【虎児作戦】合戦尾根〜燕岳〜北燕岳
- GPS
- 07:54
- 距離
- 14.3km
- 登り
- 1,617m
- 下り
- 1,633m
コースタイム
天候 | 気持ちの好い晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況:整備されているとはいえ山道 登山ポスト:登山口にある 下山後:有明荘 |
写真
感想
Q.それじゃあ、君は山行の安全をどのように担保するんだい?
A.引き際潮時を見極めることによってだよ。
13日の甲斐駒ケ岳登頂はうまくいったが、ここ最近肩から背中から腰から非常に凝りが激しく、この日も半日歩き続けたため、疲れが酷いように感じる。これでは翌日の北アでの作戦に支障が出るのではないかと思い、山行後立ち寄った入浴施設むかわの湯にて、入浴後1000円/10分のソフト整体を30分受けることにした。
そしたら整体師からいろいろ言われる。「腰が悪い」、「股関節が悪い」、「胃が悪い」、「足の筋力が落ちている」等々。
甲斐駒に登ってきた直後とあって、その時は山行が原因という前提で話をして、「無理をしないでください」と言われたので二日目は無理をしないこととした。
とりあえず、
1、二日目の北ア燕岳は決行する。
2、しかし、規模を縮小し、燕岳〜東餓鬼岳〜有明山周回予定のところを東沢乗越から降りることとする。
3、今後の山行方針については別途検討する。
ということにする。
しかし、後になってよくよく考えてみれば、肩や腰の痛みは山行前からで、最近ハードな山行をした覚えもないので、他に原因があるのだろう。そういえば、思いあたる節もあって、最近ノートパソコンを床に置いて寝転がったり、海老反りになったりして操作していた。そうするようになってから体が不調になったように思う。
心の中では「当初の予定で断固決行すべし!」という強硬論も一部にあったのだが、万が一と言うこともあるし、甲斐駒の後に燕に行って、その後周回とくれば万全の体制でやりたいところだが中房温泉到着は22時を過ぎそうである。やはり、縮小してやることとした。
中房温泉までの道は暗く狭くカーブが多く注意を要する。行きは広いカーブで1台とのみすれ違っただけでよかったが、下手をすると進退窮まる。ようやく集落のようなところに達すると、ここが駐車場か?と見紛うばかりの路上駐車の数々。「確か、第1、第2、第3と番号が振ってあるはずだよな」と前方に注意しつつ、徐行して進む。第1駐車場は期待薄と思い、第2駐車場に突っ込んだのだが、こちらも通路にまで止まっている始末。初めて来たので駐車場の奥行きがどこまであるのかわからず、それでも空きがあることに期待してゆるゆると進むと、通路を入って、一段目、二段目、三段目とスペースがあるとみた中の二段目に偶々空きを見つけて滑り込む。夜空を見ると、こちらも翌日の好天を予想させ安心して就寝した。
翌日、当初予定では0430時発予定だったが、規模を縮小したのと荷物軽減のためライトを持っていかなくて良いよう明るくなってから山に入ることとしたので0530時発としていたが、ぼけ〜っと朝食をとっていたら何時の間にか予定時間を過ぎている。急いで出発準備を整え、0539時駐車場出発。
空は完全に白み登山口に何人もハイカーがいる。こういうのは久しぶりだ。どの山でも歩き始めはしんどい。特に連日の山行ということもあり、ゆっくりゆっくり歩く。山道はどこぞの山のように大きな岩を次々とよじ登って行かないといけないということもなく、所々階段が設けてあって、他のハイカーの言う如く「よく整備された」道だ。所々急な登りがあるが延々と続くわけでもなく、平坦で歩きやすい道もある。それにしても、いろんな登山者がいるものだ。トレイルランナーは良いとして、普通の登山者に見える人も早歩きでガシガシ登っていく。降りてくる人もある程度いた。夜は山に泊まって朝日を拝んできたのだろう。うらやましいぜ。
一息つける箇所も多く、私もだんだんと山に慣れてきた。特に高い山では山頂部分が見えるようになってから実際に山頂に到達するまでにいくつものピークがあって時間がかかり、ウゲッとなることが多いものだが、燕岳まではピークを登ったと思ったらその先にまたピークがあって、ということは同様にあるものの距離が長くないためか、急上昇急降下という感じではないためか、あまり苦もなく燕山荘に到達した。
尾根の途中から先っぽを見せていた槍ヶ岳が堂々と山容を誇示している。大天井に表銀座、北鎌、槍の北に連なる北アの荒々しい山々。夕方ここまで登って夜の稜線を楽しみ、明け方槍に到達する、というようなことができないかなと言うよりもしてみたいという気持ちが湧いてくる。時期を待たねばならないだろうが。北鎌はルートファインディング以前に北鎌沢からあんなに登り返すというのに耐えられるのか…。やると決めたわけではないが、いろいろと心がくすぐられる。
とりあえず、中房温泉までバスの便があることはわかったので、次回は大天井から常念または東鎌方面に軽く足を伸ばせないか検討してみよう。しかし、そういうことができそうな夏は激混むのだろう。
そして遂に燕岳へ。山頂は狭いがほとんどの登山者は燕山荘で休んでおり、人は5,6人程度。恐らく山荘付近にいる人たちはもう山頂を極めたのだろう。甲斐駒から百数十キロ離れた燕からも富士山がはっきりと見えた。
富士もそうだが、特に北アの錚々たる山々がドドンと近くにくっきり見えるというのが真に有難いことである。また食指が動いてしまうね。
燕からは北燕岳山頂に二人いただけで、そこから先は稜線を独占。にぎやかな南側とは打って変わって静かで落ち着いた、雪のように白い砂礫、稜線上の砂浜。
そのような落ち着いた道も稜線下降点で終わる。以降は綺麗な砂礫が滑落を誘う危険へと。東沢乗越までは、急降下するのだが、道が砂礫と化している箇所では、気を付けないと下りで勢いがついている足を下ろすと、何十センチも置いたところから滑る。慎重に下りて行ったら、そろそろ東沢乗越かなという頃合なのに、それらしい所に行き当たらない。不安になりそうなところ、上ってくる1パーティと1個人とすれ違って、ちょっとホッとする。
東沢乗越から沢までの下りの前半も同様に道が砂礫。画像にもあげた箇所で右足が滑って道の外にまではみ出し、滑落の危険におののく。土の道になって、これでもう大丈夫だと大きくため息をついた。
沢に下りて以降は時折森の中に入ったり、また山中に登り返したりとしつつ、白石と清流の沢を右に左に飛んだり跳ねたりしながら歩く。渡渉ってなんでこんなに楽しいんだろうね。
沢の最後にかかっていた橋はちょっと怖かったが、それを越えればあとは温泉へ一直線。無事帰還することができた。
そして、なんと、肩も腰も全然痛くなっていない!万が一この山行で痛みがぶり返したら?と不安だったのだが、これは素晴らしい。ビバ!整体!
下山後は有明荘の日帰り入浴。熱い温泉も久しぶり。
二日ともよく晴れて、快適な山行ができて、温泉で休養できて、肩腰痛も良くなって、これ以上の素晴らしい山行はなかなかできるものではない。
南アルプス及び北アルプスの山々、神々に深く感謝するものである。
〜おしまい〜
中房温泉からの帰り、道が狭いので擦れ違いに注意。後ろに車が追い付いても気にせず、道が広くなるまで前だけ注意すべし。
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