ジョウラク峠〜飯森山〜天童山☆ついでに白ポコの花園にも
- GPS
- 03:56
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 803m
- 下り
- 806m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
小野内谷〜ジョウラク峠;かつては実線ルートだったが、荒廃いちじるしくかなりの難路、ヒルにも注意! ジョウラク峠〜大谷峠;薄い踏み跡あり 大谷峠〜天童山〜中江:良好に整備された一般登山道、しかし飯森山からはかなりの急下降、ロープあり |
写真
感想
この日はコロナ禍のせいもあってか仕事が少なく、テレワークを午前中で終了して午後に出かけることにする。この時期に見たい花があったのだ。北山にはいくつか白花の紅花山芍薬が咲く場所があるようだ。この花はシロバナの代わりにシロイロとも呼ばれ、呼称はいくつかあるらしい。
京都市内から芹生峠を越えるべく貴船に向かう。しばらく前は鮮やかであった青紅葉も色が濃くなり、川沿いの射干草の花もすっかり姿を消している。貴船奥宮に来ると崖崩れによる通行止の立看板がある。この県道は崩落による長期の通行止めから最近になってようやく復旧したところであったが、またしばらく通行止めが続くのだろうか。
花背から京北に回り込むと、登山の前にまずはその群生地を訪れる。おそらくこの群生地はネット上ではほとんど知られていないところではないかと思われる。花はまだ白ポコの状態で花弁が開いていないものも多いが、いくつかのものは花芯を覗かせていた。
山芍薬と違い雌蕊の先が大きく曲がっている・・・という特徴があるらしい。そして花の大きさも通常の山芍薬に比べて小さい。葉の色も緑が明るいように思われる。
白い紅花山芍薬を堪能するといざジョウラク峠に向かって登山開始である。小野内谷の林道沿いには蛇結茨(ジャケツイバラ)の花があたり谷間を黄色く染めている。上流の二俣に来たところで吃驚する。昨年は広い谷を埋めつくさんばかりに折り重なっていた夥しい数の倒木がすっかり処理されているのだった。倒木が処理された斜面でも蛇結茨が山肌を黄色く染めている。
まずジョウラク峠へと向かうべく、左岸の薄い踏み跡を辿って谷に入ると古い堰堤が現れる。左岸から堰堤を越えると一気に濃厚な緑の世界が広がっている。道はところどころで不明瞭ではあるが、そこはかとなく薄い踏み跡が続いている。いかにもヒルのいそうなところだと思い、こまめに足元をチェックしているつもりであったが、気がついたらかなり大きなヒルが早くも靴下に取り付いていた。
谷を塞ぐように横たわる多くの倒木を見ると引き返そうかとも思うが、一本ずつ乗り越えて行くしかない。谷奥に進むにつれて倒木は少なくなった。やがて谷を一面の下草に覆われるようになると、道はその中に消えてしまっているかのように見えるが、草の中にはわずかに踏み跡が続いている。この踏み跡がなければ、果たして谷を進む気になったかどうかだ。
植林を抜けて自然林になるとようやく谷が明るくなる。しかし、いつしか空は晴れ間がなくなり、曇り空が広がっているようだ。谷沿いの踏み跡を辿っているつもりだったが、ジョウラク峠が近づいたところで踏み跡が不明瞭になる。どうやら源頭を辿ると峠より少し南の尾根に出てしまうようだ。斜面をトラバースして峠に出る。
ジョウラク峠から谷の方をみると古道の跡らしき浅い掘割の道があるようではあったが、踏み跡を見失ったのは却って良かったと思う。嘆かわしいことに、古道と思しきあたりはゴミや廃棄物で埋めつくされており、とても歩けたものではない。峠は反対側から上がってくる林道の終点となっており、峠から大量のゴミを廃棄した輩がいたのだろう。
ジョウラク峠にも数株のシロバナの紅花山芍薬が咲いていた。ジョウラク峠からはまず権現山へと向かう。山頂直下までは馬酔木の間に明瞭な踏み跡が続いている。なぜか山頂部では途端に踏み跡が不明瞭になる。山頂部は馬酔木の藪が繁茂する植林帯であり、つくづく殺風景なところだと思う。
飯盛山への鞍部に下ると、再び掘割の古道が忽然と現れる。過去の山行では飯森山の山頂までいずれも尾根を直登しているのだが、今回は踏み跡を辿って大谷峠に出る。ジョウラク峠から大谷峠を経るこの道は京北と南の大森を結ぶ要路だったのだろう。
大谷峠は峠の南側は植林ではあるが、いつも東側の自然林の緑が鮮やかに感じられるところだ。飯森山にかけて城丹国境尾根に入り、なだらかな尾根を歩いてすぐに山頂にたどり着く。前回、二週間ほど前に歩いた時には山頂の周辺にはヤマツツジが鮮やかな朱色の花を咲かせていたのだが、すでにヤマツツジの花々は跡形もなく消えている。
山頂の南西斜面はかなりの急下降ではあるが、降りきったところで鞍部の北側に広がる自然林の新緑が目を和ませてくれる。次の反射板ピークの登り返しに入ると斜面に倒木が目立つが、倒木のせいで視界が開けたのだろう、振り返ると飯森山の円錐状のピークを望むことが出来る。
反射板を過ぎると天童山にかけての稜線も新緑の自然林が美しいところだ。天童山を過ぎると再び植林の林へと入る。
パラグライダー基地への分岐を過ぎて、わずかに南に下ると岩場の好展望地となり、東には比叡山、南に愛宕山、北西の方角には長老ヶ岳から頭巾山に至る長い稜線が見えている。重畳と連なる丹波の山並みの彼方では薄曇りの空が綺麗な琥珀色に染まっている。
この展望地を過ぎると茶呑峠まで一気に急下降の斜面を下ることになる。京北の細野から滝又の滝から伏見坂を経て天童山に至り、桟敷ヶ岳まで縦走したのは次男が小学五年生になった時であったが、この長距離を私と共に縦走したものだと今更ながらに感心する。
茶呑峠は祠の中に祀られているお地蔵様の石仏は実に立派だ。石仏の大きさがかつては京北と京都を結ぶこの峠道が要路であったことを無言で物語っている。茶呑峠から西側の林道を下降してしまうが、すぐに道を間違えたことに気がつく。
檜の植林の斜面をトラバースして、竜ヶ坂へと向かう古道に合流する。歩きやすいトラバース道が続くが、この道がまさしく京北に向かう古道だったのだろう。鳴野堂の石仏の傍の案内板にはかつてここに茶屋があったことが記されている。
さすがに時間が遅くなってきたので、早足で竜ヶ坂を下る。獣除けのフェンスの扉を開けて樹林から出るとほのかに琥珀色に染まった空が田植えを終えたばかりの水田に反射していた。
駐車地に戻り花背峠に向かうと別所の谷の右岸の山が今頃になって夕陽に染まっている。どうやら雲の下から夕陽が出てきたようだ。先ほど雲が広がっていた空はみるみるうちに晴れてゆく。鞍馬からの市原に出てくると西の空は綺麗な茜色に染まっていた。明日は天気が良さそうだが、午後にオンラインの仕事があるのが憂鬱だ。
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