【加越】大長山(1671m)鉢伏山(1549m)烏岳(1476m)取立山(1307m)こつぶり山(1264m)
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- GPS
- 11:52
- 距離
- 22.5km
- 登り
- 1,985m
- 下り
- 1,980m
コースタイム
- 山行
- 11:34
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 11:52
◆昭和32年、福井県民体育大会のために水場を探していて発見されたという水芭蕉群落。今や取立山を語る代名詞の一つにもなりました。
◆平成7年には取立山避難小屋が建設されました。
過去天気図(気象庁) | 2021年04月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
<東山いこいの森〜取立山>
国道沿いの「東山いこいの森」から歩いて夏の駐車場に向かいます。越前甲、加賀大日に見守られながら、高度を上げていきます。経ヶ岳は雲の下ですが、法恩寺山に流れる稜線が青空に映えています。これから向かう鉢伏山や烏岳も雄大。ワクワクします。
登山者の刻んだ足跡が融けて凍ってを繰り返し、美しいスプーンカットを造っています。斜めに差し込む朝陽が雪面に絶妙な陰影を刻んでいます。
さて、取立山の山頂です。白山連峰がドーンと視界に飛び込んできました。御前峰・大汝峰・白山釈迦・四塚・七倉・・・と、息を飲む美しさ。
<取立山〜鉢伏山>
雪どけのぬかるみ道から、取立平の雪原へ。うっとり歩きで雪の廊下を行く。板谷の頭を越えて鉢伏山へ。取立山を振り返ると、ゆるやかな起伏がシュガーパウダーをまぶしたようです。
先発の二人が、鉢伏山直下の木立のないスロープを登って行きます。どうやら烏岳方面にと向かうようです。
鉢伏手前のコルまで降ります。下山中のソロさんとスレ違いました。話を伺うと、大長山を狙っていたそうです。でも、いざ鉢伏山に立ってみると、身の危険を感じるほどの強風。それで、登頂を諦めて戻ってきたそうです。
続いて、ソロ男子が下山してみえました。その方も、同じ理由で大長山登頂を諦めたそうです。
私の計画に、さっそく黄信号が灯りました。
<鉢伏山〜大長山>
鉢伏山の山頂に立ちます。なるほど、容赦ない季節風の吹きさらし。みるみる体温が奪われる。別山方面にも雲がどっと押し寄せてきました。キョーレツな風。身体が不安定に振られる。目に氷のかけらが飛び込んでくる。さあ、どうする!?
ピッケルを握って耐風姿勢で、慎重に鉢伏山の東端に寄せます。大長山は視界を奪う存在感。巨大なウォールだ。まるで空母。そこにどっしり黒雲がのしかかる。
どこから攻める?この時期の、この時間帯に想定されるルート上のリスクを洗い出してみる。ダイレクト尾根は避けるべきか。細い岩尾根でヤブに阻まれるとか、雪崩れる危険は?
県境ラインの左に這い上がる雪渓はどうか。毛勝谷や猫又谷ほどの斜度はなさそうに見える。仕事は速そう。けれども、雪の緩む時間帯。無木立部分はもろ刃の剣だ。
私の練った安全策はこうだ。1387鞍部に立ち、稼いだ高度を出来るだけ失わないよう北尾根方向にトラバースする。ルンゼを2本渡ったところの急斜面を直上しつつ、北尾根に這い上る。
筋書きどおり、北尾根に這い上がった。視界を奪うガスは無慈悲に吹きつけるものの、コンディションは悪くない。
<大長山〜烏岳〜こつぶり山〜東山いこいの森>
ガスに巻かれながらビクトリーロードを歩いて山頂だ!思わずガキじみたガッツポースが出た。無骨な喜びがマグマのように吹き上がった。やったね。もう、どうにでもしてくれ(笑)。
赤兎山・経ヶ岳・大舟山・北岳・法恩寺山・烏岳・大日山・取立山・・・雪解け期限定の大展望に酔いしれる。
しかし、あっという間に体温を奪われる。指先が凍える。下山ルートをさぐろう。最初は、県境稜線の北に沿う雪渓を下降するプランを温めていた。だが、ブッシュ帯を回り込むうち、さらに北寄りのルンゼへ追いやられた。イッセーノでドロップイン。
気づけばワープするように1387コルに立っていた。鉢伏山に登り返して、余興の烏岳往復。さらに、板谷の頭だ。それから避難小屋からこつぶり山に到着。
滝谷ルートで下山にかかります。雪解け水が暴れる沢水の渡渉が厄介でした。さらに、大滝の巻き道がしんどい。しかも、谷沿いに切られた道は、いじわるな滑り台になっています。やたら時間がかかるなあ。この時期の谷間の崖道は波乱含み。疲れているからと言って、集中力を切らしてはいけません。
ようやく、地肌がのぞき始めた夏の駐車場着。ここまで来てようやく、じんわり幸せ気分に包まれました。
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