観音沼駐車場から三本槍岳、大峠、流石山、大倉山、三倉山周回
- GPS
- 10:49
- 距離
- 28.7km
- 登り
- 1,896m
- 下り
- 1,909m
コースタイム
- 山行
- 9:41
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 10:40
天候 | 霧雨後曇り後晴れ 微風・無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
全般: 歩行距離が29km弱と1日の行程としては長いので、早立ちが必須。途中に水を得られる所もない。 観音沼駐車場から林道終点: アスファルト舗装の林道歩き。日暮滝の展望所付近までは問題ないが、その先は路肩が崩れている箇所もあった。 林道終点-鏡ヶ沼-三本槍岳: 鏡ヶ沼の西側分岐までは特に問題なかったが、東側分岐に至るまでは登山道が笹に覆われる箇所が多く、雨中や雨後だけでなく、朝露が着いている時間は全身びしょ濡れになる。また稜線に上がる直前にはロープがかけてあるが、ここも笹が濃くて笹をかき分けながら急傾斜地をロープを使いながら登るので、大変。 三本槍岳-大峠: 特に問題なし。晴れれば展望が良いはず。 大峠-三倉山: 大峠から登った後はお待ちかねの稜線歩きが楽しめる。那須連峰がよく見える。危険なところは特に見られず。登山道も明瞭。 三倉山-唐沢山-登山口 三倉山から唐沢山までは笹により登山道が一部不明瞭な箇所あり。踏み跡は着いているので完全に道に迷うことはないと思うが、慎重に進むしかない。また笹は結露している所が多くて、特に下半身が濡れると思う。唐沢山より先は急傾斜の下り。この時期特有かもしれないが、濡れ落ち葉が一面に敷き詰められていて、滑り易いことこの上ない。足を滑らせた回数は数えきれず、尻餅も何度かついた。 登山口-観音沼駐車場 約6kmのアスファルト道路歩き。田園風景はきれいだが、普通の道路を歩くだけ。しかも観音沼駐車場へ向けては登りになるので、最後の最後がつらい。 |
写真
感想
那須の三本槍岳は、主に秋と冬に何度か登っていて、天気が良いときに山頂からよく見える西方の山がずっと気になっていた。今回その山を歩いて来たが、総歩行距離は30km弱もあって、1日で歩き切るにはやはりなかなか骨が折れた。
観音沼の駐車場には4:15に到着。クルマの数は数台のみ。ここまでの道中は星も見えていて天気は良さげだったが、駐車場に近付くに連れて天候は悪化し、小雨の舞う状態だった。朝のうちは天気は良くないとは思っていたが、本当に霧雨とは。仕方ないのでレインジャケットを着て行くことに。4:27真っ暗な中出発。ヘッドライトを点灯させて林道を詰める。傾斜は大したことはないのでそこそこのペースで歩ける。周囲には野生の鹿が多く、時折目が光ったり、鳴き声が聞こえたりした。霧雨は相変わらず。長い林道歩きなのは分かっていたが、途中路肩が崩れていて工事中の箇所もあり、気が抜けなかった。2時間弱かけて林道の終点までたどり着くも、雨は出発時よりも強くなっていた。しかも風が音を立てている。ここで休憩してパンを食べるが、もう帰りたい気分。レインパンツも履くか少し迷うがそのままで出発。この天気なら三本槍岳はパスして大峠に直接行こうかとも思ったが、天候は回復するはずと信じて鏡ヶ沼へ向かう。しかし天候は良くならず、しかも足下は笹がたっぷり水気を持っていて、歩く度に足下が濡れる。ゴアテックスのスパッツは巻いていたが、浸水は時間の問題と思われた。7時過ぎに鏡ヶ沼に到着するも雨とガスで何も見えない。残念。それよりもここまでの笹藪歩きで足下がすっかり濡れてしまった。いささか遅きに失した感はあるが、ここでレインパンツに履き替える。最初からそうしていれば良かったのだろう。
ここから先は等高線を突っ切るようにして稜線へ上がる。ロープが張られた急斜面を登るのだが、ここも笹が生い茂っていて大変難儀した。やはり三本槍はパスしていれば良かったかも、と思った。這々の体で稜線に上がるも視界はゼロ。樹氷ができるくらいに冷え込んでいた。大峠の分岐を過ぎ、8:02に三本槍岳に到着。無人。何度も来ている三本槍岳だが、完全に無人はこれが初めてではなかろうか。これだけ天気が悪ければ、わざわざ来ようとする人は確かに少数派だろう。いつも気になっていた西側の山々、流石山、大倉山、三倉山の姿は全く見えなかった。やはりもう帰りたい気分。分岐まで戻りその後は大峠に向けて下る。下り始めると時折ガスが取れて峠付近が見えるようになる。少しやる気が出てくるが、それでもこの時点では大峠から下山する気が半分くらいあった。景色がよく見えぬままに9時ちょうどに大峠に到着。三本槍岳山頂のように寒くもないので、ここで大休止とする。流石山方向に上がるか、それとも元来た道を戻るか逡巡するも、天候は回復する予報だったし、何より回復の気配が感じられたため、初志貫徹することに。
大峠からの登りは緩く、きついところは特になかった。天気が良ければ色々見えたのだろうが、この時点ではまだ峠の付近がちらちら見える程度。しかし時間の経過と共に雲が取れ始め、青空も臨めるようになってきた。そして、振り返ると時折雲間から那須の山々が見えるようになってきた。那須連峰の展望台だと思った。この時点ではだガスが残っていてすっきりは見えなかったものの、この先は晴天に期待が持てそうだった。また、自分が歩いている稜線に目を移すと、北側の斜面には樹氷が付いているところもあり、白くてきれいだった。大峠から帰らないで良かった。既に気温の上昇で溶けて落ち始めているところも多かった。9:58に流石山に到着。天候は、早朝の霧雨が嘘のように回復していた。大峠から林道歩きをして戻らなくて良かった。次のピークは大倉山。回復した天候のもと、良い稜線が続き、気分も良い。同じ時期に谷川岳の縦走もしたことがあったが、雰囲気が何となく似ている気がした。那須連峰に目をやると、既にガスはなくなり茶臼岳や、朝通過してきた三本槍岳がよく見えた。三本槍岳は、山頂付近が白っぽかったのは、樹氷がついていたためだろう。時間の経過と共に黒くなっていた。気分最高の中歩き10:52大倉山に到着。稜線は良いし展望も良いが登山者の姿はほとんどなく、途中で1パーティ追い抜いたのみ。ほぼ貸し切りと言っても良いだろう。稜線歩きと那須の展望を楽しみつつ先に進む。アップダウンも大きくなく、三本槍岳から見た山並みは、これだったのか、と思わずにはいられなかった。今日は朝全く見られなかったのは残念だ。
11:31の三倉山に到着。那須もだいぶ遠くなったがまだ見える。好天の日に反対方向から歩けば、ずっと那須の山々を見ながら歩けるのだろう。三倉山にて休憩して食料を減らす。ここから先も快適稜線歩きかと思ったが、予想とは異なった。まず登山道が一部不明瞭になる。笹で覆われている箇所が多くて足下が見えないところがあった。踏み跡があるのでコースを完全に見失うことはなかったが、これまでの快適な歩きとは異なった。また、こちらのほうが困ることだったのだが、早朝に笹藪で盛大に濡らしてびしょ濡れになったシューズの中は、乾いた稜線歩きで乾きかけてきたものの、再び笹の中を歩いたため、再度しっかり濡れてしまった。歩く度にちゃぷちゃぷ音がするようで、行動中に乾かすことは最早諦めざるを得なかった。今日は長い時間足を濡らした状態で歩かねばならず、足裏の状態が気になるが、今はとにかく下山しなければならないので、慎重に先に進むことにした。12:18に唐沢山に到着。山というよりは下降点といった雰囲気だった。ここから先は急傾斜の下り。しかも濡れ落ち葉が一面に敷き詰められているようで、どこをどう歩いても滑り易く、容易ではなかった。しかもその濡れ落ち葉の下に木の枝が隠れていることが多く、それに気付かずに載ってしまい、何度も尻餅をつくことに。見えないので注意のしようもなく、しんどい下りだった。登りのほうがスリップする可能性は低いかもしれないが、その場合、かなりの急登の歩くことになり、それはそれで大変だろうと思った。12:47に中間点の標識を過ぎても急傾斜は飽きることなく続いた。既に8時間以上歩いていて疲労も蓄積しており、転ばないよう滑落しないように歩くので精一杯だった。しかも周囲に人の気配はなく、本当に熊が出そうで、意識的に熊鈴を振って鳴らしながら歩いた。登山道は途中で尾根から外れて西側のほうに逸れるが、この道が途中分かりづらいところがあり、時々マーキングを探すこともあった。ピンクのマーキングがなかったら結構嫌らしいところも散見された。それでも何とか下り切って安全圏に出、登山口には13:51に到着。ここまでくれば安心だが、この先まだ6kmの車道歩きが待っている。道がよく分からないので、スマホのナビで歩こうかと思ったが、長時間ザックに入れておいたら、低温のために電圧が上がらずアウト。ハンディGPSと地図を見比べて歩くことになった。橋を渡ればあとは駐車場まで道路一本なので容易だが、ずっと緩い登りで案外きついのと、観音沼の散策を終えたと思われるクルマが横をバンバン通り抜けて行くので気が気ではなかった。アスファルト歩きにも飽きた頃に観音沼の駐車場に無事到着。15:08なので、行動時間は約10.5時間となった。帰り支度をしていると、再び雨が落ちてきた。良い間にゴールできたようだった。
長年歩きたかったコースを歩き切れたので満足度は高いが、前半の林道と後半の車道歩きは面白味がない。周回で歩くことはもうないと思うが、大倉山はキスゲが咲くようなので、7月にでも機会があれば訪れてみたい。
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