【あわや遭難】春の万太郎谷バックカントリー
- GPS
- 07:52
- 距離
- 14.3km
- 登り
- 1,278m
- 下り
- 1,446m
コースタイム
天候 | 晴れ→曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
その他周辺情報 | 当日(2021.3.29)の積雪深 谷川岳天神平スキー場 240 湯沢中里スキー場 90 |
写真
装備
個人装備 |
バックカントリー装備一式
30mロープ×1
ハーネス
ガチャ
アイゼン&ピッケル&スキーアイゼンはなし
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感想
『ハイグレード山スキー』著:岳人編集部 を参考に万太郎谷バックカントリーへ行って来ました。
本の情報を見誤り、3月上旬に行った記録を4月中旬行った際の記録と勘違いしていた。そのため少し雪の少ない年ではあるが3月末でも行けるのではないかと突っ込んだら大変な目にあった(笑
山へ行く際には事前の情報収集が大事だと身をもって経験することになった。
前日まで現在受講している都岳連のガイド講習で谷川岳に来ていたため、そのまま残りどこか山スキーしようと考えて、ハイグレード山スキーを参考に良さそうな斜面が広がっていて滑走距離も長そうな万太郎谷を選んだ。
土合駅に車を置き、朝9時のロープウェーで天神平に上がった。
平日だけど登山者は多く青空の中快適に谷川山頂を目指して上った。
最初はシールで登っていたが、天神尾根コースは斜度がありアップダウンも連続するので、スキーは担いで登った方が早く行動できる
9時20分頃に出発し11時過ぎに肩ノ小屋に着いた。このときは歩きながら『車回収のために12:30までに土樽駅に下山できればスムーズだな』なんてのんきに考えていた。
肩の小屋で休憩がてら滑走できそうな斜面を探すも、山頂方面から万太郎谷へ笹が出て雪が繋がっていないように見えたため、雪が繋がっているか怪しかったが肩ノ小屋の脇からドロップすることにした。結果的にはぎりぎり繋がっていたが、万太郎谷の中盤から下部がひどかったためあんな感じの積雪なら万太郎谷へ入らない方が賢明だった。上部は35から局所的に40度くらいの急な斜面、雪は少し硬めだがエッジも立つのでルートファインディングをしながらゆっくり滑走していく
左の稜線から沢形状が合流してきて斜度も少し緩み快適になるがほどなくして前方に茶色が見える。『すでに沢の地が見えてる⁉』と焦るもデブリだった。ホッとするがここからはずっとデブリ地帯を下ることとなった。
三ノ滝まで来ると完全に大滝は姿を現しており、右左岸も雪は繋がっていない
藪を繋いで下降することも考えたがスラブ状なためツルっとしたまで滑りそうだったため、ハーネスを着けロープを出し右岸側を2回懸垂下降し雪渓上に降り立つ
出発前に友人に万太郎谷に行くと告げたら、「ロープ持って行った方がいい」と忠告を受けたのだが、本当に持ってきて良かった。友人に感謝である。
そこから先の二ノ滝もばっちり出ており板を担いで右岸を藪クライムダウンで下る
その先さらに行くと一の滝も出ており左岸を藪クライムダウンし、最後雪に乗るところが※ベルクシュルンドになっており、下がかなり深いので捨て縄を用意し、ロープを出して下っていく結果的に雪は崩落せずシュルンドに落ちることはなかったが。ここもロープがあってホッとした場所であった。
※ベルクシュルンド・・・岸(側壁)と雪渓の間に生じる割れ目のこと。
その先も下っていくが、ことごとく沢が現れ、水が流れ、またデブリの堆積もあったため、板を担いだりまた履いたりで時間がかかり、地図を見てもなかなか進んでおらずいつまで続くのか、またこの先はさらに悪くなっているのではと考えると精神的にくるものがあった。
大きな堰堤のとこまで下ると左岸側の上部に林道的なものを発見したのでそこまで登ると杉の木に黄色のペンキで印がついており、やっと帰れそうなとこまで出てきたと安堵した。そこから林道を滑っていき除雪終了点から30分ほど歩き土樽の駅に到着した。12:30どころか暗くなる直前の17:00過ぎの到着だった。
明るいうちに下山出来たのはほんとに運が良かった。
気持ちとしてはほとんど遭難していたようなもんだった。
今までスキーは機動力があって長い距離でも高速で移動できると考えていたが、今回のように沢が出ていたり何かトラブルがありスキーで移動できなくなった場合、機動力を当てに計画をしていた場合、スキーは重りにもなり下山がかなり大変になることを身を持って感じた。
<反省点>
・事前の情報収集不足に尽きる
→本だけでなく、雪の状況も含めてネットや行ったことある人に情報収集しておくべきだった。ヤマレコで記録を探したが、万太郎谷の冬の記録が見つからず「まぁいいか」とそれ以上探さなかったことも多いに反省である
<良かった点>
・間隔を空けずに山へ行っており、体力に余裕があったこと
→スキーを付けたザックを重く感じたが、体力・脚はまだ余力があったので精神的にまだ余裕があった。
・友人に万太郎谷行くと連絡していたこと
→ロープを持っていくようアドバイスをもらって結果的にロープに非常に助けられた。また遭難した場合にも行先を知っている人がいたこと。
・最近、気持ちが緩んでいたので引き締まった。
以上、万太郎谷の記録でした。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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8年前に同じような目に遭いました。今年は3月の積雪がなく雪どけが早いですね。最近の積雪量では万太郎谷に入れるタイミングはかなり限られるのかも知れません。自分の時はこんな感じでした。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-279930.html
コメントありがとうございます
記録見せていただいたんですが、Tomahawkさんのときもかなり苦労されてましたね笑
割れて雪が繋がってない沢ほど苦労するのはないですね
沢自体は長くて広くて快適そうだったので、デブリ少なく雪もしっかりと繋がっていそうな3月上旬くらいにリベンジしてみたいです
山スキー一年目にして死ぬかと思いましたw
万太郎谷にはその後沢登りでも行ったのですが、3つある大きな滝はどれも結構な大きさで、スキーを履いて落ちたらアウトな感じでした。自分の再訪はなさそうです...。お気をつけて!
1年目であの万太郎行ったら強くなりそうですね😆
そうなんですね、夏も良い沢だと聞いているので行きたいと思いつつ行けていないので、今シーズンは入渓したいです
再訪叶えばまた記録あげたいと思います
トマホークさんの過激な😆動画や記録いつも楽しみにしています、コメントありがとうございました!
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