大阪マラソン2020 VIRTUAL
- GPS
- 09:00
- 距離
- 67.8km
- 登り
- 2,057m
- 下り
- 2,020m
コースタイム
- 山行
- 8:29
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 9:00
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
壮年が過ごす非凡な日曜日
〜大阪マラソン2020 VIRTUALってこんな壮絶な冒険ちゃうと思う〜
ゴールは大阪城じゃなくて六甲山頂。
5分/kmで3.5時間を狙う。苦楽園の駅まで30劼らいなので、そこから12kmは怒涛の登り区間。少しでも貯金が欲しかったのだが、信号待ちと歩道橋、そして帰りのお風呂セットを背負った悪条件に意外と苦戦して、なかなかペースが上がらない。
このチャレンジは「MOUSOU-妄想-」というアプリに記録される。アプリを立ち上げると、山下アナウンサーの軽快な解説と、瀬古利彦さんの有り難い実況が流れ、沿道からは声援が飛ぶ仕組みだ。さらに5kmごとに大阪マラソン応援団長の森脇健児が「元気!やる気!モリワキ!」と言って登場してリラックス(?)させてくれる。アプリでは、1kmごとのラップタイムを分析し、瀬古さんがアドバイスをしてくれるといった優れもの。しかも事前に登録したニックネーム名で山下アナと瀬古さんが
「今大会で最も注目のカワハタ選手」
と、めっちゃ褒めてくれる。森脇団長は相変わらず、乳首にバンソウコウ!と言い続けリラックスさせてくれている。沿道の声援も大阪マラソンさながらで、
スタート直後なのに「あと42キロやで」とか、
終盤になると「しんどいんやったら代わりに走ったろか」
といった、大阪のリアル野次が飛んでくる。山下アナは大阪の名所を解説しながら、瀬古さんの輝かしい栄光に鋭く突っ込みを入れ、コースコンディションまで教えてくれる。一人で走っているのに飽きない、なかなか面白いイベントだ。これならいけるかも、と考えていたが、コース実況とは裏腹に、現実のゴールは大阪城ではなく六甲山頂だ。35劼忘垢軍櫃り、瀬古さんから
「ここからがマラソンですよ!大阪城が見えてきました。頑張れ」
と背中を押してくれるが、もちろん大阪城は見えてこない。見えてきたのはうっすらと積もる雪と、立ちはだかる急勾配の峠道。しばらくロードバイクの方と並走していたので、何とかついていこうと踏ん張っていたが、ひときわ声援が大きくなり、山下アナが「いよいよゴールです」と、ゴールシーンを盛り上げる。その時、「ピシッ」右足のふくらはぎに激痛が走り、最後は足を引きずりながらのゴール。目標の3.5時間以内には届かなかったが、最後まで集中して走ることができた。
と、満足している場合ではない。
辺りは明らかな雪国。ここは六甲山頂である。激痛の右足ふくらはぎの痛みは気のせいだと言い聞かせ、下山方法を探る。まずは六甲ガーデンテラスに行き、温かいうどんで冷えた体を温め、摩耶山掬星台までたどり着いたら、本当のゴールは見えてくる。下山プランは固まった。いざ、ガーデンテラスへ。
「冬季休業中」
しまった、閉まっている。なんてことだ、下山プランの出鼻を挫かれ、鼻水が止まらない。こんなところで立ち止まっていたら凍えてしまう。とにかく高度を下げないと。自販機で手に入れた温かいコーンスープを片手に掬星台を目指す。徐々に雪が少なくなってくるが、鼻水は止まらない。脱水しそうだ。すれ違うトレイルランナーたちも短パン姿はいない。そういえば、サンダル姿のランナーとすれ違ったが無事に六甲山頂までたどり着いたのだろうか。人のことを心配している場合ではない。何とか掬星台に到着すると、冬特有の澄み渡る絶景が拡がる。ふと時計を見るとまだお昼すぎだ。このまま下山しても、湯遊び広場はオープン前。
どうする、もう一本行っちゃう。
絶景を見て元気になった貧乏性の本能が暴走し始めた。アゴニー坂↑黒岩尾根↓天狗道↑20クロス↓摩耶山を堪能するとカラスが鳴き始めた。やっぱり足が痛い、ぼちぼち帰ろう。下山途中、いつもの貯水池で水分補給しようとしたが、池の水が半分まで減っている。水道の蛇口をひねるが水が出ない。いつもは躍動感溢れる布引の滝も、ほつれた糸のように枯れている。
そういえば、virtual大阪マラソンで優勝したのはエチオピア出身のドンツキヒ・ダリ選手だって山下アナが言ってたなー。二宮温泉に向かう直線道路の突き当たりを左ではなく右に曲がり、本当のゴール、湯遊び広場二宮温泉に到着した。冷えたカラダを温め、ビールでまた冷やす。記録にも記憶にも残る冒険が幕を閉じた。
あっという間に過ぎ去った2020。どれだけ振り返っても失われた日常は戻ってこない。肝心なのは次の一歩。一歩の積み重ねが目指すべき未来へ繋がることはランニングが教えてくれた。明日になればきっと激しい筋肉痛で後悔するだろう。鼻水の垂らし過ぎによる軽い脱水症状で頭痛と吐き気がするかもしれない。それでも前を向き、走り続ける。苦しい分だけ強くなれる自分を信じて。ありがとう2020!
コメント
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vonさん、こんにちは!
ウィットの効いた感想、一気に読ませて貰いました。
比類なき脚力と臨機応変な行動力、とても感動しました。
最高(のアホ)ですね
Kumainkobe ฅʕ·ᴥ·ʔฅ
最&高の誉め言葉ありがとうございます!
来年も驚きと感動と笑いと涙を求めて突っ走ります
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