ジョウラク〜飯森山〜桟敷ヶ岳〜石仏峠☆井戸祖父谷より城丹国境を周回
- GPS
- 06:06
- 距離
- 15.8km
- 登り
- 1,193m
- 下り
- 1,185m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・春日神社〜p472は林業作業道の踏み跡あり ・p472以南は鞍部まで多少の藪漕ぎがあるもジョウラク(井戸山)までは植林の尾根 ・ジョウラク〜ジョウラク峠の手前までは尾根沿いに新たな林道あり ・ジョウラク峠〜権現山 薄い踏み跡あり ・飯盛山の北尾根 踏み跡はほとんどない植林の急登 ・飯盛山〜桟敷ヶ岳 一般登山道 (今回下った桟敷ヶ岳の東尾根は途中から植林帯に出るまでは濃厚な藪であり、サルトリイバラが多いので到底、お薦めできない) ・祖父谷峠〜石仏峠は良好に整備された送電線巡視路 ・石仏峠〜地蔵谷は途中までは明瞭な古道が続くが、最後の地蔵谷への植林の下降で突然道が消失 (詳しくは感想参照) |
写真
感想
この日も京都のマイナーなルートを辿ることを考える。飯森山から石仏峠に至る城丹国境尾根を挟んで北側の桂川側は井戸祖父谷と呼ばれ、鴨川の源流となる南側の祖父谷の区別されるが、この井戸祖父谷側から城丹国境尾根を辿る計画とする。
井戸祖父谷川の桂川への合流点の近く、井戸町の春日神社の前の広地に車を停めると左岸の尾根に取り付くべく集落の奥へと入ってゆく。古風な民家の前で遊んでいた子供達には「誰?大工さん?どこ行くの?」と聞かれる。「山登りだよ」と答えるが、こんなところから登山する者は滅多にいないのだろう。子供達の訝しげな視線を浴びながら右手の竹藪へと入ってゆく。
竹藪を抜けて植林の尾根に取り付くと尾根芯には作業道と思われる薄い踏み跡があり、歩きやすいおねが続いている。p476を過ぎると植林が途切れ、尾根上は馬酔木の藪となる。鞍部へと下ると再び植林となり、歩きやすい尾根が続く。ジョウラク(井戸山)の山頂から北西に伸びる尾根に乗ると山頂までは緩やかな尾根が続くが、所々で倒木が散乱している。
ジョウラクの南側の斜面は2018年の台風により植林に多くの倒木の被害が出たところだが、倒木を処理するために真新しい林道が作られ、斜面はすっかり伐採されている。すぐ正面には飯森山から桟敷ヶ岳へと続く城丹国境尾根の好展望が広がるが、伐採斜面がなんとも殺風景に感じられて好展望を素直に喜べない。
昨年、ここを歩いた時には随所に倒木が散乱していたが、それらもすっかり処理されている。昨年と違うのは林道の谷側には延々と防鹿ネットが張られており、伐採された樹が所々で積み上げられている。この林道のすぐ近くにはエビネランの群落があったのだが、花は全く見る影もなくなっていたの何とも無念だ。今回のこのルート取りはエビネランの群落がどうなったかを確かめることが第一の目的であったのだ。
p656の前後も倒木が酷く、昨年は到底アプローチが困難であったが、今回はピークには難なく登ることが出来る。林道の終点まで歩くとわずかに植林の中を下ってジョウラク峠にたどり着く。
ジョウラク峠を過ぎると権現山にかけての自然林の登りに入り、明るい新緑の緑を目にするとホッと安心する。標高差100mほどの急登を我慢して登ることになる。権現山の山頂は山名標の類いは何もない雑木に囲まれた地味なところだ。
権現山からは再び植林の中を下って飯盛山への鞍部に至る。登り返しに入ると途端に斜面では多くのギンリョウソウが咲いている。この日に初めてお目にかかる花であり、今年初めてのギンリョウソウである。いつの間にかギンリョウソウが出てくる季節になったのかと思う。
飯森山にかけてしばらくは緩やかな尾根を登るが、やがて植林の急登を登るようになるとギンリョウソウも見かけなくなる。飯森山の山頂に至るとヤマツツジの花が出迎えてくれて、ようやく花らしい花に出遭うことが出来る。
飯森山から大谷峠に下るとクマ鈴の音が聞こえてきた。単独行の男性と出遭う。スマホでYAMAPの画面を見られており、「ここは飯森山ですか?」と訪ねられる。この日出遭った唯一の登山者であった。
大谷峠から東に尾根を辿ると鮮やかな新緑中で、ヤマツツジの朱い花々が咲き誇る。二重尾根の間を抜けてca780mに登り詰めると、防鹿ネットの張られた伐採斜面が北側に広がり、展望が広がる。辿ってきたジョウラクからの尾根、その向こうには鴨瀬芦谷山、卒塔婆山と続く丹波高地の山々を俯瞰する。左手の彼方には長老ヶ岳のシルエットが見えるが、右手に見える筈の比良のあたりはすっかり雲の中だ。
p842とその北側の小ピークca830mの間は自然林の林相が美しいところだ。折しも、雲の間から光が差し込んで、森が微笑むかのように一瞬、明るく輝いた。やがて南斜面は植林となるが、北側の尾根に乗り東に進むとまもなく送電線鉄塔にたどり着く。
二つ目の送電線鉄塔からは東西に好展望が広がるが
桟敷ヶ岳から石仏峠に進むのに登山道を辿るには一旦、ナベクロ峠に戻る必要があるのだが、水がなくなってきたので祖父谷の源頭で汲むため、一旦、祖父谷に降りることにする。山頂から北東に下る尾根は下生のない自然林が続いている。しかし、尾根の上部が快適だからといってそれがいつまでも続くとは限らない。下降するうちに馬酔木が密生し、それだけならまだしも藪の中には頻繁にサルトリイバラが現れるようになった。
右手に植林の斜面が見えてきたので、植林を下ると容易に祖父谷に下降することが出来た。沢の流れは細く難なく渡渉して林道に上がる。
祖父谷峠からはそのまま峠道を下っても良いのだが、トラックが往来する林道を長く歩くよりは石仏峠から地蔵谷へと下降する山道を辿る方が良いだろう考え、再び送電線巡視路を辿り石仏峠に向かう。しばらく前にここを辿った時は晴れてはいたものの黄砂による霞が酷かった。送電線鉄塔からの丹波高地方面の展望は曇りであっても同じ場所とは思えぬほどに明瞭に見える。
石仏峠に到着するとここから北に伸びる峠越えの古道へと入る。地図には記されていないが、明瞭な掘割の古道が続いている。滅多に歩く人はいないと思われるが、落葉が堆積している箇所はあるものの、驚くほど歩きすい。意外にも趣のある古道の雰囲気に石仏峠まで足を伸ばした甲斐があったものと一人ほくそ笑むのだった。
古道は地蔵谷の右岸をトラバースしながら緩やかに下ってゆくが、いいことは長くは続かない。植林の斜面に入り、つづら折りに下っていると忽然と道が消失している。植林の保水力の乏しい斜面が崩れて古道を埋めてしまったのだろう。斜面の下には地蔵谷の沢の流れが見える。植林の斜面を適当に下って谷に降り立つと再び道が現れる。沢沿いを下るとすぐにも廃林道に出た。後は長い林道歩きだ。祖父谷の林道と合流するとすぐに大きなトラックとすれ違うのだった。
今回の山行には残念な後日談がある。翌日の昼、ベッドの上でレコを書いていると、突然、大腿に虫に刺されたような鋭い痛みを感じる。寝間着をめくり上げてみると血を吸って膨れ上がったマダニが大腿の上で蠢いているのだった。刺し傷からは極めて小さいものであったが鋭い痛みは翌日まで続くのであった。あとは発熱しないことを願うばかりだ。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
私は18年9月の台風直後と言う時期に京北大野の小野内谷から井戸山、ジョウラク峠辺りを歩いたのですが尾根も南向き斜面も凄まじい倒木でした。でも井戸山のプレートは当時と位置も付いているベルトも変わってない様に見えます。
2年半ほど経つとあんな山深い所でも倒木の処理は進んでいるようですね。倒木1本1万円だか2万円だかと言われている様なのですが相当経費が掛かってそうですね。
私が行ったのは9月なので大した花は無かったのですが赤色の弾けた鞘と青い実の草が群生地していたのを覚えています。花の季節に行きたいと思いつつもまだ再訪出来てません。
真ダニは気を付けたいのですね。私は目が悪いので行動中に中々見つけられません。3年程前に年間10回ほど噛まれ、腫れは引かずに病院のお世話になった事もあります。その後2年は一度も噛まれません。同じ様な場所を歩いているのに何が違うのでしょうね。真ダニは山蛭と違い病気になるかも知れないので少し怖さがあります。
yjinさん コメント有難うございます。
ここは歩く人は非常に少ないのでyjinさんのレコにはすぐに気がつきました・・・というか、yjinさんの行かれるところはどこでも、とても興味深く拝見させて頂いております。
私も昨年の今の時期、yjinさんと同じように小野内谷からジョウラク(井戸山)に上がったのですが、谷は倒木で凄まじいことになっていました。
倒木が処理されて歩きやすくなったのはいいですが、皆伐されて地肌のあらわになった山を見るのは正直、あまりいい気分がしません。海老根蘭はもう見れないだろう・・・とは予想はしてはいましたが、複雑な心持ちでした。倒木一本にそれほどの経費がかかるんですね。しかも、林道を造成する費用も半端ではないでしょう。
昨日も山から帰ってすぐに風呂にも入っているのですが、マダニに気がつかないとは不覚でした。今日になってようやく刺された場所の違和感は柔らいで来ました。マダニが媒介する病気の恐ろしさはよく知っているのですが、京都は発生件数が少ないのが救いです。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する