湖南アルプス南から北へ無理やり縦走
- GPS
- 07:30
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 747m
- 下り
- 779m
コースタイム
実際は自宅から関津峠、新免から自宅を歩いていますので、歩行距離は6キロほど伸びています。
天候 | くもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年01月の天気図 |
アクセス | 自宅から徒歩圏ですので交通手段は利用していませんが、交通機関利用の際はJR石山駅からバスで大石方面行き「関津(せきのつ)」下車で坂を上がります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは天神川沿いの林道をかなり上がって迎不動近くにあります。 用紙の備えはありませんので記入したものを持っていってください。 トイレもこの林道沿いに2ヶ所あります。 今回のルートではありませんが、太神不動尊にもあります。 |
写真
感想
この季節になると雪を追いかけて遠出の繰り返しですが、ふと裏山が気になって歩いてみることにしました。
自宅の窓から見えている笹間ヶ岳と堂山。
これらに太神山と矢筈ヶ岳を加えて湖南アルプスと呼ばれます。
西側に登山口があり、天神川に沿って林道を進むと北に堂山、南に笹間ヶ岳、その奥に矢筈ヶ岳。
東の端には不動寺の建つ太神山がそびえ、こじんまりとではありますが山塊を形づくっています。
登山口にはバス停もあり、一般のハイカーが拠点とするのはまずここになるでしょう。
太神山ピストンや周回ルートなど割と自在に組める手軽な山ですが、今回ちょっとバリルートっぽいコースを歩いてみます。
東西の動きが基本になるこのエリアを南から北に横切ってみましょう。
玄関から歩いて30分もかからずに関津峠に着くと、関西電力の高圧鉄塔の保安路がこっそりと始まっています。
まだ山を歩き出して間もない頃に好奇心で歩いてみた道です。
里からは見えない道を辿って登山道に合流します。
途中で道を誤って沢に迷い込んで時間のロスもありましたが、このあたりで迷っても危険はありません。
少し進むと東海自然歩道に合流して笹間ヶ岳へ向かう道になります。
散歩がてら何度も歩いた道です。
この時期でも木々は葉を付けて緑色を残しています。
433mの山頂まではすぐの道のりです。
さすがにこちらのルートでは出会う人は皆無でした。
私が山に嵌まるきっかけになったのがこの笹間ヶ岳です。
当時、今より20kgも体重のあった私はこの高さを登るのに息を切らしてリタイア寸前でした。
なんて恥ずかしい体力だったんだろう・・・
山頂からの眺望は見事です。
今日はガスっていますが、瀬田川、琵琶湖を挟んでの山々が連なる様や湖南から湖東の風景も眺めることができます。
一息ついて北に向かって下ります。
里山だけに道はいたるところにあり、地形図にも道の表示はほとんどなく、以前に歩いた記憶で分岐を辿ります。
案の定途中で分岐を間違えてロストしてしまい、引き返して山頂直下から歩き直してしまいました。
御仏河原という一枚岩のような河原を通りますが、この山域は稜線部分にもむき出しの岩が数多く見られ、険しい表情を見せることからアルプスと呼ばれます。
奈良時代から都の造営や寺の建立のたびにこの地域は木材の供給を強いられ、人の手によって木々を切られた山は土を流されて形が変わってしまいました。
大雨のたびに流れ出る土砂は災害を呼び、この地域では山の土砂を止めるための土木事業が大きなテーマになっていたのです。
御仏堰堤という明治20年にできたものが滋賀県最古のものとして残っていますが、それ以外に小さな土留めの古い石済みはたくさんあるようです。
この山を歩いていて大木が見つからない理由もそこにあります。
明治を過ぎて少しずつ植林等で山を甦らせる試みが進んでいます。
岩場の多い湖南アルプスの成り立ちを考えながら歩くことも無駄ではないと思えます。
さっきの間違いでかなり時間をロスしてしまったので矢筈ヶ岳と太神山の二山はパスすることにして、天神川を渡渉して鎧ダムから堂山に向かいます。
岩むき出しの河原を流れるきれいな水を眺めながら登っていくと、これも明治の砂防事業でオランダからの技術者デ・レーケを招いて築いた鎧ダムです。
ダムの上流は水の代わりに砂が堆積してグランドのような広い河原になっています。
はじめて見たときは、ダムの意味がないと驚いたものでしたが、これこそが砂防ダムの目的なんだとあらためて思ったことです。
ダムから稜線に出ると姿を現した堂山。
384mしかない湖南アルプスの末っ子ですが、私はこの山を眺めるたび、歩くたびに好きになります。
うまく言えませんが、山の価値は高さじゃないと毎回実感させてくれる山です。
地形図に登山道の表示もない山ですが、山頂からの眺めといい歩く道のスリルといい、意外なほど楽しい山です。
今回は北の新免という里に下りる尾根道を歩きましたが、この尾根道の楽しさも想像以上でした。
登山道としては便利とはいえないせいでマイナーな扱いになっていますが、まだまだ歩けるルートはたくさんありそうです。
地形図を見るとぞっとするような入り組んだ等高線ですし、地図読みの難度はかなり高い地域のようですが、地元の強みを生かして探索を重ねたいものです!
裏山を一回りでしたが、自宅からの補強距離は約18kmとボリュームも出て充実した一日になりました。
日帰りの山歩きでもなにかテーマを見つけて目や耳を働かせればいくらでも楽しみを見つけられる、今回もそれが実感できたことは嬉しいことです。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
昨日、堂山から鎧堰堤への途中ですれ違った、yamaikuzouです。時間は午後1時前ころだったと思います。気軽に挨拶していただきありがとうございました。
ヤマレコユーザーと出会うなんて・・・世間は狭いっ・・・実感しました。
また、何処かの山で逢える事を愉しみにしています。
よくすれ違ったことを覚えていてくださって
ありがとうございます!
箱庭のような湖南アルプスですから出逢う可能性は高いでしょうけど、ユーザーの方と実際にお会いしたのは初めてです。
何度も歩いている山なのに、今回あらためて触れ合うことができたような気がしています。
どこかでお会いしたら、今度はそうとわかってご挨拶したいものです
甲賀のほうでは、岩根村の龍池藤兵衛さんが有名です。
荒れた山を緑化するためのヒメヤシャブシの苗を増産されました。
ヒメヤシャブシのことを別名ハゲシバリともいうそうです。
枝豆と同じように、根っこが土の中で栄養となる窒素を捕まえてくれるようです。
痩せた土をヒメヤシャブシで改善して、松などの苗木を植えていったそうです。
砂防工事の仕事道があちこちに残ってますよね。
迷いこんで、地図読みの勉強をさせていただいてます
高い低い、遠い近い、雪があるないでないって事はよく、よくわかりますが、この山でSランクのレコがかけるのはmonsieurさんすごい!いかに山を愛でているかがわかります!その思慮深さと表現力はいつか山雑誌の編集の目に触れてライターデビューするかもしれませんね
そしてchuraさん!藤兵衛さんですよ!その話をこないだお客さんとしていて結局わからずじまいでした!churaさんありがとう!
すごいなあ
山の周辺知識にまで関心を広げて・・・なかなかできないことです
確かに歴史を取ってみてもエピソードひとつで足元の山が急に存在感を増したりしますよね
何かを知っていることで楽しみが一つ増える、これも山に近づく道の一つですね
え、えらくテンションが高いじゃないですか
このレコを褒めていただいてありがたいことではありますが、どうひいき目に見てもまとまった文章とは言えないです・・・
歩いている時はそれなりにあれこれ思いつくものですが、すぐに消えてしまってなかなか残りません
堂山は忘れた頃にふと歩きたくなります。
春の頃にまた歩いてみたいですね。
イハイガの帰りにでも、龍池藤兵衛さん縁の地をご案内いたしましょうか?
http://www.biwakokasen.go.jp/setasabo/fudo/pdf/tanakamiyama_story.html
湖南アルプスなんですね
○○アルプスというのを見つけると周囲の風景と
尾根の美しさを想像しています
京都と滋賀の県境を見下ろす展望は高度感ありますね
歩いている時に色々浮かんでも帰ってきたらすっかり忘れちゃってるの
私だけではなくて良かったです
なんでも昔日本全国で○○アルプスと名づけるのが流行った時期があったようで、この近所でも湖南アルプスのすぐ北隣に金勝(こんぜ)アルプスがあります。
それなりの岩場の険しさやいくつかの条件はあるようですが、ホントは名前つけたモン勝ちだったりして・・・
いろいろ浮かんでいるうちにノートにさらっと走り書きなんてシーンにも憧れてはいるのですが・・・
動きを止めて時間を過ごすのがまだまだへたくそです。
比良でお会いして随分と経ちました。
検索していると懐かしい名前があり、コメントさせていただきました。
昔ですが、このルート歩いたことがあります。一時、縦走に熱中し国道1号線から田上山までつないだことがあります。関津峠の反対の藪山から鹿跳橋まで抜け立木山まで。
国道1号線からだとかなりの距離ですね
どこを歩かれたのか興味があります
近辺で私が好きな縦走ルートはやはり1号線の大谷(京阪の駅があります)から音羽山〜千頭岳〜大平山でいったん里に下り、再び袴腰山〜立木山と結びます。
朝から夕方まで目一杯のコースです。
滋賀、京都の境を歩く道です。
一応整備はされていますが素朴なハイキングコースです
一日で歩いたわけではありませんよ。
山歩きを始めたころなので、随分と前のことですが。
音羽山〜千頭岳〜大平山〜墓地は同じ。そこから岩間山に上がって内畑に下り、車道を歩いて桜峠近くまで。そこから袴腰山〜です。このルートでは金勝アルプスを経て南下して水口へと考えていましたが、途中でストップしています。
分岐ルートとして大石から黒山を経て裏白峠(R307)を歩いています。
西寄りでは、牛尾観音から高塚山〜醍醐山〜醍醐寺(一旦下ってしまってますが)〜ユーレイ峠〜供水峠〜天下峰〜長坂峠まで歩いています。ここは、ゴルフ場で止まってしまいました。
最近、京都南部(城陽〜加茂)を縦走しましたよ。また、興味を持ち始めていますので、面白いルートがあれば教えてくださいね。
ヤマレコでは重複しているためpekeponで登録していますが、この世界ではpekeで通しています。
-----
peke@枚方市
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する