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記録ID: 2828489
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積雪期ピークハント/縦走
飯豊山

棒掛山(越後百山)〜水沢集落より南東尾根経由〜

2020年12月29日(火) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
7.3km
登り
924m
下り
922m

コースタイム

日帰り
山行
6:25
休憩
0:35
合計
7:00
7:48
217
水沢集落奥
11:25
11:50
40
850m(小休憩)
12:30
12:35
45
13:20
13:25
83
850m
14:48
水沢集落奥
・ログは手入力
・参考
「日本近代化の光と影」
草倉銅山は古河財閥が持倉銅山とともに最初に手掛けた鉱山の一つであった。草倉銅山は棒掛山の西方2kmにある土倉山(625m)の南斜面に開削された。最盛期には六千人が暮らし学校や病院もあり会津藩随一の規模を誇ったという。採掘された粗銅は近くの阿賀野川の船運で出荷された。また磐越西線(鹿瀬駅)が敷設されたのは草倉銅山の存在が大きかったといわれている。川港だった場所には鹿瀬ダムが建設され、その電力と船運を利用して昭和電工鹿瀬工場が建設される。当初は石灰岩を原料にした化学肥料を製造し戦後には従業員二千人以上の大工場になった。高度成長期には主力であった有機化学製品の製造過程で出た有機水銀が阿賀野川に流出し鉱毒が問題となり、社会に光と影を落とすことになる。
(文献)「阿賀野川 え〜とこだより」(第22号) 発行:新潟県
天候 曇り
過去天気図(気象庁) 2020年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
集落奥の長走林道起点より500mまでなんとか車両で入れる
コース状況/
危険箇所等
棒掛山の南東斜面は特に750〜800mが雪崩の起きやすい急斜面なので状況に応じてコースどりに注意。
その他周辺情報 かのせ温泉「赤湯」、今年7月より阿賀町町営で営業再開。
赤褐色の源泉かけ流しのお湯は熱いことで有名。苦手な方でも露天風呂なら大丈夫です。
水沢集落の奥より林道が始まる。積雪少なくここから500m先まで車両で入れる。
水沢集落の奥より林道が始まる。積雪少なくここから500m先まで車両で入れる。
スタート地点からしばらく積雪なし。水沢沢沿いに歩を進める。
スタート地点からしばらく積雪なし。水沢沢沿いに歩を進める。
橋を渡ると積雪が増えてくる。スノーシュー装着。
橋を渡ると積雪が増えてくる。スノーシュー装着。
オウトウ沢そばの開けた場所に出る。ここから左の尾根(棒掛山南東稜)に取付き
オウトウ沢そばの開けた場所に出る。ここから左の尾根(棒掛山南東稜)に取付き
尾根下部はかなりの急登。早朝まで小雨が降っていたためグサグサの雪質。
尾根下部はかなりの急登。早朝まで小雨が降っていたためグサグサの雪質。
一旦斜度が緩むと前方に壁のように聳える南東稜が見えてくる。
一旦斜度が緩むと前方に壁のように聳える南東稜が見えてくる。
振り返ると竹ノ倉山(右)と大段山(左奥)が見える
振り返ると竹ノ倉山(右)と大段山(左奥)が見える
徐々に勾配は増し何度か雪崩斜面を横切る。スノーシューでも30センチ以上沈むラッセル。
徐々に勾配は増し何度か雪崩斜面を横切る。スノーシューでも30センチ以上沈むラッセル。
阿賀野川流域の兎ヶ倉山が良く見える。
阿賀野川流域の兎ヶ倉山が良く見える。
標高750〜800mが核心部の激坂(斜度50度以上)。右の尾根筋に這い上がる。
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標高750〜800mが核心部の激坂(斜度50度以上)。右の尾根筋に這い上がる。
標高800mを過ぎると少し斜度が緩み、ホッと一息。
標高800mを過ぎると少し斜度が緩み、ホッと一息。
850mを過ぎるとなだらかな尾根歩き。天然杉が並木状に現れる。
850mを過ぎるとなだらかな尾根歩き。天然杉が並木状に現れる。
水沢集落と鏡のような阿賀野川を見下ろす。
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水沢集落と鏡のような阿賀野川を見下ろす。
立派な天然杉を見上げる
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立派な天然杉を見上げる
兎の足跡を辿って山頂(左奥)を目指す。
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兎の足跡を辿って山頂(左奥)を目指す。
細尾根の登りで振り返る。倒れた木の上を通過していたようだ。
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細尾根の登りで振り返る。倒れた木の上を通過していたようだ。
山頂直下のブナ林の広がる緩斜面。
山頂直下のブナ林の広がる緩斜面。
山頂と思われる最高地点。標識や赤布などない。
山頂と思われる最高地点。標識や赤布などない。
山頂からは南側が開けている。ガスのためビールノカッチを周回せず、そのまま往路を下山とする。
山頂からは南側が開けている。ガスのためビールノカッチを周回せず、そのまま往路を下山とする。
左の三角の峰はビールノカッチ、奥の飯豊連峰は最後まで雲の中。
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左の三角の峰はビールノカッチ、奥の飯豊連峰は最後まで雲の中。
前方に兎ヶ倉山を見ながら
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前方に兎ヶ倉山を見ながら
たなびく雲と兎ヶ倉山
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たなびく雲と兎ヶ倉山
御神楽岳
下るにつれ、尾根は細く急に。前方に見える竹ノ倉山は目印。
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下るにつれ、尾根は細く急に。前方に見える竹ノ倉山は目印。
核心部はやや南側のラインをステップを切りながら下る。
核心部はやや南側のラインをステップを切りながら下る。
時々下が見えなくなり緊張感が高まる。
時々下が見えなくなり緊張感が高まる。
隣りも雪崩斜面。さらに南へ迂回して核心部をクリア。
隣りも雪崩斜面。さらに南へ迂回して核心部をクリア。
ここまでくれば一安心
ここまでくれば一安心
山頂方面を振り返る
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山頂方面を振り返る
途中、杉林をショートカットし林道へ降り立つ。
途中、杉林をショートカットし林道へ降り立つ。
やはり軟雪の下りは速い。スタート地点が見えてきた。
やはり軟雪の下りは速い。スタート地点が見えてきた。
中村集落付近から望む棒掛山。下山すると晴れるの法則!
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中村集落付近から望む棒掛山。下山すると晴れるの法則!
鹿瀬温泉「赤湯」に立ち寄り身体を温める。
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鹿瀬温泉「赤湯」に立ち寄り身体を温める。
鹿瀬ダムから望む棒掛山
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鹿瀬ダムから望む棒掛山
麒麟山温泉から望む飯豊連峰(大日岳)と棒掛山(左奥)。右は引入沢山。(元サイズ)
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麒麟山温泉から望む飯豊連峰(大日岳)と棒掛山(左奥)。右は引入沢山。(元サイズ)
(おまけ)以下、過去画像。赤崎山から望む棒掛山。
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(おまけ)以下、過去画像。赤崎山から望む棒掛山。
阿賀野川に映る棒掛山
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阿賀野川に映る棒掛山
(おまけ)赤崎山から望む、蛇行する阿賀野川の流れ。
左端は土倉山、その手前に草倉銅山。
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(おまけ)赤崎山から望む、蛇行する阿賀野川の流れ。
左端は土倉山、その手前に草倉銅山。
(参考)草倉銅山マップ
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(参考)草倉銅山マップ
古い地図によると草倉銅山から尾根続きに棒掛山まで登山道が存在していた。(飯豊連峰大地図 昭和42年)
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古い地図によると草倉銅山から尾根続きに棒掛山まで登山道が存在していた。(飯豊連峰大地図 昭和42年)

感想

今年の登り納め登山として静かな阿賀町の薮山、棒掛山に登ってくる。水沢集落の奥からスタートして棒掛山の南東尾根を登る。もちろん距離は短いが急勾配を覚悟の上。核心部は標高750〜800m付近、雪崩の巣のような状況になっており状況によっては迂回しなければならない。幸い、重くて摩擦の大きい雪質のため流動性は悪くそれほど危険は感じずに脇を通過できた。
天候の回復は遅れ、山頂からの期待していた飯豊の展望はお預けとなったが、滔々と流れる阿賀野川流域の水墨画のような風景を楽しめた。

下山後、天気は急速に回復し棒掛山はその全貌を現す。麒麟山温泉からは夕日に染まる大日岳が阿賀野川の上流に神々しく聳えていた。来年こそは悪い疫病が終息し良い年になるよう願うばかりだ。

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コメント

ありがとうございました
阿賀野川の船運。わが集落にも「茶屋」なる屋号の民家在リです。イザベラ・バード奥地紀行の時代を彷彿させます。
しかし、この半世紀において地球規模で、ここまで大変革が起きようとは。よほどの予言者でもない限り、想像できなかったと思います。
当地、予報とは違い穏やかな大晦日となっております。
来年も刺激的なレコ、待ってます。って言っても烏帽子、裏川よりも っていうのは期待してない というか ヤメて マジで(笑
良いお年をお迎えください。
2020/12/31 18:24
Re:
quin_hed 様、貴重なコメントありがとうございます。
明治期に阿賀町から阿賀野川を下って新潟市に滞在した英の旅行家イザベラ・バード。ちょうど本尊岩を通過した際「阿賀野川はライン川より美しい」との名言を残しています。草倉銅山はまだ行ったことがないですが持倉銅山の産業遺構(精錬所跡など)は状態も良くとても良かったです。
裏川からの烏帽子山は日程がぎりぎりで無理があったのがリスク発生のそもそもの原因。暗くなってからの無理な行動は厳に自粛すべしでした(^^;)
2020/12/31 21:31
プロフィール画像
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