甲斐駒ヶ岳 (黒戸尾根往復)
- GPS
- 11:34
- 距離
- 20.4km
- 登り
- 2,573m
- 下り
- 2,580m
コースタイム
- 山行
- 9:41
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 11:31
天候 | 晴れ 微風・無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
整備良く間違い安いところはない。残雪はなく、滑り止めやピッケルは不要。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
甲斐駒ヶ岳へ黒戸尾根を往復して日帰りで出掛けてきた。このコースはここ数年は秋にテントを持って1泊で行くことが多くて、日帰り往復は実に6年ぶりだった。しばらくぶりなので、暑くて時間はかかったが、とにかく無事に戻れて良かった。以下に詳細。
駐車場には3時前に到着。例年であれば黒戸尾根を利用して甲斐駒ヶ岳を目指す人は少数派だが、今年に限っては、この山に至るほぼ唯一のコースのため、未明の時間帯にも関わらず準備中の人が多数。この駐車場からは日向山も目指すことはできるが、この時間から行く人はいないだろうから、ほぼ皆甲斐駒ヶ岳を目指すようだ。こちらも食事と準備をして3:32に出発。6月とは言え日の出まで間があるため、ヘッドライトを点灯させて歩き始める。神社を抜けて吊り橋を渡り本格的な登山道が始まる。到着時にクルマの温度計は18℃を示していて、全く涼しくは感じなかった。よって、登山道を歩き始めて数分程度で既に暑さを感じるようになった。6月の黒戸尾根は今回で3回目だが、過去は梅雨入り前頃だったので、今日より時期が2週間ほど早く、気温も湿度もここまでは高くはなかったと記憶している。サウナの中を登降するような雰囲気。4時を回ると周囲が明るくなるが、それでも樹林帯なのでしばらくライトは点けたまま。今日は暑いので頑張り過ぎることはやめて、ある程度歩いたらきっちり休憩することを念頭に置いて歩く。最初の休憩は出発から1時間後に取ったが、この時点で既に汗だく。しかも暑さのせいか、体調もいまいちな感じ。休憩したのに体が重くて仕方なくなる。あまりひどかったら同行のZさんにも迷惑をかけるので、引き返すことも考えつつ進むと、標高が上がり涼しさを感じるように。夜明け前から歩いた甲斐があった。ペースはいまいちだったがあまり気にせず進む。刃渡りを過ぎ、黒戸山の脇をかすめると五合目に7:04到着。このあたりからはイワカガミが各所に咲いていた。眺望の乏しい黒戸尾根なので、高山植物は楽しみの一つになる。五合目までに既に何組ものトレイルランナーに先行されたが、別カテゴリなので気にしない。五合目でしっかり座って休んでから進む。この先は昨年の台風で大きな被害があったが、既に完璧に修復されていて、通過に支障は全くなかった。五合目から先は例によって階段が連続する。ストックは邪魔になるのでザックに付けておく。登りの際は、落ちないよう慎重に進む。ここ数年は、テント泊用の大きなザックを背負っていたが、今日は日帰り用の小さいものなので、その点は体も気持ちも楽だった。五合目から50分ほどで黒戸尾根のオアシスとも言うべき七丈小屋に到着。ここでもベンチに座ってしっかり休む。標高が上がったので暑さはしのげるようになってきたが、この後時間の経過と共に暑くなりそうだった。テント泊ならここで受付してテントを設営してと色々するので1時間くらいテント場にいるが、今日は短時間座っただけで出発。まだ今日の長丁場の半分にも至っていない。八合目を過ぎ、樹林帯の外に抜ける。天気は晴れてはいるが快晴ではなく雲もあるので、暑くて仕方ないということはなかった。駐車場付近を歩いている時の温度湿度のほうが余程きつかった。更に標高を上げると鳳凰三山や富士山、北岳間ノ岳などの山々が見えるように。鳳凰三山は今シーズンも入れそうだが、それ以外は今年はいずれも難しそうだ。眺望を楽しんだ後、狭くて急で、岩がちな登山道を抜けて山頂の直下塀たる。ここは登りも下りも毎回容易ではない。標高が2900メートルを超えても寒さはなく、風はさすがに少し冷たかったが、それでもここまででかいた汗を乾かすのに心地よいほどだった。甲斐駒ヶ岳の山頂には9:42に到着。6時間以上かかった。例年ならば、北沢峠からの登山者が多数を占める山頂だが、今年に限っては全てが厳しい黒戸尾根を上がってきた人達だった。しかも20名ほどがめいめい休んでいる。こんなこと、今年以外はないだろうと思う。というか、来年以降は是非普通の状態に戻って欲しい。山頂の冷たい風に当たりつつ休憩し景色を楽しむ。高曇りなので暑くもなく、日射も厳しくない。周囲の山々もよく見え、登山日和と言える。山頂付近にも様々高山植物が咲いていて、それらを見ているのも楽しい。
テント泊であれば、山頂に1時間くらい滞在しても全く問題ないが、ここで今日の行程のようやく半分なので、山頂滞在25分ほどで下山開始。下山開始直後にZさんが一羽の雷鳥に気付く。我々の目の前にいて登山道を歩いている。近付くと逃げるが飛び立つことはなく、少し離れて眺めていると、登山道の真ん中で砂浴びを始めた。こんな緊張感のない雷鳥を見たのは初めてだ。今年はひょっとして、登山者が少なくて、どこでも砂浴びができるものと勘違いしているのかもしれない。後続の登山者も降りてきたが、登山道が閉鎖状態なので皆カメラを構えて待つことに。周囲の山々もよく見え、間近で雷鳥の砂浴びも見え、ここまではなかなか楽しい山行と言えた。
雷鳥が岩の影に隠れて見えなくなると行動再開。いつまでも雷鳥に関わっているわけにもいかない。下り始めると続々と登山者の姿。過去こんな大量の登山者が黒戸尾根側から上がってくるのを自分は見たことがなかった。何だか嬉しいやら、何と言ったら良いのか分からなかった。七丈小屋まで降りても登りの登山者は多くいた。また11:20頃に着いた時点では、テント場のテントは5-6張りまでに増えていた。明日は天気下り坂のようだが、皆あまり天候のことは気にしないようだ。七丈小屋のベンチで休憩後に進む。この先は今度は階段の下り。もう疲れて判断力も鈍ってきているので、落ちたりしないように登り以上に慎重に進む。階段の前後でも登りの登山者やトレイルランナーとすれ違うこと多数。今日は下山時だけで100人くらいの入山者とすれ違ったように思う。もう黒戸尾根祭状態だった。五合目小屋に至り、ここまでずっと使っていなかったストックを出し、黒戸山への登りにかかる。毎回この登り返しはきついが、今回は何故かそれほどではなかった。もうくたびれすぎて、疲れを感じることすらなかったのかもしれない。登り終えてあとは下り基調だが、とにかく先が長い。標高が下がるに連れて暑さがぶり返し、標高の高いところの涼風で乾いたシャツも、再度汗で湿るように。それにしても6月後半で、しかも下界が30℃に達するような日は、山中もやはり暑い。登山口は標高が800メートルに満たないので、それまでこの暑さの中下るのかと思うとうんざりだったが、とにかく下らないと帰れないので、転げ落ちないように歩いて進む。時折快速の登山者やもっと早いトレイルランナーが快調に過ぎていく。我々はもうへろへろで、とにかく遅くても安全に下山することのみ考えて歩く。気温湿度共に高い駐車場には14:58に到着。暑いが何とか無事に降りてきた。
甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根日帰り往復は、やはりつらい。歩く度毎回所要時間が長くなるが、とりあえず無事に往復できれば良いと考えたい。次回狙うなら、涼しい秋にしたい。
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