北岳 大カンバ沢ルート往復
- GPS
- 34:30
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 1,777m
- 下り
- 1,760m
コースタイム
27日 山頂往復(7〜9時半)後 11時半 小屋発 15時20分広河原着
乗り合いタクシー16時10分発 16時50分芦安山岳館着
天候 | はれ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
写真
感想
北岳は1985年3月以来。前は歩いてくぐった夜叉神峠を、車で進む。芦安の山岳館から一時間で広河原。紅葉の盛りで、黄色い森の奥に大カンバ沢の雪渓と北岳が見えた。
山荘のイノケンとアシストのツジタカで出発。テーマは紅葉から雪景色へという季節。
広河原から樹林をでるまでの森が最後の紅葉だった。ブナ、ヤマモミジ、イタヤカエデなど。カツラの大きいのもある。十月上旬に樹林限界の二股の紅葉を聞いてから風邪で延期してきて、もうここまで降りて来てしまった。でも間に合ってよかった。午前8時、9時台でも谷の奥まで光が差し込んでくれて助かった。紅葉が映える。こういうのはたとえ事前に知っていても、雲が多ければ駄目だから、まったく来てみないとわからない。
30年前の地形図とは違って、道が右岸についている。左岸側の、御池小屋の下の崩落地が、何度治しても駄目なので、10年一寸前に、こちらに付け替えたそうだ。ここを20年歩いているイノケンは何でも知っている。渡渉点のステンレス板の橋も小屋じまいの時片付ける。置いておいても雪で壊れるか流されるから。
ダケカンバとナナカマドの樹林限界付近はもう冬枯れだった。白いヒゲのような木立に光が差し込む。
バットレス取り付き沢分岐で水を飲む。15年くらい前、バットレス登ろうとヤンケとここまで来て、引き返した。体調が悪くて帰ったのは珍しい。第四尾根をぐぐっと見上げる。
八本歯コルまでの登り、日が当たらないところには三日前の雪が残っている。登りなら、アイゼンはいらない。急なところには丸木を組んだハシゴが延々組んである。イノケンの仕事だ。コルに出ると、真っ白な間ノ岳が逆光だ。湧き出る雲と後ろから差す光で輝く。トラバースルートをとって山荘へ向かう。この道は、イノケンの先代が築いたそうだ。お師匠さんがいて、着いて仕事を憶えてプロになったという道の話だ。
小屋はもう冬支度。イノケンのパンパンのザックからは酒とマメ炭あんかのサシイレがどっちゃり出た。
甲府市内のラーメン屋の話、富良野の六郷デパートの話、パチプロは今や難しいという話、地域に住むということの話など、濃度の高い酒で氷点下3度の夜。麓の白州工場にしかないというアミさんのモルトたまらん。
翌朝山頂を往復。こんな季節に登る人は数える程だ。間ノ岳は白く美しいが北岳の雪は殆ど溶け落ちてしまった。
27年前の3月、ヨコミゾが滑落して死にかけた急斜面を万感の思いで通る。あのときはみんなビビったなあ。
展望は良し。北アルプス、御嶽は既に白い。富士山以外どこよりも高い。ここに立つと甲斐駒も仙丈もカタ無しだ。間ノ岳だけが等格にそびえている。ここがK2ならあれはブロウドピーク。伊豆半島まで見えるよ。
帰ると小屋の看板外しや板張り、つっかい棒などしている。もう十日ほどで閉店なのだ。
下り4時間見込んでツジタカと雲の下に降りる。標高差1500の重荷の下りだ。八本歯付近の雪の残る所だけアイゼンをつける。捨てるに捨てられない骨董品、タニのバンド式12本爪アイゼン。トレッキングシューズで少しだけアイゼンを履くという、今回のような場面だけに活躍する。正面そびえる鳳凰山は、まだ足を踏み入れていないなあ。近所の未踏の名峰がまだ残っていて、どう登ろうかと楽しい転勤一年目なのだ。
広河原は7年程前からマイカー規制になっていた。乗り合いタクシーがバスの出発時間より20分早くて同料金という客引きをしている。一人1100圓。芦安まで30分ちょっと、高い崖の上の道、鷲ノ住山のところから、次回は農鳥岳の荒川でも遡行したいなと覗き込む。南アルプス山岳館には、北岳のところが4枚に切れない二万五千図を特別編集で売っていた。これ、あるとうれしい一品だよな!今回はセロテープでくっつけて、カラーコピーして持って来た。
話に登った国道20号近くのラーメン屋に寄って帰る。店名はえ〜と「テ」のつく名前、忘れてしまった。しょうゆとんこつ、柔らかくて大きいチャーシュウ、麺は平ウチで丁寧な出来だった。混んで居た。
テじゃなくて、「はねだ」だった。追記/
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