仙元尾根 - まさに秘境、グミの滝は遠かった。


- GPS
- 09:52
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 1,683m
- 下り
- 1,689m
コースタイム
- 山行
- 6:29
- 休憩
- 3:14
- 合計
- 9:43
07:27 浦山大日堂BS
07:52 60号鉄塔
08:12 59号鉄塔
08:32 58号鉄塔
08:49 57号鉄塔
09:10 広河原分岐付近の尾根
09:57 大樽
10:45 仙元峠(昼食)
12:11 グミの滝分岐
13:38 グミの滝落ち口
14:14 山葵作業小屋
14:37 グミの滝東
14:47 山葵作業小屋復帰
(進退窮まり徘徊1時間)
16:35 グミの滝登山道入口(天目山林道)
16:50 シゴー平
16:56 天目山林道ゲート(細久保橋)
17:20 浦山大日堂BS
天候 | 曇り、時々日差しあり。割と涼しかった。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
浦山大日堂BSにトイレあります。 自転車を天目山林道ゲート(細久保橋)に置き、下山後の下りで利用しました。 天目山林道ゲート(細久保橋)手前には、3台程度の駐車スペースがあります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
※ グミの滝は見事(と言っても全景を見ていません)ですが、容易に近づける滝ではありませんでした。挑戦される方は、くれぐれも万全の態勢で挑んでください。(グミの滝登山道入口(天目山林道)から向かうのであれば、道迷い等のリスクは少ないでしょう。危険を感じたらすぐに戻れますし。) <登山道入口 〜 仙元峠> 仙元尾根は長い登りですが険しくはありません。踏み跡も明瞭で道迷いの危険は無いでしょう。また私は、57号鉄塔を過ぎてからは登山道を外れ尾根上を歩きましたが、多少の歩きにくさはあるものの問題ありませんでした。 <仙元峠 〜 グミの滝分岐> ほぼ尾根上を歩きましたが問題ありません。 <グミの滝分岐 〜 山葵作業小屋> 踏み跡不明瞭です。沢に出てからは更に道迷いの可能性が大きく、不用意に侵入することは非常に危険です。正確で詳細なルート図を持参し、高度な地図読み力、あるいはGPSが必要だと思います。 <山葵作業小屋 〜 グミの滝> 沢を遡るのは厳しそうだったので東側の尾根からの接近を試みましたが、踏み跡は当てにできないため、やはり高度な地図読み力、あるいはGPSが必要だと思います。また、グミの滝の下に下りるにはザイルが無いと危険だったので私は断念しました。 <山葵作業小屋 〜 グミの滝登山道入口(天目山林道)> とにかく荒廃が激しく危険です。 数回、渡渉や沢越えをするので増水時は無理でしょう。万が一そんな状況になってしまったら、早めに長沢背稜まで戻る決断をしましょう。 最初の渡渉場所では、沢沿いに下って行く途中で案内板も無く、対岸に明瞭な踏み跡も見えなかったので、渡渉すべき場所かどうかの判断が難しいです。(右往左往した様子はGPSログから確認できます。) また、その後も多くの崩落個所があり難儀します。橋が流された沢越えでは、ロープで5mほど下りそして上るのですが、ロープが細いうえコブもないので掴みにくいですし、ロープ自身で石を落としてしまうので注意が必要です。 繰り返しますが、この区間は、とにかく荒廃が激しく危険です。 <グミの滝登山道入口 〜 浦山大日堂BS> 天目山林道なので問題ありません。細久保橋にはゲートがあり、一般車はそこまでです。半分以上(?)は未舗装です。 |
写真
感想
いやはや、今日は次から次へとピンチの連続でした。
スタートから仙元尾根を登り、長沢背稜のグミの滝分岐までの5時間弱、ここまでは非常に快調でした。
天気は、雨が落ちてきてもおかしくないような曇天でしたが、気温は低めで最近にしては涼しかったと思います。仙元尾根に関しては、他の方のレコから大変そうな印象がありましたが、イメージが強すぎたせいか思ったより辛くなかったです。
仙元峠では誰もいなかったので少し早目の昼食を取り、「今日は半分が終わっちゃったし、後半はもっと楽しまなくちゃ」などと、余裕でグミの滝分岐に進みました。
と、非常に快調でした。ここまでは。ここまでは。
グミの滝分岐の標柱には、手書きで「道やや不明瞭」とありましたが、進んでみると「かなり不明瞭」でした。さすがにこの状況は慎重にならざるを得ません。赤テープを頼りに、登山ルートを外しては戻り外しては戻りし、わさび田跡(?)まで来ました。この辺に有名なバケツがあるらしいのですが、気付きませんでした。
そのわさび田(?)では、左を下ったため道を失い、戻ってから右の斜面の踏み跡に気付き、何とか復帰。その後も沢沿いを進み続け、グミの滝の落ち口らしき場所まで下ってしまい、引き返す始末です。単純な沢の横断と違って、沢沿いを下る途中での渡渉は、その判断が非常に難しいことを実感しました。
そんなことを繰り返しながらも、何とか山葵作業小屋近くのグミの滝入口に辿り着き、いざグミの滝を拝みに行こうと沢の上流を観察してみたところ、左右を崖に挟まれた沢のようで、私の装備で遡るのは厳しそうです。
途中、木の間から少しだけグミの滝を見ましたが、せっかくここまで来たのだから、なんとか下から全景を見たいと周りを調べると、上流に向かって左(東)側の斜面に向かっているような薄い踏み跡があったので、そちらから接近してみようと考えました。けっこう遠巻きする形でヤブ漕ぎもしながら近くの斜面まで行きましたが、ほぼ崖と言っても良いような急斜面を降りないと滝の下には行けません。これ以上の無理は禁物と、木の間からの姿で我慢し引き返しましたが、水量と瀑音から想像するに、さぞ見事な滝なんだろうなぁと思いました。
(注:私は沢沿いを遡ることを断念しましたが、後で他の方のレコを見てみると、沢沿いを行けたのかもしれません。もっと良く調べるんだった。(涙)
もう後は帰るだけ、という気分で山葵作業小屋の前を通過して行くと、忽然と道が無くなりました。明瞭な踏み跡が「沢を避けるように右に下りながらスーっと消えている」のです。消えた先は踏み跡はおろか、とても歩ける状況でもありません。今までもいろんなピンチを何とか切り抜けてきましたが、進める方向が無く進むべき方向もわからない、これはさすがにマズイと動悸が高鳴るのを感じました。
しばらく周辺を観察しましたが何の手掛かりも得られず、山葵作業小屋を過ぎ1Km近くを戻ってどこかに分岐らしいところが無いか探してみたものの、これもダメ。どうしたものかと再び山葵作業小屋近くまで来ると、なぜかそれまで気付かなかった標柱が目に付き見てみると、シゴー平はさっきの行き止まりの方向だと示しています。「やはり、少なくともあそこまではルートであることに違いないんだ。」と確信し、またまた行き止まりまで行き、さっき以上に観察していると、確かに踏み跡は、「沢を避けるように右に下りながらスーっと消えている」けれども、右に曲がっているのは、私と同じように一旦困った人の踏み跡で、本来の道は沢に向かっていたんじゃないのか、つまり元々ここには橋が架かっていたのではないのか、という可能性に至りました。そんな期待をもって沢の反対側を見ると、斜面の上の方に踏み跡と言えなくもないような線があるようにも見えます。
もう、考えるまでもありません。選択肢は2つだけ。沢を越えて踏み跡に巡り会うか、日没覚悟で来た道を戻るかです。沢を越え斜面を登ると・・・・・これは・・・まさしく踏み跡でした。おぉ神よ!
とまぁ、進退窮まってから脱出までの約1時間でした。
たぶん橋があったんだろうと思いますね。逆ルートであれば反対側の道が下に見えるので、全く悩む場所ではないのですが、方向が逆なだけでリスクはこんなにも違うことを再確認させられました。
この後も、これでもかというほどの荒れた道の連続で気が抜けませんでしたが、あれ以上の窮地に追い込まれることは無く、天目山林道に出た時には思わず大きな安堵の溜息が出ました。シゴー平にあった小ぶりの神社では、小銭を持っていなかったのが悔やまれますが、無事に帰してもらったお礼を言いました。
林道ゲート(細久保橋)に置いておいた自転車で浦山大日堂BSまでを下りながら、「今日は本当にギリギリのところで救われたなぁ」と、心から思いました。それとやっぱり、グミの滝、しっかり見たかったなぁとも。
コメント
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なんか、読んでいるこちらもハラハラしました。
こういう時に冷静な判断力が試されるんですかね
最近はkinoeさんの、地図に無いような道を行くシリーズが好きで
毎回楽しみにしていますが、キケンな思いをしているのを考えると、
楽しみとか言ったりしたらよくないですね。
何はともあれお疲れ様でした!
hiroumiさん、こんばんは。
今回こそは、ダメ(引き返す)かと本当に思いました。
が、なんとかギリギリのところで救われた感があります。
んーただ、この結果が今後の自分にとって、吉だったのか凶だったのか・・・この辺で引き返す経験をしておいた方が良かったのかも・・・と真面目に考えたりもします。
と思いきや、一方では、このギリギリ感が求めているものだったりもするので、困ったもんです。
あ、別にシリーズにしてないですからね。ハードル上げないでくださいね。
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