足尾の峻険渓谷 ウメコバ沢〜中倉山
- GPS
- 10:01
- 距離
- 16.0km
- 登り
- 1,312m
- 下り
- 1,305m
コースタイム
天候 | 曇りときどき晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
渓相:★★★☆☆ 水温:シャワー△ 水量:平水(普通) 水質:動物が多いのでフィルター必須 雪渓:無し 沢靴:ラバー◎ ザイル:50m×8.5mm×1本(メイン) 10m×8mm×1本(お助け) ナメ:無し 藪漕:無し 害虫:松木川の林道と稜線に出る前の笹薮にマダニ確認。ご注意を。 登攀 :+級(F5 /25m) 総合的な難易度 3級(独断と偏見による) F5登攀する場合は、クライミングシューズが有利。 カムが6本程度そろっていればハーケンとハンマーは不要。 |
写真
感想
※F5登攀
梅雨入り前に、そこそこ手ごたえのある沢へいっておきたいなぁ、と思っていた矢先に、某山岳会のNさんと沢の先輩iroiro57さんからウメコバ沢のお誘いをいただいたので、行ってきました。
ウメコバ沢っていうと、アイスクライミングがメジャーで沢登りというイメージはあまりなかったのだけど、ヤマレコユーザーさんの記録を見てみて「沢でも面白そうだなー」っと思っていたところだったので、願ったり叶ったりでした。
ウメコバ沢は、足尾を象徴するような岩だらけの世界で、中倉山北面にあるこの峡谷は、日が差す時間も少なく「なるほど、アイス向きな谷だナァー」というのが第一印象だった。
けっこう大きい滝がいくつかあるらしいが、高巻きが多い様子。
iroiro先輩からも「雰囲気を見に行きたいから登らなくてもいい」と言われていたのだが、どうせ行くなら1本でもいいから攀じってみたいと思い、Nさんとひそかに登攀具を多めに忍ばせて、いってきました。
アプローチは銅(あかがね)親水公園よりゲートを越え、松木川左岸沿いの林道を歩き、旧松木村を目指す。
現在、親水公園は利用中止になっているため、路上駐車するしかない状況だ。
崩落しかけたような林道を進むと、左手に廃車になった車両重機があり、それを過ぎたあたりから、河原へ降りる。
河原を歩けば、右岸の暗〜い谷から流入してる沢がウメコバだ。
ここだけ渡渉(飛び石でも可)し、少しの休憩をとり、装備を整えた。
■以下、ざっくりルート概要
F1 しょっぱなすぐに現れるが、右壁にFIXロープがかかっているのでこれにプルージックを使って登った。ロープが無くても簡単だが、岩がもろいのでFIXがあるのだろう。
F2 チョックストーンの滝で登攀は無理っぽい。これも、右のヤブにFIXがあり容易に高巻く。
F3 取り付きの釜がちょいと深く、まだ寒かったので右から巻く。取り付ければ簡単そうな滝だった。
F4 見事な直瀑で、「門」ってイメージがしっくりくる良い滝だった。氷瀑なら良さそうだが、とてもこの時期は攀じれるようには見えない。
ここは鑑賞だけにして、滝のすぐ右にある枯れたルンゼから僅かに巻いて、早めに沢床へ戻った。
どうやら、このルンゼを調子よく行ってしまうと、次のF5までまとめて巻いてしまうらしいので注意。
沢床への復帰は、クライムダウンで行ける。この辺りに、ひっそりとヒメイワカガミが群生してて感動した。
F5(25m登攀)は、左の乾いた階段状を10mほどフリーで登る。
小テラスっぽいところから、右にトラバースしてクラックが顕著に伸びているところから登る。体感は元蘢度だが、垂直なのでけっこう怖い。
スタンスは小さいので、クライミングシューズ持参推奨。沢靴だとつま先が曲がるため、危ないかもしれない。
カムを3本使った。かなり幅広いサイズがそれぞれフィットしそうな良いクラックだ。
残置物は、ハーケンとピトンが合わせて3本と、リングボルト1箇所あるので、クイックドローも4本くらいあると便利。
ホールドについては、無理にクラックでジャミング決めるよりも、薄いカチが随所にあり、そちらのほうが態勢を変えやすい。
足はクラックに突っ込むと安定して登れるだろう。
核心はこのクラックの出だしから4mくらいだけ。あとは簡単で、右へ斜上して落ち口へ上がるとアイス用(?)の立派な終了点があり、それを使ってピッチを切った。
ハーケン、ハンマーは不要。
2ピッチ目はそこから落ち口傍の水流を横切り、左岸側から登る。
ここはフリーで簡単。
30mほど行くとまた終了点がありここでF5は終了となる。
F6 ※もはやどこまでがF6なのかわからない感じの連瀑なので、F5を越えた滝すべてをF6として記載する。
しばらくは階段状の滝を水流右からから登っていける。途中で左に渡り、CSで2条の流れとなった所で、再び水流を跨ぎ、落ち口をかすめるように登攀する。(卦+ぬめり+ちょいシャワー)
なるべく濡れたくないが、最後の左足スタンスが水流の奥にあるため、けっこうずぶ濡れになります。
ここを越えると、今回の詰めルートを選択した場合、もう滝はありません。
■感想
想像よりも遥かに良かった!
かっこいい岩壁に囲まれた渓谷は、十分雰囲気だけでも楽しめます。
岩が脆いというイメージ(一部脆いけど)でしたが、割としっかりしており、登攀はそこそこ楽しめます。
F5は、巻く場合はおそらく右側にあるルンゼだろう。
登攀する場合は50mロープ、カム5本程度(中サイズ推奨)、クイックドロー4本、クライミングシューズで十分かと思います。
bicycle
コメント
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皆様お疲れ様です!
あぁ愛しの足尾じゃありませんか!
ジャンダルムから中倉山へ登った時、松木沢の最奥部は一体どうなっているんだろうと興味津々でした。
いやぁ素晴らしい渓谷が存在するんですね。
各滝がそれぞれ立派で美しい、とても行ってみたくなりました。
そろそろ県外移動も出来るようになりそうなので、またよろしくお願い致しまするm(_ _)m
毎度どうもですー!!
梅雨前の頃は、足尾の沢がちょうどよい具合なのですが、ウメコバ沢も楽しかったです
途中にある松木村と、帰りの林道にある仁田元村は鉱毒事件がきっかけで廃村になった場所なので、そういった歴史的な観点からも興味深い遡行となりました。
まともに登れる滝のほうが少ない沢ですが、そのぶん迫力いっぱいの魅力がありますね^^
こちらこそ、SM100Cさんの出動をまだかまだかと待ち望んでおりますので、よろしくお願いしますヨ!!
後ほど、今後の計画などご連絡しまーす!!
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