3回目の富士山で暴風に会う―富士登山は富士山信仰の行事のひとつ
- GPS
- 23:00
- 距離
- 12.7km
- 登り
- 1,511m
- 下り
- 1,511m
コースタイム
スバルライン5合目08:30
8合目12:00
7/7
8合目03:00(大渋滞により停止時間が長い)
吉田口山頂05:30
6合目07:00/07:30
スバルライン5合目08:00
天候 | 暴風、8合目〜山頂は暴風に雨混じり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
高尾05:43(JR中央本線) 大月06:19/6:22(富士急行) 河口湖07:14 河口湖駅07:20(富士急バス) 富士山五合目08:15 復路: 富士山五合目08:30 河口湖駅09:15 河口湖09:37(富士急行快速富士登山電車) 大月10:39/10:57 高尾11:47 |
コース状況/ 危険箇所等 |
山頂付近は風速が強いと体感温度が氷点下に。 登山道大渋滞で動けないときにウェアに霜がつきました。 |
写真
感想
前々から今年は母が還暦を迎えるのだが、その記念に富士登山をしたいと言っていた。
が、今年は「タイミング悪く」、富士山が世界文化遺産に指定されてしまったので、今年の富士登山はやめようと思った。
4年前に登った時↓のあの混雑がさらに助長されているかと思うと登る気持ちが起こらない。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-175644.html
が、この週末の天気がいいと分かった時点で、ツアー登山とかの開始は海の日の連休あたりからだろうから、富士山に登るならこのタイミングしかないなと思い登ってきた。
通常富士登山は日の出に合わせて登る人が多いので、それを避けて日帰りにすることにした。
コースタイム平均で登り5時間下り2時間程度なので、余裕を見て8時間としても朝8時〜9時に登り始めれば、夕方までに十分下山することができる。
が、結局は山中で1泊することになってしまった。
太平洋高気圧が張り出してきていたのだが、ちょうどその北縁にあたっていたため高気圧のヘリをつたって湿った南西風が入り、山頂部に笠雲がかかり、その中は暴風になってしまったからである。
8:30に富士スカイライン5合目から登り始めたのだが、標高を上げるにつれ暴風が吹き下ろしてくる。
瞬間風速は20m位になっていただろうか。気を緩めると転倒しそうなくらいの風である。
斜面を登っている間にそういう風が吹き下ろしてくるので、ずるずると下がってしまうこともあるくらいだ。
細かい火山礫も飛んできて顔とかに打ち付けてきて痛いし、眼鏡も傷がつきそうだし、来なきゃよかったと思った。
そんな中でTシャツ短パンのトレラン姿の人を何人も見かけたが、寒さで足が痙攣したりしないのだろうかと思った。
そんなこんなでもなんとか標高を上げ、3時間半で8合目に到着。
ここまで来るといよいよ笠雲の中に突入したのか暴風が吹き荒れている。
富士山ホテルの前で写真を撮っていたら、突風が後ろから吹きつけてきて、帽子があっといまに天空に吸い込まれていってしまった。
その事件で気力がなくなったこともあるし、暴風がさらに強くなっていてこのまま山頂に行って日帰りで下りるには危険そうだったので、山小屋に泊まることにした。
が、時間はまだ正午。これから15時間近くもこの狭い山小屋でどうすごせばいいんだと思ったのだが、そこで新田次郎の『富士に死す』を発見した。
これは富士登山講の5代目6代目を題材とした江戸時代の話なのだが、すごく面白かった。
富士山を食い物にして儲けている輩が多いというところなど今と同じだ。
富士登山で命を落とすことを「御改(おんあらため)」というらしい。
あんな暴風の中「御改」にあわず、帽子が吹き飛んだだけで済んだのは浅間大菩薩の思し召しだと思った。
そして、新田次郎の『富士に死す』のおかげで山小屋での時間もあっという間にすぎ、7日は3時から登山開始。
この時間から登って下りれば5合目の始発バスに間に合うからなのだが、ちょうどこれは日の出=御来光を目指す登山者と一緒に登ることになり大渋滞必至だ。
が、富士登山講の本を読んだこともあり、富士登山というのは登山というより富士山信仰の行事のひとつだと思い、我慢することにした。
が、思ったよりこの行事は苦行であった。
渋滞したらコースタイムどおりの時間になるだろうと思っていたのだが甘く、完全に止まってしまっている時間も多く、コースタイム1時間半のところ、実に2時間半かかったのである。
正味1時間は完全に止まっていたのである。
いつになったら動くか分からない行列の中で止まっている間は暴風でかなり寒く、「御改」にあってしまうかと思った。
ウェアに霜が付いたりしたので、体感温度は氷点下になっていただろう。
吉田口山頂に付いた時点で、山頂は暴風雨だった。
前回の富士登山で富士登山の醍醐味はお鉢巡りにあることが分かったので
お鉢巡りをしたかったのだが、こんな暴風雨では危険すぎるので諦めた。
富士登山というのは登山ではなく、富士山信仰の行事のひとつなのである。
前回ももう富士山には二度と登りたくないと思ったのだがまた登ってしまった。
そして今回は暴風雨にあってしまった。
そんな中で「御改」にあわなかったのはひとえに浅間大菩薩の思し召しである。
今回の富士山で気になったのが外国人観光客が多い割りに案内が不足していることだ。
上り一方通行の登山道を下りてくる外国人も多かったし、富士山5合目から河口湖行きのバス停も、バスが到着すると乗車口に向かって我先にと群がるという無法地帯となっていた。
確かにバス停には並んで順番に乗らなくてはならないなどとはどこにも書いていない。
バス停に並んで順番に乗るというのは日本人同士での勝手なローカルルールだともいえる。
ただ外国人に対してだけでなく日本人同士のトラブルを避けるためにも、上高地のアルピコ交通のように整理券での乗車を導入してほしいところだ。
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