに別山を通って白山に至る、気の遠くなるような道を登って行ったのである。ちなみに、銚子ガ峰の頂上からすぐ前に見えた山は一の峰ということになる。知らないことは云うものではないとまたまた反省した。
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