仙千代ヶ峰・遭難者捜索
- GPS
- 08:19
- 距離
- 4.3km
- 登り
- 830m
- 下り
- 823m
天候 | 曇り時々小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
4月の終わりから遭難されて行方不明の方の捜索に行ってきました。
さすがにこの時期はヒル地獄となり、多くのヒルに付きまとわれ、隊長は一匹お持ち帰りしてコーヒー飲むために立ち寄ったSAで血を吸って丸々と太ったヒルをポロリと落とされてました。
私もスパッツの裏側に居たヒルを退治している隙に、手首に吸い付かれてわずかながら献血してしまいました・・・。
今回は未捜索エリアのなかで、西斜面の鹿除けネットが切れたあたりから東面の急斜面エリアを探します。
で、いきなり作業用のモノレールに乗車します。とても険しいエリアなので、使えるものは使わせていただきます。なんだか採取された鉱石の気分でしたが、こんなのに乗れる機会はそうそうないでしょう。
これは4人乗りなので、全員運ぶのに都合3往復する必要があります。
速度も遅いので、レール沿いに歩けるところまで来れば歩きです。
そこで早速ヒル2匹がついてきました。シーブリーズをスプレーして退治します。
ここから尾根沿いを目指して急斜面を登るのですが、ロープによる確保が欲しいと泣きを入れたくなるほど、結構危険でした。落石は頻繁に、滑落しそうでビビリながらの登りは最強のM女史ですら大変そうでした。
途中で、先々週に嗅いだのと同じニオイがして、他にもあと2名の方もニオイに気づく。
ニオイのもとを探そうとしますが、北側に向かうとニオイは消えてしまい、南側は他の人が登っており何かあれば気づいてるはず。またどこかからニオイの塊が流れてきたのでしょうか。
標高を上げれば上げるほど、ニオイはしなくなって行きました。
ま、人間だけでなく鹿の死体でも同じようなニオイがするらしいですし。
苦労してP1042まで登り、以前に烏が鳴いていたエリアの説明を受け、お昼にします。
暑いのとハードな斜面なので水分がたくさん必要です。今回の消費量は2.5Lくらい。
お昼の後は、2人ずつに分かれて、数10m間隔で懸垂下降を含めた斜面の下降で調べて行きます。6班に分かれての下降です。
Toshiさんと私の班は、計3ピッチの懸垂下降でした。この辺りは岩も滑りやすく、大変難しいところです。
ただ、下降時は例のニオイは一切ありませんでした。
今回の遭難者は、いつも誰かに連れて行ってもらうというスタイルで、地図やコンパスなどはなく、携帯電話も持ってませんでした。(もっともこの山域は携帯がまったく通じませんが)
そんな人が、行ったこともない山、しかも道標もほとんどなく、林業用のテープが登山用のテープと同じもの、というようにどうぞ迷ってくださいと言わんばかりのところで一人になれば、どこに行かれたかを調べるのは至難の業です。
一人に放置して不安のある人は、例え用を足す場合であっても、視界に入る場所で留まるようにしましょう。
携帯は電波がつながらないと意味がないので、役立たないことがあります。
理想は無線機ですが、使えない方も多いので、近い距離であれば笛ですね。
これは比較的安いので、初心者を引率する場合は全員に笛を貸し出しできようにしましょう。
今回引率された方は、遭難者の身内の方から、相当な言われようだったらしいです。まるでお前が殺したみたいな感じで。
我々のように山の事情を知っているならともかく、そうでない一般の方々から見れば、そう捉えられても仕方ないでしょう。
突然の滑落、登山道の崩壊、落石、道迷い。
一緒に山に行った初心者の人がそうなった場合、どう対処するか、山に入る前によく対処方法を考えて準備しておきましょう。
その人が滑落死したとし、あなたが遺族と対面するシーンで、どう対処されますか?
お悔み?謝罪?言い訳?
ただ一つ、「もうこれ以上対処するのは現実的でない。これがベストだ」と思える準備とその時の対処をしていれば、もし遺族から罵声を浴びせられたとしても、そのまま受け止めることができると思います。それは、本当に、それ以上どうしようもなかったのですから。
コメント
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お疲れ様です、yuconです。
仙千代ヶ峰の件はまだ解決しませんか・・・ 。
ご家族とのやり取りなど現実的な部分も見えてきて、嫌な感じですが でも実際はこうなんですよね、物語ではないということですし生き残った方も重い十字架を背負っていくことになります、「岳」の中にもそのような話がたくさん出てきました。
各言う私も未だに昨年の事故のことを考えない日はありません、一日に何度も頭に浮かびます。どんなに忙しい一日でも頭に浮かび心に響きます。忘れるなど不可能でしょう。
でも意外と山に登っている最中は没頭しているせいか思い出さなかったりしますね、不思議なものです。
という訳で24時間「山」で没頭できるように「テント」なるものを調達いたしました 「テント泊してると思っていたら遭難しとったで〜」というようなことにならないように気をつけます、はい!
さぁ!記念すべき初テン泊地のお薦めを教えて下さいな、(ゴロ谷はダメよ! )
なんと…遂にテント買いましたか
デビューはクラシでしょうかね。
できればムフフでお願いします
Toshi42さん、momochan1967さん
かなり大変な現場ですね。
生き物も元気に活躍しているので、余計にきびしそうです
遭難の現実。また違う一面も少し分かりました。
自分のことで、残された家族にだけでもきちんと責任が取れているのかというと、下を向いてしまいます。
山行は、初心者がほとんどのパーティーが多いです。
まさに連れて行ってもらってる人ばかりです。
笛は、パーティーみんなで確かめるようにします。
私も今回の件で、簡単には初心者を山に連れて行けないな・・・って思いました。
ちょっとした油断で滑落死するようなところがあれば、そこを避けるか、あるいは面倒でもビレイするべきでしょうね。
もし事故が起きて、民事裁判になったとき、引率者でリーダーであればそういう点を突かれるでしょうから。
難しいかな、リーダー湿布!
今回の仙千代捜索は難しいです。
全くイメージが湧きません。
私達がこの山域に慣れていないのもありますが、地図も読めない、持たない初心者が初めての山で独りになった時どのような行動を取るのか。
林業用の作業道と獣道が縦横無尽に交錯する迷路のような場所。
元気なうちはひたすら彷徨い歩いたのでしょうか。
遭難当時は雪も舞っていた気象条件です。夜は暖を求めて濃い藪の中や岩の隙間に潜り込んでそのままといった状況ですと探し出すのは本当に困難です。
この件の捜索は三重県南部在住の岳連の方達が中心になって捜索にあたって頂いています。
私もなるべく協力したいのですがなにぶん遠方なものでそう頻繁に向かうのは大変です。
早期発見と捜索にあたられる方々の安全を心より願っております。
yuconさんもとうとうテント購入ですか。
やはり最初の一夜はテーブルランドでしょうか。
でも夜中、ゴロ谷に落っこちないでね
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