7歳児と妻とゆくキノコと花と気力勝負の雁ヶ腹摺山&姥子山
- GPS
- 06:01
- 距離
- 6.4km
- 登り
- 777m
- 下り
- 775m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
中央自動車道は安定の八王子〜相模湖渋滞 |
コース状況/ 危険箇所等 |
人気の山なので完璧な道、危険なところも道迷いもなし でも妻が姥子山の岩場で足をくじいていたので みなさまも注意してくださいね |
その他周辺情報 | 都留市「より道の湯」 |
写真
装備
備考 | 持って行ってよかったもの:水汲み道具。大峠からすぐの「御硯水」はそのへんのお茶なんぞよりも美味い宝物みたいな清水 |
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感想
息子の夏休み、最後の土日。まあ最後にいっちょ山行っとこうか……
って、どこに行こう。
コレクションしていた大月秀麗富嶽十二景はあと3つ、でもどれも交通機関だと行きにくい。多摩3山も未踏なので行ってみたいけど登山口までは山梨の山より時間がかかる。温泉を考えれば都留市周辺の山もいいし、どうしようか。
と、妻が「今回は私も行きたい」という。家族3人なら、レンタカーが使える……
ならば、大月秀麗富嶽十二景のダブルどりを狙っておこうか。
雁ヶ腹摺山に登った時に時間不足と雨模様で断念した、姥子山。そしてついでに駐車場から10分で登頂できる、真木お伊勢山。お伊勢山の入り口は大峠に行って帰る道の途中にあるから好都合だ、本命の山のあとでも余裕でゲットできちゃうだろう。
そう、考えていました。まだこの時は。知らなかったのです、姥子山ピストンがあれほどにハードなものだとは……。
***
早めに出発しようと思ったけど息子をうまく起こせず、中央道名物・府中からのだらだら渋滞にはまって1時間のロス。もう1時間のビハインドかよ! 電車移動だとこういうのがないから計画が狂わずに便利だよなー。
って、前回クマと電車が衝突してとんでもなく帰宅が遅れたな……
さて、中央自動車道大月インターを出て、真木の交差点を右折して大峠へ。
ここで大月インターから大峠を素直に目指すと道中にコンビニがありません。
少し行き過ぎて、初狩駅近くのセブンで水分などを準備。
前にも3人で雁ヶ腹摺山に登っているので、勝手はわかっている。
登山口からすぐのところにある湧き水がびっくりするぐらい美味いことも知っている、のでささやかな水タンクも持ってきた。
山道をぐねぐねと登って、大峠に到着。息子と妻が「ひじをぶつけてきたのをあやまらなかった」ことで車内でモメてしまいさらに10分ほどスタートが遅れる。知らないふりをして車外で野いちごの写真をとるなどしていたところ「貴様ちゃんと仲裁しやがれ」と怒られてしまった。
妻には、前登った雁ヶ腹摺山の頂上からちょっと降りると姥子山なんだってー、だいたい40分くらいかなあ、と適当に伝えていた。これがあとで惨劇を招くのだった。
さあ登山者カウンターを3人分押して(息子)、登山開始!
御硯水で手を洗い、壊れた橋の横を渡渉し、野原っぽいところを通り、センチコガネを捕獲し、鎖のある岩を鎖なしで登って。城壁みたいな石「神奈備石」を過ぎたら草原が広がり、雁ヶ腹摺山山頂。2度目ということもあって、いいペースで登ることができた。
ちょうど12時ということで、ここでお昼にしよう。山頂には数パーティー10人くらいがいて、なかなかにぎやか。
おにぎりと、妻制作のたまごやきとウインナー、つくね。父制作のにんにくきゅうり。……多いな、なんだか足取りが重いぞ、と思ったら3人分の昼ごはんを背負ってきたせいか!
旧500円札のような富士山は今回も不機嫌。ということで、次の山を目指しましょう。
草原のわきから、姥子山への道に。マルバダケブキが満開で金色に染まった林をぬけていく。
きつい坂はジグザグに、ゆるいところはストレートに道が続いていく。息子はスーパー特急としてハイスピード運転、父はそれを追いかけて母はのんびり降りる。
きらきらした木漏れ日と爽快な空気、なんて気持ちがいいんだろう。最高だ……この後にこれをまた登ることを考えなければ。
ハナビラタケの大きな塊、真っ白になったイグチと、深い山っぽい自然がたくさんある。コウモリソウにノコギリソウ、アザミにソバナと、お花もたくさん。すてきだなー、と歩いていると、妻がやや険しい顔をしている。「帰り、これ登るのかよ」 あっはいそうです。
軽快なスピードで旧金山鉱泉方面への分岐(白樺平というらしい)を過ぎて、木の階段をおりるときれいに整備された林道。山奥で遭遇する文明に少しびっくり。
ガードレールの切れ間から、登山道は続く。土がぜんぶ流れてアスレチック状態な階段をおりると、そこから(あまり予想してなかった)登り。「おりたら山頂じゃなかったのか」と妻が怒っている。息子はのんびり登る。
土が岩がちになり、道のむこうに空が見えてきた。やった、山頂、、、と思いきや標識がない。まだ先だ。ものすごくがっかりする息子。
気を取り直して、岩の尾根を進む。いちどくだるもすぐに急な登りになって、今度こそ、姥子山山頂!
話に聞いていたとおり、ここの眺望はものすごい。山奥の森から街までが眼下に広がる。息子もしばし見とれている。あっでも息子さん、怖いから岩のへんでふざけないでね。だから踊らないで!!!!
素晴らしい眺めをよそに、妻がぶつぶつと文句を大量に垂れ流している。(ぜんぜん40分じゃないだろ、、、なにが「ちょっと下ったら山頂だよ」だ) あー、うん、近づかないでほっとこう。
ものすごく心地よい風が吹き抜ける、見晴らし最高の姥子山山頂。しかしその素晴らしさと引き換えに、陽射しがダイレクトに頭に注がれる。低木の下に引っ込む息子と妻。そこでゼリーやお茶をいただいている様はアナグマの親子のようだ。
さあ、下山しよう。もっとも、この山頂付近から少し降りたら、向かいにそびえる雁ヶ腹摺山に登る、「上山」である。あれにのぼるんかよ! と誰かが叫んでいる。アナグマだろうか。
出発前に、ヤッホーしてみる。ちょっと面白いくらいに長く長く響く。親子3人でヤッホー。息子が10連発ヤッホー。この声はどこかに聞こえてるのかな。
岩をおりるところから、帰路が始まる。ここはまだいい、登頂のあとのくだりは普通のことだ。問題はこのあと、、、
息子がロクショウグサレキンで真っ青になった木を見つける。子実体(きのこ)も出ていて、ちょっと珍しい。妻はこれで染め物をしたいという。こんなスカイブルーのシャツができたら素敵だけど、確か酸化還元とかをハードに使うバリバリケミカルなやつじゃなかったかな。健闘を祈りたい。
姥子山からおりて、林道を横切る。さあ、ここから、、、
本日2回目の雁ヶ腹摺山登山♪
このルートの何がキツいかって、登頂のあとに登りが待っているところ。そこ、ふつうくだりだろ! なんで登らなくちゃいけないんだよ!
あるいは、400メートルくらいの山を2セット登るということ。筋トレかよ!
というわけで、モチベーション的に、気力的にかなりしんどいルートなのだ。とはいえ旧金山鉱泉からのルートは長く厳しそう。どちらも「パパ、シャツがでてるよ?︎」「そろそろクッキー食べようか♪」なんてファミリーでワイワイ登るところじゃぜんぜんないけど、こっちのほうが多少やさしかろう。姥子山、強敵である。
さっき軽快に走り降りた坂が、襲いかかってくる。足がぜんぜん動かない。いくつもの山を息子と登ってきたけれど、登頂つまりゴール後に登るハメになるふざけたルートは初めてだ。息子も父も、登頂までにかなり体力を使い果たしているのだ、だっていつもそうしてきたから。
行きにひょいっと越えた倒木も、どっこらしょ!となんとか通過。キツいな、、、
スピードの上がらない父子をよそに、妻は先に進んでいた。すごいね、というと、自分のペースで進まないと心が折れそうなのだ、という。
ゆるい登り→キツいジグザグ、を2回繰り返したあと、草原が見えた。ああ、なんとか雁ヶ腹摺山に戻ってこれたのだ。そして草原ときたら即座にむしとり網を取り出す息子。うーん、カラスアゲハは無理だと思うぞ?
これまででいちばんしんどかった、そう思える本日2回めの雁ヶ腹摺山登頂。この時間になるとさすがに誰もいない。
こんどこそ、下山。さっきまでの「上山」に比べたら、鎖での降下だってすごく楽に思える。
かわいい赤のイグチを見つけるなどしながら、ゆったりと山をおりる。登山口近くの名水「御硯水」を用意しておいた容器にいただきつつガブ飲みもして、登山口へ。はー、しんどかった!
山ひとつ分の高低差は400メートルそこそこでも、それを2つぶん登るといっぱしの山。しかも「さっきおりた道をのぼる」つらさときたら!
予定段階ではこのあとお伊勢山もゲットするつもりだったけど、とうてい無理ですありがとうございます。
林道が県道に変わる直前、シカが姿を見せてくれた。そして都留市「より道の湯」に向かう高速道路の上からは、あれほど山の上で会いたくて会えなかった富士山がでっかく見えた。
温泉で3人むさぼるように冷やし担々うどんを食べ、湯に長く浸かった。息子は露天風呂から一番星と月を見つけた。妻は先ほどのガチギレを終えて「山登りのあとの温泉は最高だな」などと言っている。
まあ、なんだかんだでうまくいった。
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