雨の【堂満岳〜八雲ヶ原】を逍遥する。湿原に咲き誇るウメバチソウ🌼荒地にはセンブリの花🌸
- GPS
- 04:16
- 距離
- 9.3km
- 登り
- 942m
- 下り
- 928m
コースタイム
- 山行
- 3:35
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 4:21
天候 | 下界は晴れ、山中は小雨、稜線では暴風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
暮雪山多目的保安林駐車場(正面谷のトイレ横駐車場) |
コース状況/ 危険箇所等 |
スタート地点から堂満東稜道の肩まではバリエーション尾根道。登山道ではありません。 |
写真
感想
一週間も山へ行けていないので今日は歩きたいのだが、どうも気乗りがしない。
天気予報が良くないのもある。日曜日なので車の渋滞も面倒だ。
行き先も決まらないので、取り敢えず自宅から近い比良の堂満岳に行くことにする。先日HBさんから急坂マニアと言っていただいたので、急坂を登りに行こうと思う。
R161を車を走らせていると下界の空は晴れているのだが、比良の山々の上にはガスがかかっている。恐らく今日は展望は期待出来ないだろう。
とにかくグズグズしていたので正面谷の駐車場に着いたら8時を回っていた。さらにグズグズ用意をして出発する。8時35分、遅いスタートだ。どうしても気持ちが乗ってこない。
駐車場を出て直ぐに左手の林道に入る。最近頻繁に作業をされている舗装されていない林道を暫く九十九折に登る。尾根がはっきりしてきた辺りに薄い踏み跡があるのでそこから取り付く。
植林地の急な尾根をひたすら登る。ひと汗かいた。調子が良くない。恐らく気持ちからくるものだろう。
やがて自然林の広い尾根になり傾斜も緩やかになってくる。ふと樹々の隙間から少しだけ琵琶湖側の展望を望める場所があった。キラキラと輝く琵琶湖の湖面が美しかった。
尾根の中心を外さないように登り詰めてゆくと明るくなりトラロープで通せんぼしてあるところへ出た。堂満東稜道の登山道に合流したのだ。
東稜道の肩からの上りもダラダラと辛い坂道が続く。しかし山毛欅の樹も出てきて清々しい。この尾根の山毛欅は大きな樹は少ないが面白い形をした変木が多い。山毛欅の樹林に囲まれているうちに段々と楽しい気分になってきた。
しかしかなりガスが出てきた。周囲の眺望はゼロだ。ポツリポツリと雨も落ちてきた。
インディジョーンズの最初の作品、レイダース失われたアークの、ゴロゴロと大きな丸い岩が転がり迫ってくるシーンを思い出すような大岩のある場所を通り過ぎると、いよいよ堂満東稜道のハイライト、山頂へ向けての最後の急坂登りとなる。雨が降り足場も荒れていて歩き難い。が急坂マニアとしてはとても楽しいひと時だ。太腿や脹脛に乳酸が溜まってゆく感覚が心地よい。
堂満岳山頂に辿り着いた。出発から1時間25分。周囲はガスで真っ白だ。
そして誰もいない。こんな日に堂満岳には誰も来ないかな。そういえばケルンのMさんはどうされているだろうと思う。長らくお逢い出来ていない。
雨が少し強くなってきた。
堂満岳から比良縦走路へ下りて金糞峠へ向かう。小雨になった中を軽快に歩く。途中の好展望地では一瞬晴れ間が覗き、琵琶湖も見え、青空に形の良い白い雲が印象的だった。
これまた誰もいない金糞峠を通過して直下の分岐箇所に差し掛かる。
時間も余力もあるが、武奈ヶ岳へ上がっても暴風の中で真っ白な風景を見るだけだろう。
八雲ヶ原まで散歩しようと思う。
八雲ヶ原までの沢沿いの道は気持ちの良いハイキングルートだ。清らかな水の流れ。両側の斜面には大きな台杉も見られる。そして川沿いの広場にはもう終盤ではあるが濃い紫色をしたキタヤマブシも咲いていた。
八雲ヶ原に着く。まずは湿原へ足を運んでゆくと、ご夫婦と思しき男女が、傷んで歩く事が困難な筈の木の歩道から上がって来られるところだった。何やら写真を撮られていた様子なのでお聞きすると、ウメバチソウが綺麗に咲いているとのこと。早速私も見に入ろうとするが、ただでさえバキバキに傷んで危なっかしい木の歩道が雨に濡れている。パタンパタンとシーソーのようになってしまっている板の上を慎重に渡り、這いつくばるようにして眼下の白い花々を観る。
可愛らしいウメバチソウが数多く咲いている。草花にしては大きめの花。誇らしげに自己主張しているようだ。
次に八雲の本来の池を覗くと茶褐色の決して美しくはない水面に丸い葉が幾つも浮いているのが見える。そしてよく見るとその葉の上に白い花が咲いているように見えるのだが、私の居る岸からは遠いのである。ズームアップで写真を撮ってみても明瞭では無いのだが、恐らく花は睡蓮の仲間のヒツジグサかと思われる。
これまで何度も訪れた八雲の池で、あまり関心を持ってよく観察したことが無かったのだが、調べてみると随分以前からヒツジグサが生息しているようだ。
霧に霞む八雲ヶ原の人工の池の畔には数名の登山者がおられる。お一人を除いての6名程はどうやら同じグループの方々で、先ほどのご夫妻もそのメンバーのようだ。この悪天候の中を武奈ヶ岳へと向かって行かれた。私はやはり武奈は辞めようと思った。
お腹が空いて来た。
カップ麺を作る用意を持って来ているのだが、八雲の石のテーブルと椅子は雨に濡れ、腰掛けるのがはばかれるし、ガスの火は風に煽られ湯は中々沸かないだろう。断念して比良ロッジ跡の方へ登り出す。
比良ロッジ跡へと至るゲレンデ跡を登って行きながら足元を見ると小さな白いものに気付いた。
センブリの花だ。武奈ヶ岳の西南稜や八雲ヶ原を挟んだ両サイドのスキー場跡の、あまり栄養が豊かでは無さそうな荒れた地面にはセンブリがたくさん咲くのだ。
シャープで端正な形。薄紫から白のグラデーション。小さいがとても素敵な花。今年ももう早くも見ることが出来て感動する。
比良ロッジ跡を経て北比良峠へと辿り着いたが、本来絶景の筈の琵琶湖や対岸の景色は霞の中だ。
北比良峠にはテントが2張あり、中に住人がいらっしゃるのかどうかは分からないが、強風に煽られてバタバタと大きな音を立てている。
耳障りだなと思いながら、大きな石碑の風下に隠れてお握りと甘いお菓子で昼食にした。
ではサッサとダケ道で下山することにしよう。
ダケ道の下降点手前で神璽谷ルートを登ってみえた登山者とすれ違う。またしても年配の7.8名のグループである。まだ正午前とは言え、今から武奈ヶ岳に登られるのであろうか。
ダケ道はよく整備していただいている登山道であり軽快に下っていける。快調に飛ばしてカモシカ台まで降りて来て、ふと、ある事に気づいた。
夏にkol-yosiokaさんが発見され、Captsubaさんが調べてくださった恐竜の化石かも❗️の石をダケ道上で探すのを失念していたのだ。
スマホで改めてCaptsubaさんのレコを見て場所を確認し、標高にして50mほど登り返した。
石は堆積物で埋もれかけていた。その土や落葉を手で払い除けてみると、たしかに恐竜か大型の動物の骨の一部のようにも見える石が、整然と等間隔に並んでいる。ブナヒラサウルスかシャカカラトプスだといいのにな。コヤマノドンかもな。
古代のロマンに想いを馳せながらその地を跡にして、ダケ道を一気に下った。
大山口を過ぎたところの水場の冷たい水で喉を潤す頃には、青空が広がっていた。
ウリさん こんばんは
>太腿や脹脛に乳酸が溜まってゆく感覚が心地よい。
中々、そんなことを仰る奇特な方はいらっしゃらないと思います。さすがHBさんに急坂マニアと呼ばれるだけのことはありますね。
>ウメバチソウが綺麗に咲いているとのこと
ウリさんもご覧になったかと思いますが、白山では数多く咲いていましたが、この比良でもみることが出来るのですね。そういう情報を運良くゲットするのもウリさんの
>パタンパタンとシーソーのようになってしまっている板の上を慎重に渡り、這いつくばるようにして眼下の白い花々を観る。
kol-yosiokaさんのレコでも、既にここは通行不能ということになっていましたが、気合が違いますね。ちなみに日本の他の湿原に作られている木道に比べて、圧倒的に板が薄く、それから高さが高いと思います。歩いている最中に板がいつ折れてもおかしくないところですよね。早急な修復が期待されるところです。
この日、始発の地下鉄に乗り込んだ後にカメラを忘れたことを思い出し、家に取りに戻らなければ、始発岳山から権現山を縦走しようと思って比良に向かうところでした。比良に向かっていればウリさんに八雲ヶ原のあたりでばったり出会えたかな。
出発が遅くなったのと、比良の北の方で雨が降っていたので、比良を断念して大峰に向かったのですが、行程のかなりの部分で雨に降られることになりました。
話は変わりますが、ひと月ほど前はアブやブヨが非常に多くて、今年はあちこち咬まれて大変だったのですが、最近、急に涼しくなったせいか虫の姿を見かけなくなりました。比良は如何でした?
ヤマネコさん、コメント有難うございます。
筋肉に乳酸が溜まってゆく感覚が心地よい、の表現は少し大袈裟でしたね😅
しかしながら、中高時代に野球部のトレーニングで脚がパンパンになった時を思い出して、懐かしい感覚です。
ちなみに大学時代のワンゲルもどきのクラブは軟弱でしたので、そのような感覚を覚えることはほぼありませんでした😂
この日ヤマネコさんが一日で歩こうとされていた比良の全山縦走、その大学のクラブでやりましたが、当然ながら1泊2日でしたよ。
しかしその際にテント泊したのが、ヒュッテが存在した頃の八雲ヶ原でした。
当時は植物や花などには一切関心が無く、八雲の湿原を散策する事さえした記憶がありませんが、その頃から木の歩道はあったのでしょうか・・・花もたくさん咲いていたのでしょうか・・・
不思議なことに、晩夏のサギソウもそうでしたが、ウメバチソウも木の歩道に程近い場所に多く咲いてくれています。私たち人間に美しい姿を観てもらいたいのか、はたまた、傷んだ歩道を歩かせてドボン!と嵌める罠なのか😅
その企てに載っかって気合を入れて平均台をチャレンジしますと、体幹が鍛えられるような気がします。
比良全山縦走中のヤマネコさんと、軟弱ハイキング中の私、お出逢いしたかったですね。しかし比良を断念して大峰へ!という感覚も距離感的には何とも奇特な印象を受けますね。
この日は南部の方が天気予報的には良かったように思いますが、やはり雨に降られたのですね。大峰は雨が多い地域の印象を勝手に持っています。良く知らないくせに。
比良も涼しく小雨に打たれ風に吹かれると寒いぐらいでした。夏にあれだけ鬱陶しくまとわりついて来た虫もさすがに一切いませんでした。
もうヤマビルも大丈夫でしょうかね?そろそろ鈴鹿にも出動したいのですが。
ヤマネコさんにご心配をおかけした例の一件もあり、もうヒルに咬まれるわけにはいかないのです🤣
ウリさん、おはようございます。
こちらにコメントしたんですけど上がってないし〜 疲れが溜まっているような…
日曜日はお休みだったんですね。なんとか時間が取れそうなのと山へも行きたいので日曜日に北部のお山を予定していたんです。
ウリさんにお休みかな?なんてLINEしようと思ったのですが、雨雲レーダーを見ると京都南部は何とか天気も持ちそうでしたが、北部は殆ど水色でして結局山行きを中止し仕事してました。
以前なら、北部がだめだったら南部のお山に… なんて柔軟に変更したりしていたんですが、今回はお山を決めていたのと、快晴でないと面白みのないお山ですので延期ということに。
このルートは、kol-yosiokaさんのレコで知り、いつものようにカシミール3Dに登山道追記しておりました。面白そうな尾根ルートですよね。
堂満岳へノタノホリを経由せず行ける道として古崎川源流ルートもあるようですが、荒廃とヒルが沢山いるようでパス。このルートは良さそうです。
今回はトリカブトのお花は覗かなかったの(笑) スルーしてたんですけどね。
ののさん、何度もコメントしてもらったみたいで〜
送信ボタン押せて無かったのでしょうか。仕事のし過ぎ違いますか😁
いつでも山へ行こうと思われたらお声かけくださいね。休みなら必ず着いていきます😊
予定されてた北部のお山って何処ですやろ?
気になりますね。
堂満岳の東稜道の肩と正面谷を結ぶ尾根は下山時によくショートカット道として使うんですけどね。今回は登ってみましたが面白味は無いですよ。まぁ急坂マニアには楽しいんですけどね。時間は短縮できますよ!
ノタノホリを経由しないルートの件はよく分かりません。別荘地を経由せずにノタノホリへ直で行くルートのことでしょうか?それでしたら歩いた事があります。
トリカブト、当然中を覗き込みましたよ😍
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