東大雪/カムイサンケナイ川から前トムラウシ山(トムラウシ川西沢下降)


- GPS
- 32:00
- 距離
- 13.0km
- 登り
- 990m
- 下り
- 749m
コースタイム
8/15 C1発(6:10)→前トムラウシ山(8:20〜9:10)→トムラウシ川西沢下降→林道跡(15:10)→雨量観測計(15:40)下山
天候 | 8/13 北寄りに中心を持つ移動高で晴れ午後より断続的に小雨降るが夜は快晴 8/14 低気圧の接近で晴れ後曇り夕方から雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
神威橋から入渓。カムイサンケナイ川は大きく下の函(Co850前後)、上の函(Co1000〜上二股手前)と分けることができ、その間は河原歩きに終始する。函はのっぺりした黄色い凝灰岩層でV字谷を成し、高捲きは不可。細かいホールドスタンスを拾いながら水線沿いを突破していく。上の函の後半、連続するペロンとしたナメ滝が見事。靴底のフリクションを最大限効かせながら登る。ゴム底よりもフェルト底の方が効くようだ。
Co1080二股から前トムラを目指し、右股へ。すぐに40mぶっ立ったナメ滝を見上げる。ザイルを出して水線沿いの右岸を登る。岩は脆く要注意。しばらくテン場を探しながら進み、2つ目の顕著な滝、苔生した10m滝の手前を切り拓いて泊まる(Co1150位)。右股に入ってからは、源頭近くまで良いテン場は無い。湿度が高く、午後から断続的に小雨が降る。焚火は出来たが、寒い夜を過ごした。
翌日、カムイサンケナイ川右股の源頭は、鹿の楽園だった。ぴゅーぴゅーと鹿の鳴く声を聞きながらお花畑を抜けて前トムラウシ山の岩海斜面へ。ハイマツを踏み抜いて岩の隙間に落ちないようルートファインディングをしていけば、藪漕ぎは無い。頂上には苔生した標高点がポツンとあった。本日は雲海の上。東大雪から裏十勝の展望台である。
前トムラウシ山から西沢へはCo1500付近を目がけて下降する。途中から鹿のハイウェイに導かれ、高山植物が咲き乱れる池塘群を抜けると、源頭部溶岩のゴーロ帯に出る。沢は傾斜が急になると、溶岩のゴーロとぶっ立ち系枯滝(5〜20m)がいくつも交互に出てくる。水は涸れたり吹きだしたりして面白い。透明なブルーの淵の造形も見事だ。
下降する場合、両岸が立っている滝は、上からのルートファインディングが難しい。下手に高捲きはイヤなので、懸垂主体で降りていくが、今回持参したザイルは30m1本のみ。1回で済むところを2回に分けて懸垂したりして、時間を喰った。表面に薄い苔が付いた岩には、フリクションが効かず苦労する。予想外に滝や段差が出てきて、次第にお腹が一杯。中には、この流域最大クラスといえる滝もあった(2段60〜70m)。下部から2箇所湧水が噴き出す50m滝は、上段15mを懸垂後、左岸を捲いて降りる。次のすだれのようなナメ滝は、冷水を浴びながら右岸側を懸垂。下降のフィナーレは、延々と続く黄色い凝灰岩のナメ床、幅広の滝。
今回下降したトムラウシ川西沢は、内容的にもっと登られても良い沢だと思った。さらに下流側のトムラウシ本流渓谷から遡行を繋げれば、北海道有数の沢登りルートとなるだろう。
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