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Yamareco

記録ID: 289452
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
富士・御坂

足和田山ー三湖台ー王岳ー水ノ沢山ー滝戸山縦走

2013年04月27日(土) ~ 2013年04月28日(日)
 - 拍手
GPS
29:55
距離
46.3km
登り
2,401m
下り
2,995m

コースタイム

1日目:富士急ハイランド(9:45)-大田和(11:15)-足和田山(12:05)-三湖台(12:45-12:55)-紅葉台(13:05)-竜宮洞穴(13:30)-根場民宿(14:05-14:15)-王岳(15:50)

2日目:王岳(4:55)-鍵掛峠(5:40)-鬼ヶ岳(6:20-6:25)-水ノ沢山(7:40-7:50)-中芦川山(8:10)-新林道(8:45)-芦川林道(9:15)-鶯宿峠(10:30)-滝戸山(10:50-11:00)-狢山(12:15)-藤垈(13:05)-酒折駅(15:40)
天候 1日目:快晴
2日目:快晴
過去天気図(気象庁) 2013年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
行き:横浜駅〜富士急ハイランド(富士急行バス)
帰り:JR酒折駅

感想

水ノ沢山は、めずらしい山だ。昭文社の登山地図「富士山・御坂・愛鷹」にルートが記載されているのに、ヤマレコに1件も記録が載っていない。こんな山は、全国でもこの山だけかもしれない。

今回は、人々から忘れられてしまったような、この水ノ沢山を目指すことにした。日帰りでも行けなくは無さそうだけれど、久しぶりにテントを背負ってのんびりと縦走したい。ルートを色々と考えた結果、河口湖方面から北に抜けるルートを考えついた。

■1日目
横浜駅から、河口湖行きの富士急行の高速バスに乗り込む。電車を乗り継いで行くよりも500円も安い。
学生を満載したバスは、GWの渋滞で30分ほど遅れて富士急ハイランドに到着。
ほとんどの乗客が下車するも、当然ながら登山者は私だけ。大きなザックを背負っているせいで奇異の目で見られる。

富士ビジターセンターのすぐ先で、139号線から外れると、すぐに東海自然歩道の道標が目に入る。
この道は、車の通りはほとんどなく、静かな道だ。左右が広葉樹で囲まれていて、とても雰囲気がよい。時折、富士山を左手に見上げながら進む。今日は、少し肌寒いくらいの気温で、歩くのにはありがたい。

今回は水が入手できなそうなので、7Lの水を担いで来た。久々の重荷で速度は上がらないが、今日はたっぷりと時間があるから、ゆっくりと歩く。

大田和の集落に、足和田山への登山口がある。登山口まで道標多数で、迷うことはなかった。山頂までの道もよく整備されている。稜線に乗ると、すぐに懐かしい足和田山に到着。大勢のハイカーで賑わっていたので、そのまま通過して三湖台に向かう。

右下に西湖を見下ろしながら、2,3の小ピークを越えて行くと、三湖台に着いた。
この山頂は開けていて広い。ベンチに腰掛けて、雪煙が舞い上がる富士山を眺めながら、昼食とする。

店や自販機で人工的な雰囲気の紅葉台を過ぎると、脇をすごいスピードでMTBの集団が追い抜いて行った。林道からは、何故か馬が上がってくる。野外乗馬ができる牧場が下にあるらしい。

それでも、西湖方面に抜ける山道を降りて行くと、静寂が戻って来た。途中の竜宮洞穴に寄って、溶岩でできた洞穴を覗き込んでみる。まだ氷が張っている。

樹海の中の道を進み、一度、西湖に寄ってから、王岳の登山口のある根場に向かうと、多くの人が目に入った。ここは、茅葺き屋根の家が多数あって、観光地になっているようだ。
入場料350円とあるので入れず。入口の人に、鍵掛峠に向かう登山道を使う場合、登山者も入場料が必要です、と言われるが、私が向かうのは王岳なので、問題ない。

道を逸れて、王岳の道標に従って沢沿いの道に入る。何度か沢を横切るが、かなり上まで、簡易舗装の道が続いた。山道に入って急坂を登って行くと王岳に到着。ここが今日の宿だ。

誰か来るかもしれないから、17時まではテントを張らず、シートに寝転んで寛いだ。ここに泊まるのは3回目だけれど、ここからの富士山は何度見てもいい。今日の富士は、雪が少し溶けてきていて、彫が深い。今日、歩き始めた富士急ハイランドが遠くに見えた。

17時を過ぎて、登山道の上にテントを置く。いつものようにペグは打たず。今日はGWにしてはかなり寒い。冬用のシュラフにくるまって就寝。
夜中、目が覚めると外が明るい。テントから顔を出すと富士山の上に満月が見えた。

■2日目
4時前に起床。河口湖方面から少しずつ明るくなって来ている。今日も天気が良さそうだ。
少し凍ったテントをザックに押し込んで、今回の目的地の水ノ沢山に向かう。
鍵掛峠を通過して、水ノ沢山へ向かう尾根を意識しながら進むも、分岐を見逃し、そのまま鬼ヶ岳に到着。雪を冠った南アルプスがよく見える。

再度、来た道を戻る。鬼ヶ岳から30m下って10m登り返した先に分岐があるはずだと思いながら進むと、立派な分岐があった。鍵掛方面から来ると気付きにくいが、こちらからだと、鍵掛に向かう道と同じくらいしっかりした道に見える。ただし、入口には「この先通行不能」の看板が。少し心配になりながらも、そちらに入る。

しばらく立派な道が続く。70mほど下ったところに小突起があり、そこから明確に左に折れる。傾斜が緩むと、二重山稜のように右手にも平行する尾根が見えた。

1502を過ぎた辺りから伐採された木が邪魔で、段々、道が怪しくなって来た。尾根も広くなって来て、時々、道を見失う。ここは、はっきりした尾根ではないため、注意が必要だ。北に延びる尾根に乗らないようにと意識しながら進むが、踏み跡を見失ってから100mほど下った辺りで、不安になる。

右側は檜の植林帯で、木々には半透明のビニールがぐるぐると巻き付けられている。
何度もコンパスと地形を確認する。北に向かう尾根に乗ってしまっていたら、すぐ左手に尾根が見えるはずだし、しばらく北西に進み続けているから間違っていないはずだ。

しばらくすると、ビニールの巻かれた植林帯の左端に踏み跡を発見した。薄いが、規則正しくジグザグに下っていくから、人によって作られた道だろう。
その先、明瞭な尾根に乗ってしまえば、後は分かりやすい。登山地図に描かれた、沢沿いを降りる道は、それらしい踏み跡があったが、ほとんど使われていないようだ。

鞍部から10mほど登り返した所が、今回の目的地の水ノ沢山だ。プレートに書かれた山名を見て、安心する。この山は西が自然林、東が植林帯となっている。展望も無いし、人気がないのも頷けるけれど、私にとっては、混み合った山に登るよりも、ずっと楽しい。

この先は自然林になり、明るくなった。踏み跡は、ほとんどない。隣の1167ピークは、先ほどの水ノ沢山より、はっきりした山頂で、こちらの方が山頂の雰囲気がある。三等三角点があり、木に付けたプレートに「中芦川山」の薄れた文字が見えた。

この後は、このまま北に向かい、芦川の林道に降りる計画だ。北北東に向かう尾根は、薮もなく、歩きやすい。1011の先の尾根の分岐が要注意なので、1011の登り返しを見逃さないように下って行くと、様子がおかしい。なにやら左手から林道が迫ってくる。
どうやら、地形図では、中芦川山の西側で途切れている林道が、延伸してきたようだ。
林道はどんどんと近づき、結局、私が降りようとしていた尾根が林道で分断されていることに気が付く。林道の法面はコンクリが吹き付けられていて、道路までの高さは8mほどもある。
林道さえ無ければ、普通に降りられた尾根なのだが、どうしたものか。少し右往左往して、降りられる所を探すと、右手にコンクリが切れていて地面がむき出しのところがある。そこから下ることにしたのだが、斜面は60°ほどの傾斜でとてもロープなしでは降りられない。念のためにロープを持って来て良かった。しかし、支点となる木も根こそぎ抜かれていて、唯一残った切り株にロープをかけて、なんとか林道に降り立った。

林道がどこまで延びているのか、空身で未舗装の林道を南東に走って行くと、次のカーブでずっと先まで延びているのが見えた。どうも、中芦川沢沿いの林道までつながっているようだ。

林道を使っても下山できるのは分かったが、それではつまらないと、計画通り尾根を下ることにする。

尾根を北に3、40m下ると、一旦平らになり、少し登り返した。これは間違いなく1011だろう。
この先、尾根が3つに分かれる。林道に降りるには、その一番右側の、北東に向かう尾根に乗る必要がある。それ以外の尾根に乗ると、川を渡渉しないといけない。
1011から30m程下ってから、右手に意識を集中すると、北東の尾根が見えた。コンパスで方角を確認して尾根に乗る。その後、一度平らになった。これは、他の2つの尾根には無い特徴なので、間違いないことが分かる。
沢の音が近づいたと思ったら、下に道路が見えた。ここは、それほど急な斜面でなく、ロープなしで、普通に降りられた。
途中の新しい林道のお陰で、少しヒヤヒヤしたものの、なんとか下山でき、一安心する。

この後は、滝戸山経由で北に降りるだけだ。鶯宿峠まで舗装道路を進み、そこから道標に従って滝戸山に登った。ここは、一度来たことがある。次回はミズナラの林の見頃な新緑の頃に来ようと思っていたのだけれど、少し早かったようで、まだ新芽が少し見えるくらいだった。

滝戸山からの下山は、以前とは別のルートで、北の狢山経由で降りる計画だった。しかし、間違って北北西に延びる尾根に乗ってしまい、100m以上下ってしまう。狢山に向かう尾根に乗るには、北に少し降りた後、東にトラバースする必要があるのだけれど、見落としてしまった。喘ぎながら登り返し、正しい尾根に乗ってからは、下の金比羅神社に降りるまで、深くえぐれた分かりやすい道が続いた。以前はよく歩かれていたようだ。

藤垈の集落に降りると、直射日光がキツい。酒折駅までの12kmほどの道を、何度も休憩しながら歩いた。

今回は、久しぶりのテント山行で、肩と足が痛いけれど、やはりテントで泊まるのは楽しい。GWの後半も天気が良さそうだから、テント担いでどこかに行こうと思う。

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コメント

お疲れ様です^^
jondoeさん、ご無沙汰しております。

たまに拝見させて頂いていますが、毎回、毎回、素晴らしい記録ですね。
こんなに自由に山を歩けることが羨ましいです

王岳には三回目の宿泊だったのですね。
一度、王岳には行ったことがありますが、ここからの富士は圧巻ですよね。
私も一度で良いので、王岳からの朝の富士を拝んで見たいのものです。

水ノ沢山!!
初めて聞く山の名でした。
ルーファイ必須で難しそうな山ですね。
機会があったら歩いてみたいですが、中々、そこまで踏ん切りがつかないでしょうね。

お疲れ様でした
2013/4/30 0:28
お久しぶりです
aottyさん、コメントありがとうございます。

水ノ沢山へ向かう尾根は、ルートが少し分かり辛くて心配になりましたが、静かな山で良かったです。王岳からの朝の富士山は、この上なくいいです。

帰って来てから知ったんですけど、同じ日に富士山周回のトレランレース、ウルトラマウントフジ(161km!!)が開かれていたようですね。全然気が付きませんでした。天子山塊の方に泊まる計画だったら、大変なことになるところでした。

aottyさんとは、ちょうど2年前のGWに長沢背稜を歩いたときに遭遇していて、すごい体力の人がいるんだなと感心し、私もそのくらい歩けるようになりたいと思ったのを思い出しました。

それ以来、私も時々aottyさんの記録を拝見しているのですが、仕事が大変そうで、あまり山には行けていないようですね。今は、バンコク?ですか?

GW後半は、奥多摩の端の方を歩く予定です。今度もルートが怪しい所なので、どうなることやら...
2013/4/30 9:00
満喫
本当に毎回毎回凄く満喫出来そうな山行で自分にはとても参考に成ります。
後半のゴールデンウィーク後半の山行も見るのが楽しみです。
2013/4/30 18:07
boneさん、こんばんは
いつもありがとうございます。

あまり人にお勧めできるような山行ではないですが、参考になれば幸いです。

boneさんは、GWは特に山行無しでしょうか?次のテントは決まりました?
2013/4/30 20:45
プロフィール画像
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