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Yamareco

記録ID: 275819
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
白馬・鹿島槍・五竜

餓鬼岳 (マムシ平より)

2013年03月07日(木) ~ 2013年03月10日(日)
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
76:36
距離
35.8km
登り
2,341m
下り
2,393m
歩くペース
ゆっくり
1.41.5
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

◆3/7 
7:10 アルプスあずみの公園入口
10:05〜45 マムシ平
13:40〜14:00 約1450m
16:05 1662m先テン場(C1)

◆3/8
7:30 テン場(C1)
8:30〜45 約1770mポコ
9:25〜35 1825m
12:00〜15 2063m
14:00〜15 夏道尾根
14:40 テン場(C2)

◆3/9
8:00 テン場(C2)
9:40 肩(約2550m)
10:20〜30 餓鬼岳
10:40 肩
11:10〜12:15 テン場(C2)
12:30 夏道尾根分岐
13:05〜15 2063m
14:20 約1770mポコ
14:50 テン場(C3)(C1と同じ)

◆3/10
6:50 テン場(C3)
8:10〜20 約1450m
9:00〜15 マムシ平
11:00 アルプスあずみの公園
11:35 安曇沓掛駅
天候 3/7 晴れ時々くもり
3/8 小雪のち雪
3/9 快晴!(風強い)
3/10 雨
過去天気図(気象庁) 2013年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 自家用車
国営アルプスあづみの公園へのメイン道路から乳川谷林道入口にゲートあり。
このゲートは可動式なので、その時によって位置は変わると思われます。
行きはゲートまで車で送ってもらいました。
帰りは大糸線の安曇沓掛駅まで歩きました。
大糸線は平均1時間に1本程度です。
コース状況/
危険箇所等
◇概要
古い(20年くらい前)「山と高原地図」を眺めていたら、餓鬼岳と大凪山の間の2235m点から南東に伸びる尾根に薄い破線があるのを発見。破線があるのは上部約1kmのみだが、この尾根を辿っていくとマムシ平に降り着きます。マムシ平には林道が伸びているので、きっと昔は道があったに違いない…と考え、このルートにチャレンジしてみました。ちなみに最近の地図には破線は載っていません。

マムシ平から先はずっと尾根で、とくに難しい箇所はありません。ただヤブ漕ぎとラッセルで体力と忍耐力を必要とします。ラッセルはその時の状況によりますが、ヤブは確実にこのルートの核心となります。また、餓鬼岳の基部までは深い針葉樹林帯なので、展望はなく単調です。

◇アルプスあづみの公園〜マムシ平
この間は林道で、ある程度の積雪が予想されたのでスキーを使います。
ツボ足よりは格段に楽で早いと思われますが、登山靴を背負わなければいけないのが難点です。
この林道は冬でもある程度まで仕事の車が入るようです。ジムニーにチェーン装着でした。

マムシ平の先で乳川を渡る橋は倒壊しています。行きは橋から飛び降りましたが、帰りは登れないので川をジャブジャブ歩くことになります。

◇マムシ平〜1662m付近
林道を少し進んでから杉の植林に突っ込み、適当に斜面を登ります。この斜面は結構な急斜面です。この日は気温が上がって雪がグズグズになり、ワカンを履いていても股まで埋まることも…。踏んだ穴を何度も埋戻して足場を作るという地道な作業を繰り返しながら進むことになります。

1500m付近から先は痩せ尾根になります。さらにシャクナゲの密度が高くなり、かいくぐるのに労力を要します。シャクナゲは無雑作に縦横無尽に枝が伸びていて、しかも枝が堅いので、強引に抜けようとしても跳ね返されます。丁寧に一つずつかき分ける必要があります。ワカンやザックはもちろん、ストックの輪っかが引っ掛かってストレスに感じます。

◇1600m付近〜夏道の通る尾根
この尾根は平坦地と急斜面を繰り返すのが特徴です。この様子は大町からもよく見ることができます。平坦地やその周辺には幕営適地があちこちにありました。平坦地は雪が意外と締まっておりラッセルはヒザ下ですが、急斜面になるとスカスカ雪になり股までハマるようになり苦労します。概ね1時間に100m(標高差)くらいのペースで進みました。このあたりはその日の状況により所要時間が大きく変わるものと思われます。

◇夏道の通る尾根〜餓鬼岳
しばらくは針葉樹の尾根ですが、餓鬼岳本体の登りにかかる頃からダケカンバ林になります。傾斜は強く、ラッセルも深いので正念場です。ただロケーションがよく、登るにつれて展望が開けてくるので気が紛れます。ここまでほとんど展望がなかっただけに…。

2550m付近が餓鬼岳の肩に当たります。ここからは雪稜となるのでアイゼン&ピッケル。この日は強風で雪煙が上がりまくって辛い区間でした。餓鬼岳の山頂は最高の展望です。朝は見えていた遠くの山は黄砂の影響か、山頂に着く頃には霞んでしまいました。

◇下り
登りの時間の○分の1のスピードで下れますが、平坦地が多いのと踏み抜きが多いので意外とはかどりませんでした。とくに痩せ尾根とシャクナゲ密林地帯は下りといえども労力を要しました。

こちらのHPでも記録をアップします。
http://buna-pow.com/
こんなアホみたいな格好でスタートです
2013年03月10日 21:15撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:15
こんなアホみたいな格好でスタートです
カラマツ並木を進みます
2013年03月10日 21:16撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:16
カラマツ並木を進みます
山の神の鳥居あり
2013年03月10日 21:19撮影 by  PX , RICOH
3/10 21:19
山の神の鳥居あり
マムシ平の先で乳川を渡りますが、橋が倒壊しています。
2013年03月10日 21:20撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:20
マムシ平の先で乳川を渡りますが、橋が倒壊しています。
行きはここを飛び降りることができますが、帰りは登れないので渡渉することに。
2013年03月10日 21:20撮影 by  PX , RICOH
3/10 21:20
行きはここを飛び降りることができますが、帰りは登れないので渡渉することに。
林道から杉の植林地に突っ込みます。
2013年03月10日 21:20撮影 by  PX , RICOH
3/10 21:20
林道から杉の植林地に突っ込みます。
尾根筋にはなぜか金網が…
2013年03月10日 21:20撮影 by  PX , RICOH
3/10 21:20
尾根筋にはなぜか金網が…
シャクナゲの密林をかいくぐるのが大変でした。
2013年03月10日 21:23撮影 by  PX , RICOH
3/10 21:23
シャクナゲの密林をかいくぐるのが大変でした。
1日目のテン場。1662mから20mほど下に降りた平坦地です。
2013年03月10日 21:23撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:23
1日目のテン場。1662mから20mほど下に降りた平坦地です。
急な登りは雪がグズグズで体力を消耗します。
2013年03月10日 21:23撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:23
急な登りは雪がグズグズで体力を消耗します。
大町。
2013年03月10日 21:23撮影 by  PX , RICOH
3/10 21:23
大町。
昔の道標でしょうか…?
2013年03月08日 12:38撮影 by  PX , RICOH
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3/8 12:38
昔の道標でしょうか…?
雪庇の上が夏道の尾根です。この登りが急で疲れました。
2013年03月10日 21:25撮影 by  PX , RICOH
3/10 21:25
雪庇の上が夏道の尾根です。この登りが急で疲れました。
夏道の尾根に乗りました。
2013年03月10日 21:25撮影 by  PX , RICOH
3/10 21:25
夏道の尾根に乗りました。
下降点が不明瞭なので目印を作っておきます。
2013年03月10日 21:25撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:25
下降点が不明瞭なので目印を作っておきます。
2日目のテン場。
2013年03月10日 21:25撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:25
2日目のテン場。
3日目にして初めてまともに餓鬼岳が見えました。
2013年03月10日 21:26撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:26
3日目にして初めてまともに餓鬼岳が見えました。
ここを境に餓鬼岳本体の登りとなります。
2013年03月10日 21:26撮影 by  PX , RICOH
3/10 21:26
ここを境に餓鬼岳本体の登りとなります。
乳川谷の中沢と北沢の源頭
2013年03月10日 21:27撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:27
乳川谷の中沢と北沢の源頭
大町の平と北信の山々
2013年03月10日 21:27撮影 by  PX , RICOH
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大町の平と北信の山々
百曲り付近はカンバがいい感じ。
2013年03月10日 21:27撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:27
百曲り付近はカンバがいい感じ。
スキーで滑ると気持ちよさそうです。
2013年03月10日 21:27撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:27
スキーで滑ると気持ちよさそうです。
これを登り切ると餓鬼岳の肩の部分になります。
2013年03月10日 21:27撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:27
これを登り切ると餓鬼岳の肩の部分になります。
餓鬼岳の肩です。山頂は目の前。
2013年03月10日 21:28撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:28
餓鬼岳の肩です。山頂は目の前。
餓鬼岳の東斜面
2013年03月10日 21:28撮影 by  PX , RICOH
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餓鬼岳の東斜面
唐沢岳と立山連峰
2013年03月10日 21:29撮影 by  PX , RICOH
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唐沢岳と立山連峰
餓鬼岳山頂へと続く快適な雪稜
2013年03月10日 21:29撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:29
餓鬼岳山頂へと続く快適な雪稜
風が強かったのでキレイなシュカブラができていました。
2013年03月10日 21:29撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:29
風が強かったのでキレイなシュカブラができていました。
強風にあおられながら餓鬼岳を目指します。
2013年03月10日 21:30撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:30
強風にあおられながら餓鬼岳を目指します。
山頂はもうそこ。
2013年03月10日 21:30撮影 by  PX , RICOH
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山頂はもうそこ。
積雪期の餓鬼岳に到着です!
2013年03月10日 21:30撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:30
積雪期の餓鬼岳に到着です!
常念山脈
2013年03月10日 21:33撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:33
常念山脈
槍・穂高と黒部源流の山々も
2013年03月10日 21:33撮影 by  PX , RICOH
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槍・穂高と黒部源流の山々も
野口五郎岳他、裏銀の山並み
2013年03月10日 21:33撮影 by  PX , RICOH
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野口五郎岳他、裏銀の山並み
唐沢岳へと続く尾根。遠景は裏銀と立山連峰。
2013年03月10日 21:33撮影 by  PX , RICOH
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唐沢岳へと続く尾根。遠景は裏銀と立山連峰。
立山・剣や針ノ木岳
2013年03月10日 21:33撮影 by  PX , RICOH
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立山・剣や針ノ木岳
鹿島槍と遠くは頸城の山々
2013年03月10日 21:33撮影 by  PX , RICOH
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鹿島槍と遠くは頸城の山々
安曇野。霞んでしまいました。
2013年03月10日 21:34撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:34
安曇野。霞んでしまいました。
下ります。
2013年03月10日 21:34撮影 by  PX , RICOH
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下ります。
ポカポカなので干しまくります。翌朝にはまた濡れることになるんですが…
2013年03月10日 21:34撮影 by  PX , RICOH
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ポカポカなので干しまくります。翌朝にはまた濡れることになるんですが…
昔は道があったと思われます。桟橋のようなものの名残です。
2013年03月10日 21:34撮影 by  PX , RICOH
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昔は道があったと思われます。桟橋のようなものの名残です。
気温上昇で痩せ尾根部分で雪切れも…。ここをワカンで降りるのが大変でした。
2013年03月10日 21:34撮影 by  PX , RICOH
3/10 21:34
気温上昇で痩せ尾根部分で雪切れも…。ここをワカンで降りるのが大変でした。
暖かいせいか行きよりも水量が増えていました。飛び石で渡ります。
2013年03月10日 21:34撮影 by  PX , RICOH
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3/10 21:34
暖かいせいか行きよりも水量が増えていました。飛び石で渡ります。
林道はかなり雪解けが進んでいました。
2013年03月10日 21:34撮影 by  PX , RICOH
3/10 21:34
林道はかなり雪解けが進んでいました。
本降りの中やっとスタート地点到着。
2013年03月10日 21:35撮影 by  PX , RICOH
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本降りの中やっとスタート地点到着。
荷物は橋に置いて、空身で安曇沓掛駅へ。自宅に戻ってから車で荷物を回収しました。
2013年03月10日 21:35撮影 by  PX , RICOH
3/10 21:35
荷物は橋に置いて、空身で安曇沓掛駅へ。自宅に戻ってから車で荷物を回収しました。
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コメント

はじめまして
記録読ませていただきました

自分は年末に同じルートで餓鬼を目指したのですが、わずか1500m付近で引き返してしまいました。
雪も深くシャクナゲの密生に耐えられませんでした

素晴らしい記録だと思います
2013/3/11 23:16
Re: はじめまして
KitaNoboru さま

実は2シーズン前(2010年)の年末に同じコースにチャレンジして、夏道の通る尾根の直前までで敗退しています。

積雪期の餓鬼岳に登るルートとしてはベストだと思いますが、ヤブが多く展望なしのパッとしない尾根なので人気は出ないでしょうね…。
2013/3/12 15:54
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