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Yamareco

記録ID: 24913
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積雪期ピークハント/縦走
奥多摩・高尾

三頭山の前衛峰の小焼山へ。鶴峠から s

2008年02月17日(日) [日帰り]
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tanigawa その他1人
GPS
--:--
距離
9.1km
登り
752m
下り
746m

コースタイム

東京・西多摩の自宅(7時02分)車→鶴峠(870メートル 8時25分着)
鶴峠(8時50分発)→1087メートル峰手前(9時20分、食) →右か
ら夏道が合流・ブナ林(9時52分)→向山からの夏道との分岐(1263
メートル 10時42分、食)→小焼山(1322メートル 11時16
分)→ 鶴峠(12時55分)
鶴峠(13時10分)車→自宅(14時45分)
天候 晴れ、ときどき小雪
過去天気図(気象庁) 2008年02月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
東京の多摩地域には、この20日ほどの間に2度の「大雪」がありま
した。気にかけていた「あのコース」から三頭山(1531メートル)
へ登るには良いころあいになったと、出かけることにしました。
 三頭山というと、東京都側の「都民の森」などのブナの樹林帯が思
い浮かびます。が、山梨県の小菅村、上野原町の側も部分部分に自然
林は広がり、とくに鶴峠からの尾根の南西面は小菅村から見上げると
大きな自然林がつながっています。
 この鶴峠から三頭山の間の尾根には登山道がありますが、樹林とヤ
ブのなかの道のため、晩秋から春先にかけてがトレースするには良い
季節になります。 

 西多摩の自宅から、登山口の鶴峠までは50キロ、1時間20分の行
程。午前8時25分に登山口の3台だけの駐車スペースに着きました。
小焼山へのルート。GPSトラックログを赤いラインで表示。
山旅倶楽部より国土地理院25000分の1地形図を使用。カシミール3Dによる。
夏道は、この地図には表示されていませんが、1087メートルのピークより下部では、おおむね尾根の南東側、上部では南西側をトラバースし、小焼山は北側を迂回しています。
小焼山へのルート。GPSトラックログを赤いラインで表示。
山旅倶楽部より国土地理院25000分の1地形図を使用。カシミール3Dによる。
夏道は、この地図には表示されていませんが、1087メートルのピークより下部では、おおむね尾根の南東側、上部では南西側をトラバースし、小焼山は北側を迂回しています。
2月の2度の大雪でしたが、奥多摩の山間の集落では梅のつぼみがふくらんでいました。
2008年02月11日 14:16撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
2/11 14:16
2月の2度の大雪でしたが、奥多摩の山間の集落では梅のつぼみがふくらんでいました。
鶴峠
2008年02月17日 08:45撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
2/17 8:45
鶴峠
夏道を離れて、尾根筋をたどる。人の気配がない雪面を行きます
2008年02月17日 09:41撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
2/17 9:41
夏道を離れて、尾根筋をたどる。人の気配がない雪面を行きます
鹿の群れの足跡。このルートは尾根筋も夏道も、登山者のトレースはありませんでした
2008年02月17日 10:09撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
2/17 10:09
鹿の群れの足跡。このルートは尾根筋も夏道も、登山者のトレースはありませんでした
リョウブの皮も剥がれていた
2008年02月17日 12:03撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
2/17 12:03
リョウブの皮も剥がれていた
ハリギリの冬芽
2008年02月17日 09:09撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
2/17 9:09
ハリギリの冬芽
向山(小菅村)への分岐。左(西)へ尾根を下降するルートです。
正面(北)へ向かう夏道は積雪40センチ。ふかふか。
尾根は夏道の10メートルほど右上を並行しています
2008年02月17日 10:43撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
2/17 10:43
向山(小菅村)への分岐。左(西)へ尾根を下降するルートです。
正面(北)へ向かう夏道は積雪40センチ。ふかふか。
尾根は夏道の10メートルほど右上を並行しています
分岐の上の尾根で休憩
2008年02月17日 10:55撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
2/17 10:55
分岐の上の尾根で休憩
ヒダナシタケ目のきのこの、ドライフラワー
2008年02月17日 10:42撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
2/17 10:42
ヒダナシタケ目のきのこの、ドライフラワー
ブナ林の急登。どこまでもラッセル
2008年02月17日 09:55撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
2/17 9:55
ブナ林の急登。どこまでもラッセル
小焼山への急登。雪がしまっているときは、ピッケルもいります
2008年02月17日 11:09撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
2/17 11:09
小焼山への急登。雪がしまっているときは、ピッケルもいります
小焼山のピークにて。1322メートル。右後方が三頭山方面
2008年02月17日 11:17撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
2/17 11:17
小焼山のピークにて。1322メートル。右後方が三頭山方面
小菅村と大菩薩方面の眺め。小雪が降ってきた
2008年02月17日 10:01撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
2/17 10:01
小菅村と大菩薩方面の眺め。小雪が降ってきた
ウサギの足跡。このルートは人の足跡は登山口付近だけ。動物の足跡だけがあちこちに見られた
2008年02月17日 11:25撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
2/17 11:25
ウサギの足跡。このルートは人の足跡は登山口付近だけ。動物の足跡だけがあちこちに見られた
撮影機器:

感想

くわしい記録は下記に。
http://trace.kinokoyama.net/kanto/koyakiyama080217.htm

 8時50分、登山口を出発。林道状のルートを進みだす最初から、雪の
上に乗りました。
 5分ほど先で尾根の形が明確になったあたりで、登山道を離れ、尾根筋
を忠実にたどるルートをとりました。積雪は30センチ弱。ヒバや桧の植
林地の急な登りになりました。
 尾根の左(南西側)には、細い林道のような道、右(南東側)には登山
道と思われる道が、それぞれ斜面をトラバースしながら伸びています。

 登山口から15分ほどで、小さな鞍部に出ました。登山道が、右手から鞍
部に登り上がり、尾根の左へ移行しています。積雪は30センチを超えまし
た。登山道に先行者の踏み跡はありません。ここから上部は、登山道は尾根
南西面の急な樹林帯を進んでいるため、窪んだ道の上では雪はより深い。先
には小さな崩壊地形もあります。
 安全なのは尾根筋です。引き続き、尾根を忠実にたどって登り上がりまし
た。尾根は明るく、ヤブは雪の下に隠れ、葉を落とした樹木は冬らしい美し
い眺めです。少し開けた平坦地を見つけて、和菓子と熱いハーブティーで一
服。着けずに我慢してきてしまったアイゼンを、ここで装着しました。
 GPSで現在地確認。1087メートルの細長いピークに、上がってきた
ようです。

 尾根を引き続きたどります。アイゼンは、急な登りではとても楽。でも、
雪の下に、ときどき太い枝や石の角などがあって、足元をとられます。尾根
の雪の上には、ときどき、たくさんの鹿が進んでいった跡があったりしま
す。彼らはルートどりは気まま。何か見つけたり、気が向くたびに、全体が、
あるいは数頭づつが、左右に出入りします。

 左手から小さな尾根を合わせた先で、明瞭な鞍部に出ました。周囲はブナ
主体にする森です。さきほどの鞍部で尾根の左斜面を伸びていったはずの登
山道が、また右から合流してきます。気がつかなかったけれども、夏道がど
こかで、尾根を乗り越えていたのかな?

 このあたりから地形が少し険しくなり、左の斜面をすすむ登山道は、前方
の樹林で相当な斜度の雪面に入り込んで行きます。
 ともかく、尾根をルートに使える限りは、どんどんこれを進むだけです。
 鞍部から尾根への登り上がりは、急で、ジグザグを切って上がりました。風
で独特の樹形を見せるブナがありました。尾根の右側は植林地ですが、左側
には斜面のずっと下方まで大きな自然林が広がっています。

 尾根上のヤブがやや強くなったなかを、小菅村の向山から上がってくる尾
根との合流地点まで上がり、2度目の休憩。
 尾根の小さな高みのすぐ10メートル下で、並行してきた登山道と、向山
からの登山道が合流しています。
 ふりかえると、鶴峠の向こうに和名倉山から、南へ松姫峠、大マテイ、そ
して大菩薩嶺への稜線が標高よりもずっと大きな姿連なっています。左背後
の小金沢連嶺も、2000メートル級の峰を連ねていますから、雪化粧をし
て立派です。

 そろそろ11時です。登山口までの車のなかで電話があり、長男夫妻と孫
が、今夕、突然やってくることになりました。迎える準備を考えると、下山
は14時すぎとしないといけません。往復5時間で大丈夫かも?と思ってき
たのですが、まだ三頭山までの行程の半分しか到達しておらず、予定した山
頂往復はむずかしそう。
ラッセル気味の行程で、夏の2倍近い時間がかかっています。

 地図で、20分ほど先のピークに小焼山があります。前方を見ると、
ひょっこり明確な高みになっていて、雪も一段と深そう。あそこまで行って
来ようということで、登りだしました。

 地形がまた険しくなり、尾根の稜線部分は岩場と潅木まじりで、少し迂
回します。そのため、夏道を進んでみたのですが、積雪は40センチ余り、と
きに50センチ以上の吹き溜まりがあり、ラッセル気味になりました。
 左へ落ちる斜面が急傾斜になると、雪がほどほどに柔らかく、また固すぎ
ないからいいものの、クラストなんかしていたら、スリップが怖い地形です。
 小焼山を通り越すあたりまで進んで、ようやく斜度が緩い登高ルートが、
このピークの山頂まで続いているあたりから、夏道沿いを離れ、樹林帯の斜
面を登りだしました。斜度がまだあるので、木の枝をつかんだり、電光形を
切って、上がって行きます。

 11時16分、小焼山の山頂着。
 奥多摩のダム湖のもっとも上流部分が見下ろせました。その背後に石尾根
の稜線。雲取山、飛竜山から笠取山方面への奥秩父の稜線も見えます。が、
その後方や大菩薩側は、雪雲に包まれ、しかも雪雲は小菅村の上方に広がっ
てきました。まずは、願っていた眺めでした。樹幹越しなのが難点ですが、
この標高からですから、
奥多摩としては良い条件でしょう。
 進行方向前方には、三頭山がかなり近づいて見えます。まあ、次の機会に、
また来ましょう。この時期に、同じ程度の積雪で来る場合は、あと2時間は
早立ちしないと難しそう。それと、尾根にところどころある難所や、条件が
悪い雪質の場合なども考えると、ピッケルも含めた装備も用意だけはしてき
たほうが、良さそうです。まあ、使っても部分的ですが。私たちも、急な雪
面では、12本爪アイゼンに助けられました。

 下山です。登る途中、色合いの美しい、いろいろな木の芽(冬芽)が、目
に止まりました。冬芽らしい、防寒装備をまとったものも。今度はそれらを撮
影しながら下降して行きました。向山の分岐の直前で、短い区間だけ夏道を
また降りてみましたが、ラッセルの大変さのため、尾根のトレースに戻りま
した。
 風に乗って飛んできた雲が上空の青空を隠します。小雪が頬にあたり、耳が
冷たい。帽子の耳被いを下して、防御です。

 途中、要所で夏道の確認もしましたが、かなり下った位置で試しに下りて
みたら、折り返して植林地をひどく下りだしているので、たどるのはとりや
めに。作業道に入ってしまったのかな。
 夏道をはなれて、またヤブコギで尾根に上がりつきました。夏道は、この時
期、とくに下降に使うと、なかなか難しさがあります。下部では見通しが今
ひとつの樹林帯の下降になってしまうせいもあります。自分が行きに登って
きたトレースがあればこそ、迷いもしませんが、初めてのルートでトレース
なしの下降だと、最後の登山口あたりが鬼門になります。
 冬のピストン登山はいろんな意味で合理的だなと思いました。
 12時55分、登山口の鶴峠に下りつきました。

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コメント

さらに三頭山までのルート
 小焼山から、三頭山までは、ほぼ尾根筋に忠実な夏道と、北の斜面をトラバースする夏道があります。
 後者は、沢や崩壊地形気味のトラバースがあり、傾斜もきつく、積雪期は、不適です。
 尾根に忠実な道も、今回は三頭山まではたどっていないため、小さな岩場やひどいヤブの箇所があるかもしれませんが、地形図からはおおむね行けると思います。
2008/2/19 11:56
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