記録ID: 2542793
全員に公開
沢登り
東北
和賀山塊(生保内川,マンダノ沢,八滝沢)
2020年08月25日(火) ~
2020年08月29日(土)


- GPS
- 104:00
- 距離
- 38.2km
- 登り
- 2,367m
- 下り
- 2,216m
コースタイム
1日目 晴 函館(3:00)田沢湖駅(15:45)Co320河原(17:30)=C1
院試を終え函館を深夜に出る。正直なところ人ごとのような気持ちで入山日になってしまった。海と田んぼを眺めながらゆっくりいく。田沢湖駅から歩き始めて2時間,薄暗くなってきたので焚火起こして泊。入山を祝し地酒で沈。
2日目 晴 C1(5:30)Co760,10mF手前(15:30)=C2
しばらく河原歩き。Co400あたりから沢っぽくなり,釣り師の足跡が消える。やがて4段滝が現れる。1段目4mは左岸取り付くが微妙なので戻ると右岸に残置があった。2段目を越えると問題の3段目が現れる。右岸のスラブに取り付く。ザックを空にしてロープを詰める。終了点も中間支点も何もない。3mほど登り,水流の方にトラバースしようと泥の上に足を移したところ思いっきり滑ってあっけなくフォール。両足とザックで着地。ヒヤリ。2度目も全く同じところを行くしかない上にリスもないので落ちれば同じ。そこからさらに3m位右上し,半分しか入らないハーケンを打って上まで抜ける。立木で懸垂して登り返す。なんでハーケンの1枚もなかったんだろう。だがそれが良いじゃないか。4段目を左岸から越えるといくらか明るくなる。再びゴルゴルしてきて屈曲点に岩盤に囲まれた魚留め10mF。左岸の岩からルンゼ状になるところをザイルだして登る。上には捨て縄があり安心ab。次の10mFも左岸から越えられそうなことを確認して手前で泊まる。途中で釣った岩魚が美味。!*~!!位かと思ってたけど全然そんなことない。先が思いやられる。明日稜線出たら絶対に帰りたいと思うだろうな。というか既に…
3日目 晴 C2(5:40)朝日岳(9:30~10:00)マンダノ沢Co800あたり(13:30)=C3
10mFは左岸ルンゼから巻き道で降りる。830屈曲点にも10mF。右岸ツルツルで左岸まき。そのあとも3~10mFをいっぱい出てくる。1こ強傾斜のヤな捲きがあった。全装なのがしんどい。源頭はお花畑となり,最後は急傾斜を登って朝日岳に立つ。夏道がなく街が遠い良いピークだ。しばらくゆっくりする。当初予定していた下天狗沢よりやさしいという上天狗沢を降りる。日和った。3~7mFが5こくらいあるが簡単に捲ける。滑の岩盤が美しい沢。蛇体淵のあたりからゴーロになり捲き降りるのが面倒臭い。でかい岩魚がウヨウヨ走っている。八滝沢出合くらいまで進めたかったが暑さで明らかに動きが緩慢になっているのを感じたので適当に泊まる。
(多分八滝も時間がかかるし,重荷で小鷲倉を登るのは厳しそう。なので明日は八滝途中で泊,次の行動日で薬師から大杉沢としよう。八滝でヤられたらそんまま夏道おりちゃおう。)
4日目 晴 停滞C3=C4
明け方,なんとなく面倒なので停滞とする。11時くらいまで寝ていた。夢で,難しいとかヤバそうだからとかじゃなくて,まだ続けたいかどうかで決めれば良いと誰かに言われた。今日は暑すぎる(秋田でも34℃あったらしい)。薪集め15分で滝のような汗が出る。夕方まで本を読んで過ごす。15時過ぎに夏瀬から上がってきた3人パーティーが通った。仲間と登っていく後ろ姿を見て自分一人が取り残されたような気分になった。明日の天気を聴こうとラジオをつけたが安倍がなにか喋っているせいで流れなかった。
5日目 曇り C4(5:30)八滝沢出合(7:10)辰巳沢出合(8:10)和賀岳(12:30-13:00)薬師岳小屋(16:20)
八滝沢出合までひたすらゴーロ。滝なのかゴーロなのかよくわからないがかったるい。空中懸垂2回。岩の下りで1mスリップして腕を少し切った。八滝沢下部は小滝の連打。2段20mFは1段目シャワー,2段目捲く。辰巳沢分岐後すぐのゴルジュはしょぼく,一瞬の捲きで終わり。屈曲してから15mFから始まる連瀑。15mFは右岸を捲く。少しいやらしい。以降特に何もなく小滝を越えていくと意外と早くに源頭感が出てきたのでとりあえずピークに行くことに。少し藪に突っ込むのが早く,1hほどまともに漕いでピーク。誰かがこのルートで和賀岳に登るのが一番礼儀正しいみたいなことを言っていたような。おばさんが野菜をくれた。これは秋田小町。感情ゼロで薬師まで。ピーク降りる前にエンジン音が聞こえ,あと1時間も降れば林道という誘惑にかられる。これを断ち切って歩き出すとササ狩りに上がってきている地元の山岳会の5,6人に会う。開拓者らしき人もいていろいろ教えてもらった。この後2日間は低気圧で悪いらしいことも教えられてしまう。天気も悪くなってきているしなんだかもうよくなってしまった。こう人の温かさに触れるともうダメである。いつになったら精神的に強くなれるんだろう。絶対無理だけど2停滞してまた袖川沢から入ろうかななんて考えていると1時間で立派な小屋についた。
さっきの人たちに挨拶しようと待っていると一緒に泊まっていこうという話に。吐くまで酒を飲ましていただき(飲まされ),いっぱい食べさせてもらい大感激。秋田県人酒強すぎ。山や人生について世代関係なく熱く語り合った。人生。
翌日,朝からビールを飲まされ駅まで送っていただいた。風呂にも入れていただいた。電車に乗ると雨が降り出した。
院試を終え函館を深夜に出る。正直なところ人ごとのような気持ちで入山日になってしまった。海と田んぼを眺めながらゆっくりいく。田沢湖駅から歩き始めて2時間,薄暗くなってきたので焚火起こして泊。入山を祝し地酒で沈。
2日目 晴 C1(5:30)Co760,10mF手前(15:30)=C2
しばらく河原歩き。Co400あたりから沢っぽくなり,釣り師の足跡が消える。やがて4段滝が現れる。1段目4mは左岸取り付くが微妙なので戻ると右岸に残置があった。2段目を越えると問題の3段目が現れる。右岸のスラブに取り付く。ザックを空にしてロープを詰める。終了点も中間支点も何もない。3mほど登り,水流の方にトラバースしようと泥の上に足を移したところ思いっきり滑ってあっけなくフォール。両足とザックで着地。ヒヤリ。2度目も全く同じところを行くしかない上にリスもないので落ちれば同じ。そこからさらに3m位右上し,半分しか入らないハーケンを打って上まで抜ける。立木で懸垂して登り返す。なんでハーケンの1枚もなかったんだろう。だがそれが良いじゃないか。4段目を左岸から越えるといくらか明るくなる。再びゴルゴルしてきて屈曲点に岩盤に囲まれた魚留め10mF。左岸の岩からルンゼ状になるところをザイルだして登る。上には捨て縄があり安心ab。次の10mFも左岸から越えられそうなことを確認して手前で泊まる。途中で釣った岩魚が美味。!*~!!位かと思ってたけど全然そんなことない。先が思いやられる。明日稜線出たら絶対に帰りたいと思うだろうな。というか既に…
3日目 晴 C2(5:40)朝日岳(9:30~10:00)マンダノ沢Co800あたり(13:30)=C3
10mFは左岸ルンゼから巻き道で降りる。830屈曲点にも10mF。右岸ツルツルで左岸まき。そのあとも3~10mFをいっぱい出てくる。1こ強傾斜のヤな捲きがあった。全装なのがしんどい。源頭はお花畑となり,最後は急傾斜を登って朝日岳に立つ。夏道がなく街が遠い良いピークだ。しばらくゆっくりする。当初予定していた下天狗沢よりやさしいという上天狗沢を降りる。日和った。3~7mFが5こくらいあるが簡単に捲ける。滑の岩盤が美しい沢。蛇体淵のあたりからゴーロになり捲き降りるのが面倒臭い。でかい岩魚がウヨウヨ走っている。八滝沢出合くらいまで進めたかったが暑さで明らかに動きが緩慢になっているのを感じたので適当に泊まる。
(多分八滝も時間がかかるし,重荷で小鷲倉を登るのは厳しそう。なので明日は八滝途中で泊,次の行動日で薬師から大杉沢としよう。八滝でヤられたらそんまま夏道おりちゃおう。)
4日目 晴 停滞C3=C4
明け方,なんとなく面倒なので停滞とする。11時くらいまで寝ていた。夢で,難しいとかヤバそうだからとかじゃなくて,まだ続けたいかどうかで決めれば良いと誰かに言われた。今日は暑すぎる(秋田でも34℃あったらしい)。薪集め15分で滝のような汗が出る。夕方まで本を読んで過ごす。15時過ぎに夏瀬から上がってきた3人パーティーが通った。仲間と登っていく後ろ姿を見て自分一人が取り残されたような気分になった。明日の天気を聴こうとラジオをつけたが安倍がなにか喋っているせいで流れなかった。
5日目 曇り C4(5:30)八滝沢出合(7:10)辰巳沢出合(8:10)和賀岳(12:30-13:00)薬師岳小屋(16:20)
八滝沢出合までひたすらゴーロ。滝なのかゴーロなのかよくわからないがかったるい。空中懸垂2回。岩の下りで1mスリップして腕を少し切った。八滝沢下部は小滝の連打。2段20mFは1段目シャワー,2段目捲く。辰巳沢分岐後すぐのゴルジュはしょぼく,一瞬の捲きで終わり。屈曲してから15mFから始まる連瀑。15mFは右岸を捲く。少しいやらしい。以降特に何もなく小滝を越えていくと意外と早くに源頭感が出てきたのでとりあえずピークに行くことに。少し藪に突っ込むのが早く,1hほどまともに漕いでピーク。誰かがこのルートで和賀岳に登るのが一番礼儀正しいみたいなことを言っていたような。おばさんが野菜をくれた。これは秋田小町。感情ゼロで薬師まで。ピーク降りる前にエンジン音が聞こえ,あと1時間も降れば林道という誘惑にかられる。これを断ち切って歩き出すとササ狩りに上がってきている地元の山岳会の5,6人に会う。開拓者らしき人もいていろいろ教えてもらった。この後2日間は低気圧で悪いらしいことも教えられてしまう。天気も悪くなってきているしなんだかもうよくなってしまった。こう人の温かさに触れるともうダメである。いつになったら精神的に強くなれるんだろう。絶対無理だけど2停滞してまた袖川沢から入ろうかななんて考えていると1時間で立派な小屋についた。
さっきの人たちに挨拶しようと待っていると一緒に泊まっていこうという話に。吐くまで酒を飲ましていただき(飲まされ),いっぱい食べさせてもらい大感激。秋田県人酒強すぎ。山や人生について世代関係なく熱く語り合った。人生。
翌日,朝からビールを飲まされ駅まで送っていただいた。風呂にも入れていただいた。電車に乗ると雨が降り出した。
天候 | 詳細後述 |
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過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
その他周辺情報 | 川口温泉奥羽山荘 |
写真
装備
個人装備 |
登攀具(ザイル40m
ナッツ#3~10
ハーケン4枚)
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備考 | アングルがかなり有効。ハーケンもう少し持っていけば安心だった。 |
感想
攻めとか難しいとかそんな話はどうでも良くて,単純に楽しいと思えたことがなにかとても嬉しかった。
今回,下調べはほぼ登山体系のみで挑んだ。登山体系だけでは情報が圧倒的に少なかったし携帯も持っていかなかったが,振り返ればこの不安が気持ちよかった。日数は短くなってしまったが,良し悪しではなく今の僕のスタイルを象徴したような山行だった。
またこんな山がやりたい。これからも下山するための不可抗力と戦い続けよう。
追記:狩猟サバイバルを読んでこの山域に目をつけたのだが,意図せず全く同じルートになってしまっていた笑
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