燕岳 テント泊を梅雨に楽しむ秀峰
- GPS
- 32:00
- 距離
- 14.4km
- 登り
- 1,712m
- 下り
- 1,696m
コースタイム
登山者駐車場 6:13
登山口 6:24 山頂へ向けて出発
第1ベンチ 7:05
第2ベンチ 7:44
第3ベンチ 8:20
富士見ベンチ 8:54
合戦小屋 9:36 スイカを食べて休憩
燕山荘 11:26
テント設営 他
テント場 12:48 燕岳山頂へ向かう
燕岳山頂 13:12
テント場 14:01
7月2日
起床 3:30
朝ご飯 4:30
テント場 4:53 蛙岩に出発
蛙岩 6:25
テント場 7:13
燕山荘 8:16 名残惜しいが下山開始
合戦小屋 8:57
富士見ベンチ 9:29
第3ベンチ 9:55
第2ベンチ 10:25
第1ベンチ 10:48
登山口 11:19 お疲れ様でした
天候 | 7月1日 曇り 時々 小雨(AMラジオに雷の雑音が混じりましたが、ひどく成る事は有りませんでした) 7月2日 曇り 標高2300m以上が雲の中で、時折吹く風によりガスが飛ばされ近くの山なみが見えた程度です。 下山時の登山口は、暑いくらいの日差しが有りました。 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ルートは明瞭で迷う心配は無し。 合戦小屋を過ぎると、所々に残雪有りますが、アイゼンの必要はなし。 |
写真
感想
5月の初めに蝶ヶ岳、6月の初めに常念岳と順当に北上してきた常念山脈登山ですから、7月の初めは燕岳にしようと決めました。
大天井岳はって? 大天井岳は8月の常念山脈縦走時に、初めての頂上が一つも無いのでは寂しいかなと考えて、一個飛ばしにしました。
午前2時起床、自宅出発は午前2時半。
自宅近くの東海北陸自動車道の美濃インターから高山目指して北上、未明の時間でしかも月曜日とあって、自動車道はガラガラ。
順調に進んで、阿房トンネルを抜けて長野県へ入る。
安曇野のコンビニで弁当を買って、コンビニの駐車場の車内で朝食タイム。
中房温泉までの林道は、どこの登山口でも同じ様な物で、くねくね曲がりながらの狭い道路が延々と続く。
あまりに林道が長いんでトイレが我慢出来なくなり、登山口手前のロータリーまで車で行ってトイレを済ませてから、第一駐車場に戻る。
平日ゆえ駐車場は余裕の空き具合で、その時駐車してあった3倍位の台数が止められそう。
こんな時は平日休みの恩恵を感じる瞬間だ。
そんな事で喜ぶHandMの器の小ささが分かるのであった。
人気のある燕岳だけあって、登山口で登山届を出したり、写真を写してる間にも、一人二人と登山客がやって来る。
「ボチボチ行きましょう」と、ゆっくり歩き始める。
連れは2週間前の「白山 平瀬道から」で痛めた膝の具合が本調子では無く、まだ足を引きずるが、なんとか成ると言ってダブルストックで挑戦する。
第一ベンチには水場が有り、それをあてにしていたHandMは、プラティバス2リットル用を2個持って水場まで下りて行った。
樋の様な物が有って水を汲めると思っていたら、山肌に開いた穴から水が湧き出していて、そのまま小川の流れに成ってしまっているではないか。
柄杓がないと水が汲めないぞ・・・
今来た道を休憩所まで走って上がり、ザックの中からコッヘルを取り出し、再び走って水場に帰る。
コッヘルを使い、数回の水汲みで4リットルの注水が出来た。
今回の山行では、小屋で水を買わないで済ませようという魂胆だ。
燕山荘のHPには、水は貴重なので、出来れば持参して・・」と言う様な事が書いて有った様な気がしたから。
水で4リットル分の重さがきっちり増えたザックは、肩に食い込むし、腰にもずっしりと来る。
おまけに、膝の痛い連れを気遣って、ほとんどの装備をHandMのザックに入れてあるから、結構な重量の筈だ。
しかし、はたしてどれだけの重量が有るのかは、恐くて計りもしなかった。
きっと、6月の常念岳山行よりも重いと思うだけだった。
同じ様な間隔で設けられた休憩所は、登山者にとってかなり優しい。
苦しいけど、もう少しで次の休憩所が有ると思うと、気持ちが楽に成る。
しかし、荷物が軽く成る訳ではない。
順番に休憩所を過ぎて、合戦小屋に上がってきた。
多くの登山者が休憩している。
燕山荘方面から下って来た人、これから燕山荘方面に向かう人。
それぞれの人が一様に笑顔である。
山行は苦しいけれど、人を笑顔にさせる力が有るんだと実感できる瞬間だ。
膝の痛い連れは遅れて登って来るので、合戦小屋のベンチにザックを置き、身軽に成った体で来た道を走って下りる。
程なくして連れが登って来たので、そのザックを受け取って、合戦小屋に戻る。
夫婦はなかなか難しいのである。
合戦小屋のスタッフは荷揚げに追われて、小屋の売店は無人君だ。
勝手に商品を取る訳にも行かないので、作業している荷揚げケーブルの所まで呼びに行く。
スタッフが小屋の方に走り下りたのにつられて、HandMもその場から小走りに下りようとしたら、ぬかるんだ斜面に右足が滑り、尻もちをついてしまった。
登山パンツはどろどろ・・・トホホで有る。
手にしたタオルを水に浸し、登山パンツの泥をぬぐう、タオルはパーである。
名物のスイカを買い、あまりの美味しさに画像を撮るのも忘れて、かぶりついてしまった。
本当に甘くて、果肉もしまって居て美味である。
燕山荘は時々ガスの合間をぬって姿をみせる。
燕山荘手前の冬道の急登までやって来たHandMだが、ここで大きくペースダウン。
シャリバテを起こしてしまって、足が進まない。
5歩程歩いては、肩で息をしながら休まないと、足が動かない。
気力だけで急登を登り切り、燕山荘到着・・5時間を費やして到着した・・苦しかった。
燕山荘の玄関を入ってすぐの、右手にあるカウンターでテント設営の受付を済ませ、「幕営手形」を受け取る。
連れのザックをテント場に置き、幕営の場所だけ押さえておいてから、燕山荘前の広場で昼ご飯にする、時間にして午前11時過ぎで有った。
かた焼きそばにレトルトの中華丼の素を載せて、チャンポン風にして頂いた。
シャリバテのHandMには、すこし足りない昼食の量であった。
第一ベンチを過ぎた辺りからずっとガスの中を歩いている状態は、燕山荘に到着しても変わらず、燕山荘から燕岳の山頂さえ見えない。
とうぜん槍ヶ岳や穂高連峰も見える筈は無いのである、3回目の常念山脈登山で、初めての悪天だ。
テント場はほぼ一面が残雪の上にある状態は、この2カ月ほど変わって居ない様子である。
唯一一か所のみ土の地面が出ている区画が有る。
そこが連れのザックを置いて押さえて置いた場所なので、テントの出入りでいちいち雪を踏む必要が無い。
テント設営を終わり、燕岳の山頂くらいは、今日中に踏んでおこうと出発。
しばらく進むと燕岳も見えないし、後を振り返って燕山荘も見えないと言う状態に成る。
登山道はしっかりして居るので、道を失う事は無いが、連れと見合わせる顔は苦笑いにしかならない。
見晴らしが良ければ北燕岳にも行きたかったが、あまりの視界の無さに行くのを見送り。
テントに帰っても時間が早く、晩御飯を食べるわけにもいかないので、燕山荘に行ってビールでも飲むことにした。
燕岳で生ビール・・・これ以上に無い魅力的な響きに、血圧の事や血糖値の事など忘れ去り、「生ビールの大を一つ」と、大きな声を出していたのである。
一杯の生ビールを連れと仲良く分け合いながら、燕山荘のライブラリィの高山植物図鑑をめくって見る。
先ほどまでに写してきた高山植物を、デジカメで確認しながら、図鑑と照らし合わせるの有るが、「コマクサ」くらいしか理解できない頭脳に、笑しか出ない二人なので有った。<爆
結構な時間をかけてビールを飲み干して、テント場に帰る。
もちろん燕山荘のスタッフには、丁重に礼を告げてからである、挨拶は大人として当然なのだ。
晩御飯用に1合半の米を炊くが、例によって焦げやすいチタンコッヘルは、今日も気難しい。
おまけに途中で雨まで降って来たから、テント内調理場に場所を替えて、続きを炊き上げる。
炊きあがった白飯を、中華味のチャーハンに仕立てる。
マルシンハンバーグを焼き、マヨネーズを載せる。
フリーズドライのキムチスープも一緒に頂いて、御馳走さま。
連れは思ったより食欲が無く、チャーハンをほとんど残してしまった。
捨てるわけにもいかないから、明日の朝食用に保存しておいた。
霧と雨で視界も利かず、外を歩き回る訳にも行かないし。
5時間の登りとシャリバテで疲れた体は、満腹感を感じると同時に眠くて仕方が無くなった。
午後5時半頃にはすっかり本格的に眠ってしまい、目が覚めた時には午後9時半で、すっかり夜中と成ってしまっていた。
その午後9時半には「満天の星空」で、燕岳山頂で御来光を見られるという希望が開いてきた。
寝ている連れを無理やり起こし、星空を見る様にいった。
今回のシュラフはモンベルの#3で、ULスーパースパイラルダウンハガーとか言う奴だ、それにイスカのウェザーテックとかいうシュラフカバーをかぶせている。
HandMにはちょうど良かったが、同じ物を使ってる連れには少し寒かったようで、ホッカイロを足に貼り付けたようだった。
午前3時に目を覚まし、テントのジッパーを下げて外を見る・・ガ〜〜んッ
星は何にも見えないどころか、顔にヒヤヒヤあたる霧まで感じる。
御来光どころではない天候のようだ。
目をつむって明るくなるのを待とうとするが、昨日午後5時半には眠りに着いてしまったHandMであるから、眠れないのである。
30分程我慢してから、起床とする。
隣のテントの「獣のごとき」寝息が耳についてしまったのと、もうひとつの隣のテントが片づけを始めたので潮時であった。
朝ご飯用に米を炊き、昨日の残りのチャーハンを合わせたら、結構な量の朝ご飯に成ってしまった。
おかずの魚肉ハムと粗挽きウインナーの炒め物、さらに生卵を使った目玉焼きも合わせると、食べきれなかった。
残った白飯をおにぎりにしたら、十分な大きさの物が2個も握れてしまった。
それは昼ご飯の出来あがった瞬間だった。
蛙岩(ゲエロイワ)を見に行く。
大天井岳まで行ける物なら行きたかったが、燕山荘から往復6時間近く掛かるらしい。
時間が足りないから、今回は蛙岩までとする。
蛙岩行きは一番の目的は雷鳥を見る事だった。
ガスで視界は悪いから、雷鳥を見られる確率は高いはずだったが、HandM達はついに雷鳥の姿は見る事が出来なかった。
わりと近くで聞こえる「グァ〜グァ〜」という雷鳥の鳴き声は何度も聞いたのだが。
蛙岩は燕岳から大天井岳までの稜線歩きの途中に有る。
燕山荘からゆっくり歩いて30分ちょっと位であるから、近い物である。
しかし、その行く手を遮ってしまうその岩は、登山者が「ここから先は進めない」とあきらめてしまうほどの威圧感を放ちながら、立ちふさがる。
夏道は向かって左側の岩を巻きながら進むが、足元は数十メートル切れ落ちた崖である。
掴む所も乏しい岩は、積雪期には滑落必至で危険すぎる。
そのため冬道と言うのが、蛙岩の割れ目に付けられている。
雪の無い今でさえ通りにくいその割れ目では有るが、崖下に滑落するよりはましである。
HandM達は、一旦蛙岩を大天井側に夏道で通り抜けてから、折り返し冬道を通ってみた。
あの岩の割れ目の通り抜けはクライミングというので有ろう、HandM達には積雪期は無理である。
燕山荘への帰り道にも雷鳥を探すが、まったく今日は嫌われているんだろう、見る事は無かった。
雨と霧でべったり濡れたテントを片付けザックに押し込む。
濡れた分重さが増しているので、いっそう重くなってしまった。
連れは昨日よりは膝の具合は良いらしいが、下り道は一層膝への負担が大きいので、ほとんどの装備をHandMのザックに押し込んだ。
連れの60リットルのザックの中には、折り畳み式のウレタン製のシュラフマットが2個入ってるのみで有るから、驚くほど軽い。
しかし、かさばるシュラフマットのお陰で、外から見るザックの膨らみ具合は半端じゃない。
その大きさはパンパンに成ったHandMの70リットルザックに負けてはいない。
なんか、いい所だけを持っていかれている気がするが、夫婦はこんなもんだ。
燕山荘に「幕営手形」を返しながら、お世話に成ったお礼を告げる。
スタッフ全員に教育が行きとどいたよい山小屋で有ると思う。
次回は小屋泊でも、いや小屋泊がいいなと考えさせる燕山荘で有る。
膝をいたわりながら下山開始
順調に高度を下げ、合戦小屋に到着。
今日はスイカ売り場にスタッフが二人も居る。
昨日そうしてくれていれば、HandMは泥の上でコケなくてすんだ筈だ。
コケた事さえ他人のせいにしてしまう傍若無人な奴である。
2人も居て、せっかくなんでカメラを向けると、ポーズを作って愛想を振りまくスタッフ。
しかし、今日は買わないよ、ごめんね。
下りは何時も辛さが倍に成るので好きではない。
あとちょっとが遠くて仕方がない。
なんとか、やっと登山口に到着、3時間ほどで下山出来たので、膝の痛さを加味して考えれば、上等で有ろう。
良く頑張りました、わが連れ!
登山口のベンチで、お昼ご飯にする。
握って置いたおにぎりと、フリーズドライの雑炊、後は緑茶を入れて簡単に済ませる。
昨日から同じルートを歩いて、時間もほぼ同じだった群馬から来て居たK沢さんの御夫婦も登山口に下りてきた。
少し話してると、中房温泉の立ち寄り湯に入って帰るとおっしゃる。
HandMはその湯の割引券を印刷して持って来て居たので、一緒に入浴料金を支払って、お得にしましょうと相談。
一枚の割引券は、5人まで使えるし、一人200円も割引きに成るのだ。
700円の所が500円で入浴できるので、本当にお得だ。
一時間以上も湯に浸かり、K沢さんとお話ししながら、汗を流した。
天気はあいにくであった、視界は利かず雨まで降られてしまった。
しかし、山はイイ・・楽しい山行で有った。
終わってしまえば、霧と雨を楽しんだ今回のテント泊山行で有った。
次回はぜひスカッと晴れた日に登頂したい物で有る、HandMはそれをリベンジとは言わない、なぜなら山は復讐する相手では無いのであるから。
無事に下山出来た事をいろいろな物に感謝しながら、帰途に着いた。
なぁ? 来週はどこに登ろうか?
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