北根室ランチウェイ スルーハイク(公道迂回ルート、中標津BT〜美留和)
- GPS
- 32:29
- 距離
- 101km
- 登り
- 1,893m
- 下り
- 1,746m
コースタイム
- 山行
- 0:40
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:40
- 山行
- 3:53
- 休憩
- 2:36
- 合計
- 6:29
- 山行
- 2:57
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:57
天候 | 18:雨後晴,19,20,21:晴,22:晴一時夕立,23:晴、(24,25:晴) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
飛行機
9/18(金) 移動(関空⇒釧路) 北根室ランチウェイ1日目 19(土) 北根室ランチウェイ2日目 20(日) 北根室ランチウェイ3日目 21(月) 北根室ランチウェイ4日目 22(火) 北根室ランチウェイ5日目 23(水) 北根室ランチウェイ6日目 24(木) 塘路にてキャンプ(飛行機 欠航のため) 25(金) 移動(釧路⇒関空) 往路: 9/18 JR尼崎7:20-(空港バス,1600円)-8:25関西空港9:50-(peach,MM125 12940円)-11:50釧路空港12:15-(バス,940円)-13:00釧路13:40-(阿寒バス,2930円)-15:50中標津バスターミナル ※阿寒バス http://www.akanbus.co.jp/localbu/rausu.html 移動: 9/23 美留和12:08-(JR)-13:28東釧路13:31-(JR,2860円)-14:19厚岸16:37-(くしろバス,1100円)-18:02釧路 9/24 釧路14:16-(JR,640円)-14:46塘路 復路: 9/25 塘路9:29-(JR,640円)-10:00釧路10:30-(バス,940円)-11:15釧路空港12:30-(peach,MM126 6510円)-15:00関西空港(第ニターミナル)15:52-(空港バス,1600円)-17:10尼崎 ※空港連絡バス(尼崎ー関空)往復2840円 |
その他周辺情報 | ○北根室ランチウェイ(KIRAWAY)公式ホームページ http://kiraway.net/ ・オフィシャルルートマップ(第1〜6ステージ)をダウンロード&印刷して持参 ○宿泊 中標津町緑ヶ丘森林公園キャンプ場 ・中標津バスターミナルより徒歩40分 ・テント 220円 ・水・トイレ・シャワー完備(ごみは分別収集) https://www.nakashibetsu.jp/shisetsu_koutsu/shisetsu/kankou_kouen/midorigaoka_shirinpark 佐伯農場 ・テント泊はOK (マンサードホール、トレーラハウスは、現在、コロナのため宿泊利用不可) ・利用者は、KIRAWAY整備費用を出資のこと(目安2000円/泊) ・レストラン牧舎(営業10:00〜15:00) ・パンスタンド(レストラン牧舎の斜め前。めっちゃ美味しい、オススメです) ・8:00オープン(7:45にはパンが並ぶ) ・パン1個 200円 ・富田美穂さん(佐伯牧場に作品展示)のWebPage https://miho-tomita.jimdofree.com/artworks/ 西別岳山小屋 ・無人小屋 ・予約不要(問合せ 標茶町役場 015-485-2111) ・トイレ有り ・水は途中のケネカ川で汲んでいくこと(要煮沸) 塘路元村キャンプ場 ・JR塘路駅より徒歩15分 ・テント 370円 ・水・トイレ完備(ごみは分別収集) ・開設期間 5月1日〜10月31日 ・連絡先 現地管理棟(元村ハウスぱる) 015-487-2172 ○日帰り温泉(養老牛温泉) 湯宿だいいち ・日帰入浴料600円 ・外来入浴13:00〜15:00(木曜日大掃除のため14:00〜15:00) ・お風呂多数 からまつの湯 ・露天風呂(男湯1,女湯1) ・無料(なかなかワイルドでした。水着不可で女性にはきついかも) ○後泊ホテル ホテルクラウンヒルズ釧路 ・釧路駅より徒歩1分 ・日程:9月23日(水) ・費用:6384円(ショートステイ18-9/朝食付) ○薬局 ツルハドラッグ 川北店(TEL:0154-21-7011) ・燃料アルコールを事前に取り置き ・釧路駅から徒歩10分 ○下山後のお食事処 <釧路> 和商市場 ・JR釧路駅より徒歩5分 ・営業時間8:00〜17:00 ・日曜定休 ・勝手丼が有名 https://www.washoichiba.com/ <厚岸> エーウロコ(厚岸漁協直売店) ・イートインコーナー有り(牡蠣が年中食べられる) ・駅から徒歩15分 ・営業時間10:00〜16:00(日曜営業) ・電話0153-52-0117 https://www.a-uroko.or.jp/ https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/chimiwo/19-00030 ※日の出、日の入(中標津) 9/19 日の出5:04、日の入17:23 9/23 日の出5:08、日の入17:16 ※出会った動物 ・エゾリス ・エゾシカ ・牛 ・タンチョウヅル ・ワシ |
写真
感想
※はじめに
北根室ランチウェイ(KIRAWAY)は、閉鎖中(2020年9月26日現在)です。コースを歩く際は、管理・運営を担う「一般社団法人なかしべつ観光協会(TEL:0153-77-9733)」に状況確認の上、指示に従って下さい。
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ついに、北根室ランチウェイを歩くときが来た。スルーハイカーにとって憧れの地。ワクワク感を胸に秘め、北海道へと旅立つ。
私が、北根室ランチウェイが閉鎖されていることに気付いたのは、飛行機を予約した後のことだった。え〜っ。まじですか〜。
どうしようかと思案し、まずは、コースを管理している「なかしべつ観光協会」へ問合せ。確かに「トレイルは現在、閉鎖中」とのこと。ただ、なんとか歩けないものかと相談すると、「トレイルは閉鎖中だが、脇に走る公道(一般道路)を繋いで歩くことなら可能ですよ」と助け舟を出してくれた。それを聞いてホッとした。結局、歩くことを決めた。
ロングトレイルは、地元の方々の献身的な貢献を拠り所に成り立っている。北根室ランチウェイも例外ではない。中標津から広大な牧場(いかにも北海道らしい風景)の中を歩くという、他では体験できないオンリーワンのコースだ。
全国からのハイカーが歩くと、人の生活を支える牛に病気(口蹄疫、ウィルス起因の伝染病)を持ち込む可能性がある、という懸念がある。いわんや時代は、コロナ禍の真っ只中。トレイルの運営を支える人達の足を引っ張る訳にはいかない。牧場は慎重に避けて、公道を繋ぐルートで計画を練る。ステージ2,3は、ほぼ公道迂回ルートとなった。
当初、5泊6日で往復する予定でしたが、詳細検討を進める中で、なんか違うんじゃないかな、と感じ始めた。山の稜線をつなぐ縦走とは違い、ピークを目指さず長距離を歩く「海外のロングトレイル」に近い。計画を変更し、あまり行程を急がず時間の許す範囲内で、のんびり繋ぐことにした。以下、道中記録です。
◆1日目(9/18):移動 <関空⇒釧路>、中標津バスターミナル〜緑ヶ丘森林公園泊
初日の釧路の天気はあいにくの強い雨。釧路駅でバスを乗り継ぐ間の40分間で、薬局での燃料アルコールと和商市場でのお昼ごはんの調達に、傘を差して駆け回る。なんとか中標津行きのバスに間に合った。バスの中で、北海道の海の幸を頂いた。
幸いなことに、中標津に着く頃には雨も上がる。気分良く歩き始めた。初日は、緑ヶ丘森林公園まで小一時間歩いて移動し、そこでテントを張った。水場・水洗トイレ・温水シャワー完備のホテル並の設備に面食らった。なんだか、快適すぎて拍子抜けだ。
夜、食事は車で北海道を回って、すでに2週間になる神奈川からの男性とご一緒させて頂く。車なので、物資が豊富。麦焼酎なども振る舞って頂き、初日から楽しい夜を過ごした。過去にバイクツーリングでも来ており、今回で8度目の北海道遠征だそうで、北海道Loverな人でした。主な観光名所は回り尽くして、地元の方しか知らない様な所で遊んでいるそうです。「開陽台は、居心地が良すぎて、永く『沈没』している人も居るよ」など、ご当地話を教えて頂く。夜10時頃まで話しこみ、テントに戻った。明日は晴れることを願って、就寝。
◆2日目(9/19):緑ヶ丘森林公園〜開陽台展望台〜佐伯農場泊
朝起きて、朝食を取る。テントを撤収していると、周囲をちょこちょこ動いている。エゾリスでした。すばしっこいが人懐っこい。あまり人を怖がらない。(残念ながら写真に収めることはできず)。
今日は良い天気。気分良く、荷物を背負って歩き始める。中標津空港は、まだ営業時間前に通過。朝のウォーキング中の地元の人達と挨拶を交わしながら進む。1つ目の牧場は、舗装路で迂回する。北海道らしい、ただただ真っ直ぐの一本道をひたすら歩いた。(今回は、最初から最後までこんな道を歩いたので、なが~い舗装路を歩くことは苦でなくなった)。
途中、防風林コースの中を歩く。鬱蒼とした森の中は、クマがいるかもと思わせる。今回のために新しく調達した、クマ鈴を高らかに鳴らし、ホイッスルをところどころで吹きながら、進んだ。
長い直線を歩き切り、開陽台で一休み。ここからの眺望は最高!天気も良く本当に地平線が見渡せた。すっげー。湯を沸かし、パンとコーヒーを頂いて、しばらく緑の芝の上でお昼寝。束の間の贅沢な時間を過ごした。
ここからは、牧歌的風景の中を歩くことになる。牧場の中のコースは歩けないので、公道で迂回する。公道の脇はずっと牧場なので、見る光景はそれほど変わらない。ただ、硬い道は足裏への負担が大きいだけだ。所々で足を休ませながら進んだ。
佐伯農場には、13時頃到着。レストラン「牧舎」でテントの受付はどこかと聞くと、奥の建物を案内された。少し進むと、佐伯さん自身が出てきて対応頂けた。「テントなら新しい場所に張れば良い」と新しく整備中のキャンプ場に案内して頂く。「せっかく遠くから来てくれたのだから、スウェーデントーチ(切り株の薪)もサービスするよ。これで湯を沸かせるし、虫避けにもなる。」と心からの歓待を受けた。有り難い。「サウナも入るかい?」とサウナも体験させて頂いた。
ご自身で建てたという可愛いサウナは、薪をガンガン焚べて内部を温める。テント設営後、早速サウナに入る。ジワッっと汗がにじみ出てくる。半身汗をしっかりかいた後、近くの沢にすっぽんぽんで飛び込んでクールダウン。めっちゃワイルド〜。2回ほど、ホット&クールダウンを繰り返して、サウナを楽しんだ。
夜はマンサードホール1Fのキッチンで食事。電気・水道・ガス・冷蔵庫・洗濯機・シャワーまで完備で、完璧!快適すぎる!
おしゃれな間接照明で、設備はきれい。すっかり気に入った。興味を引く山の本もいっぱいあるし、雨でもここなら、ゆっくり時間を過ごすことも可能だ。ビールが在庫切れなのが残念。誰かの置き土産の赤ワインや日本酒を頂いた。(ビールは翌日、養老牛温泉で調達した)。すっかり暗くなってから、テントに戻り就寝。
◆3日目(9/20):佐伯農場〜(養老牛温泉ピストン)〜佐伯農場泊
この日は、養老牛温泉をピストンする。湯宿「だいいち」の外湯の、13~15時の営業時間に合わせて移動。唯一営業している湯宿「だいいち」は、小さいながらもお風呂の種類が豊富。川沿いの露天風呂を満喫した。
夕方、マンサードホールに戻り、読書に勤しむ。早稲田の山岳部出身の知り合いの方が収集した山の蔵書を提供頂いたそうだ。北海道のお花図鑑、知床に住み着いた野生動物の写真家の話、イギリスのフットパスの本など3冊を読了。佐伯さんは、イギリスのナショナルトレイル(長距離のフットパス)を歩いて、KIRAWAY構想を思い立ったのだと伺った。お散歩好きのイギリスでは、フットパスが全国で整備されており人だけでなく馬も歩くそうだ。歩く権利を見事勝ち取ったイギリスの様に、日本でも文化が根付くと良いなと思った。
◆4日目(9/21):佐伯農場〜(俣落ピストン)〜佐伯農場泊
「この日は、特に予定無し」で、マンサードホールでのんびり過ごすはずだったのですが、佐伯さんに道の整備に誘われる。特別に佐伯牧場の中を歩かせてもらって、バス停で落ち合うことになった。牛の間近を歩くのは結構勇気がいる。どぎまぎしながら脇を抜けると、緊張が牛に伝わったのか、牛に突進される。このときばかりは、一目散に全力で逃げた。怖かった〜。(後で、佐伯さんに伺ったが、牛は視力が悪く、色盲に近いそうだ。人が話しかけながら近寄ると牛も安心するそうです。)
バス停で落ち合い、草刈り機を軽トラから下ろす。座布団をしいて、後ろに座らせて頂く。道を整備する際は、草刈り機で往復して、往路に半分、復路に半分を刈り取る。なるほど、道はこんな感じで整備しているんだ。振り落とされないように、股で機体を挟んで進む。小さな川の橋手前まで刈り、そこで引き返した。服は引っ付き虫だらけになった。途中からは歩いて付いていく。佐伯さんに倣って、草刈り機では取り切れない脇の背の高い植物を、ポキポキ追って整備していく。今日は、貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。とっても勉強になりました。
佐伯農場に歩いて戻り、牧舎でランチにカレーライスを頂いた。ここの本棚はロングトレイルの本が充実している。食後に本を読んでいると、お店が混んできたので、席を譲りマンサードホールに移動。ときどき仕事の合間に、佐伯さんが顔を出して下さる。ロングトレイル歩きに興味があり、高島トレイルや信越トレイル、熊野古道などを歩いていることを伝えると、東北の「みちのく潮風トレイル」も良いよと教えてくれた。整備された道が1000kmもあるそうだ。また今度調べて、計画してみよう。
◆5日目(9/22):佐伯農場〜西別小屋泊
テントを撤収し、日の出と共に出発する様、準備を進める。佐伯さんが、わざわざ追っかけて来てくれて、「お土産に、是非!」と商品を2つばかり手渡された。最初から最後まで、お世話になりっぱなしでした。
開店準備中のレストラン「牧舎」にも顔を出すと、ホームステイ中の若いお姉さん(連休中、住み込みでアルバイトをしていた保育士さん)にも会えた。「ここは、いい人ばっかりで、本当に居心地が良くて、レストランでのバイトも楽しいんです。」って仰っていました。(すっかりハマった様子で、また今度行ったら居候していそうなくらいに、馴染んでいました)。いろいろとお世話になったお礼を言って別れた。佐伯さんが心血を注いだKIRAWAYが、一日も早く再開されることを祈って、佐伯農場を後にした。
養老牛温泉では、露天風呂「からまつの湯」に立ち寄る。先に入っていた地元のおっちゃんに、ご一緒させて頂いた。家から30分で来れて、風呂を沸かすよりも移動した方が早いくらいで、毎日ここか、川湯温泉かに通っている常連さんでした。
「もともとここは混浴やったんよ。以前に、フランス人の女性が何も隠さずスッポンポンで入ってきたことがあって、こっちが恥ずかしかった」だって。隣に流れる小川にはサクラマスが産卵のために遡上してくるらしく、お風呂に入りながら見られるそうだ。地元の人の話も聞けて面白かった。
更に進んで、モアン山の麓でランチ休憩。きれいな緑のモアン山を眺めながら、パンとコーヒーを頂いた。牧舎のパンはやっぱり美味い!ケネカ湿原を過ぎて、ケネカ川で水を汲む。浄水器が詰まって、ポタポタとしか出てこない。しょうがないので、小屋で浄水することにして、先を急ぐ。
長い距離を詰めて、西別小屋への到着。噂どおり、リスケさんの手入れが行き届いたピカピカの小屋でした。浄水の続きをして、夕食を取った。翌日は、美留和に12時必着。ここのJRは本数が限られる。これを逃すと以降の予定が狂う。明日に備えて、早めの就寝。
◆6日目(9/23):西別小屋〜JR美留和 <釧路市内ホテル泊>
3時起床で4時過ぎに歩き始める。夜空に星がきれいでした。がまん坂をガンガン登る。見晴らしが良いところでマジックアワーを迎える。この時間が山で一番好きな時間。束の間の幸せな時間を過ごした。
リスケ山で一休み。周りが基本平らなのでどこまでも見通しが効く。これまで歩いてきたKIRAWAYルートが遠くまで見えた。あの向こうから歩いてきたんだと振り返る。
西別岳に移動。ちょうど日が昇る。モルゲンロートに周囲が赤く染まる。摩周岳が美しかった。快適な縦走路を進む。白樺林を抜け、分岐にザックをデポして、空身で摩周岳に向かう。摩周岳は遠目にはイワイワの山容だったが、草付きの巻道が頂上まで繋がっていた。頂上からは、絶景を堪能。眼下に広がる摩周湖は青く美しい。東には斜里岳、西には雄阿寒岳が顔を出す。最高の景色でした。
分岐点に折返し、第一展望台を目指す。途中、摩周湖の見晴らしポイントで、ランチを頂く。ここでこの旅唯一の登山者パーティ(女性2、男性1)とすれ違った。札幌から来られており、今から摩周岳、西別岳に向かうと伺った。「今日の摩周岳からの景色は最高ですよ!」とエールを送った。
第一展望台で一休み。完熟メロンを食べて観光気分を味わう。そこから、美留和に向けて下山開始。まだ距離を残しているので、ゆっくりとはできない。美留和駅の手前で久しぶりに信号を見た。終点の美留和駅には、電車の30分前くらいに到着!
駅のプラットフォームに座り、売店で購入したビールで祝杯を挙げました。
美留和からJRに揺られ、厚岸に移動。漁協直販の「エーウロコ」で牡蠣を堪能した。(厚岸では年中牡蠣が食べられる)。そこからバスで釧路に移動。その日は駅前のホテルでゆったりと過ごした。
◆7日目(9/24):停滞日 <塘路キャンプ場泊>
朝は釧路の街をお散歩。釧路川沿いには、ウォーキングコースが充実しており、お散歩されている大勢の方とすれ違う。美しい海辺の風景や、空を舞うカモメを眺めて楽しんだ。帰りに和商市場で、イクラ丼を食べた後、空港行きのバスを待つ。
そこで案内表示板を見て目を疑う。「あれっ、関空行きのpeachは欠航だって!」急いで、オペレータコールに電話して、対応について相談。「本日の便は、8月末にコロナ対策のため、減便対象となりました」だって。一時、唖然としたが、仕方がない。大阪行きは一日一便のみのため、一番早い振替は翌日とのことで、一日滞在を伸ばすことにした。スマホで調べて、最終的には、塘路湖畔のキャンプ場に泊まることに決定。食料などをスーパーで買い出し、JRで塘路駅に移動した。
湖畔にテントを張った。ここも水・水洗トイレ完備の完璧なテン場でした。町営キャンプ場で格安(380円/泊)。北海道のキャンプ場は快適過ぎる!
夕食時、燃料アルコールがないことに気付く。飛行機に持ち込みできないので、捨ててしまったのを、すっかり忘れていた。隣接テントの方に、訳を話してガスコンロを貸して頂き、事なきを得た。本当に助かりました。どうもありがとうございました。
お礼にと、釧路市内で購入したワインを2人で飲んだ。若い彼は、知床の斜里町から自転車(ランドナー,1日に100kmほど移動)で来たそうだ。釧路高専の電気工学科を卒業後、地元のエレベータメンテナンス会社に努めていたが、1年で辞めたと伺った。彼は生まれつき片目の視力が無い。そのため、人に比べて視野が狭い。エレベータメンテナンスは2人1組で行う作業だが、視野が狭いことで、安全確認にどうしても行き届かないことに気が付き、人を危険に晒すことは耐えられないと、自分から辞めたそうだ。
今は、僧侶を目指して修行中の身だそうだ。コロナが無ければ、今年も京都の西本願寺(浄土真宗)で学校に通うはずだったのが、計画が狂った。家はお寺で父親の住職はまだ50代で若いが、いずれは家を継いでいくことなるだろう、と伺った。「自分の運命を受け入れ、しっかりと前を向いて歩む彼に、幸あれ」と願わずにはいられない。すっかり暗くなってから、それぞれのテントに戻って就寝した。
◆8日目(9/25):移動 <釧路⇒関空>
朝起きて、近くの展望台までお散歩。片道1時間くらい歩いて到着。ほんの3000年前、海の水が引くことで形成された釧路湿原。中でも、塘路湖は湿原に残された一番大きな湖です。展望台から遠くまで広がる美しい釧路湿原を眺めた。彼も言っていたが釧路は霧の街。濃い霧が植物の繁茂を防ぐことで、釧路湿原が作られたそうです。
テン場に戻り、朝ご飯の後、テントを撤収して、駅に移動。そこで彼(自転車は輪行して家に戻る)にお世話になったお礼を言って別れた。電車に乗り、大阪までの長い帰途に就いた。
佐伯さんには、本当にお世話になりました。KIRAWAYが再開されたら、今度こそ本コースを全線踏破したいと思います。憧れの北の大地で、ロングトレイルの歩き旅を満喫しました。
今日も良い山でした。
(1日の消費量 水1.0L、燃料80ml(夜30ml+朝30ml+昼20ml)
荷重15kg、アルファ米 9/10食、行動食 500ml×0本)
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こんにちは♪
19日私は西別岳へ登ったのですが、中標津へ帰る時佐伯牧場へ向かう姿見ましたよ。ランチウエイを歩く人かな?と思ったのですが、閉鎖されているし歩道を歩いていたので違うかな?と思って帰ってきました
通行可能になったら是非リベンジを(酪農家の牧草地だけだと簡単です)
akadake5さん、はじめまして。
今回、初めて中標津に足を踏み入れ、歩かせて頂きました。公道迂回コースは、足の裏が痛くなることを除けば、ほぼ本コースと変わらないかと思いました。(公道沿いもずーっと牧場が続く)。
中標津は素晴らしい場所ですね。KIRAWAYが無ければ、訪れることも無かったかと思います。緑が丘森林公園キャンプ場では可愛いエゾリスの歓迎を受け、開陽台では地球が丸いことを実感。武佐岳は美しく、どこまでも続く緑の放牧地は目に優しい。
後半の部の山歩きは、国立公園で、これまた素晴らしい。天気も良く、リスケ山、西別岳、摩周岳山頂からの絶景を堪能しました。摩周岳から眺めた斜里岳や雄阿寒岳も、いつの日か歩いてみたい。KIRAWAYが再開されたら、またスルーハイクしてみたいと思います。
コメントありがとうございました。
kickeyさん、
ご無沙汰と思ったら、北海道遠征だったんですね〜。
先日のakadake5さんのレコで北根室ランチウェイ(KIRAWAY)のことを知り、いつか行って見たいと思っていたところでした。
仕事で北見に2年、帯広に1年居住し、釧路にも出張に出ていた時期があったのですが、オホーツクらしい懐かしい光景に惹きつけられました。佐伯農場も最高ですね。KIRAWAYの発案者とそれを支える人々に頭が下がります。素晴らしい!
コロナ騒動が一段落したら、まったりとした時間を過ごしに行って見たいと思います。と言いながら、摩周湖、屈斜路湖、阿寒湖を周遊し、その周辺の山々をピークハントしてしまいそう。。。
ロングハイク、お疲れ様でした。
Kumainkobe ฅʕ·ᴥ·ʔฅ
Kumainkobeさん、毎度!
KIRAWAYを歩いて、北海道を堪能しました。佐伯牧場のホスピタリティは高く、とっても居心地の良い場所。ここならいくらでも滞在できる、と思いました。
佐伯さんは、御歳70才にして、まだまだ精力的に活動されています。日本に留学に来ていたネパールの学生と知り合い、彼の故郷に遊びに行って交流されるなど、興味深いお話をいろいろ聞かせて頂きました。
今回、滞在したキャンプ場は、「不便なキャンプ場」をコンセプトに設計したキャンプ場と伺いました。
(1)水は、水道の蛇口をひねれば出るものでなく、地下水をポンプで汲み上げるもの(エキノコックスの心配無し)
(2)火は、薪を燃やして火力を得る
など、料理は、全て薪を使って作らせることを通じて「子どもたちに生きる知恵を授ける教育の場にしたい」と仰っていました。(その一環で、薪ストーブのサウナが、キャンプ場に併設)
未来の子どもたちに何を残せるか、大きな視点で考えられており、スケールの大きな方でした。また機会を見つけてマンサードホールにお邪魔したいと思います。
kickeyさん、おはようございます
お帰りなさい、予定通り行かれたんですね。
北海道の大自然と人情、そして味覚を満喫した一週間だったようですね。
それにしてもこういうコースが設定できる北海道の素晴らしい自然、コースの閉鎖にもめげずに工夫をして自分なりのトレッキングを目指すkickeyさんの姿勢に脱帽です。
こんな歩き方ができるんだなと感心して拝見しました。
同じタイミングで北海道の早い紅葉を楽しんできたものの一人として、次回の完歩にエールを送りたいと思います
chamchanさん、おはようございます。
ずっと計画を温めていたKIRAWAY。今年の春の時点で計画し、飛行機も予約した後で、コース閉鎖を知りました。本コース(ステージ2,3の一部)は歩けませんでしたが、北海道の大自然を満喫することができました。この地に導いてくれた人たちに感謝です。
今年の北海道は、例年に比べて暖かいと伺いました。日本一早い大雪山の紅葉も少し遅れ気味。でも天気は基本、安定していて良かったですね。(今回、1週間も歩いたのに、カッパを使わずに済んだことなんて初めてです)。
北海道は、未踏のお山ばかり。利尻、礼文、斜里、羅臼、大雪山系に魅惑の東大雪の山々など、魅力的なお山が盛りだくさん。なのに、北海道の夏山シーズンはあっという間。まだまだ、北海道に通うことになりそうです。
kickeyさん、こんばんわ。北海道1週間のロングトレイル、お疲れさまでした。手強い稜線系のロングトレイルは無理でも、いつか歩いてみたいと思っていたランチウエイ、やっぱりいいですねぇ。予定が狂っても人とのふれ合いもあって、細かいことなんてどうでもよくなりそうです。山と麓の集落、市街地を繋ぐバックパックの旅は緩急があって、飽きずに1週間があっという間に過ぎていきそう。北海道のお寺は北陸から浄土真宗、東北から曹洞宗と、移民の方々とともに入ってきたようです。故人ですが、お付き合いのあった方の実家が北海道のお寺で、西本願寺系の専門学校に通っていたのを思い出しました。お線香上げに行かなきゃだな・・・
yamaonseさん、毎度!
北根室ランチウェイ(KIRAWAY)を、実際歩いて、素晴らしいトレイルであることを実感しました。北海道を絵に描いた様な良いとこ取りコースで、アップダウンも少なく、あまり体力に自信の無い方にも、お薦めできます。佐伯さんを慕って、何度も訪れるリピータが多いことも納得です。コロナ禍でトレイルが閉鎖されている現在の状況は本当にもったいないと思います。一日も早い再開を期待しています。
塘路湖畔のキャンプ場で知り合った彼は、お坊さんの修行中でした。仏教にもいろんな宗派があり、根本の考えがまるで違うことを彼に教わりました。私には、弘法大師が日本に持ち帰った密教の教えがしっくりハマります。心が真っ直ぐなので、きっと将来、立派な住職になることでしょう。知床にある彼のお寺にもいつか訪れてみたいと思います。
次は北米のトレイルは如何ですか?
私は脳内妄想だけですけど(笑)
shirou58さん、こんばんは。
海外ロングトレイルも魅力満載!でも、なが〜い休みが必要。それを許される境遇の人は極僅かでしょう。日本を旅する外国人旅行者で、時折「これから1ヶ月かけて日本中を回るんだ」とかいう方がいらっしゃいますが、羨ましい限りですね。定年退職後の楽しみにでも、とっておきましょう。
北根室ランチウェイは、北海道の魅力をギュッと凝縮した様なコース。誰にでも、お薦めできます。多くの人に歩き旅の魅力を体験して欲しいと思います。
Kickeyさんの楽しみ方、参考になります。ありがとうございます。
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