蝙蝠岳、雪投沢、池ノ沢池
- GPS
- 97:18
- 距離
- 52.3km
- 登り
- 5,326m
- 下り
- 5,393m
コースタイム
- 山行
- 3:42
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 3:43
- 山行
- 9:55
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 10:38
- 山行
- 8:10
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 9:55
- 山行
- 11:23
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 12:24
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
バリケードがかけられている橋の下を渡渉するポイントのみ注意が必要。それ以外は水量が多くなければ問題ない。 |
写真
感想
昨年、台風19号により縦走ができなかったため、5月頃からリベンジする計画を考えていた。本格的な登山シーズンになっても、コロナ禍で南アルプスの小屋ほぼ全て休業となり、公共交通手段も絶たれ、車利用で周回するルートしかとれなくなった。蝙蝠岳に行くことは決めていたが、8月に雪投沢の情報が山レコにアップされ、雪投沢〜池ノ沢〜奈良田と抜けられる目途がたったため、今回のルートをやることにした。1週間前も台風でまた中止かと思ったが、直前に晴れ予報に変わり、結果的には快晴のもと4泊5日を歩き通すことができた。
<行程> 11大門沢登山口〜大門沢小屋(泊)〜12農鳥岳〜トラバース道経由〜熊ノ平小屋(泊)〜13北俣岳〜雪投沢源頭(幕)〜蝙蝠岳(空身ピストン)〜14雪投沢下降〜東俣出合〜池ノ沢池〜広河内岳〜ビバーク地(幕)〜15大門沢小屋〜大門沢登山口
1日目:当初は台風直後の沢の増水を避けるため、12日早朝から笹山経由で入山する予定でいたが、直前で予報が好転したので、急遽11日に出発することにした。
大門沢小屋まで行くには数回渡渉が必要だが、最初の渡渉ができなければ、戻って計画通りに行く覚悟で10:30にスタート。案の定、最初の渡渉点は増水していたが沢靴に履き替え、股下の急流を何とか渡ることができた。
その後は問題なく歩を進め14:00には大門沢小屋に到着。水場もトイレも利用可能でとても快適な小屋を貸切で利用した。
2日目:まだ暗い4:30に出発。大門沢下降点までひたすら4時間上る。農鳥岳、農鳥小屋を経て熊ノ平小屋へのトラバース道を目指す。久しぶりに快晴の稜線歩きを堪能した。農鳥小屋はトイレが崩壊して使用不可、避難小屋として1棟の半分が利用可能となっていた。
トラバース道からは眼下に東俣と三国沢が見えている。東俣も記録を見る限りは上部は大きな滝も無く沢歩きが楽しめるルートのようなので、来夏に縦走を絡めて再訪してみたい。(禁漁区間なのが残念だが)
ルートの途中には昼寝に都合の良さそうな大きな平らな岩があったので、15分ほど横になり景色を楽しんだ。トラバース道を2時間半ほど歩くと熊ノ平小屋に到着した。
ここも2階の避難小屋と水場が開放されている。きれいなトイレもあるはずだったが最近閉鎖されたようだった。この日も小屋は貸切だったが、しばらくして19時過ぎに若い男性2人が到着した。なんでも仙塩尾根を1日で歩くそうで、小屋で1時間ほど食事をとって出発するという。
3日目:今日は塩見岳分岐手前までの短い区間なので体力的には楽だ。樹林帯が中心になり熊との遭遇の可能性もあるので、今回は3連の熊鈴と熊スプレーを持ってきた。
旧キャンプ場を過ぎて少しいくと、稜線の左手下側にテントが張れそうな場所が見えてくる。10時にはテントを設営し、雪投沢へのルート確認と水汲みに向かう。沢筋に降りてくと昔のテント場跡がいくつかあり、古びたガス缶やら空き瓶などが目に付く。沢までの踏み跡はしっかり残っており、それほど苦労することなく辿り着くことができた。少し休んだ後、折りたたみザックに最低限のものを入れて11時前に蝙蝠岳を目指して出発した。往復4時間ほどだが余裕があれば、帰りに塩見岳にも行くことにする。
この日は快晴で稜線上に日陰は無く、日差しと水分の消耗が激しかった。日焼け止め対策を全く考えていなかったので、顔や首などの日焼けが酷いことになっていた。蝙蝠岳はさすがに南アルプスの最深部ということもあり、周囲の山を全て見渡せる素晴らしい展望だった。山頂直下には2張分のテン場もあり、ここにもいつか泊まってみたいと思った。結局、蝙蝠岳往復でくたびれてしまったため塩見は行かず、来年の残雪期に再訪できればと考えている。
4日目:今回の山行の冒険的な区間で、コースタイムもルート状況も未知の部分が多く、明るくなってから出発することにした。テント泊装備18キロを背負っての沢の下降なので、転ばないようにペースを落として慎重に進む。思った以上に朝は気温が下がり、沢の水も冷たいのでなるべく濡れないように歩くが、歩き始めると冷たさはほとんど気にならなくなった。
結果的には雪投沢は3時間ほどで東俣出合に達することができた。上部は明るい開けた沢で快適に遡行したが、下部は倒木が多く乗り越えたり、くぐったりしながらのルート取りに苦労した。東俣の河原を進むと池ノ沢小屋がある。2014年に修復され開放されているがお世辞にもきれいな小屋ではないので、宿泊はしないかな・・小屋内には冬季の装備などがデポされているようだったが、冬季はどういうルートでいくのだろうか。
小屋を出て、池ノ沢池を目指す。今回の山行でここが最も苦労した区間だった。両岸とも目立った踏み跡はなく、少し進んでもすぐに倒木に塞がれ、雪投沢よりも水量が多く、落ち込みや小滝もあり直登するのも簡単では無かった。渡渉を繰り返しながら、倒木を乗り越えて進むこと3時間でようやく池ノ沢池に到着。
季節的なためか落ち葉が水面一杯に広がっており、水の透明度は高いがそれほど美しいという印象ではなかった。それでも沢の水音を聞きながら池のほとりに座っていると、ここで1泊してもいいかなと思えるような不思議な雰囲気のある池だった。池ノ沢池からは踏み跡もはっきりして、比較的新しい目印も付けられており、スピードを上げて歩く。2か所ほどの短い藪漕ぎのあと、広河内岳までのガレ場に辿り着く。ガレ場をひたすら詰めること1時間半で16時にようやく広河内岳山頂に到着。
ここから笹山経由は無理と判断し、大門沢へ下ることにした。日没に近づくとともに気温も下がり、稜線では風も強まってきた。大門沢下降点に着くころには辺りもすっかり暗くなり、ダウンを着込み、ヘッドランプを付ける。とりあえず風と寒さをしのげるところまで標高を下げ、ビバークできそうな場所を探す。18時頃に登山道脇に適地を発見し、急いでテントを設営。その日は疲れていたので、食事もとらずそのまま寝てしまった。
5日目:目が覚めると5時のアラームが鳴っていた。今日は奈良田へ下るだけなので、ゆっくり準備する。
残った食材で朝食を取り、テントを畳む。昨晩は少し雨が降ったようだが、今朝も良く晴れている。
今回の山行は本当に天気に恵まれた。標高を下げるにつれ、だんだんと汗ばむようになってくる。大門沢小屋で休憩をとってから11時には下山し、5日間の山行を終了した。
下山後は奈良田の「女帝の湯」にて汗を流す。平日というのに意外に人が多い。お湯はとろとろで温め、長めに入るにはちょうど良い湯加減だった。
懐かしく拝読させて頂きました(^ ^)
18キロの装備で行かれたので凄いです。僕はあまり経験無いので、雪投沢の下部の倒木地帯とか、池の沢池までの登りとか(僕は下り)苦労しました😅
丹沢24の新参者です(^ ^)
遅レスですいません。
今回の計画の際にshin0609さんの記録も、とても参考になりました。
今回は小屋、テントで過ごす時間を楽しもうと思って長めにいってきました。
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