奥多摩の長沢背稜(バリエーション尾根からの酉谷山)
コースタイム
9:40 大陽寺発―10:20大日向発―11:10北尾根コースへ入るー15:00酉谷山―15:20酉谷小屋
2日目
6:25 酉谷小屋発―7:57 タワ尾根と合流―8:44 長沢山―9:17シャクナゲノ頭-10:30芋の木ドッケー11:10白岩小屋―12:27お清平-14:20大陽寺
天候 | 1日目快晴 2日目曇りのち雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
1.酉谷山北尾根は一般道ではなく、作業道が錯綜しているのか、わかりにくい場所があり、注意。 2.長沢背稜とお清平から大陽寺へ下る道は、落葉の時期は道が分かりにくい所があるので注意。 |
写真
感想
今回、奥多摩の埼玉県と東京都の県境尾根の長沢背稜を歩くことになった。コースは秩父の大陽寺周回とし、初日は一般道ではない酉谷山北尾根から入ることにした。天気予報は土曜日は快晴だが、日曜日は曇りのち雨だった。
1日目
6:40、東所沢駅で4名のメンバーが集合。関越を北上し、花園でおりて、長瀞経由秩父へ向かう。三峰口を4km程過ぎて国道140号を左折して大血川沿いに入る。
渓流観光釣場(大日向)を通り過ぎて、大陽寺(標高880m)に9:20着。帰途、大陽寺からすぐ車で帰れるように、ここに駐車する。9:40、出発する。200mほど山道を下って大日向(660m)へ戻った。10:20、出発。大血川東谷沿いに、林道を50分ほど行く。途中、左側に熊倉山へ登ると思われる山道があった。
11:07、左手に炭焼き窯があり、それを過ぎると林道が山道となった。11:10、橋を渡ったところで左の尾根に取りつく。
すぐトラロープが斜度の強い斜面に張ってあった。しばらく順調に林に中を進む。左上に大岩が現れ、これを下から巻くように進む。樹林帯だが斜面は結構急で、慎重に足を置いていく。路は尾根を登らず、トラバースするように続くが、あやしくなる。GPSで確認して、少し戻った。そこからさらにトラバース道が続く。GPSで見ると、ルートは尾根上にある。左手に尾根を登る道がある場所があった。トラバース道はしっかり続いているが、尾根に上がったほうが確実だろうということになる。
エントランスに細い木が道をふさぐように置いてあるのがちょっと気がかりだが、尾根に取り付くことにする。最初の方こそしっかりした道だったが、次第に斜面が急になり、張った根が錯綜し、道もどれか判然としない様相となる。トラバース道のほうが正解だったかなあと思いつつ、登りあげた。尾根に上がる(1200mくらい)と向こう側に熊倉山が見えた。しばらく進んで、一段落したところで休憩にした。“地図で赤い破線だったので油断してしまったが、意外と難しい、大菩薩北尾根寄り難しい”などの声。そこから、今度は左に尾根をまくようなルートがあった。それに踏む込むが、尾根に上る気配がない。作業道か?早々に尾根に戻った。1300m位で、右手から結構良い道が合流していた。トラバース道をつめるとここの来たのだろうか。しばらく、穏やかな道が続く。晩秋の落ち葉を踏みしめて歩く道。 14:20、奥に雲取山がくっきり見えてくる。
酉谷山の手前の1650mピークの登りは結構きつかった。““1日目は4時間だから、ちょろい”という事前情報を流したのは誰だ”という声が上がる。行動時間4時間を過ぎようとしている。背後に両神山が見える。そこからの下りは、チョっとぞっとする位、深く見えたが、実際はさほどではなかった。酉谷山へは登らずに左の鞍部に出る巻き道があるという説もあったが、それはなかった。
酉谷山の登りは最後の登りと思ったせいか、意外と登りやすく、一気だった。15:00、酉谷山頂(1718.3m)に着いた。
西に傾きかけた逆光の中に、北側の景色、鷹の巣、その左に御前、大岳(鼻の高い人の横顔に見える)の奥多摩のメインストリート、その後に丹沢が見えた。左の三角錐は大山、一番左端は高尾だろう。時間が迫っているので早々に山頂を後にする。酉谷小屋と長沢背稜の分岐まで降りた。ここで1名は奥多摩へ下山。酉谷小屋は5,6人で満員になってしまうほど小さな小屋だが、幸い3人で貸し切りになった。明日の天気予報が雨のせいだろう。すぐ脇に水場があって便利。外界温6度。夜、満天の星、八王子方面の夜景が美しかった。
4:50、起床。 東の空に朝焼けが美しかった。天候悪化の兆しか。
南側の空も黎明の刻を迎え、ほのかに朱を帯びた空に富士も望めようになった。道志の山の山頂部を、天女の羽衣がなぞるように雲が流れている。
2日目
6:25、酉谷小屋を出発。霜柱が白く立っている。外気温は3度。すぐ上の分岐を左折して長沢背稜に入る。酉谷山の南を巻いて行く。涸れ木立の林の石に緑の苔がついている。幻想的な雰囲気。
すっかり落葉のすんだ林は、晩秋と言うよりは初冬の気配。
6:43、酉谷山の西尾根を下ってきたコースが合流すると秩父側が見えた。秩父の方が紅葉がきれい。奥多摩側の谷に湖があるように見える。雲海が谷に盆状に残ってしまったようだ。
滝谷の峰1710mから南側に立派な尾根が派生しており、入り込まないようにロープが張ってあった。尾根を右に巻いて進むと、広くなった尾根上に滝谷の峰ヘリポートがあった。登山道はヘリポートの下につけられていた。この少し手前で、甲高い動物の鳴き声がし、熊だろうと話し合った。7:57、タワ尾根と合流した。ここは、ちょっと地形が複雑で、水松(あららぎ)山1699mのピークは巻いたようだった。2万5千分の一の地図と昭文社の地図でルートが異なり、タワ尾根の最後の詰めは、2万5千分の一の地図では尾根を直登するように書かれているが、昭文社の地図は微妙にタワ尾根を東に巻いて水松山山頂へ登っている。北側に出ると風を感じて寒いので、くぼみになっている所で休んだ。その先は道端に苔むした杭が並んでいて、整備された感じがした。杭がなくなると、少しわかりにくい場所があったがクリアーして長沢山の痩せ尾根の登りになる。8:44、長沢山1738mに着いた。長沢背稜の主峰だ。木立の中の痩せ尾根を進むと、樹の根っこや岩をよじ登ることになり、シャクナゲがたくさん生えている、道標のあるピークに着いた。9:17、道標に文字がなく(消えた?)、判然としないがシャクナゲノ頭(1708m)だろう。最近まで暖かかったせいか、狂い咲いて蕾をつけている枝もあった。その先は、さらに高く、さらにシャクナゲの多いピークが2,3出てきて、わかりにくい。昭文社の地図によれば、コヤセドノ頭、ヤケトコノ頭などの名前がついているが、要は芋の木ドッケの登りに入ったということだろう。
道は整然としたダケカンバの林になったり、暴風が吹き荒れて破壊された林の様相を呈したり、姉さんが喜ぶ植物があらわれたりした。10:30、雲取山からの尾根に合流した。少し左に登ると芋の木ドッケのピーク1946mがあった。私にとって高校生の時以来の縦走路だ。
合流点に戻って、白岩山を目指す。原生林の中の道は、不明瞭で、これが一般道かと首をかしげてしまう。と、雲取山からの路が合している鞍部に出た(ここにも、芋の木ドッケと言う標識があり、わかりにくい)。普通の登山者が雲取山方向から来るようになる。要は、芋の木ドッケのピークは、巻かれているのだろう。
10:55、そのすぐ先が白岩山1921mで、三角点があった。11:10、営業していない白岩小屋に着いた。長い休みを取った。11:45、前白岩山1776m。西側に7月に和名倉沢から登った和名倉山(白石山)が大きく見える展望コースのはずだが、あいにく上の方は雲におおわれている。
11:58、1580m、前白岩の肩。意外と伏兵で、厳しいピーク。お清平への下りが急で、長かった。標高が下ってきて、紅葉がきれいになった。前方の尾根上に三つ峰神社と思われる建物群が見えた。
12:27、お清平着1430m。主稜を離れて、落ち葉のラッセルをしながら、霧藻ケ峰を巻いて大陽寺経下る。巻き道かと思うと沢を下ったり、意外と複雑で時間がかかる。13:23、霧藻ケ峰へ直登する道と合流した。道路を2回横切って林の中に入る。 紅葉に見惚れて、そのまま広い道を下りそうになる。ちGPSと地図を見比べて、あずまやの前まで戻って、沢の左岸へ渡る道を発見。道標が朽ち落ちていて見落としたのだ。最後の道路を横切って下る林は、紅葉の盛りだった。ドライブに来ても素晴らしい所だろう。
14:20、大陽寺着。駐車場の木は1日で落葉が進んでいた。住職に挨拶に行ったら駐車代は不要とのことで、奥さまと犬の散歩に行くところだった。身づくろいをしていると雨が降ってきた。なんというタイミング!
大滝の湯につかり、秩父駅前でくるみそばを賞味。紅葉渋滞を恐れて、高速は使わず地べたをはって帰った。
詳しい記録は山ボケ猫のブログに載っています。http://plaza.rakuten.co.jp/yamabokesya/diary/201211000000/
http://plaza.rakuten.co.jp/yamabokesya/diary/201211100000/
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